かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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運命の休日、来るⅦ

ーギンガsideー

 

「・・・・?」

 

毒が抜けたが、体力を消耗して少しふらついているギンガが何かを感じ取り、後ろを振り返ると。

 

「っ!?」

 

そこには何と、地面から人の手が生え、ゆっくりとエリオの接近していた。

 

「エリオ君! 足元に何か!」

 

「えっ!?」

 

そう言われ、慌てて足元を見るエリオ。

が・・・・。

 

「うわっ!?」

 

「いただき♪」

 

『なっ!?』

 

「セイン・・・・」

 

突如として地面から現れたライトブルーのショートヘアのティアナ達と同い年くらいの少女『セイン』が、エリオからケースを掠め取ったのだ。全員の目がセインに集中する。

 

「このっ!」

 

「うわっと!」

 

それを見たティアナはクロスミラージュを構えて発砲するが、セインは再び地面の中に潜ってそれを回避した。

 

「よっと!」

 

「あっ・・・・」

 

ルーテシアの前に現れたセインは彼女を抱きしめると、再び地面に潜り、そのまま橋の下に突き抜ける。

 

「・・・・アギトが・・・・」

 

「あぁアギトさんなら、さっきの一瞬で離脱しました。さすが、良い判断です♪ そ・れ・と、グロ・キシニア。アンタは自分で何とかしなさいよ」

 

グロ・キシニアがそう言って、もう一度地面の中に潜り、その場から去った。

 

「当然、だ!」

 

グロ・キシニアがそう叫ぶと、リングから『雨の死ぬ気の炎』が噴射し、リングからーーーー『雨クラゲ』が大量に現れた。

 

「っ! アニマルリングかよ!?」

 

「全員後退!」

 

「っ!」

 

獄寺とヴィータが言うのと同時に、全員がグロ・キシニアから距離を空ける。が、バジルはブーメランを投げると、

 

「ーーーーぐぁっ!?」

 

『雨クラゲ』の隙間から見えたグロ・キシニアの左肩にブーメランが当たり傷から血が流れる。

 

「ーーーー貴様! 貴様! 貴様ぁっ!!」

 

グロ・キシニアが戻ってきたブーメランを掴み取ったバジルに憤怒の視線を向け、『雨クラゲ』の群集に包まれ、その姿が消えるように風景に溶け込んだ。

 

「消えたっ!?」

 

「タコやイカと同じく、クラゲの保護色か!」

 

タコやイカやクラゲは、周りの風景と自分の体色を変えるカメレオンのような能力を持っているのだ。

 

「ロングアーチ!!」

 

《ーーーー反応、ロストしました・・・・》

 

ヴィータが追跡を聞くが、逃げられたようだ。

 

「ちっ。ーーーーなのは達の方はどうだ? なのはとフェイトとはやてが『新型』を相手に苦戦していて、『旧型』はシグナムとザフィーラが担当していたよな?」

 

《は、はい。現在ーーーークロームちゃんとランボくんが応援に行ってます》

 

「ぶっっ!! クロームは兎も角ーーーーあの馬鹿牛がだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!??」

 

天敵ランボの名が出た途端、ツナ達が撃墜されたか不明な時でも冷静だったヴィータが、怒髪天を衝く程に怒りを露わにし、その場にいる全員が苦笑と汗を垂らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ークロームsideー

 

「シグナム! 右! ザフィーラ! 左斜上!」

 

「はぁっ!」

 

「ふん!」

 

『新型ガジェット』を相手に苦戦するなのは、フェイト、はやてに代わり、『旧型ガジェット』達の相手をしていたシグナムとザフィーラだったが。旧型は幻覚を使い数を多く見せているだけであったので、『D・スペードの魔レンズ』を使うクロームに本物を見極めて貰っていたのだ。

ついでに、暇そうにしていたランボも経験を積ませると言う事で向かわせたのであった。

 

「ぐぴゃーーーーっ!!」

 

ザフィーラにしがみ付いているランボが悲鳴を上げる。シグナムが小さく溜め息を吐いてからランボに向けて声を上げる。

 

「ーーーーこらランボ。いつまでも情けない悲鳴を上げていないで、お前も牛丼と共に戦え。一応雷の守護者である前に〈ボヴィーノファミリー〉のヒットマンであろう?」

 

「だってだって! ランボさんこんな危ないのヤダもんね!」

 

五歳の頃よりは多少アホが抜けたが、その分ヘタレの方が強くなったようだ。

ザフィーラが、リボーンに使えと言われた『暗示』の言葉をランボに発する。

 

「ーーーーランボ。戦わなければ、“十代目のママン殿にも、もう会えなくなるぞ”」

 

「ママン・・・・」

 

ツナの母・沢田奈々。居候であるリボーン達に家族同然の愛情を注いでおり、リボーン達が心から慕っている女性である。

ランボも『大好きなママン』と言っている奈々に会えなくなると言われーーーー。

 

「・・・・マ、ママーーーーン!! 牛丼!!」

 

ザフィーラが「良し」と笑みを浮かべて、ランボをビルの屋上に下ろすと、ランボは『雷のヘルメットVer.X』を取り出して被ると、高純度の『雷の死ぬ気の炎』を放電し、『雷牛の牛丼』を出現させる。

旧型ガジェット達は匣‹ボックス›兵器の出現に、ランボを危険視したのか向かって幻覚、本物が揃って飛んでくる。

 

「『雷の角‹コロナ・フールミネ›』!!」

 

ーーーードカドカドカドカドカドカドカドカッ!!

 

雷の炎を向かってくる旧型に放射すると、大半の数を破壊した。

 

「ぐ、ぴゃ〜〜〜〜・・・・・・・・」

 

一気に炎を放射して、目を渦巻きにして倒れそうになるランボをザフィーラが優しく受け止めた。

 

「かなり数が減ったな」

 

「全く、発破をかけられなければ本気になれないとは、つくづくそっくりだな」

 

シグナムの言葉に、ザフィーラはフッと笑みを浮かべる。

おそらく思い出しているのだろう。弟分でもあったーーーー『初代雷の守護者』と。

 

「クローム殿。ランボを頼む」

 

「(コクン)はやてちゃん達の方も、終わりそう」

 

チラッとなのは達の戦っている方に視線を向けると、なのはとフェイトが新型ガジェットを一箇所に集め、広域空間魔法を使うはやての姿があった。

 

 

 

 

ーはやてsideー

 

「遠き地にて、闇に沈め! 『デアボリック・エミッション』!!」

 

なのはの砲撃とフェイトの加速、そしてはやての指示で新型ガジェットを集め、はやての放つ巨大な魔力の塊が周囲一帯を覆うように広がる。

 

『ーーーーーーーーーーーーーー』

 

そして、新型ガジェット達は魔力の塊の中で全て破壊された。

 

「「「ぜぇ・・・・ぜぇ・・・・ぜぇ・・・・!!」」」

 

三人共肩で荒い息をしながら、ツナが向かったビルの方に目を向けると、ビルの上空で、ツナが四本の剣を使って攻撃してくる剣士と交戦していた。

 

「ツナさん!」

 

なのはが声を張り上げると同時に、フェイトとはやてと共にツナの元に向かった。

 

 

 

 

 

 

ーツナsideー

 

「はぁっ!!」

 

「ーーーー!」

 

ツナは突如現れた幻騎士と激しい戦いを繰り広げていた。

 

「(俺の知ってる幻騎士よりも、腕が上がっている・・・・?)」

 

『鎧』を纏っている幻騎士でも、正直リミッター解除したなのは達隊長陣と互角の実力だったが、今の幻騎士は『鎧』なしで、なのは達と互角の実力だった。

その事に疑問を持つツナだが、まずは最もの疑問をぶつける。

 

「ーーーー幻騎士! 何故お前がミッドチルダにいる!? “白蘭が絡んでいるのかっ!?”」

 

「・・・・・・・・」

 

幻騎士は何も応えず、何人もの自分の幻覚を作りツナを包囲すると、一斉にに斬りかかる。

 

「『X‹イクス›ストリーム』!!」

 

その場で回転して焼き払った。が、幻覚を破ると頭上から突きの姿勢で襲い来る。

 

ーーーーガキィィィンン・・・・!

 

「「っ!」」

 

ツナは当然気づいており、グローブでガードしようとしたその時、幻騎士に向かって鎖分銅が迫り、幻騎士はそれを弾いて距離を取った。

弾かれた鎖分銅はしなりながら引っ込んでいくと、ロールの雲に乗った雲雀がソコにいた。

 

「やぁ、久しぶりだね。あの時‹未来›の借り、返させて貰うよ」

 

猛禽類のような目をさらに細めて、トンファーを構えて幻騎士と剣とトンファーをぶつけ、火花を散らせる雲雀。『もう一つの未来の戦い』で、未来に来たばかりの雲雀は幻騎士に叩きのめされ、さらにクロームと獄寺に助けられた。プライドの高い雲雀にとって、そんな『屈辱』の数々、耐えられる筈がない。

故に、拠点で昼寝していた雲雀はリボーンから送られてきた映像で幻騎士を見つけ、ここにやって来たのだ。

 

「小動物。彼は僕の獲物だ」

 

「分かった。俺は砲撃をした少女達を・・・・っ!?」

 

ツナがヘリを狙った犯人二人に目を向けると、件の少女達がビルの屋上から姿を消していた。

 

「(逃げた? いや、簡単に目を覚ますレベルで気絶させていないからーーーー“隠れていた仲間”か)」

 

「ツナさーーーーん!!」

 

ツナは後ろから響くなのは達の声に振り向く。

雲雀の方を見ると、雲雀は幻騎士と交戦しながら遠くまで飛んでいた。が、途中で幻騎士の姿が霧のように消え、雲雀が「ムッス〜!」とした顔になっていた。

 

「・・・・逃げられた、か」

 

 

 

 

 

 

 

ー???sideー

 

ツナ達がいた首都・クラナガンの郊外。

 

「・・・・ト、『トーレ姉様』、助がりまじた・・・・」

 

「感謝・・・・」

 

意識回復したクアットロとディエチは、首の激痛に耐えながら、自分達を助けてくれた姉、長身に紫色のショートヘアに精悍で男前な顔つきをしたシグナムとシャマルと同い年くらいの女性『トーレ』に感謝した。

トーレは右手中指に嵌めていたリングから、『晴れの死ぬ気の炎』で二人を回復させたようだ。

 

「軽く回復したのだからさっさと立て。バカ者共め・・・・監視目的だったが、来ていてよかった。セインはもう、お嬢とケースの確保を完遂したそうだ。合流してすぐに戻るぞ」

 

「げ、幻騎士は・・・・?」

 

「・・・・ヤツなら我々が離脱してすぐに撤退したようだな」

 

「あ、あんなヤツいなくても、トーレ姉様だけで・・・・」

 

「馬鹿めクアットロ。あのボンゴレという少年ーーーー“私の存在に気づいていたぞ”」

 

「「っ!」」

 

トーレの言葉に、クアットロとディエチは信じられないと言わんばかりに目を見開いた。それを見てトーレは、苦虫を噛み潰したような苦々しい顔になって話す。

 

「お前達を一瞬で倒した後、助けに行こうとした隠れていた私を真っ直ぐに見据えて、ヤツは凄まじい威圧感を放ってきた。あの少年は私の存在に完全に気づいたのだ。その瞬間分かったーーーー“格が違う”、とな。情けない話だが、幻騎士がバックアップに回ってくれなければ、お前達を回収できなかっただろう。『戦闘機人』、〈ナンバーズ〉の戦闘タイプでありながら、私は睨まれただけで、『敗北』したのだ・・・・!」

 

悔しそうに拳を握り締める姉に、クアットロとディエチは目をパチクリさせ、トーレは自分の大きな胸に手を当て呟く。

 

「ーーーーやはりドクターに進言する必要があるかもしれんな・・・・『修羅の匣』を手にする事を・・・・!」

 

 

トーレがそう言うと同時に、セインがやって来て、四人はアジトに戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーヴィータsideー

 

ヴィータはなのはに念話で報告をしていた。

 

「・・・・んで、ツナはその、幻騎士ってヤツに逃げられて不機嫌MAXになった雲雀の相手にバトル中って訳か。ーーーー幻騎士ってのがどんなヤツなのか、今獄寺達の反応を見るに、厄介な野郎ってのが分かった」

 

チラッと獄寺、山本、了平、バジルの驚愕した顔を見て、ヴィータが幻騎士がどれ程のヤツか想像がついたようだ。

 

「んで、こっちは失敗だ。召喚士一味には逃げられ、ケースは持っていかれちまって、逃走経路も攫めねぇ。ーーーーが、安心しろよなのは。アタシらが思っていた以上に・・・・生徒達は成長していたようだぜ」

 

ヴィータがニヤリと笑みを浮かべると、獄寺達にFW陣も悪戯っぽい笑みを浮かべ、ティアナが口を開く。

 

「実はレリックには、私で一工夫してまして・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

ートーレsideー

 

一方、スカリエッティのアジトである地下施設では、戻って来たナンバーズとルーテシアが通路を歩いており、通路の途中、グロ・キシニアと幻騎士と合流した。

 

「はぁ、やっと戻ってこれた」

 

「お嬢の集団転送のおかげですね。ありがとうございます」

 

「・・・・うん」

 

「あぁセインちゃん。ケースの中身確認♪」

 

「はいよ~」

 

そう言ってセインは近くの台座にケースを置き、指先を光らせてケースをなぞると、ケースが音を立てて開かれた。そしてセインは蓋を持ち、

 

「じゃじゃ~ん!」

 

と、勢い良く蓋を開いた。

がしかし・・・・。

 

「っ、からっぽ!?」

 

ケースの中に『レリック』はなかった。

 

「どういうことだ!?」

 

「セインちゃん! 貴女まさかーーーー」

 

「って、私はちゃんと運んできた!」

 

「『ディープダイバー』の使い方間違えて、中身だけ落としてきたとか?」

 

「間違えねぇ!!」

 

自分の専用武器『IS‹インヒューレントスキル›・ディープダイバー』の使い方を間違えたと言われ、激昂するセイン。

ナンバーズが口論している間に、ルーテシアは空のケースを見つめ、残念そうに目尻を下げる。

 

「ちゃんとスキャンして、本物のケースだと確認してーーーーほれ!」

 

セインはその場にいくつかの空間モニターを出し、確認させる。

 

「何だ、何だ、な〜んだ。こぉ〜んな“くだらん手品“にしてやられたのかぁ?」

 

「・・・・っ!!」

 

グロ・キシニアと幻騎士は何かを察したようにモニタを見ていた。すると、同じくモニターを見ていたトーレが何かに気がついた。

 

「んー、おかしいわねぇ?」

 

「バカ共が! お前らの目は節穴か!? ここだ!」

 

と、トーレが指差したのはーーーーキャロの帽子の中だった。

 

「中身だけを取り出して隠し、カモフラージュをしていた。敵ながら見事な作戦だ」

 

幻騎士はFW陣の行動に能面な顔で賞賛するが、ナンバーズは出し抜かれた事に個人差はあれど、悔しそうな顔を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

ーヴィータsideー

 

「ケースは、シルエットではなく本物でした。私のシルエットは衝撃に弱いんで、奪われた時点でバレちゃいますから」

 

「なので、ケースを開封してレリック本体に直接厳重封印をかけて・・・・」

 

「その中身は・・・・」

 

説明しながらエリオはキャロの帽子を取ると、そこには一輪の花が咲いたカチューシャがあった。

 

「こんな感じです!」

 

ティアナがパチンと指を鳴らすと、カチューシャは『レリック』へと姿を変えた。

 

「敵との直接接触の一番少ないキャロに持っててもらおうって」

 

「へっ。良くやったぞ! お前ら!!」

 

ヴィータは、教え子達の成長に、満面の笑みで褒めちぎった。

 




漸く終わりました・・・・。次回、遂に保護した少女とツナが出会うかも?
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