気が付くとそこは空だった。
上も下も右も左も空。私は夕日の中の空に一人立っていた。足元には見えない床がある。
「ここは?」
辺りを見渡すと、下の方にアインクラッドが見える。私たちが昇ってきた、空に浮かぶ城だ。
私はまだ生きているみたいだ。蘇生アイテムがあったからポリゴンになった瞬間死ぬわけではないと思っていたけど、ここは何のための場所なのか。
・・・こんな場所があるなら、最後にカズとアスナに会いたかった。
「なかなかいい眺めだろう。」
後ろで声がした。振り返ると、そこには茅場晶彦が立っていた。それもヒースクリフとしての姿ではなく、現実世界での姿だ。
「・・・これはどういうことなの?あの世界はどうなったの?」
「SAOは私が倒された時点でゲームクリアだ。生き残ったプレイヤーのログアウトは完了した。現在はSAOのメインフレームの全データの完全消去作業を行っている。」
生き残ったプレイヤーのログアウトは完了した。つまり、リズやエギル、クラインなんかは現実世界に戻れたんだ。
「そして、この場所は君と話がしたくて用意した場所だ。ひとまず、ゲームクリアおめでとう、ユカ君。」
「・・・キリトとアスナはどうなったの?」
「あの二人とは先ほど話をしてきたところだ。」
「・・・私も最後に二人と話がしたかった。」
「なに、この先話ができるようになるさ。」
「・・・どういうこと?」
「あの二人はまだ死んでいないということだ。それに、あの二人はお互いの名前を口にして、泣きながら抱き合っていたが、そんな場所に君を転移させるのは少々酷だと思ってね。」
・・・確かに、その場所に転移するのはきつい。それより
「私たちもログアウトできるの?」
「ああ。本来なら、プレイヤーがポリゴンになってからナーヴギアが脳を破壊するまで五分ほどかかるのだよ。これはナーヴギアの誤作動による脳の破壊を防ぐ仕様なのだが、アスナ君がポリゴンになってから君が私を倒すまで五分かからなかった。だから、君たち三人は死なない。」
よかった。また、カズに会える。探せばアスナにも会えるはず。
「まあ、キリト君とアスナ君にはこのことを伝え忘れていたから、二人はログアウトする瞬間まで抱き合っていたよ。」
この男・・・なかなかいい性格している。
「あなたはどういう目的でSAOを作ったの?」
「私は、子どもの頃空に浮かぶ鉄の城に憧れていた。そしてその城を、現実世界の法則を超越した世界を作り出すことだけを欲して生きてきた。そして私は、私の作った法則を超えるものも見ることができた。君たち三人には感謝しているのだよ。」
茅場がしたことは許されることではない。しかし、なぜか怒りが湧いてこなかった。
「生き残ったプレイヤーをログアウトさせ、メインフレームの完全消去ももうすぐ終わる。しかし、一つ問題が起きた。」
「問題?」
「ああ、現実世界の誰かがログアウトさせたプレイヤーを捕まえた。その捕まったプレイヤーは現実世界では目を覚まさないだろう。」
「いったい誰がそんなことを・・・」
せっかく生き残ったのに、まだ目覚めることができないなんて・・・
「犯人のおおよそ見当がつくが、証拠がない以上特定ができない。そこで、君に捕まったプレイヤー達を開放してもらいたい。」
「その方法は?」
「SAOのプレイヤーをそのまま別のサーバーに移していることから、捕らえられているプレイヤーたちがいるのはおそらくSAOサーバーをコピーした世界だ。そして、このSAOサーバーは個人が維持できるようなものではない。維持するだけでも結構な金額になる。そのため、この二年間で発売されたフルダイブ型VRMMOのソフトのサーバーにいるはずだ。コピーしたサーバーであれば、ある程度ステータスは引き継ぐようになるだろう。コピーしたサーバーを見つけるのはさほど難しくないはずだ。ただ、その際アイテムなどにバグが出る。それらはすべて消去してくれ。GMに見つかると面倒だ。そして、SAOサーバーのコピーである以上、ゲーム内にシステムコンソールがあるはず。それを操作して捕らえられたプレイヤーを開放してもらいたい。」
それはかなり難しそうだ。結構時間もかかるだろう。
「だが、頼む以上私も何もしないわけにはいかない。まずは、探すための資金として君のナーヴギアに金を振り込んでおこう。そして、これは最後の切札だが。捕らえられたプレイヤーを見つけても、どうしようもできなくなった時、こう叫ぶといい。」
「システムログイン。ID・ヒースクリフ、と。」
いやー、この先どう進めていこう(先のことをほとんど考えていない)
まあ、少しネタバレですが、アスナは捕まります!正直キリトをどうするか悩んでます。
あと、このままいけばシノンがレズ化してしまう・・・