かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

117 / 128
ラジエルと遭遇したバジルとギンガは?


襲撃、来るⅢ

ーバジルsideー

 

バジルとギンガは、獄寺と了平が戦闘機人のノーヴェとウェンディと戦っている場所から少し離れた位置にて、ファントムガジェットを破壊していった。

と、そんな時、建物の影から自分達に向かって無数のナイフが飛んできた。

 

「っ! アルフィン!!」

 

『キュァァァ!』

 

バジルがアニマルリングからアルフィンを呼び出すと、アルフィンが『雨の死ぬ気の炎』の障壁を生み出して、ナイフを全て受け止めた。

 

「誰なのっ!?」

 

ギンガが声を張り上げると、建物の影から一人の女の子が現れた。銀色の長髪に金の瞳、顔付きは何処かギンガかスバルの面影があるが、その右目には眼帯を付けていた。表情は無表情に近く、その体形はヴィータと遜色無いくらいの小柄な体型であり、その身体を包むように外套を纏っていた。

 

「何者なの、あなたは・・・・?」

 

「『戦闘機人 チンク』・・・・」

 

「っ! 戦闘機人・・・・!?」

 

「(『チンク』・・・・イタリア語で、『5』を意味する。と言う事は、彼女は五番目、沢田殿達が以前遭遇した三人を含めれば、戦闘機人は後一人、もしくは他にもいると言う事で御座るか。しかし、スカリエッティの仲間だとすれば、何故ミッドチルダの次元犯罪者であるスカリエッティが、我々の世界のイタリア語を知っているんだ?)」

 

『戦闘機人』と言う言葉に、ギンガが過剰に反応を示し、バジルはコンマ数秒の思考を巡らせてから、ブーメランを構える。

すると、チンクは指に嵌めたリングから、紫色のモヤモヤした雲のような炎、『雲の死ぬ気の炎』を発した。

 

「っ! それは、雲の炎!?」

 

「『スティンガー』!」

 

チンクは手から『スティンガー』と名付けたスローイングナイフをバジルとギンガに向けて投擲した。そのナイフには『雲の死ぬ気の炎』を纏っており八本だったのが二十数本にまで『増殖』した。

 

「くっ、アルフィン!!」

 

『キュァァァ!!』

 

バジルがリングからアルフィンが飛び出すと、『雨の死ぬ気の炎』を障壁を作って飛んでくるスティンガーを弾き、地面に落とす。

しかし、チンクは投擲を止めず、次々とスティンガーを放ち、『増殖』し、アルフィンの障壁に阻まれ、地面に落ちていく。

 

「無駄よ! いくらナイフを投げても、アルフィンの防御を崩せないわ!」

 

「フッ」

 

「?ーーーーはっ!?」

 

ギンガがそう言うが、チンクは笑みを浮かべ、それを訝しそうに見ていたバジルのコンタクトディスプレイが、地面に落ちたスティンガーからーーーー『爆発反応』を検知した。

 

「〈『IS‹インヒューレントスキル›・ランブルデトネイター』〉(パチンッ)」

 

ーーーードドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!

 

チンクが呟いてから、パチンッ、と指を鳴らすと、地面に落ちたスティンガーが次々と爆裂し、アルフィンの防壁ごと、バジルとギンガを、悲鳴を上げる暇も与えずに呑み込んだ。

 

金属を爆発物に変換する固有能力『IS‹インヒューレントスキル›・ランブルデトネイター』の能力でスティンガーを爆発させたのである。

 

「(『雨の死ぬ気の炎』で防御していても、これ程の爆発だ。倒せるとは言えなくても、多少のダメージは期待したい所だが・・・・)」

 

チンクは爆煙が収まるのを待つと、煙が少し晴れていき、二人の姿がなく、訝しそうに眉根を寄せるチンクだが、さらに煙が晴れると二人のいた地点に、大きな穴ができていたのだ。

 

「っ!? 何だと!?」

 

ーーーービキビキ・・・・バカァァァァン!!

 

目を見開いたチンクの足元のアスファルトが下から盛り上がると、まるで火山の噴火のようにチンクの足元のアスファルトをブチ破り、ギンガとバジルとアルフィンが飛び出してきた。

 

「何っ!?」

 

「『激流の刃‹トレント・ディ・ラーマ›』!!」

 

『雨の死ぬ気の炎』で包みこんだブーメランを放ち、青色の鏃状の刃となって予想外の事態に一瞬の思考停止で防御が遅れ、マトモに受けてしまった。

 

「うわぁあああああああああああああ!!」

 

チンクの小柄な身体が盛大に吹っ飛び、地面を何度かバウンドして転がる。

漸く停止したが、凄まじいダメージと『鎮静』により、身体が動かなくなってしまった。しかし、何とか顔を上げ、自分達に近づくバジルとギンガに向けて声を発する。

 

「ど、どうして・・・・?」

 

「爆発とは上と横に広がるのでござる。下に逃げてしまえばどうという事はない」

 

「私達のいた地点の真下には、点検用の地下通路があってね。私の『ナックルバンカー』で地面を砕いて、その通路を伝って、あなたの足元にたどり着いたのよ」

 

「くっ・・・・」

 

「それでは色々と聞かせてもらいましょうか」

 

と、バジルがチンクを捕らえようとしたその瞬間、こちらに向かってくる二つの人影があった。

顔は良く見えなかったが、一人は仕立てのいい上に豪奢な服装に身を包み、これまた豪奢な椅子に座りながらこちらに向かってきた。「車椅子を改造したものだろうか?」 とギンガは思いながら、もう一人に視線を向ける。大柄な体躯に燕尾服を着た壮年の男性。もしかして、改造車椅子に乗る人の使用人の人かと思われる。

 

「っ。一般人かしら? 駄目ですよ、ここは今危険ですから・・・・」

 

「(っ! あれは!)ギンガ殿! 離れるで御座る!!」

 

「えっ?」

 

ーーーーバササササササササ・・・・!

 

とその時、バジルの言葉ても振り向いたギンガは、突然の音が耳に入り、再び視線を戻すと、『小さな影』が豪奢な車椅子から無数に飛んでくるのを見て、嫌な予感がして、後ろに跳んで距離をあけてから、その『小さな影』を改めて見るとそれはーーーー。

 

「(ーーーー蝙蝠・・・・?)っっ!! かはっっ!!?」

 

空を飛んでいる小さな影が、蝙蝠であるとギンガが認識した瞬間、ギンガの視界が真っ赤に染まり、口や鼻、更に言えば、耳からも血を噴き出した。自分の目から、血の涙まで流れているとギンガは認識した。

認識すると、身体がヨロヨロと、力無く倒れそうになる。

 

「ーーーーあ・・・・あぁ・・・・」

 

「ギンガ殿!! アルフィン!!」

 

『キュイっ!』

 

バジルは、チンクを放って、全身から血を流して倒れそうになるギンガに駆け寄り、身体に血が付くのに構わず抱き留めると、ギンガの身体を優しく横たわらせると、アルフィンが『鎮静』で痛みと怪我の進行を遅らせ、『雨の死ぬ気の炎』の結界を作って、ギンガをこんな目に合わせた蝙蝠の攻撃から、バジルとギンガを守る。

改めて周囲を見ると、自分達を取り囲むように、『『嵐の死ぬ気の炎』を纏った蝙蝠達』を見やった。

 

「くっ!」

 

そしてバジルは、その蝙蝠の大群の奥にいる人間を睨み付けた。データ上でしか聞かされなかった、『もう一つの未来の世界』にいた敵を。

 

「貴様は・・・・ベルフェゴールの兄、『ラジエル』!!」

 

「しししっ♪」

 

バジルが名を呼んだのは、『もう一つの未来の世界』で『独立暗殺部隊VARIA‹ヴァリアー›のベルフェゴール』と髪の長さ以外は瓜二つと言える容姿をした男。

その名を、『ラジエル』ーーーー『元ミルフィオーレファミリー・ホワイトスペル 6弔花 嵐の守護者 ジル』が、ニンマリと大きく笑みを浮かべた。

ギンガを血だるまにしたのは、彼の所有する『一つの匣‹ボックス›に複数の個体がいる匣‹ボックス›兵器』、『嵐の分解』を纏った『超音波』で相手の内部を破壊する『嵐コウモリ』であった。

そして、ラジエルはその口から、こちらを小馬鹿にしたような声を発する。

 

「しししっ♪ 『タイプゼロ・ファースト』って呼ばれているから、どの程度かなぁ? って思ったら、俺の『嵐コウモリ』に簡単にやられる雑魚じゃん? おい『オルゲルト』。コイツも回収すんの?」

 

ラジエルは、自分の傍らに立つ燕尾服の男性、禿頭をし、顔にナイフで切られた大きな傷がある褐色の執事に話しかけるが、執事は首を横に振って、恭しく会話をした。

 

「いえジル様。『スカリエッティ殿』も、回収する必要はない。チンク殿だけを回収しろとの事でした」

 

「そうかよ。んじゃ、雑魚チビを回収しな」

 

「畏まりました」

 

『オルゲルト』と呼ばれた執事がリングを嵌めた手を出すと、『雨の死ぬ気の炎』を纏ったペリカン、『雨ペリカン』が飛び出し、その足でチンクの首根っこを掴んで、『オルゲルト』の側にまで移動し、チンクを手渡した。

 

「っ待て!」

 

「お初にお目にかかります、ネオ・ボンゴレファミリー〈CEDEF‹チェデフ›〉のバジル。私めは、ジル様の執事をしている『オルゲルト』と申します。私達はチンク殿の回収が任務。ここいらで失礼させていただきます。そちらとしても、早くその『タイプゼロ・ファースト』を治療しないとーーーー手遅れになりますぞ?」

 

「っ!」

 

オルゲルトの言葉に、バジルは息を呑んだ。確かに、『鎮静』で痛みと傷の進行を遅らせているだけの応急処置をしているだけ、早く了平に治療させなければ、如何に普通の人間よりも頑丈なギンガでも助からないかも知れない。

 

「それじゃあなぁ! CEDEF‹チェデフ›のガキ! 精々この『王様』の慈悲深さに感謝しな!」

 

そう言うと、ラジエルの乗る豪奢な椅子の足元から、オルゲルトは恐らく『Fシューズ』の靴から、『嵐の死ぬ気の炎』と『雨の死ぬ気の炎』が噴射され空を飛び、『嵐コウモリ』達と『雨ペリカン』を連れて離脱しようとした。

 

「待て! お前達は何故、スカリエッティについている!? 白蘭の指示か!?」

 

ミルフィオーレファミリーの所属だったジル達がここにいるのは白蘭が絡んでいると思い、バジルが声を張り上げるが、ラジエルは吐き捨てるように言う。

 

「はぁ・・・・? アイツは関係ねえ。このジル様を、当て馬扱いしやがったあのクソ野郎はなっ!!」

ラジエルはそう言うとオルゲルトと、オルゲルトの小脇に抱えられた気絶したチンクを連れて、その場から離脱した。

 

「・・・・ギンガ殿」

 

「・・・・ぅっ・・・・うぅっ・・・・」

 

気になるが、先ずはギンガの安全を優先し、バジルはギンガをアルフィンの背中に乗せて、ゆっくりと了平と獄寺が戦っている場所へと向かった。

 

 




ギンガは原作通り連れ拐われる予定でしたが、書いている内に。

「あれ? ギンガは別に敵側にしなくてもよくね?」

っと思ったので、ギンガは再起不能‹リタイア›&戦線離脱となりしました(笑)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。