かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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漸くここまで来られた・・・・。


運命の日、来る

ースカリエッティsideー

 

「ーーーーーーーー間もなく九月十二日・・・・遂に、この日が来た」

 

自分の秘密アジトの大広間にて、ジェイル・スカリエッティは、『待ち望んだ日』が来た事に、感慨深い気持ちになっていた。

そして、その場にいる『ナンバーズ』と『協力者達』に向けて声を上げる。

 

「ーーーー君達も知っていると思うが。〈時空管理局〉は思い上がった組織だ。次元世界に渡る技術。科学と魔法を融合した力。それによって、『自分達こそ次元世界の法の番人』、等と謳っている。・・・・・・・・“あの程度の雑魚共が、とても不愉快だと思うだろう”?」

 

『・・・・・・・・』

 

スカリエッティの言葉に同意するように頷く者。最初から管理局など眼中に無いと言わんばかりの者と別れているが、概ね同意のようだ。

 

「ーーーー我々は良く言うなれば『敗北者』。悪く言えば『負け犬』だ。こことは『違う未来』で、我々は苦渋と屈辱と絶望を舐めさせられた。・・・・嫌という程にね」

 

『敗北者』。『負け犬』。その言葉を聞いて、ギリッと歯を食い縛る者。拳をキツく握り締めて血を滴らせる者。濃密な殺気を放つ者。その言葉の意味が今一理解できず首を傾げる者と別れた。

 

「見せつけてやろうではないか。我々を『負け犬』と罵り、嘲笑い、そして見下した者達に。・・・・これは我々、“敗北者達の逆襲だ”!!」

 

『オォォォォォッ!!』

 

スカリエッティの言葉に、全員が手を上げて叫んだ。

 

「ーーーーでは、始めようではないか。自分達の魔法こそ至上と考える蛙‹カワズ›共に、『次元世界の広さ』を、ね」

 

凄絶な笑みを浮かべながら、スカリエッティがそう言った。

 

 

 

 

 

 

ーツナsideー

 

九月十一日。

機動六課隊舎に集合したなのはとヴィータ、FW陣に雲雀を除いたボンゴレ&エンマの面々に向かって、はやてが話し出す。

 

「ーーーーと言うわけで、明日はいよいよ『公開意見陳述会』や」

 

『公開意見陳述会』。それは管理局の将来を見据えて開かれる新兵器『アインヘリアル』についての話し合いが中心になって行われる会議である。

 

「明日十四時からの開会に備えて、現場の警備はもう始まってる。なのは隊長とヴィータ副隊長、リィン曹長とフォワード四名、それから獄寺さんと山本さんとバジルさんはこれから出発。ナイトシフトで警備開始」

 

「皆、ちゃんと仮眠取った?」

 

『はい!』

 

「私とフェイト隊長、シグナム副隊長は明日の早朝に中央入りする。それまでの間、よろしくな!」

 

『はい!』

 

はやての言葉に全員が大きく返事を返したのだった。

 

 

 

 

 

そして遂に訪れた『公開意見陳述会』当日。

 

「パパ、お仕事に行くの?」

 

自室で公開意見陳述会の為に身支度をしていると、ナッツを抱っこし、ココを頭に乗せたヴィヴィオが椅子に座って足をプラプラさせながら話しかけてきた。

 

「うんそうだよ、なのはママやエンマパパやフェイトママも一緒にね」

 

リボーンのレオン特製の黒スーツを着用し、鏡で身なりを確認するツナ。やはりまだネクタイを締めるのには不慣れのようで少々悪戦苦闘しながら、漸く締められた。

 

「ヴィヴィオも行きたいよ〜」

 

「う〜ん・・・・できれば連れて行きたいけど・・・・ごめんな」

 

ツナはヴィヴィオの前でしゃがみ、頭を撫でながら目線を合わせて謝る。

 

「ふみゅ〜・・・・うぅ〜・・・・」

 

ツナに頭を撫でられ、一瞬嬉しそうに頬を緩めるが、それでも不満そうに可愛く頬をプゥと膨らませた。

 

「う〜ん・・・・なぁヴィヴィオ。このお仕事が終わったらさ。街へ買い物に行かないか?」

 

「へ? ヴィヴィオ、お外に行って良いの!?」

 

ヴィヴィオがこの六課隊舎に来て数週間。ガードと保護がしやすいように、ずっと隊舎に籠りっぱなしだったヴィヴィオに取って、外に出て良いと言われて顔をパァッと明るくした。

 

「うん。俺となのはママ、エンマパパとフェイトママも一緒に、新しいお洋服にパジャマ。ぬいぐるみやご飯を食べに行って、遊園地とか遊びに行こう」

 

「ホント!?」

 

「ああ。本当だよ。ーーーー約束だ」

 

「うゅ?」

 

ツナが小指を立ててヴィヴィオに差し出すと、ヴィヴィオは何なのかと首を傾げる。

 

「これはね、『約束のおまじない』だよ。このおまじないの呪文を唱えたら、絶対約束を守る事になるんだ」

 

「そうなの!」

 

「ああ。ヴィヴィオも、小指を立てて」

 

「うん!」

 

ナッツとココを床に下ろしたヴィヴィオも小指を立てると、ツナは笑みを浮かべて自分の小指と絡み合わせる。

そして、ツナがおまじないの呪文も伝えると、ヴィヴィオも一緒になって唱える。

 

「「指切りげんまん♪ 嘘ついたら針千本呑〜ます♪ 指切った!」」

 

ツナとヴィヴィオが約束をすると、ヴィヴィオは満面の笑みでツナに抱き着いた。

 

「ツナパパ〜」

 

「・・・・ヴィヴィオ」

 

「んゆぅ?」

 

「・・・・怖い事や、辛い事、苦しい事や悲しい事があったら、ちゃんとパパやママ達に言うんだぞ」

 

「うんん?」

 

「ヴィヴィオが、ちゃんと、『怖いよ、パパ助けて』って言ってくれれば、パパは絶対に助けに行くからな」

 

「・・・・・・・・ほんとう?」

 

ヴィヴィオが一瞬、口ごもってから聞くと、ツナは優しい笑みを浮かべて頷く。

 

「本当だ。パパが助けに行くから、ヴィヴィオも、パパを信じて、『助けて』って言ってくれよ」

 

「・・・・・・・・うん!」

 

ヴィヴィオがそう言って太陽なような輝く笑顔を浮かべて、ツナの胸元に顔を埋めた。

 

「ーーーーツナくん。準備は・・・・って、ヴィヴィオに捕まっちゃったか」

 

同じく支度に手間取ったエンマが入ってくると、ヴィヴィオとの様子を見て苦笑した。

 

「あっ、エンマパパ! ツナパパがねーーーー」

 

「ヴィヴィオ。おまじないは、他の人に言うと消えちゃうんだぞ?」

 

「わわっ!」

 

エンマにおまじないの事を言おうとすると、ツナがそう言うと、慌てて口を塞いだ。

 

「・・・・ん~~? ヴィヴィオ? ツナくんと何をしたの?」

 

「ん~ん〜!」

 

見上げるように見ながら問うエンマに、ヴィヴィオはブンブンと首を横に振って拒否する。

 

「フフフッ、ヴィヴィオ」

 

「んぅ? んん~・・・・♪」

 

エンマが頭を優しく撫でてやると、ヴィヴィオは気持ちよさそうに笑みを浮かべるのであった。

 

 

 

 

ーリボーンsideー

 

「・・・・・・・・」

 

そして、ツナ達のいる天井裏では、リボーンがレオンが変身したビデオカメラで撮影していた。

それはもう、心底楽しそうにニヤニヤと。

 

 

 

 

 

 

 

ーツナsideー

 

その後、ツナ達は会場へ向かうヘリに乗る為、ヘリポートに来ていた。

 

「じゃあ、ヴィヴィオを頼むな。クローム、ランボ」

 

「うん。任せてボス」

 

「ランボさんが守ってやるもんね!」

 

隊舎に残り、ヴィヴィオの遊び相手と護衛をする事になったクロームとランボがツナに返事した。

一方、なのはとヴィヴィオはでは。

 

「ヴィヴィオ。なのはママ、今夜は外でお泊りだけど、明日の夜にはちゃんと帰ってくるから」

 

「・・・・ぜったい?」

 

「絶対に絶対」

 

そう言ってヴィヴィオに向かって小指を突き出すなのは。

 

「良い子で待ってたら、ヴィヴィオの好きなキャラメルミルク作ってあげるから」

 

「・・・・うん!」

 

そう頷いてヴィヴィオは自分の小指をなのはの小指を絡め、指きりをしたのだった。その後、全員ヘリに乗り込み、会場へと出発した。

眼下では、手を振っているヴィヴィオとランボとクローム、シャマルとザフィーラがいた。

 

「ーーーーそれにしてもヴィヴィオ、本当に懐いてちゃっていますね」

 

「全くね」

 

スバルが話を切り出すと、ティアナが同意するように頷く。

 

「そうだね・・・・結構厳しく接しているつもりなんだけどなぁ・・・・」

 

「きっと分かるんですよ。なのはさんが優しいって」

 

「いっそ、お前がこのまま引き取っちまえばいいんじゃねえか?」

 

リボーンの提案になのはの表情が曇る。

 

「受け入れてくれる家庭探しはまだまだ続けるよ。良い受け入れ先が見つかってヴィヴィオがそこに行くことを納得してくれれば・・・・」

 

「納得しない気がします・・・・」

 

「うん・・・・」

 

「「うんうん」」

 

「だぞ」

 

「極限にな」

 

「「・・・・・・・・」」

 

エリオの言葉に、キャロとティアラとスバル、リボーンに了平、ツナもエンマも頷く。

 

「それは、ずっと一緒にいられたら嬉しいけど、本当に良い行き先が見つかったらちゃんと説得するよ。良い子だもん・・・・幸せになって欲しいから・・・・」

 

『・・・・・・・・』

 

なのはの言葉に一同は黙り込む。

ツナとエンマもパパとしているが、本来は『この時代の人間』ではない自分達が、未来の存在であるヴィヴィオに、これ以上干渉して良いものなのかと、ずっと目を逸らしてきた現実と、直面した気持ちになる。

しかしーーーー。

 

「・・・・本当に、それでいいのか?」

 

リボーンが沈黙を破り、なのはに問い掛けた。

 

「どういうこと?」

 

「なのは。前にティアナの事で暴走して、ツナに叩きのめされた後、俺に言われた事を思い出してみろ」

 

「え・・・・」

 

なのはは以前リボーンに言われた言葉を思い返した。

 

【なのは。お前の悪い所は、自分で自分を勝手に評価する所だ。それがお前の一番の傲慢な所だ。資格がないだの、責任を取るだの、そんなカッコつけた言い訳して逃げようなんてするんじゃねえ。例え逃げたとしても、お前のそれからの人生は、ずっと後悔と罪悪感と自己嫌悪に苛まれる道だ】

 

「お前は相手の事を、ヴィヴィオの事を考えているようだが、俺から見れば、自分の一方的な善意をヴィヴィオに押し付けているようなものだぞ」

 

「そ、そんなことないよ!」

 

「じゃぁ、それで本当にヴィヴィオの幸せになれると思っていやかるのか?」

 

「っ・・・・!」

 

リボーンの言葉に、なのはは言葉を詰まらせる。

 

「お前はヴィヴィオの幸せを考えてそう言ってるんだろうが・・・・ヴィヴィオ自身からしてみれば、お前やツナ達と離れる事の方が、最大の不幸だと俺は思うぞ」

 

「っ・・・・」

 

リボーンの言葉になのはは顔をしかめる。

 

「ヴィヴィオが一番懐いているのはツナとエンマだ。だが、俺達は『この時代の人間』ではない。いずれ別れる日が来る。そんな時、お前やフェイトとも離れ離れになっちまったら、ヴィヴィオは心に一生涯消えない『傷』が刻まれちまうだろう」

 

「・・・・・・・・」

 

そう言われたなのはは、思案顔になる。そして、ツナとエンマも。

 

「ーーーーま、その『答え』をちゃんと考えておけ。後回しにしたり、『安易な答え』をしてしまったら、一生後悔する事になるだろうからな」

 

リボーンの言葉が、なのはだけでなく、ツナとエンマにも、深く深く刺さっていた。

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