「「「ううおおおおおーーーー」」」
ボスがポリゴンとなって消えたと同時にボス攻略に参加していたプレイヤーたちから喜びの声が上がった。中にはその場にへたり込む者もいた。何であれ、これでアインクラッドの半分がクリアされたのだ。これで残りはあと半分。 ...まだ半分もあるのか。
「ていうかユカ。あのソードスキルは何だよ。」
ボスを倒した余韻に浸っているとキリトが私に突っかかってきた。またキリトを筆頭に次々と攻略組のプレイヤーたちが押し寄せてきた。
「あれはエクストラスキルだよ。情報屋にも公開している。アルゴさんに調べてもらったけど取得条件がわからなかったから、多分ユニークスキルだと思う。」
「そ、それで、なんていうスキルなんだ?」
「剣舞っていうスキルだよ。」
「そう..か。見た感じすごい強いスキルだなぁ。」
キリトが興味津々だ。
キリトの後ろから深紅の鎧に身を包んだ血盟騎士団団長ヒースクリフが歩いてくる。
「ユカ君。騎士のボスを引き受けてもらってありがとう。はっきり言って君がいなければ戦線は崩壊していただろう。」
「いえいえそんなそんな。」
「また君の剣舞というスキルはとても強力なようだ。おそらく私の神聖剣と同じユニークスキルだろう。あとキリト君の最後の動きも素晴らしかった。二人の今後の活躍に期待しているよ。」
そういうとヒースクリフは血盟騎士団の人たちと次の階層への階段を上がっていった。あ。またアスナと話せなかったな。あとなんかキリトがヒースクリフが歩いていくのを微妙な顔してみてたけど、この二人って仲悪かったっけ?
血盟騎士団がボス部屋から出ていき、ほかのプレイヤーも次々に出ていった。
「なあ、ユカ。そのスキルっていつぐらいに取得したんだ?」
ボス部屋から街に戻る途中キリトがスキルについて質問してきた。
「えーっと。たしか最前線が45層くらいの時だったかな。」
「そ、そうか。ほんとに取得条件がわからないのか?」
「うん。思い当たる節が全然ないんだよねぇ。」
「ちなみにどんなスキルなんだ?」
「スキルの詮索はマナー違反だよ~。」
「そうだけど…気になるし。」
「まあキリトならいっか。家族だし。まず、剣舞のスキルはスキルスロットに入れるとすべてのソードスキルが使えなくなる。」
「はっ? いやでも、ソードスキル使ってただろう。」
「あれはソードスキルじゃなくて剣にライトエフェクトを発生させているだけだよ。剣舞のスキルはソードスキルは使えなくなるけど剣にライトエフェクトを発生させることでソードスキルを使う時と同じ速度や攻撃力を得られるんだよ。またライトエフェクトの色によって速度や攻撃力が変化するんだ。ソードスキルを使っていないからシステムアシストをうけた動きができないけど、技後硬直がないのが一番のメリットかな。まあ、片手剣ソードスキルとかは使えなくなるんだけどね。」
「それは…人を選ぶスキルだな。」
確かにこれは人を選ぶスキルだろう。事実プレイヤーが超人的な動きができるのはソードスキルのシステムアシストによって体が動くためである。攻略組であろうとソードスキルを使わなければ素人に毛が生えた程度の動きしかできない人がほとんどだ。まあ、キリトとかアスナとか一部は動きがいいプレイヤーもいるが。
「わたしもこのスキルをとるかどうか悩んだんだよね。」
「まあ、悩むよなこんなスキル。でもこのスキルならスキルスロットから外してまたいれても問題ないんじゃないか?」
「それがどういうわけか熟練度が設定されているんだよねえ。いま熟練度350くらいなんだけどスキルも増えないし。」
「なるほどな。でも熟練度が設定されているんなら最後まで上げれば何かしら出てくるんじゃないか。」
「それを信じてるんだよ。」
こうして私たちは街に戻っていった。
一人のプレイヤーが静かな部屋で左手でメニューを操作していた。
「ユカ君があのスキルを取得したか。剣舞のスキルが発現しているなら剣舞と同時に発現するあのスキルもプレイヤーの手にわたっているはずだ。
それよりも問題は50層のボスだ。ドラゴンが出てきたのはいいが、騎士のボスは想定外だった。カーディナルシステム。人の手を必要としないすべてを管理するシステムが本来の仕様から変更を加えているのか。いったい誰に似たんだか。
本当にこの先どうなるか楽しみだよ。」