スマイルプリキュア!~新たなるプリキュア、その名はキュアアギト!?~ 作:ユウキ003
伏線を色々仕込んでおきました。
~~前回までのあらすじ~~
フュージョンとの戦いを終えたスマプリの
メンバー達だったが、ある日学校の敷地で拾った
ヘンテコな小槌のせいで一寸法師サイズにまで
縮んでしまったみゆきや黄金の6人。
普段とは全く異なる環境に四苦八苦したり、
なおが虫嫌い故に苦労したりする中、小槌、
チイサクナールを取り返そうとやってきた
マジョリーナと戦い、これを撃退。6人は
何とか無事に元のサイズに戻るのだった。
ある日。私達6人は屋上に集まって、
やよいちゃんが書いた絵を見ていた。
今やよいちゃんが書いていた絵は、私達が
使うしおりの表紙。
そう。私達はもうすぐ修学旅行で京都と大阪へ、
それも2泊3日。
ちなみに私はみゆきちゃん達と同じ班。
人数の関係で私達の所だけ6人班なんだよね。
まぁそっちの方が嬉しいんだけど……。
黄金「しおりの表紙はこれで良さそうだね。
さっすがやよいちゃん」
やよい「えへへ、ありがとう」
と、話をしていると近くにおいてあった鞄の
中からキャンディが顔を出した。
キャンディ「やよい何書いてるクル?」
やよい「修学旅行のしおりよ」
キャンディ「修学?何そりクル?」
そっか、キャンディが修学旅行知ってる訳
無いか。
とか私が思っていると、みんなが修学旅行の事を
キャンディに説明する。
「キャンディも楽しみクル~!」
するとキャンディが目をキラキラさせるけど……。
みゆき「キャンディ!お留守番よろしくね!」
キャンディ「え?……えぇぇぇぇぇぇっ!?」
そして屋上にキャンディの絶叫が響き渡ったのだった。
「な、なんでダメクル!?」
黄金「いや、その、なんでって言われても。キャンディ、
ウチの学校の生徒じゃ無いでしょ?」
と、私が言うと……。
『ガァァァァァァンッ!』
キャンディ「そ、そんな~~~~!」
目に見えてキャンディが落ち込んでしまった。
あちゃ~。これ、後で何かフォロー入れた方が
良いのかな?
けど、私もその時は修学旅行の話題で浮かれていて
結局キャンディをフォローして上げられなかった。
一方その頃、ウルフルン達3幹部がババ抜きで
遊んでいると、そこに道化師の格好をした
皇帝ピエーロの部下、『ジョーカー』が
現れ、3人に新たなアカンベェ、『青っ鼻』を
与えた。
ジョー「あぁそうそう。皆さんに一つだけご忠告を」
ウル「あぁ?何だよ」
ジョー「青っ鼻は今申した通りプリキュアの技を
無効化します。しかし、キュアアギトの技
は青っ鼻に有効だと考えます。そこは
ご注意を」
マジョ「うぅん?どうしてアギトの技だけ
効くのだわさ?」
ジョー「それは……」
アカ「そんなのどうだって良いオニ!
俺様がこの青っ鼻でプリキュアを
叩き潰してやるオニ!」
何かを言おうとしたジョーカーを遮るアカオーニ。
ウル「はぁ!?待てよ!最初は俺だろうが!」
マジョ「何言ってるだわさ!あたしが最初
だわさ!」
と、ジョーカーを忘れて誰が一番に戦うか、
と言う話題で喧嘩になる3人。それをみた
ジョーカーは静かにその場を後にした。
そして、ジョーカーはどこかの暗い場所
へと転移でやってきた。
真っ直ぐな通路を歩くジョーカー。
ジョー「あの人達はかれこれプリキュアに
敗れる事数回。あれでプリキュアが
倒せれば御の字。しかし……」
やがて立ち止まるジョーカー。
今、彼の前には二つの水滴型ポッドが
淡い青色に光りに包まれたまま並んで鎮座していた。
そして……。
その中に、二人の少女の体が浮いていた。
「プリキュアと似て非なる力を
持つ存在、キュアアギト。その
腕の細胞から得られたデータを
元に作り上げた、対プリキュア用
人型兵器。もし、あの3人がダメなら……」
そう言いながら、彼はポッドの表面を
指先で撫でる。
「あなた達の出番ですよ」
ポッドの中の二人を見つめ、ジョーカーは
歪んだ笑みを浮かべる。
やがて、笑みを浮かべたままジョーカーは
そこを後にする。
残されたポッドの上部には、それぞれ
名称らしき物が書かれたプレートがあった。
そこには、こう書かれていた。
『G3』、『G4』と。
ジョーカー達が新たな敵を用意している頃、
みゆき達は当然そんなこと知らずに修学旅行へと
向けた話し合いを行っていた。
今の話題は3日目の自由行動の時間について
なのだけど……。
しかし、教室はすぐにザワザワとざわめき出した。
皆、行きたい場所があるのかれいかちゃんの声も
むなしくみんなそれぞれで語り合っていた。
アハハ、もはやある種のカオスだこれ。
とか私が思って苦笑していると……。
『ピョンッ!』
ッ!!!いつの間にか教卓の前にキャンディがっ!!!?
そしてキャンディが大きく息を吸い込んだっ!?
不味いっ!!
私は咄嗟に超能力を発動させた!
キャンディ「みっんんっ!?」
1、 私の超能力でキャンディの口を塞ぐ。
2、 目にもとまらぬ速さでキャンディを
私の手元に引き寄せる
3、 すぐさま机の影に屈み込んだ。
キャンディ「ん!!ん~~!」
黄金「何してるのキャンディ!みんなに
見つかったらどうするの!?」
影に隠れ、出来るだけ小声で語りかける私。
キャンディ「ぷはっ!みんなれいかの話を
聞いてないクル!だから注意
しようとしたクル!」
何だかキャンディが胸を張っている気がするけど、
気づかれたらヤバいし。
黄金「き、気持ちは嬉しいけどキャンディは
静かにしててね?良い?」
キャンディ「え?」
私はそう言って念押しするとキャンディを
みゆきちゃんの鞄に入れて立ち上がった。
『パンパンッ』
黄金「はいはいみんな。このままじゃ埒があかないよ。
夕方まで議論する気?」
そして、私は手を叩きみんなに注意を
促す。
その時の私は、キャンディがしょんぼりと
した表情をしていた事に気づかなかった。
その後、今度は各班の班長を決める事に
なった。
あかね「班長はれいかがえぇんちゃう?」
早速のあかねちゃんの提案。
うん、確かに賛せ――。
キャンディ「キャンディも賛成クル~!」
待ってぇぇぇぇぇぇぇっ!?いつのまにか
キャンディが机の上に!
しかも今の声でクラスのみんながこっち見てる!!
咄嗟にみんなでキャンディの口を塞ぎ、
苦笑いで誤魔化す!
れいか「わ、私はクラス委員なので、誰か他の方の
方が……」
みゆき「じゃあ私なおちゃんが良い」
そ、そうだね~。次にリーダーシップが
あるのはなおちゃんくら――
キャンディ「キャンディもなおが良いクル~!」
あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!もぉぉぉぉぉぉっ!
『ガシッ!』
私はとっさにキャンディを掴んで……。
黄金「私ちょっとお腹の調子が悪いんで
トイレ行ってきま~~~す!!」
全力疾走で教室を飛び出した。
そして私は女子トイレに駆け込んで、
誰も居ない事を確認してから奥の方の個室
に入る。
「だっは~~~っ!危なかった~!」
キャンディ「黄金!何するクル!」
黄金「何って、それはこっちの台詞だよ
キャンディ~」
私は大きく息をつきながら便座に寄りかかる。
「周りにみんな居るんだから大人しく
しててよ~。バレたらどうするの?」
キャンディ「それでもキャンディみんなと
一緒に何かやりたいクル!」
黄金「そうは言ってもね~。とにかく、学校に
居る間だけは静かにしてて。
みんなにプリキュアの事バレない
ようにって言ったのはキャンディでしょ?」
キャンディ「そりは……。分かったクル」
再びしょんぼりするキャンディ。けれどこの時の
私はキャンディになんと言って良いのか
分からなかった。だから、特に何も言わずに、
キャンディを隠し持ったまま教室へと
戻り、皆に見られないようにキャンディを
鞄に入れた。
放課後。みゆき達6人はしおりを作るために
ふしぎ図書館の切り株のログハウスへと
集まっていた。
中で私達は自分たちようのしおりを作っていた。
れいか「もうすぐ完成ですね。後は糊が乾くのを
待って、名前を書いたらおしまいです」
黄金「そっか。じゃあ、乾くまでただ待ってる
のもあれだし、先にお菓子買いに
行く?」
なお「良いね」
やよい「賛成~♪」
と言う事になったんだけど……。
キャンディ「あっ!キャンディも何か手伝うク、
うわっ!」
『ドンッ!ビシャッ!』
テーブルの上に置かれていたカップにキャンディが
ぶつかって中身が広がり、しおりをぬらしてしまった。
6人「「「「「「あ~~~!?」」」」」」
みゆき「ちょっとキャンディ!」
し、しおりが~!
黄金「あ~も~。グチャグチャのよれよれ~」
なお「しょうが無いって。もう一回作ろう」
私達は濡れたテーブルを片付け始めた。
だから私は、出て行くキャンディに気づかなかった。
やがて……。
れいか「あの、みなさん。私ちょっと失礼します」
黄金「え?あ、うん」
そう言ってハウスを出て行くれいかちゃんを
見送る私。そしてその時、私はようやくキャンディが
周囲に居ない事に気づいた。
そして私も、みゆきちゃん達に断りを入れてハウスを
出て行った。
れいかちゃんとキャンディを探してたどり着いたのは、
夕暮れの公園、その噴水の近くだった。
木々の影から二人を見つけた私は、密かに二人の
会話に耳を傾けた。
やがて、キャンディは自分をダメな妖精と叫ぶと、
どこかへと行ってしまった。
そして、私はそれをただ、黙って見送る事しか
出来なかった。
その後、私達は駄菓子屋へと行き、お菓子を
買うことにした。
けど、私の頭の中ではキャンディの事で
一杯だった。
なお「?黄金?どうかした?」
黄金「あ、え?な、何?」
なお「いや、黄金がぼ~っとしてたから」
黄金「あぁ、うん。ちょっとね」
私がなおちゃんに心配されている傍らでは、
みゆきちゃんがキャンディが居ない事に
気づいた。
れいかちゃんがそのことをみゆきちゃんに
言おうとしたその時。
ウル「見つけたぜプリキュア」
ッ!?その時、外からウルフルンの声が
聞こえて来た!
みゆき「まさかっ!?」
私達6人が慌ててお店から出ると、外には
ウルフルンが立っていた。
「あなたはっ!?」
ウル「今日の俺はひと味違うぜ」
そう言って奴が取り出したのは、
青い、球?
黄金「いつもの赤いの、じゃないっ?」
戸惑いながらも警戒する私達。
ウル「出でよ!アカンベェッ!」
あいつが青い球を掲げると、近くのガチャガチャと
合体したアカンベェが誕生した
『アッカンベェ!』
そして、それは私達の知るアカンベェとは違った。
みゆき「青い鼻のアカンベェ!?」
あかね「なんやあのシャンプーハット!?」
普段とは違う敵に私達は更に警戒心を
強めるが……。
ウル「世界よ!最悪の結末、バッドエンドに染まれ!
白紙の未来を黒く塗りつぶすのだ!」
いつものようにバッドエンド空間が発動されて
しまう。
黄金「不味い!このままじゃ!」
みゆき「世界をバッドエンドになんてさせない!
みんな!」
5人「「「「「うんっ!」」」」」
私達は、各々の力を取り出す。
『バッ!ババッ!』
『QUUUUUN!』
『QUOON……QUOON……』
黄金「はぁぁぁ……」
ベルトを召喚し、脈動する中で息を吐き出し
ながら静かに前を見据える。
『レディー!』
5人「「「「「プリキュア!スマイルチャージ!」」」」」
『ゴー!ゴーゴー!レッツゴー!』
黄金「変身ッ!」
『カチッ!』
『VUUUUUN!!!』
私達全員の体を光が包んでいき、変身する。
ハッピー「キラキラ輝く未来の光!キュアハッピー!」
サニー「太陽サンサン熱血パワー!キュアサニー!」
ピース「ピカピカぴかりん♪じゃんけんポン♪
キュアピース!」
マーチ「勇気リンリン直球勝負!キュアマーチ!」
ビューティ「しんしんと降り積もる清き心!キュアビューティ!」
アギト「神が生みし悪を断つ戦姫!キュアアギト!」
6人「「「「「「6つの光が導く未来!輝け!
スマイルプリキュア!」」」」」」
『アッカンベェ!』
6人「「「「「「ハァァァァァァァッ!」」」」」」
開始早々、真っ正面からかち合う私達と
アカンベェ。しかし奴の方がパワー負けし、
私達はアカンベェを公園の方へと押し込んだ。
だけど、私には懸念があった。
アギト「こいつ、いつもより、弱い?」
パワーで言えば、普段のアカンベェの方があった
気がした。
『ムクッ!』
しかし倒れていたアカンベェがすぐに
起き上がって来た。
ピース「わぁっ!?効いてないの!?」
ハッピー「こうなったら!気合いだ気合いだ
気合いだ気合いだ~~!」
5人の中でハッピーが一気に必殺技で
撃破を狙う。
「プリキュア!ハッピーシャワー!」
ピンク色のエネルギーの奔流がアカンベェに
命中し爆発する。
「やったぁ!……え!?」
ッ!?いや、やってない!
その時、煙が晴れて無傷のアカンベェが現れた。
アギト「ハッピーの技が効かない!?」
ハッピー「うぇぇぇぇっ!?どうして~~!?」
技が効かない。この状況は不味い。だけどっ!
私は右側のスイッチを叩き、フレイムフォーム
へとチェンジする。
アギト「技で倒せないのなら!肉体を物理的に
破壊する!」
私はベルトからフレイムセイバーを引き抜き
地面を蹴って駆け出した。
『アッカンベェ!』
降り出される拳を、スライディングで回避し、
すれ違いざまにアカンベェの左足のすね辺りを
切り裂く。
『ベェッ!?』
切り裂いた傷口から闇のエネルギーが僅かに
漏れ出してる!行ける!
「このまま、こいつを破壊するっ!」
体勢を戻し、私はもう一度アカンベェに斬りかかった。
その頃、近くの建物の屋上で、青っ鼻のアカンベェ
とアギトの戦いを見ている物がいた。ジョーカーだ。
ジョーカー「やはり、プリキュアではないアギトの
攻撃は効きますか。では……」
ジョーカーは右手で拳銃のような形を作り、
アギトに狙いを定める。
「あなたの中の闇、活性化させて
あげますよ」
獰猛な笑みを浮かべたジョーカーが、その力を
アギトに向け、打ち出した。
そして……。
『ドクンッ!!』
アギト「ッ!?」
不意に、アギトの体がグラついて倒れた。
更に、フレイムフォームから基本形態の
グランドフォームまで戻ってしまった。
ハッピー「ッ!アギト!?」
ウル「ん?何だ?」
唐突な事態にハッピー達は驚き、ウルフルンと
アカンベェも怪訝な表情を浮かべる。
次の瞬間。
アギト「あ、あぁ。ぁ……。うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
突然、彼女が地面にうずくまり叫びを上げる。同時に……。
彼女の体から黒い闇のオーラが溢れ出した。
「ぐ、あぁぁぁぁぁ!が、あぁ、うわぁぁぁぁっ!」
まるで、何かが彼女の体を内側から食い破ろうと
しているかのように、闇のオーラが周囲に漏れ出している。
――殺せ。破壊だ。全てを無に。立ちはだかる者、
挑む者、逃げる者、全てを消し去れ――
「あ、がぁぁっ!!ぐあぁぁぁぁぁっ!」
な、何、これ!?わ、私の中で、何かが、
叫んで、暴れて、ぐぅっ!?
――破壊、殺戮、消滅、撃破、抹殺、消去。
全てを無に――
こ、これは、まさか……。あの時、私が
喰った、フュー、ジョン、の……。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ!」
今、黄金は自らの内に潜む、いや、取り込んで
しまった闇を、アギトの力が無意識に押さえ込もう
としている事で、耐えがたい苦痛に晒されていた。
ウル「何だぁありゃ?まぁ良い!アカンベェ!まずは
アギトを踏み潰せ!」
『アッカンベェ!』
足を振り上げるアカンベェ。
マーチ「アギト!」
咄嗟にマーチが駆け出すが、間に合いそうにない。
と、その時。
『ギンッ!』
アギトの瞳が、アカンベェを睨み付ける。
『ベェッ!?』
そして、その瞳に映る殺意が、破壊衝動が、
獲物を前にした時の肉食動物のような瞳が、
アカンベェにプレッシャーを与える。
今のアギトの表情は、正しく捕食者のようだった。
その表情から読み取れるのは、敵意だけだ。
アカンベェがその敵意に押され、一歩後退る。
ウル「何やってるアカンベェ!さっさとそいつを
潰せ!」
『べっ!?べ、ベェッ!?』
ウルフルンの言葉で我に返ったアカンベェが
再び足を振り上げるが……。
マーチ「うぉぉぉぉっ!」
すんでの所でマーチがアギトのお姫様抱っこで
抱え、後ろへ飛んだ。
「アギト!アギト!しっかりして!」
後ろへ下がったマーチが呼びかけるが、
アギトはうめき声を上げるだけでまともに
動けそうにない。
サニー「これじゃアカン。アギトは戦えへん」
と、その時。
『アッカンベェ!』
再び青っ鼻アカンベェが向かってくる。
「こうなったら!みんな一気に
行くで!」
ピ・マ「「うん!」」
ビューティ「皆さん!冷静に!」
技を撃ちだそうとする3人を止めようと
するビューティが咄嗟に叫ぶが、
叶わなかった。サニー、ピース、マーチの
3人が技を放つが、同時攻撃さえも無力だった。
アギト「な、なんで。プリキュアの、技、が」
未だ黒いオーラを放出しながらも、何とか
腕だけで上半身を起こし、呟くアギト。
ウル「ウルッフッフッ!良いことを教えて
やるぜ。お前達の技は、キュアデコルを
浄化するための物。だが、こいつには
デコルなんざ入ってねぇ!だから
お前達の技は効かねえんだよ!」
くっ!?だったら……。
アギト「私の、パワー、で、こいつ、をぉっ!」
『ドクンッ!!』
「ぐ、ぐがっ!あぁ!」
立ち上がろうとした。なのに、内側から
溢れ出す闇の力が、まるでそれを拒むかの
ように、私の中で暴れ回る。
ウル「はっ!テメェが戦えねぇなら
好都合だぜ!行けアカンベェッ!」
『アッカンベェッ!』
ウルフルンの命令に従い、口からカプセルを
連射するアカンベェ。それを、咄嗟に
ジャンプして避ける5人。しかし、追尾する
かのような動きの前に、ビューティ以外の
4人が捕まってしまう。
ビューティ「あっ!?みなさん!」
アギト「み、皆ぁっ」
捕らえられた4人の元に駆け寄るビューティと、
殆ど動かない体を引きずりながらも
近づくアギト。
ハッピー「出られないよ~!」
サニー「何なんこのカプセル!?」
彼女たちは何とか脱出しようとするが、
カプセルは壊れない。
私は、腕を振り上げ、カプセルに叩き付けるが、
その程度ではビクともしない。
アギト「く、そぉ……!」
今の私じゃ、まともに体を動かす事も
出来ない。
更にアカンベェがカプセルを連射して
くる中で、ビューティだけが戦っている。
動け。私の体……!
――殺戮、破壊、抹殺、消滅――
動け……!動け…!動け!
――絞殺、撲殺、刺殺、毒殺、射殺、殴殺、轢殺、
燃焼、爆殺――
体を動かそうとする度に、果てしない闇が、
私の中で膨れ上がる。明確な『死』のイメージが、
溢れ出している。
その時、私が動けなくなっている間にビューティが
技を使ってアカンベェの動きを止めていた。
でもそれのせいでビューティはもう殆ど戦えない。
と、そこへどこからかキャンディがやってきた。
キャンディはアカンベェの事を伝えるが、
それは私達が既に知っていた事。どうすれば
良いかなんて、当然キャンディは知らない。
ウル「お前に何が出来る!何の役に立ってる!
お前は何の役にも立たない出来損ない
なんだよ!このへっぽこ妖精が!」
あ、あいつ!言わせて、おけば!
私は、ウルフルンに怒りを覚える。でも……。
『ドグンッ!!!!!』
アギト「うぐっ!?ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
私の怒りが、この体の中の闇に増幅される。
怒りや憎悪が、私の中で膨れ上がる。
私の体を、破裂させんほどに。
体を、動かしたいのに……。
一瞬でも気を緩めたら、殺意のままに
暴れ出しそうで、怖い。
その時。
ビューティ「お黙りなさい!」
不意に、ビューティの怒号が聞こえてきた。
ビューティは、役立たずと罵られたキャンディが、
私達を思って行動していることを叫ぶ。
そう、か。あの時、みんなが、うるさかった時、
れいかちゃんを助ける為に、キャンディ、は。
私は、かすかに動く手を、ギュッと握りしめる。
そして、みんながキャンディに対する思いを口に
していく。そして……。
5人「「「「「許さないっ!」」」」」
みんなが、カプセルを破壊する。
でも、それだけじゃなかった。
キャンディ「キャンディも、キャンディも……。
プリキュアの力になりたいクル~!」
キャンディの叫びが聞こえるのと同時に、キャンディ
から光が生まれた。
それは、5つの新たなデコルとなり、ハッピー達
5人の手の中に収まる。
アギト「新しい、デコル……」
それを、私は地べたに這いつくばりながら、見ていた。
そうだ。キャンディだって、私達と、一緒に、
戦ってるんだ……!
動け……!動け!動けっ!!
こんな所で、私一人、寝ている訳には、行かない。
「動、け。……動け。動け……!」
自らの体に言い聞かせるようにして、私は立ち上がる。
ウル「ちっ!?何だか分からんが、叩き潰せ
アカンベェ!」
『アッカンベェ!』
そこに、カプセルを破壊した衝撃で氷が
壊され自由になったアカンベェが突進
してくる。
だけどっ!
アギト「動けぇぇぇぇぇぇっ!!!」
黒いオーラを全身から発しつつも、彼女は
駆け出した。
ウル「何っ!?」
ハッピー「アギト!?」
アギト「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
突然の行動に、敵味方双方が驚く中、アギトは
アカンベェの顔に飛び膝蹴りを繰り出した。
その衝撃で仰向けに、地面に倒れ伏すアカンベェ。
『ドグンッ!!!』
「ぐくっ!?」
アギトはアカンベェに馬乗りになり、腕を振り上げる。
が、直後により強く、闇のオーラが彼女の体から
吹き出す。しかし……。震える手を、彼女は
グッと拳を握りしめ抑える。
「これ、くらいでぇぇぇぇっ!」
『ドゴォッ!ドゴォッ!』
アギトの豪腕が、アカンベェの体に
繰り出される。
私がアカンベェを殴る度に、私の中の闇が
溢れ出しそうになる。でも、それでも……!
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
『ドドドドドドッ!!!』
この体は動く!拳は出る!
だから、殴る!
殴って殴って殴って殴って殴って殴って
殴って殴って殴って殴って殴って殴って
殴って殴って殴って殴って殴って殴って。
殴り続けた。
『ドゴォッ!』
「ぐっ!?ハァ!ハァ!ハァ!
プリキュアァァァッ!今だぁっ!」
そして、最後の一撃を放った私は、叫ぶ。
「私には技が効かない!
私ごと、こいつを撃てぇぇぇぇぇっ!!」
アギトの言葉に、5人は一瞬躊躇う。だが……。
「皆の力で、こいつを倒せぇぇぇぇっ!」
闇のオーラを押さえ込み戦うアギトの言葉に、
5人はハッとなり、新たなデコルをパクトに
セットする。
すると、ハッピー達5人の白い髪飾りが
黄金のティアラへと変化する。
5人「「「「「プリキュア!レインボーヒーリング!」」」」」
全員が手を重ね、そして片手を天にかざすと、
浄化の光がアカンベェとアギトを飲み込んだ。
そんな中で……。
アギト「ぐ、が、ぎっ」
彼女は自らの肉体を引きちぎられんばかりの
『痛み』に耐えていた。
そして、青っ鼻のアカンベェは倒され、ウルフルンも
撤退した時、キャンディとハッピー達5人が
笑みを浮かべあっている。
一方で、それを一歩下がった場所から見ている
アギト。今、彼女は静かに震える手を、握りしめていた。
戦いの帰り道、みゆき達は帰路についた。そんな中で
みゆきは、キャンディを含めた7人がスマイルプリキュア
である事を語る。
そして、7人全員で修学旅行に行くこととなった。
しかし……。
黄金「じゃあみんな。私こっちだから」
みゆき「うん、またね~黄金ちゃん」
十字路で、みゆき達と別れる黄金。
そして、他の面々が通路の角に消えた途端。
黄金「うっ!?」
突然、呻き、近くの電柱に寄りかかる黄金。
『ゴホッ!ゴホッ!ゴボッ!』
『ビシャッ』
黄金は、吐血してしまう。電柱の影に、赤い池が
出来てしまう。息を荒らげながらそれを見下ろす黄金。
私には、プリキュアの、浄化技は、効かない。
はずだった。でも、あの時の事を考えれば……。
私の中に、『フュージョン』が居る。あの時、
聞こえた怨嗟の声は間違い無く奴の声だった。
まさか、この体はもう、フュージョンに、
蝕まれて……!
嫌な予感に、私は愕然となる。
悪寒に体が震え、汗が噴き出る。
もし、このまま戦えば、最悪、私の体を
依り代にしてフュージョンが復活する可能性
だって。……そして、そうなった時、私という
存在が『消える可能性』だって……。
……。でも、それでも……。
私は、フラつく足で電柱から離れると、ハンカチで
口元の血を拭い、フラフラと歩き出した。
この命が、既に風前の灯火だったとしても、
私は戦う。みゆきちゃん達を守ると誓った、
あの日の自分の意思を糧にして。
そのために、私はここに居る。
そして、黄金はオレンジ色に染まった道を
歩いて行く。
まるで、死へと進んでいく幽鬼のように、
フラフラと。
だが……。
『スッ』
黄金が吐血した電柱の前に、人影が現れた。それは……。
れいか「黄金さん」
別れたはずのれいかだった。彼女は、電柱の影の
血だまりに目を向けてから、歩き去って行く黄金の
背中を見つめる。
夕暮れの、陽炎の向こうへと消えていく黄金の
背中を、彼女はただ見送る事しか出来なかったの
だった。
物語の加速は、止まらない。
内なる闇、フュージョンの覚醒とそれに対するアギトの
運命は?
ジョーカーの切り札がもたらす未来は?
それは今も、闇の中である。
今、時の流れが速まっていく。
第12話 END
以前までは全くノーダメージだったプリキュアの技が、
以降は内部にフュージョンを抱えている事から、
アギトにまで通用するように……。
更にチラッと登場したG3とG4。
色々ぶっ込みましたが、楽しんで頂ければ
幸いです。
感想や評価、お待ちしています。