キリトに双子の妹がいたとしたら   作:たらスパの巨匠

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親友は覚醒していたみたいです

 

ユカ達が第1層の地下ダンジョンに入った頃、その者達は動き始めた。

 

「しかし、本当に上手くいくんですか?」

 

そのうちの1人がその者達を統べるリーダーに問う。

 

「ああ。今軍の内部は2つに割れている。攻めるなら今しかない。それに根回しはしてある。」

 

リーダーである男は被っているフードの下で不気味な笑みを浮かべた。

 

「イッツ・ショウ・タイム」

 

そう言うと男は黒鉄宮の前にいる軍と思わしきプレイヤーからカギを受けとり、奥の方に歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユイがオブジェクトになったあと、ユカ達はダンジョンから出た。ダンジョンから出た後、3人に同時にメッセージを知らせる通知音が届いた。ユリエールからだ。

 

「キリト君!これ…」

 

「ああ。すぐに向かおう。」

 

「私は黒鉄宮の方に行くよ。」

 

「わかった。アスナはユリエールさんの所に向かってくれ。シンカーさんが狙われるかもしれない。」

 

「了解。」

 

「俺は転移門に向かう。」

 

ユリエールさんから届いたメッセージによると、黒鉄宮に収容されている犯罪者プレイヤーが次々と解放されているとのことだった。

 

 

 

 

 

 

 

ユカは黒鉄宮に向かい走っていた。その腰には二本の刀が携えられている。一本はユカの愛刀・白雪。もう一本は強力な麻痺効果を持つ・雷刃。

ユカは黒鉄宮に着くと唖然とした。そこは戦場。軍のプレイヤーと犯罪者プレイヤーが殺しあいをしている。おそらく何人ものプレイヤーがポリゴンとなったのだろう。地面には多くの武器が落ちている。

ユカは雷刃を手に戦場を駆ける。ユカに斬られた犯罪者プレイヤーは麻痺し、その場に倒れていく。ユカが来たことで軍のプレイヤーの士気があがる。

そしてほとんどのプレイヤーを麻痺させたところで、ユカは1人のプレイヤーに刀を突きつけ、確信を持って言った。

 

「pohはどこにいるの?」

 

「し、知らない。」

 

刀を突きつけられた犯罪者プレイヤーはラフコフではないのだろう。ユカの赤い目に睨まれおびえている。

 

「本当に?」

 

「あ、あぁ。」

 

ユカは突きつけた雷刃を黒く輝かせる。

 

「本当に?」

 

「そ、そ、そういえば軍のトップをとりにいくとか、攻略組を殺すとかラフコフの人たちが言っていたような気がする。でも、どこにいるかはほんとに知らないんだ。」

 

ユカはそのプレイヤーを斬りつける。

 

(軍のトップ…アスナがあぶない!!)

 

ユカはアスナの元へ走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトは転移門に転移結晶を使い転移した。

転移門には軍以外にも血盟騎士団のプレイヤーもいた。血盟騎士団としては転移門は必ず死守するということになったのだろう。しかし、犯罪者プレイヤーの数が多い。それにステータスでは有利だが、攻略組は人を相手に戦うことには慣れていない。その為状況は拮抗していた。

 

キリトは戦いながらある男を探していた。犯罪者プレイヤーを解放したであろうもの、pohを。犯罪者プレイヤーを解放したならば転移門に向かうはず。そう考え、キリトは転移門に来たのだ。さすがに転移結晶を人数分用意できたとは考えにくい。事実多くの犯罪者プレイヤーが転移門に来ている。そうだとすればまだ黒鉄宮にいるのか?いや、あの用意周到な男が黒鉄球でもたもたしている可能性は低い。先に自分だけ逃げた?あの男がこの状況を楽しまずに帰るとは思えない。考えられるとしたら誰かを狙うこと。軍のトップであるシンカーやキバオウ、ディアベル。この三人が狙われることはあるだろう。しかし、poh本人が狙う理由はあるのか?シンカーが犯罪者プレイヤーに狙われる可能性があるからアスナにシンカーとユリエールさんの元に行ってもらったが…

仮にpohがシンカーを狙っているとすればその理由はなんなんだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユリエールさん!大丈夫ですか?」

 

「ええ。大丈夫です。来てくれてありがとうございます。アスナさん。」

 

アスナはユリエールとシンカーと合流した。幸いにも二人のもとへ犯罪者プレイヤーは来ていない。

 

「とりあえず安全な場所へ転移してください。私の転移結晶を渡しますので。上層の主街区なら安全なはずです。」

 

そう言ってアスナはアイテムストレージから転移結晶を取りだし二人に渡した。そして二人が転移しようとした時、シンカーの背にダガーが刺さる。シンカーはその場に崩れ落ちた。麻痺毒だ。

 

「ワン・ダウ~ン。」

 

物陰から三人のプレイヤーが近寄ってくる。黒のローブやポンチョを装備したプレイヤー。そのうちの一人はアスナが忘れることはできないであろうプレイヤーだ。

 

「つまらない仕事が入ったと思っていたが、そうでも無さそうだな。閃光よ、元気にしてたか?」

 

アスナはユリエールとシンカーを庇うように三人のプレイヤー、poh、ザザ、ジョニーブラックと相対する。

 

「ユリエールさん。シンカーさんを連れて転移してください。私が時間を稼ぎます。」

 

「で、でも。アスナさん…」

 

軍のトップであるシンカーは知っているのだろう。アスナがラフコフと戦い、敗れていることを。

 

「大丈夫です。それより早く転移を。」

 

「逃がしてやるかよ~!」

 

ジョニーブラックはダガーをユリエールへと投げる。アスナはそのダガーを弾くが、pohがユリエールを一度斬った。

 

「くっ…」

 

「ユリエールさん!」

 

ユリエールのHPは半分以上残っている。

(しまった…多分ユリエールさんはアイテムがつかえなくなった。)

 

アスナはあの時を思い出す。自分が殺された時のことを。

 

「閃光。この前の続きと行こうか。

イッツ・ショウ・タイム。」

 

(体が震える。でも、私はもう、守られるだけなのは嫌だ。)

 

アスナの瞳が蒼く輝いた。

 

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