キリトに双子の妹がいたとしたら   作:たらスパの巨匠

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サブタイトルに悩む今日この頃です。


親友は檻のなかです

 

 

ALOの世界樹。その枝の上に檻があった。しかし、檻と言うにはかなり華奢な造りだ。檻の中には天蓋付きのベットに、机と椅子、花壇があり、檻の周りの柱は簡単に壊せそうなほど細い。だが、この檻は破壊不能オブジェクトだ。システム的に守られており、檻から出るにはパスワードを打ち込まないと出られない。私はもうここに二ヶ月以上閉じ込められている。

SAOの世界が終わり、私は死ぬのだと思っていた。しかし、私は再び目を覚ました。それも現実世界でなくSAOの世界でもない、この世界で。

 

「あぁ、今日も美しいよティターニア。」

 

一人のプレイヤーがこの檻のなかに入ってくる。翠の服に身を包み、金の長髪に冠をかぶり、マネキンのように気味が悪いほど整った顔をしたこのプレイヤーこそが、私をこの檻に閉じ込めた張本人だ。

 

「また懲りずに来たんですか、須郷さん。」

 

須郷伸之。父の部下で、父が気に入っていた男だ。しかし、それはSAOに囚われる前の話。今はどうなってるかわからない。

 

「ハハハ、この世界で須郷はやめてくれよ。妖精王オベイロンと呼んでくれ。」

 

…この人、いい歳して恥ずかしくないのかしら?真顔で妖精王オベイロンと呼んでくれって、呼ぶ方も恥ずかしいわ。

 

「その顔。今にも泣き出しそうなその表情が一番美しいよティターニア。」

 

私が可哀想なものを見る目で見ていると、泣くのをこらえるために目を細めたと勘違いしたのか、見当違いなことを言い始めた。

ほんと、この人の相手をするのは昔から疲れるわ。

 

「どうだいティターニア。僕と結婚する気になったかい?」

 

須郷は私に結婚を申し込んできてる。その目的は結城家に入ることだ。

 

「何度も言いましたけど、あなたと結婚する気は微塵もないわ。」

 

「フフッ、まあ、べつに構わないさ。今に君は僕の言うことを聞くようになる。」

 

「…どういうこと?」

 

「今僕たちがしている研究のことさ。人の脳を操る、正確には、思考や感情を操る研究の、ね。」

 

「そ、そんなことできるわけ…」

 

「できるんだよねぇー、それが。この仮想世界なら!!ハハハ、茅場先輩は天才だが大馬鹿者だ。この仮想世界なら、脳に届く情報が0と1のこの世界なら、人の脳を操ることも可能たりえるんだよ。そしてアメリカの企業が研究結果をまってるんだ。涎を垂らし、金を握り締めながらね。」

 

「そんなの、許されるわけない!」

「誰が許さないんだい?この事を知っているのは僕を含め数人の研究チームだ。そして、この事を知る術は外部のものにはない。」

 

須郷は勝ち誇ったかのように高笑いをする。この人はナルシストで自分を天才だと思っているが、今の彼はどれだけ好意的に解釈してもマッドサイエンティストだ。

 

「それに、来月には君の病室で結婚式を行う予定だよ。これには君のお父様も了承してくれたよ。」

 

この一言がアスナとアスナの父との間に大きな溝を作ることになるが、それはまだ先のお話。

 

「ああ、それとユカちゃんにも会ったよ。君と僕の結婚を認めないとか言っていたが、あんな小娘にはなにもできやしない。結婚式の招待状を送ってあげることにしたよ。」

 

ユカが、生きてる。SAOの最後、茅場からユカと引き分けて二人ともHPがゼロになったと聞いたけど、生きてる。

私はユカが生きてることを知り、涙が出そうになり、須郷に背を向けた。

 

「まあ、それに研究がうまくいかなかったとしても最後の手段もあるしねぇ。」

 

「…最後の手段って?」

 

「ククッ、キリトくんだったっけ。彼の脳は僕が管理している。」

 

「なっ…」

 

「SAOでの君と彼との関係ももちろん知っているよ。本当に、何度彼の脳を破壊しようと思ったことか。」

 

キリトくんもまだ生きてる。

「まあ、こんな手段は使いたくないんだけどねぇ。」

 

ここで、須郷に部下から通信が入る。

 

「…わかった。すぐ行く。」

 

そういうと須郷は檻から出ていった。

キリトとユカが生きていると知り、涙が溢れる。キリトは捕らえられているが、ユカは既に目を覚ましている。今はユカを信じて待つしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後3時になり、私は再びALOにログインした。2階の部屋から1階に降りると、リーファが既にログインしていた。

 

「リーファ!お待たせ。」

 

「ユカ!昨日ぶりだね。」

 

「じゃあ、これから世界樹までよろしくね。」

 

「うん。任せといて。じゃあ、まずは装備を揃えよっか。」

 

私たちはまずリーファ行きつけの店で装備を揃えることにした。

アイテムをひととおり一通り買い揃え、装備を選ぶ。防具はSAOで使っていたような黒基調の防具を買ったが、良い武器がなかった。

 

「リーファ。ここ以外に武器が売ってるとこってないの?」

 

「う~ん。ここ以上の性能の武器だと、NPCじゃなくて、プレイヤー主体の店になるんだけど、シルフ領にはプレイヤーメイドの店は無いんだよ。生産職を目指す人はレプラコーンではじめるから…

あるとしたらプレイヤー主体のオークション会場くらいかな。」

 

「オークション会場?」

 

ドロップした武器や防具などを自分が使わない場合、売却してお金に変えるのだが、NPCに売るよりプレイヤーに売った方が高く売れるのだ。そのため、ある程度の街になるとオークションが行われる。

私たちはオークション会場に向かった。多くのプレイヤーがそこかしらで装備やアイテムを売りにだし、多くのプレイヤーが手を上げ値段を口に出してる。

 

「ところで、ユカお金残ってる?」

 

ユカはメニューを開き所持金を見る。そこに表示されている金額は20億を越えている。SAOでのコルが、ALOユルドに変換されているのだ。SAOで2年間最前線で戦っていたのは伊達ではない。キリトと違い無駄遣いはしないし、プレイヤーホームも買わなかったため、お金はかなりある。

 

「うん、結構あるよ。」

 

私はオークション会場を見て回り、良さそうな武器を見つけた。その武器は刀だ。白雪と同じく白鞘の刀。性能も申し分ない。

あと15分で終了。今ついてる値段は3300万ユルド。

 

「うわぁー、たっかぁー。3300万て、必死に貯めても4ヶ月はかかりそうだよ。でもかなり良い刀だなぁ。」

 

「よし、あれにしよう!」

 

「え?ユカ?」

 

ユカは刀を売ってる人の前で言った。

 

「入札します。3500万!」

 

周りにいた人たちがどよめく。そして、3300万で入札した人も驚きながら

 

「せ、3600万」

 

「3800」

 

「う、4000」

 

「5000!」

 

最初に入札した人は下がっていった。

こうしてユカは武器を手にいれた。

 

「お、お嬢ちゃんすごいね。まさか5000万で売れるとは思わなかったよ。」

 

そしてユカは刀を手に取る。

刀の銘は、氷華〈ヒョウカ〉。白鞘の刀で刀身は白いが、ほのかに青みがかっている。また、刀の鍔に華の彫刻が施されていた。

リーファ曰く、レジェンダリーウェポンに勝らずとも劣らないステータスらしい。

良い買い物をした!

 

 

 

 

 

 

 

 

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