かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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オリジナル匣‹ボックス›兵器が出ます。


運命の休日、くるⅣ

ー山本sideー

 

「貴様! 貴様! 貴様ー! 山本武! この私をコケにするかぁっ!!」

 

「いや、何か悪ぃな。どうにも思い出せないんだよ・・・・」

 

「貴様ぁっ!! もう許さん! やれぇ! 雨巨大イカぁッ!!」

 

グロ・キシニアが血走った目を見開いて、馬上ムチて地面をピシャンッ! と叩き、雨巨大イカに命令すると、雨巨大イカは『雨の死ぬ気の炎』を燃え上がらせ、八本の足、否、触手と、『触腕』と呼ばれる二本の長い触手に水を纏い水柱、否、水の槍となり、山本とティアナ達FW陣とギンガに向けて攻撃する。

 

「よっと!」

 

「ワンっ!」

 

「ピィっ!」

 

『わわっ!』

 

山本と次郎と小次郎はヒラリと回避し、FW陣とギンガはグネグネと動く水の槍を危うげに回避する。

 

「山本! 一体誰よあの『変質者』はっ!?」

 

「悪い! やっぱ知らねぇんだ!」

 

「でも! あの『変質者』、山本くんの事を知ってるようだったよ!?」

 

ティアナとスバルは、先ほどの自分達を舐るように見ていたグロ・キシニアを『変質者』呼ばわりし、山本に声をかけるが、山本は分からないと言っている。

しかし、それも仕方ないとも言える。『もう一つの未来での戦い』で、ジャンニーニとラル・ミルチからの言葉と顔写真でしか知らず、実際にグロ・キシニアと戦闘をしたのはクロームだけである。それから数の多くのーーーーそれこそ凄まじいの一言では片づけられない死闘の数々があったのだ。山本が覚えていないのも仕方ないとも言える。

しかし、プライドの高いグロ・キシニアにとってはそんな事知った事ではない。自分の事を知らないと言われ、プライドを大きく傷つけられ怒っているのだ。

 

「うわっと! ギン姉気をつけて! この触手、っていうか水みたいなのに触れると動けなくなるよ!」

 

「ええ知ってるわ! 私の部隊で保護している子にも、"同じ能力の動物がいる"から!」

 

「?」

 

ギンガの言葉に山本が一瞬反応し、ギンガに視線を向けると、グロ・キシニアが馬上ムチに『雨の死ぬ気の炎』を纏わせると山本に迫り、馬上ムチを振る。

 

「ふんっ!」

 

「おっと!」

 

が、ソコは山本武。馬上ムチを時雨金時で受け止め流し、そのままグロ・キシニアに刃を振るう。

 

「『時雨蒼燕特式・十一の型 燕の嘴‹ベッカタ・ディ・ローンディネ›』!」

 

無数とも言える怒涛の突きを繰り出した。が・・・・。

 

「甘い! 甘い! あまーい!! 私の匣‹ボックス›兵器はこれだけではないのだぁ!!」

 

グロ・キシニアがそう言うと、雨巨大イカの隣から、さらに多くの触手が水の槍となって山本に襲い掛かる。

 

「っ! うおっとぉっ!!」

 

山本はすぐにグロ・キシニアから触手に変更して迎撃する。

 

「シャァッ!!」

 

「くっ!」

 

グロ・キシニアが馬上ムチで攻撃してくるが、山本は後方に下がる。

 

「うわぁっ! 触手が増えたっ!?」

 

「っ! イカの隣に何かいますっ!」

 

驚くスバルに、次郎と小次郎と共にキャロとケースを守っていたエリオが雨巨大イカの隣を見てそう言うと、

 

ーーーーザバァァァァァァァァンンッ!

 

何と、雨巨大イカの隣に、『雨の死ぬ気の炎』を纏った、巨大なタコが現れた。

 

「ありゃぁ、タコだっ!」

 

『タコォッ!?』

 

「その通ーり! これが私の新たな匣‹ボックス›兵器! 『大雨ダコ』! さぁさぁさぁ〜! どうする山本武! 貴様だけなら兎も角! ソコの小僧に小娘達に我が匣‹ボックス›兵器の触手を回避できるかなぁ!?」

 

グロ・キシニアが叫ぶと、雨巨大イカと大雨ダコの計十八本の雨の死ぬ気の炎を纏った触手が襲い掛かる。

 

「お前達! ソコの小娘を狙え!」

 

グロ・キシニアはレリックの入ったケースを抱えるキャロに狙いを定めると、触手がキャロに襲い掛かる。

 

「キャロ!」

 

「ピイっ!」

 

「ワン!」

 

「キュクゥー!」

 

が、迫り来る触手を小次郎が『雨の死ぬ気の炎』で防壁で、フリードが炎を吐いて防ぎ、エリオのストラーダで、次郎が小太刀で切り捨てていく。さらに山本も加わっていく。

 

「ふんふんふん。中々に良い動きをするなぁ、あの小僧?」

 

「キャロに目が行き過ぎよ!」

 

「スバル!」

 

「うん!」

 

エリオを興味深そうに見ていると、触手の攻撃が少なくなったのを好機ととらえ、ティアナがクロスミラージュの銃口を向け魔力弾を撃ち、ギンガとスバルがすぐに接近し拳を構えてグロ・キシニアに向かった。

だが、山本はグロ・キシニアの身体がーーーー"膜のようなものに包まれている"のを捉えた。

 

「(何だありゃ・・・・?)」

 

「バカめ、バカめ、バァカめ〜! まだ手の内を全て見せた訳ではないのだ!!」

 

何と、ティアナの魔力弾がツルッとグロ・キシニアの表面を滑り、床や壁にめり込んだ。

 

「なっ!?」

 

ティアナが目を見開くと、ギンガとスバルの拳がグロ・キシニアにめり込み・・・・。

 

ーーーーヌニュン・・・・♪

 

「「え?」」

 

まるで、ウォーターサンドバッグで殴ったような奇妙な感覚に、二人が目をパチクリとさせた次の瞬間ーーーー。

 

ーーーーチクッ!

 

「「うっっ!!!???」」

 

二人の腕に、何やら針が刺さったような痛みと共に、身体が痺れだし、さらに酷い倦怠感で膝から崩れ落ちた。

 

「ギンガさん! スバル!」

 

「ティアナ! 迂闊に近づくな! グロ・キシニアの身体を良く見ろ!」

 

ティアナが駆け寄ろうとするが、イカとタコの触手を全て斬り捨てた山本がティアナに駆け寄って止めて、グロ・キシニアの身体を指差すと、グロ・キシニアの身体を覆っていた膜が、まるで水風船のようなもの幾つも分裂し、グロ・キシニアの身体から離れていくと、フワフワと空中を浮遊し、さらにうっすらとではあるが、『雨の死ぬ気の炎』を纏っていた。

 

「あれってまさかーーーークラゲですかっ!?」

 

「その通り! これぞ私の三番目の匣‹ボックス›兵器、『雨クラゲ』だっ!」

 

「(一つの匣‹ボックス›に何匹もいるタイプの匣‹ボックス›兵器か・・・・!)」

 

エリオが目を見開いてその生物、『雨クラゲ』の群れを見て言うと、グロ・キシニアが匣‹ボックス›兵器であると告げた。

 

「フフフ、クラゲはそのフワフワと優雅に海中を泳ぐ姿から惑わされやすいが、実は強力な毒を持った海の暗殺者とも呼ばれているのだ! さらに、見た目が透明であるがゆえに、このように隠し武器としても使えるのだよ! 海の忍者とも呼ばれているイカとタコのコンビに、海の暗殺者であるクラゲの匣‹ボックス›兵器を携えたこの私に! 最早死角なし!」

 

グロ・キシニアがそう言うと、雨巨大イカと大雨ダコの切られた足が再び生えてきた。

 

「なっ!」

 

「タコとイカの触手はトカゲの自切した尻尾が再生するように再生できるのだ! そしてぇっ!!」

 

大雨ダコは触手を伸ばすと、動けなくなったギンガとスバルを捕らえた。

 

「くっ・・・・うぅっ・・・・!」

 

「こ、のぉ・・・・!」

 

ギンガとスバルが触手から逃れようと動こうとするが、身体が痺れて動けずにいた。

 

「どうしたのよスバル! アンタとギンガさんの馬鹿力ならそんなタコの締め付けなんか!」

 

「それが・・・・か、身体に、力が入らないよ・・・・!」

 

「っ! クラゲの毒か?」

 

「それだけではない! 雨クラゲの毒の他に私の『雨の死ぬ気の炎』を注入したのだ! 今はその二人は鎮静剤を打たれマトモに身体が動かない状態になったのだ!」

 

山本が渋面を作るが、グロ・キシニアは触手に締められ苦悶の表情を浮かべるギンガとスバルを見て、舐るように視線を這わせた。

 

「いいぞ、いいぞ、実にいい〜ぞ。その苦悶に満ちた表情、たまらないなぁ〜!」

 

「「あああぁぁぁ!!」」

 

「やめなさい!!」

 

グロ・キシニアが視線で雨大ダコに命令すると、大雨ダコは触手の締め付けをさらにキツくして、ギンガとスバルの口からさらに悲鳴や、ティアナの悲痛な叫びが地下水道に響く。

山本が駆けつけたくても、雨巨大イカの触手に再び襲われ、それの迎撃で動けなかった。

しかしグロ・キシニアは、それらの声を素晴らしい歌声に聴き惚れるかのように耳に入れると、キャロの方に視線を向けた。

 

「さてお嬢ちゃん。仲間を開放して欲しければケースをーーーーソコのお嬢さまに渡すのだな」

 

「えっ?」

 

グロ・キシニアが馬上ムチで示した方にキャロが目を向けると、別の通路から紫色の長髪に黒いリボンで長髪の左右に一房づつ結び、黒いBJを纏い両手に手袋を嵌め、無表情なエリオとキャロと同い年の少女であり、その隣には、ホテル・アグスタで山本と了平が交戦した『影』、否、まるで黒いトカゲの、ツナ達が時に一緒に戦っている『仮面の戦士達』が戦う異形の怪人のような存在がいた。

 

『ーーーーっ!!』

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

怪人は山本の姿を見た瞬間、臨戦態勢を取るように身構え、少女の方も、その無表情の顔を僅かに顰め、山本に鋭い視線を送った。その怪人は、山本のコンタクトディスプレイに記憶されていた映像で、ティアナ達も知っている。

 

「アイツ、ホテル・アグスタでの・・・・!」

 

「って事は、アンタもスカリエッティの仲間、って事か?」

 

「クックックック。さて、さて、さぁてぇ、どうだろうなぁ? 御託は後にして早くそのケースを渡すんだな。さもなくばお前達の仲間がーーーー」

 

 

 

「ーーーーさせんでござるよ!」

 

 

 

「『赤炎の矢‹フレイムアロー›』!」

 

グロ・キシニアの声を遮るように声が響くと同時に、ギンガとスバルを拘束していた大雨ダコの触手が、赤い炎の矢で焼き切られた。

 

『っっ!?』

 

一同が驚くと、触手から開放されたギンガとスバルが重力に従って落下する。

が、

 

「極限!!」

 

Fシューズを纏った了平がスバルをお姫様抱っこで受け止め、ギンガの方は。

 

「キュゥゥ!」

 

『い、イルカァっっ!?』

 

何と、"空中を泳ぐように浮遊するイルカ"が、ギンガを背中に乗せて受け止めたのだ。巨大イカに巨大タコ、さらに空中を浮遊するクラゲの群れもきて、今度は空中を浮遊するイルカである。最早ティアナ達の頭にある常識が思いっきり砕かれていっている。

 

「あのイルカは・・・・!」

 

「・・・・あ、『アルフィン』・・・・?」

 

「キュゥゥゥゥッ!」

 

ギンガは自分を乗せたイルカの名を呟くと、イルカ、アルフィンは『雨の死ぬ気の炎』を放出し、炎が刃の形になり、グロ・キシニアに襲い掛かる。

 

「ちぃっ! 雨クラゲ!!」

 

グロ・キシニアが馬上ムチで空気を切ると、雨クラゲ達が防壁となり刃を防ぐが、何匹かが切られて地面に落ちた。さらに、別の通路から『雨の死ぬ気の炎』を纏った円型に回転した武器がグロ・キシニアに迫る。

 

「ぬうぅんんっ!!」

 

が、グロ・キシニアは馬上ムチに死ぬ気の炎を纏わせ、ソレを弾くと、弾かれたソレを通路から出た人影が掴むと、ソレは形を露わにしたーーーーブーメランだった。

 

「おっ! あれってまさか!」

 

山本が顔を喜色に染めると、ブーメランを掴んだ、『少年』に目を向け、少年はギンガを乗せたアルフィンの隣に降り立つ。

黒スーツを着用し碧眼に亜麻色の髪で前髪が長く、右目が見えたり隠れたりして襟足が結構長い髪をし、年齢は山本達と同い年の、女の子と見間違いそうな美少年だった。

 

「無事でござるか、ギンガ殿!」

 

「『バジル』、くん・・・・!」

 

ギンガが微かな笑みを浮かべながら呟いたその少年は、『ボンゴレファミリー門外顧問・CEDEF‹チェデフ›』のメンバー。

ーーーーコードネーム、『バジリコン』こと、『バジル』であった。




遂にバジルが参戦しました。


ー『大雨タコ』ー
雨巨大イカと同じ能力があるが、パワーが上であり、霧状の墨(雨の炎付き)を吐く。

ー『雨クラゲ』ー
『霧ウミウシ』や『嵐コウモリ』と同じく、一つの匣‹ボックス›に複数乃個体がいるタイプ。触れると毒と『鎮静』付きの針で刺し、さらに表面は弾丸や魔力弾を滑らせる。
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