ー獄寺sideー
ツナとリボーンが雲雀の礼を言う為に、はやてと一緒にプライベート通信をする為に部隊長室に行き、なのは達もそれぞれ隊舎の中に戻り、山本と了平、そして獄寺は、全員分のバイクをトラックから卸して、六課の入り口前で点検と調整をしていると。
「あ! 了平さんに武に隼人だ!」
「よお! スバルにティアじゃねぇか」
スバルとティアナの二人にバッタリと出会った。
「三人もお出かけ?」
「おお。バイクの微調整を終えてから、コイツの試運転も含めて、クラナガンに行こうと思ってな」
獄寺がそう言うと、スバルは突然なにかを思いついた表情になり、口を開いた。
「それじゃあ、私達と一緒に行こうよ!」
「「「え?」」」
スバルの言葉に、全員が呆気に取られた。
「私達ならドコに何があるか知ってるし、何も分からないで回るよりか良いでしょ?」
「ふぅん、スバルにしては良い案じゃないの」
「酷いよティア~」
痛烈な相棒の言葉に、スバルが情けない顔になる。
「俺は全然イイぜ!」
「では、お言葉に甘えるとするか!」
「しゃあねえなぁ」
そう言って山本と良平と獄寺は頷きあう。
「良かったねティア~。隼人とお出かけが出来て」
「なっ!? なに言ってんのよ!?//////」
「あれティア~顔が赤いよ~?」
「うう・・・・うっさいバカスバル! アンタだって! 良平とお出かけできるでしょう!?」
「えっ!? あぁ、まぁ、ね//////」
ティアナはスバルに怒鳴るが、当のスバルも顔をほんのり赤くした。
「「「???」」」
が、そのやり取りを見ていた三人は、何やってんだコイツら? と、言わんばかりに首を傾げていた。
ティアナが獄寺のバイクの後ろに、スバルが良平の後ろに座りながら、バイクを走らせた。
ーフェイトsideー
そして、六課隊舎では、
「ハンカチ持ったね。IDカード忘れてない?」
「えっと・・・・大丈夫です」
これから街へ出かけるエリオに、フェイトが世話を焼いていた。
「あ、お小遣いは足りてる? もし足りなくなると大変だから・・・・」
「あの、フェイトさん! その、僕もちゃんとお給料をいただいてますから」
エリオはやや過保護気味なフェイトの言葉を遮って話す。
「あ・・・・そっか」
「大丈夫です! ありがとうございます!」
「とりあえず、エリオは男の子だし・・・・キャロをちゃんとエスコートしてあげるんだよ?」
「あ、はい!」
エリオの髪を撫でながら話すフェイトに、しっかり返事をするエリオ。 すると、そこへ支度を終えたキャロがエンマと手を繋いで走ってくる。
「ごめんなさい! お待たせしました!」
「どうかなフェイトちゃん。キャロちゃん可愛いでしょ?」
「あ! うん、キャロいいね。可愛いよ。よく似合ってる」
「ありがとうございます!」
白とピンクを基調にした、私服に身を包んだキャロをフェイトが褒める。
「サイズは・・・・大丈夫?」
「はい! すっごくピッタリです!」
フェイトの言葉に、その場で一回転して見せるキャロ。
「うん・・・・よかった」
その後、子供二人は出かけるので、フェイトを見送る為に隊舎前へとやって来ると、そこでバイクの調整を終えた山本の他に、ツナやリボーンやなのはと出会った。
「「ツナ兄ぃ!」」
「あっ、エリオとキャロも出掛けるの?」
「「うん! 行ってきます!」」
すっかり兄として慕っているツナの言葉に、エリオとキャロは声を揃えて元気に答える。
「うん、気を付けろよ」
「エリオ。キャロをちゃんとエスコートしろよ」
「二人とも、車とかに気をつけてね」
「楽しんでこいよ」
「何かあったら連絡してね」
「あんまり遅くならない内に帰るんだよ? 夜の街は危ないからね・・・・」
「「はい!」」
笑顔で見送るツナ達と、やはり心配そうな様子のフェイト。 そしてエリオとキャロは、元気よく返事をして出発していった。
二人の姿が見えなくなるまで見送ると、今度はシグナムとヴィータがやって来た。
「シグナムにヴィータ。どうしたの?」
「外回りですか?」
「ああ、『108部隊』と『聖王教会に』な」
「『ナカジマ三佐』が合同捜査本部を作ってくれるんだってさ、その辺の打ち合わせ」
エンマとフェイトの質問にシグナムが答え、ヴィータが補足する。
「ヴィータちゃんも?」
捜査担当でないヴィータも、外回りに行く事を疑問に思ってなのはが訪ねる。
「私は向こうの魔道師の戦技指導。全く、教官資格なんて取るもんじゃねぇなぁ」
「にゃははは」
溜息をつきながらなのはに少しジト目を向けて話すヴィータに、なのはは苦笑いを浮かべる。
「捜査周りの事なら、私も行った方が・・・・」
「準備はこちらの仕事だ。お前は指揮官で、私はお前の副官なんだぞ」
フェイトの言葉に、シグナムは指揮官と副官の部分を強調して答える。
「う・・・・ありがとうございます・・・・で、いいんでしょうか?」
「・・・・好きにしろ」
申し訳なさそうに話すフェイトにシグナムは笑いながら答え、出口の方へ向って歩き始めたのだった。
「んじゃ行ってくんな」
「ヴィータ! シグナム! 気をつけてね!」
と、ソコでヴィータは何を思いついたのか、ツナ達に向けて首を向けてニヤニヤと笑みを浮かべつつ声を張り上げた。
「ーーーーあ、そうだ。なのは! フェイト! 偶にはお前らも休暇を楽しめよ!」
「えっ?」
「勿論だよ?」
「それならツナ! なのはを連れてクラナガンに行ってくれよ! ほっとくとまた休まないで仕事するからさ、ソコのワーカーホリックは!」
「にゃっ!? ヴィータちゃん!/////」
「エンマ! お前もちょっとクラナガンに行ってこいよ! 足ならフェイトの車でも使ってやれ!」
「ちょっ! ヴィータ!/////」
「じゃぁなぁ〜!」
顔を真っ赤にしたなのはとフェイトを無視して、ヴィータはヒラヒラと手を振りながら去っていった。
「(ナイスだぞ、ヴィータ)」
あのなのはの暴走事件から、なのはとフェイトに対するツナとエンマの態度が、完全に『身体が大きくなった妹』に接するようになり、このまま何の進展も無しになりそうだったので、ヴィータの助け舟はありがたかった。
「ほれお前ら、モタモタしてねえで早く動け」
リボーンがツナとエンマの尻を蹴り、なのはとフェイトの背中を押して、四人はそれぞれに動き出した。
ーツナsideー
ツナは獄寺達とは後で合流する事を伝え、バイクの準備をしていた。
「つ、ツナさん」
「あっ、なのはちゃん」
なのははバイクに乗りやすいようにジーパンにジャケットと、ちょっと露出の高いが、かっこいい系の服で現れた。
「どう、かな?」
「うん。似合ってるよ。ーーーーじゃ行こうか。二人乗りは経験無いから、快適な運転じゃないと思うけど」
「は、はい//////」
バイクに跨ったツナの後ろに座るなのはが、思いっきりツナに抱きつくと、フニュン♥と、すっかり見事に実ったなのはの胸部がツナの背中に押し付けられ形を変えた。
「んなっ!? な、なのはちゃん! ち、ちょっと離れて掴まってくれない!?/////」
「し、しっかり掴まっていないと、危ないと思うの!/////」
「う、うん! そ、そうだね!/////(なのはちゃんは妹分! なのはちゃんは妹さん! なのはちゃんは妹分!)」
ツナは内心、必死に自制心をフル活動させ、なのはも胸の動悸でいっぱいいっぱいになりそうなのを必死に隠しながら、二人は首都クラナガンへと向かった。
ーエンマsideー
「(ドキドキドキドキドキドキドキ!)//////」
そしてこちら、フェイトの車の助手席に座るエンマが、運転するフェイトにドキドキしながら頬を赤くした。
フェイトの格好は、露出の多いレザースーツで、スラリとした美脚を晒し、キュッとしたウェストも出て、豊かに実った胸元を強調しており、アーデルハイト並のグラマラスな肢体を晒していた。
「え、エンマ!/////」
「な、何?」
エンマと同じくらい顔を真っ赤にしているフェイトが、震える声で問いかけ、エンマも顔を赤くしたまま答える。
「き、今日は、ドコに行こうかな?」
「そ、そうだね、ちょっと服とかの買い置きとか、しておきたいなぁ!」
「う、うん! そうだね!」
本当は服の感想を聞きたいフェイトだが、フェイト自身、自分の過激格好が恥ずかしいのか、とても聞けなかった。『真モード』になればこれ以上に恥ずかしい格好をしているのに。
「え、エンマ・・・・」
「な、何?」
「わ、私はもう、大人なんだよ!」
「(た、確かに、身体は立派な大人だ・・・・!/////)」
昔ジュリーが、フェイトは将来とんでもない美人になる、と言っていたが、今なら同意できた。
ーリボーンsideー
「はてさて、ツナさんとエンマさんに、なのはちゃんとフェイトちゃんが、『大人の女の子』って刷り込みができるやろうかリボ子ちゃん?」
「所詮男なんて単純な生き物よ。ちょっとお色気で攻めれば、イチコロなのよ。ナメないで」
六課食堂で、なのはとフェイトの格好とアピールのアドバイスをしたはやてとリボーン、否、リボ子がニヤニヤと笑っていた。
なのはとフェイトは完全にツナとエンマに惚れているが、当の相手は二人を『妹』として認識してしまっている。これを覆す為の作戦だったのだ。
「ツナもエンマも、お兄ちゃんぶっていても中身は思春期のお子ちゃまなのよ。女の色気に弱いのよ」
「なのはちゃんもフェイトちゃんも、大人の女ぶっていても、中身は恋愛経験ゼロで恋愛に対する思考は中学生、嫌、下手したら小学生レベルやからなぁ」
リボ子とはやては、世話の焼ける教え子と親友達に、大きなため息を吐いた。
ー???sideー
一方その頃、クラナガンのとあるトンネル内では、交通事故が起こっており、ソコに車で時空管理局の制服を着た、なのは達と同い年くらいの青い長髪をした女性と、その女性より少し年下の女の子か男の子なのか分からない、中性的な子供が下りてきた。
「陸士108部隊、『ギンガ・ナカジマ陸曹』です。現場検証のお手伝いに参りました。こちらの少年は、我が部隊で保護している少年で、私の助手のようなものです」
と、敬礼をしながら言う女性『ギンガ・ナカジマ』が、自分の後方に控えている少年の事も紹介すると、事故現場の状況を詳しく聞く。
「横転事故と聞きましたが・・・・?」
「ええ。ただ、事故の状況がどうも奇妙でして」
「運転手も混乱してるんですが、どうも何かに攻撃を受けて、荷物が勝手に爆発した、と言うんですが」
「運んでいた荷物は缶詰やペットボトル。爆発するようなモノじゃないですね」
「それと、下の方に妙な遺留品がありまして」
そう言って、ギンガ達が連れてこられた先にあったのは、ガジェットの残骸と中身の無い生体ポッドだった。
「気になるで御座るな、ギンガ殿」
「そうねーーーー『バジル』くん」
ギンガは自分と一緒にいる少年に向かってそう言った。
ースカリエッティsideー
所変わって、スカリエッティの研究所では。
《レリック反応を追跡していたドローンⅠ型6機、すべて破壊されました》
「ほぉ。破壊したのは局の魔道士か、それとも『当たり』を引いたか」
《確定は出来ませんが、どうやら後者の様です》
「ふふ、これも"歴史通りか"。・・・・早速追跡を掛けるとしよう」
そんか会話をする二人に、一人の少女が歩み寄る。 スバルと似た貌と容姿をしているが、目つきが鋭く、髪の色が赤いと違いがあるが。
その少女は、指に嵌めたリングを眼前に持ち上げると、リングからーーーー『嵐の死ぬ気の炎』が放出された。
「ねぇドクター。それならあたしも出たいんだけど」
「『ノーヴェ』、君か」
《ダメよノーヴェ。あなたの武装も装備もまだ調整中なんだし》
「今回出てきたのが『当たり』なら、自分の目で見てみたい」
「別に焦らずとも、アレはいずれ必ず、此処にやって来る事になるわけだがね、ふふっ。まぁ、落ち着いて待っていて欲しいな。いいかい?」
「分かった・・・・」
ノーヴェと呼ばれる少女が、炎を消して引き下がる。
「それではーーーー」
「待てスカリエッティ。私に行かせろ」
「・・・・・・・・」
ノーヴェの前に出てきながら、馬上ムチをピシッピシッと鳴らしながら、ニンマリとした笑みを浮かべる一人の男を見て、スカリエッティは僅かに顔を顰めた。
「・・・・良いが。ルーテシアのサポートだけにしておいてくれよーーーー『グロ・キシニア』」
ースバルsideー
ツナがなのはと、エンマがフェイトと買い物に出掛けて二時間が経過した頃、
「う~ん・・・・次は何処に行こうかな~」
スバルとティアナ、獄寺と山本と了平は、アイスを食べたりスポーツショップ等と、クラナガンの街中を遊び歩いていおり、次に行く場所を話し合っていた。
すると、
ーーーーピピピ、ピピピ。
突然、スバルとティアナのデバイスから電子音が鳴り響いた。
「あれ? キャロから全体通信?」
「なんだろう?」
「「「???」」」
獄寺達も首を傾げながらも、二人はとりあえず通信を聴くことにした。
《こちらライトニング4。緊急事態につき、現場状況を報告します。『サードアベニューF-32』の路地裏にてレリックと思 おぼ しきケースを発見。ケースを持っていたらしい小さな女の子が一人!》
《女の子は意識不明です!》
『っ!!』
それを聞いた全員の顔付きが仕事モードへと変わるも同時に、なのはとフェイト、はやてからも通信が入った。
《みんな、お休みは一旦中断。すぐにエリオ達の所に向かって』》
《救急の手配はこっちでする。2人はそのままその子達とケースの保護。応急手当をしてあげて』》
《全員待機態勢。デッキを外してる子達は配置に戻ってな!安全確実に保護するんよ。レリックもその子もや》
『了解!/おう!』
こうして、楽しかった休日は終わりを告げたのだった。
◇
エリオとキャロから緊急連絡を受けた一同は、『サードアベニューF-32』の路地裏に来ていた。
「エリオ! キャロ!」
スバルの呼び声に反応した二人は顔をそちらに向ける。
「皆さん!」
「連絡にあったのはこの娘か」
そう言って山本はしゃがみ込み、金髪の女の子の容態を見ると、獄寺と了平も覗いてくる。
「極限にボロボロではないか・・・・」
「後、若干服や髪が湿ってやがるな」
「地下水路を通って、かなり長い距離を歩いたんだと思います」
「まだこんなにちっちゃいのに・・・・」
「ケースの封印処理は?」
「キャロがしてくれました。ガジェットが見つかる心配はないと思います。それから、これ・・・・」
そう言ってエリオが掲げたケースには鎖が付いており、その先には他のケースが締められていたと思われる輪が出来ていた。
「こりゃあ、ケースがもう一つあったと見て、間違いないねえな」
「今ロングアーチに調べてもらっています」
「ツナとエンマ、リボーンと隊長達、シャマル先生とリィン曹長がこっちに向かってくれてるそうだし、とりあえず現状を確保しつつ、周辺警戒ね」
『うん/はい/おう!』
ティアナの指示に全員が返事を返した。
ーツナsideー
それから一時間後。駆けつけたシャマルが、少女の容態を診る。
「うん、バイタルは安定しているし、顔色も正常ね。心配無いと思いわ」
「よかった~」
シャマルとの診断結果に全員が胸を撫で下ろした。
「ごめんね、みんな。お休みの最中だったのに」
「あ、いえ」
「平気です」
「ケースと女の子はこのままヘリで搬送するね」
「ヘリにはツナとエンマが護衛に。他の奴らは現場調査だぞ」
『はい/おう!』
なのはとリボーンの指示に全員が返事を返すと、全員はすぐに行動を開始した。
「さて、皆! 短い休みは堪能したわね!」
「お仕事モードに切り替えてしっかり気合いを入れていこう!」
『了解!』
そう言うと、ティアナ達はバリアジャケットを身に纏った。
そして地下水道に降り立ち、レリックの捜索を開始した。
「ーーーー所でなのはにフェイト。お前ら何だそのエロい格好は?」
「「聞かないで下さい・・・・/////」」
真っ赤になった顔を両手で隠しながら、なのはとフェイトは身体全体を背けた。
「ツナ。その子をヘリに連れて行ってやれ」
「う、うん」
ツナが女の子をお姫様抱っこで持ち上げた瞬間、
「ーーーーう・・・・うぅ・・・・」
女の子がうっすらと目を開けた。
「(あっ、この頃、左右の目が・・・・)」
その両の瞳は緑と赤と左右の色が違うオッドアイとなっていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・パ、パ・・・・」
それだけ言うと、女の子は再び目を閉じた。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
何故だろうか、ツナは自分の事をパパと呼ぶ女の子に、奇妙な使命感が生まれた。
ーーーーこの子を、守らなければならないと。
漸く、あの子とツナが出会えました!