キリトに双子の妹がいたとしたら   作:たらスパの巨匠

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兄の娘と妹

私たちは今始まりの街にを歩いている。記憶のないユイが始まりの街の景観を見ることで何かしら思い出さないかという事で歩き回っている。

 

「なあ、ユイ!なにか食べたいものはあるか?あのソフトクリームなんか美味しいぞ。」

 

「わあぁ~。美味しそうです‼」

 

「もう。買い食いの食べ歩きはダメだよ。」

 

…将来行き遅れたらこうなるんだろうか。そう、今の私はまるで兄が結婚して家庭を築いているにもかかわらず、実家にいつまでも居座っている行き遅れじゃないか。今の私の実年齢は16歳。今でさえなんというか、いたたまれない気持ちになるのに、将来どんな気持ちになるんだろう。

ていうか、学校は兄と途中から不登校、ゲームばっかりしてて一度も異性と付き合ったことがないのって女としてどうなんだろう。…あれ?私、男の友達いたっけ?もしかして私ってけっこうやばいんじゃ…

 

「ユカ!」

 

「ほっ!へ?なに!?」

 

「大丈夫?さっきから呼んでるのにボーッとしてるから。なんか気になることでもあるの?」

 

「ううん。大丈夫。」

 

「なにかあるならはっきり言ってくれよ?」

 

誰のせいだとおもってるんだ!!!

 

ユカのSAN値がものすごい勢いで削られているとき男の怒鳴り声が聞こえてきた。

 

「おい!ガキども!!お前ら税金を随分滞納してるだろ。金と装備を置いていきな。街中で死にたくはないだろう?ん?」

 

あれは軍の連中だ。軍のやつらが下層の人たちから税金を徴収しているというのは本当だったらしい。しかもアンチクリミナルコードが無効化されたことをいいことに、脅しまでやっているなんて。

 

「あいつら、許せないな。」

 

「ええ。」

 

「そうだね。」

 

キリトがユイを背負いながら私たち三人は軍の連中の頭上を飛び越え、軍と子どもたちの間にたった。

 

「なんだきさまら!!我々軍にたてつくつもりか!?」

 

「まあ、待て。にしても見ない顔だな。お前らちゃんと税金払ってるか?」

 

軍のやつらがまるでオモチャを見つけたような目で私たちをみる。

 

「ここは私がやるわ。」

 

「アスナ。私にもやらして。」

 

私は白雪を、アスナはランベントライトを鞘から抜く。

 

「ユイ。よく見ておくんだぞ。…ママとユカを怒らしたらどうなるかを。」

 

「ママとユカさん。…ユカさんはパパの双子の妹っていうことは…」

 

「ユイ?」

 

アスナとユカは軍の連中の装備をことこどく破壊していった。アンチクリミナルコードがないため街中で永遠斬られまくり、トラウマを植え付けることは難しくなったが、そのかわり大切に育ててきた装備を破壊されるのだ。鬼姫と夜叉に‼

軍の連中は蜘蛛の子が散るようにどこかに行ってしまった。

 

「ふう。」

 

「スッキリした。」

 

ほんと女性陣は逞しいよ。いやほんと。

 

「かっこよかったですー。ママ、ユカおばさん。」

 

 

 

 

 

後にキリトは語る。その瞬間確かに時が止まり、空気が凍ったのだと。

 

 

 

 

 

 

「さっきはごめんなさい。ユカおねえちゃん。」

 

時が止まり、ユカが灰色になったあとアスナの必死の説明によりユイはユカのことをおねえちゃんと呼ぶようになった。

 

「ハハハ。ダイジョウブだよ。気にしてないからね。ユイちゃん。」

 

とてもそんな、大丈夫な顔ではなかった。

 

(おい!ユカ。せめてもうちょっと顔をどうにかしろ。線とシワだらけだぞ。それじゃあほんとにおばさんだ…えっ、ちょっと待ってなにその目!な、おちつけ、はなせばわか、ぎゃあああぁぁぁーーー。)

 

ユカは鬼舞を発動させキリトを追いかけ回している。

 

「もう、何してるのよ。」

 

「あ、あの。」

 

アスナが声をかけられた方を見ると、子どもたちと一人の女性が立っていた。

 

「助けてくれてありがとうございました。」

 

「そんな、気にしないでください。」

 

「私はサーシャといいます。この近くで子どもたちと一緒に生活しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このサーシャさんという女性は始まりの街にいる小さな子どもたちの面倒をみているそうだ。この頃は軍が税金巻き上げているが、あまり余裕がないため軍に目をつけられているらしい。

 

「あの、ユイちゃんを、あの子を見たことはありませんか?」

 

アスナはユイのことを聞いてみたがサーシャは知らないとのことだった。

アスナは迷っていた。自分は攻略組だ。74層もいつボス部屋がはっけんされてもおかしくない。ユイを育てながら攻略組として活動することは不可能だろう。

かといって、記憶を無くし、自分のことをママと呼んでいる子に突き放すような真似をしてもいいのだろうか。

 

「ママ。」

 

ふいに呼ばれたアスナがユイの方に振り向く。

 

「私は大丈夫ですよ。でも、たまには会いに来てくださいね。」

 

ユイは目を潤ませてアスナにそう言った。アスナはたまらずユイのことを抱きしめた。

 

「絶対会いにくるから待っててね。」

 

 

そうしてユイはサーシャさんに任せることとなった。そしてその帰り道。

 

「早く現実世界に帰らないとね…」

 

「ああ、そうだな。」

 

「…よし!」

 

アスナが一歩前に歩みでて、

 

「明日、三人でパーティー組みましょう!」

 

 

 

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