ーーーー『G4システム』。
ツナ達となのは達の故郷『地球』では、表面上は平和だが、裏では『異形の怪人達』と、それらを操る『秘密結社』による被害から市民を守る為に、日本警察が開発したパワードスーツ、『第四世代型・戦闘用強化外骨格および強化外筋システム・GENERATIONー4』の事である。
しかし、それには『危険すぎる特性』を持ち、装着員に極めて高い負担を及ぼす事が実験段階で判明し、開発者ですら『存在してはならないシステム』と断じ、その設計は封印された筈であった。
しかし、とある『愚かな女性自衛官』によって、その設計図は盗まれ、開発されたが、多くの装着員である自衛官を死なせ、暴走を起こし、自衛隊の施設一つを破壊してしまい、その『女性自衛官』も行方不明となり、『G4システム』は後に完全破棄が決定された。
だがーーーーその悍ましいシステムが今、次元を超えて、何体にもなってクローム達の前に立ち塞がった。
ークロームsideー
そして現在ーーーー。
「「「はぁ・・・・はぁ・・・・!」」」
六課の隊舎の前では、ボンゴレスーツを着たクロームと、BJを着たシャマルとザフィーラが息を荒げて膝をついていた。
そして彼女たちの前には、ボーイッシュな髪形と気だるそうな顔が印象的な少女、『ナンバーズ・オットー』が立っていた。
「たった三人でよく守った。だけどもう終わり。僕の『IS・レイストーム』の前では、抵抗は無意味だ」
そう言いながら、オットーは手のひらに緑色の魔力球体を生成する。
「っ!? クラールヴィント、防いで!!」
オットーが放った緑色の光が五つの光線となって六課に襲いかかる。
だが間一髪でシャマルがバリアで防ぎ、均衡状態に持ち込んだ。 その隙にザフィーラがガジェットの光線を掻い潜りながらオットーに飛びかかる。
「おぉぉぉぉぉ!!!」
が・・・・。
『・・・・・・・・』
G4の一体がザフィーラの前に立つと、ザフィーラの拳を掴み取った。
「くっ!(ドンッ)ぐはっ!!」
腕を掴まれたザフィーラの腹部に、G4の拳が深く突き刺さる。身体を貫通しなかったのは、ザフィーラの頑丈さがあればこそであろう。
「『ディード』」
オットーがそう呟くと同時に、G4に掴まれた手を離されたザフィーラの前に、栗色のストレートヘアの少女、『ナンバーズのディード』が現れた。
「『IS・ツインブレイズ』」
そして、ディードは赤い刃の双剣、ツインブレイズでザフィーラを斬り付けた。
「ぐああぁぁぁぁぁ!!!」
斬られたザフィーラはそのまま地面に激突した。
「あぁっ!」
「「ザフィーラ!!」」
クロームとシャマルがその光景に眼を見開くと同時に、シャマルのバリアが破られ、光線が六課に直撃し、大爆発を起こした。それを悔しそうに見ているシャマルとザフィーラ。
「さようなら」
そう言ってオットーが二人に向かって手を翳したその瞬間・・・・。
「牛丼!!」
『ンモォォォォォ!!』
「「っ!?」」
『っーーーーぐぁあああああああっ!!』
オットーとディード達に向かって、緑色の雷を迸らせた黒い猛牛が突進してきた。
二人はそれを飛び上がって避け、G4部隊はその突進をマトモに受け、まるでボウリングのピンのように倒れ、クローム達とオットーとディードは突進してきた猛牛が、クローム達の前で停止した方向に視線を移した。
『ブルルルル・・・・!』
「ら、ランボさんだって、戦えるもんね・・・・!」
「牛の子!?」
「「ランボ(くん)!?」」
そこには、『雷牛の牛丼』の背中に跨り、ガタガタと震え、若干涙目になりながらも、気丈に振る舞うランボの姿があった。
「六課は壊させないんだもんね・・・・! こ、ここは皆の、帰る場所なんだもんね!」
五歳の頃よりアホが薄れた分、泣き虫とヘタレが強くなったが、それでもなけなしの勇気を持って助太刀に駆けつけたランボ。
しかし、対する二人は特に動揺した様子もなく、ただ冷静に分析していた。
「あの子は、ドクターの警戒している『ネオボンゴレファミリー』の守護者の一人だ」
「なら、排除を開始します」
そう言うと、ディードは『ツインブレイズ』を構えてランボに襲い掛かり刃を振るう。
「ぎ、牛丼ー!!」
『モゥオオオオ!!』
ビビっているランボが声を張り上げると、牛丼も一鳴きし、辺りに『雷の死ぬ気の炎』を放出すると、ソレがドームのような形となると『ツインブレイズ』の刃を防ぎ、逆に放電が襲い掛かり、ディードはすぐに後ろに退避した。
「! 『雷の死ぬ気の炎』の特性『硬化』による電磁バリア。しかも、純度はディエチのより圧倒的に高い・・・・」
「ーーーー『レイストーム』」
ディードの後ろに控えていたオットーが五重に重なった光線を放つが、激しい火花を散らせながら牛丼のバリアに防がれた。
「ぐぴゃぁぁぁぁぁ!! やっぱりおっかないもんねー!!」
「牛の子・・・・!」
「ランボ、あんなに怯えながらも、我らを守ろうとしているのか・・・・」
「普段は泣き虫なのに、いざって時は怯えながらも戦う。本当に・・・・『あの子』そっくりね・・・・」
「ああ・・・・そうだな・・・・」
クロームは泣きながらも自分達を守ろうとしているランボの姿を真っ直ぐに見据え、ザフィーラとシャマルは、泣き虫で我儘だが、それでもいざと言う時には、『ファミリーの受けるダメージを一手に引き受ける避雷針』となって仲間を守ってきた『弟分』の事を思い出しながら、シャマルはこの隙にクロームとザフィーラの回復を行なっていた。
ーディードsideー
そして、攻撃を防がれていたディードとオットーは。
「殆ど効果が見受けられません」
「ならば、彼らに動いてもらう」
このままでは埒が明かないと判断し、起き上がったG4に視線を寄越すと、G4部隊はコクリと頷き、背中のバックパックからアタッシュケースのような物を取り出して、ボタンを押した。
[解除シマス]
と、音声が流れるとアタッシュケースを展開しーーーーガトリング式機銃を構えた。
本来は、G4に装備されていない筈の強力な武装『GXー05 ケルベロス』である。
G4部隊はオットーとディードの前に横一列に立つと、『ケルベロス』を構え、ソコから1秒間に30発の特殊徹甲弾を発射した。
ーランボsideー
「ぐぴゃぁああああ!? 何でG4がいるんだもんね!? ランボさん、アイツ、『浅倉』とおんなじくらい怖くて大嫌いなんだもんね!!」
10数人のG4が持つ『ケルベロス』の一斉掃射に、さしもの牛丼の電磁バリアも段々と削られていった。
「マズイぞ、このままではいずれ押し削られる!」
「ランボくん! すぐに逃げて!!」
「う、うぅっ・・・・!」
後ろでザフィーラとシャマルが何か言ってるが、全く耳に入ってこない。今ランボは、目の前のG4部隊に完全に萎縮してしまっていた。
ランボはアレを、『仮面のヒーロー達』と同じとは到底思っていない。アレはまさに、『殺戮マシン』と呼ぶに相応しく、無慈悲に、冷酷に、残酷に人の命を奪う『機械の怪物‹モンスター›』にしか見えないのだ。
そんな奴らが隊列を組んで現れて、自分を殺そうと狙ってきている。ランボの心のキャパシティは完全にオーバーし、そしてーーーー。
「うわぁああああああああああああああああああんんっ!!!」
ランボは頭のアフロから、『雷のヘルメットVer.ボンゴレ』が牛丼の足元に落ち、ランボの手にはーーーー『バズーカの弾』を取り出した。
「っ! アレは!」
「もしかして、『十年バズーカの弾』!?」
「ま、待って牛の子!!」
クロームの静止を聞かず、ランボは自分に『十年バズーカの弾』を叩き付けた。
ーーーードォォォォォォォンン・・・・。
「「なに?」」
『???』
ディードとオットーが首を傾げ、G4部隊も掃射を中断した。
しかしソレも当然とも言える。十歳にもなっていない子供が、突然爆発したのだから突然であろう。錯乱して自爆したのかと思われたが、爆煙の中からーーーー人影が姿を現した。
「ーーーーやれやれ。『宝太郎』の不味い創作料理から解放されたと思ったら・・・・ここは・・・・ん? オットーにディード? なんでそんな格好をしているんだい?」
煙が晴れて現れたのは、『大人ランボ』であった。
「牛の子。十年後の姿って事は・・・・」
「八年前の過去から来た八歳のランボくんが、『十年バズーカ』を受けたから・・・・」
「あそこにいるのは今から『二年後の未来のランボ』と言う訳か・・・・」
クローム達の会話が聞こえたのか、大人ランボがクローム達の方に振り向く。
「ん〜・・・・この惨状とーーーーオットーとディードのあの姿。それに、俺の大嫌いなG4が何体も雁首揃えている悪夢のような光景。・・・・成る程。ここは『二年前の機動六課襲撃』の時の時代か。あの時は、途中で気を失っていたからあまり覚えていないけど、大体わかった」
「・・・・牛の子、大丈夫?」
「大丈夫ですよクロームさん。今はヤンチャをしているオットーとディードを大人しくさせて。“逆恨みでG4を装着している馬鹿共”を撃退するのが先です」
大人ランボは、オットーとディード、そしてG4部隊に鋭い視線を向けた。
「牛の子。G4の装着者は分かるの?」
クロームはG4を見据えながらそう尋ねた。
最初に遭遇した時は、『G4の形をしたガジェット』なのかと思ったが、先程牛丼の突進を受けた時に悲鳴を上げ、さらに電磁バリアに守られている間に『魔レンズ』で調べてみると、“中に人間がいるのが確認できたからだ”。
ランボはクロームの問いかけに、大人ランボはフンッと鼻から息を出した。
「ーーーー“自分達の無能を死んだ人間のせいしている、情けない大人達”ですよ」
大人ランボは、この時代のランボが落とした、『雷のヘルメットVerボンゴレ』を被り、牛丼に向かって声を発する。
「牛丼。『形態変化<カンビオ・フォルマ›』!!」
『ンモゥオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』
光り輝いた牛丼が、大人ランボに向かって突進した。
そして、大人ランボと重なり合うと、大人ランボの身体は、黒く重厚な鎧を纏い、兜の方には長く大きな角を携えた姿となり、全身から稲妻を迸らせていた。
「さぁ、可愛い子猫ちゃん達とガラクタ共、お仕置きの時間だ」
時系列的に、大人ランボは錬金術の仮面の戦士といます。