かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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新年、明けましておめでとうございます!
これにて、長かった襲撃も終わり。


襲撃、来るⅩ

ツナが壊滅された六課隊舎に到着するのとほぼ同時刻。

 

 

 

 

ークアットロsideー

 

あるビルの屋上に、クアットロとディエチの2人が待機していた。遥か向こうにある〈時空管理局〉の『地上本部』が霞んで見える。

ディエチは『雷の死ぬ気の炎』を最大チャージした固有武装『イノーメスカノン』を構えた。

 

《こちらセイン、準備できたよ》

 

「了解」

 

内部に潜入しているセインから連絡に応答するディエチ。

『地上本部』は中央に超高層タワーとその周囲のやや低い数本のタワーによって構成されており、その全てが強固な魔力障壁によって守られている。

ディエチは『イノーメスカノン』の照準を、低いタワーの1つに合わせる。そのタワーだけは内部の隔壁が下りておらず、中にいた者は残らず退避していた。

 

「IS発動、『へヴィバレル+雷』」

 

ディエチのISと『雷の死ぬ気』が融合して砲弾を形成し、イノーメスカノンの砲身に緑色のラインが浮かび、バチバチッと火花が散る。

 

「『雷の砲撃‹ボンバルダミント・フールミナンタ›』」

 

ーーーーバシュゥゥゥゥゥ!!・・・・ドゴォオオオオオオオオオンンッ!!

 

発射された雷電を纏った砲弾が、目標のタワーをバリアを貫通して爆発するとタワーが崩れ落ち、残骸と舞い上がる土煙が、ここからでもはっきりと観測できた。

 

「着弾を確認。これで任務完了だよね?」

 

「ええ、そうよ。まったく暇でいけませんわ」

 

クアットロが、退屈そうに欠伸をしながらコンソールをいじる。

一応、本部のシステムにクラッキングをかけているが、最早〈時空管理局〉など、自分達にとっては『脅威』ではなく、『羽虫』のような存在でしか無かった。

 

「それより、クアットロ。移動しなくていいの?」

 

ディエチたちの居場所は、今の一撃で知られた筈であり、このままでは敵がやってきてしまう。

 

「良いのよ。あの『不愉快な女』と『そのペット達』ももうすぐ来るだろうから、奴らに任せて置けば良いのよ」

 

クアットロは『彼女』の事が嫌いなようだが、ディエチから言わせれば『似た者同士』、『同族嫌悪』と言った感じである。と、呑気に考えていると雲の向こうから、10名程の魔術師が接近してくるのが見えた。本部の救援に向かっていた連中が、コチラに気付いてやって来たのだろう。

 

「ーーーーおいおい、何『ゴミ共』を呼び寄せてんだい?」

 

と、その時、魔導師達がやって来るのと同時に、さっき会話に出てきた『彼女』が出てきた。

自分の上の姉の数人のような妖艶な雰囲気な女性と、筋骨隆々の化け物達である。

 

「・・・・遅かったですねぇ? 『アイリス・ヘプバーン』?」

 

「フン。まぁ良いさ。さぁ、片付けちまいな『ブタ共』!」

 

『プルァアアアアアアアアアアアア!!』

 

筋骨隆々の化け物達が魔導師達が襲い掛かり、悲鳴を上げながら魔力弾を撃ちまくるが、ソレが彼らの今生の言葉となった。

 

「っ! クアットロ! 何も殺さなくても!」

 

「ん〜? ディエチちゃん、〈時空管理局〉はもうゴミのような組織よ? ゴミは早く片付けないといけないでしょう? ソレに、ドクターも言ってたじゃない。『殺しは最小限にしておくように』って、こんな『雑魚』なんて幾ら死んでも何の支障もないわよ」

 

目の前で人が死んでいるのに、何の感慨もない態度を取っているクアットロに、ディエチは空恐ろしく感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーツナsideー

 

六課に向かう途中、ツナのコンタクトディスプレイが海面に出ていたフェイトの生命反応を検知し、回収して六課に向かうと、六課隊舎は崩壊し、雲雀とキャロが虫の大群に襲われていたので、『Xストリーム』で虫を薙ぎ払った。

 

「ツナ兄ぃ!」

 

キャロが安堵したような笑みを満面に浮かべて名を呼び、ツナは一瞥して笑みを浮かべると、すぐに気絶したフェイトを横たわらせ、眼前の敵達を見据え・・・・否、正確には、グロ・キシニアに捕まっているヴィヴィオに目を向けた。

 

「ヴィヴィオ」

 

「パパ! うぅ〜っ! 離してぇっ!」

 

ヴィヴィオがツナの元に行きたがり、グロ・キシニアの腕からもがき出ようと暴れるが。

 

「黙れ、黙れ、黙〜れ」

 

「うぅ・・・・」

 

グロ・キシニアは『雨の死ぬ気の炎』を浴びせて大人しくさせた。

 

「・・・・・・・・」

 

「なんだ、なんだ、な〜んだ〜? その態度はネオボンゴレボス? 貴様何か文句でもあるのか〜? この小娘は所詮ーーーー」

 

「黙れ」

 

ーーーーゴゥウッ!!

 

「ひぃっ!?」

 

『っ!!?』

 

「・・・・・・・・(ニヤリ)」

 

ツナが発した言葉と、その瞳から発せられる威圧感が、歪んだ笑みを浮かべて嘲弄しようとしていたグロ・キシニアを黙らせ、トーレ達何処か、ザフィーラとキャルまで萎縮してしまっていた。

雲雀だけは、ツナの成長に薄く口角を上げて笑みを浮かべる。

 

「さっさとヴィヴィオを返せ」

 

「!!!」

 

一歩、歩を進めたツナにグロ・キシニアは一歩後退する。足がガクガクと震えている。

 

「っ!」

 

が、トーレが自分の足を殴って萎縮していた身体を奮い立たせると、『インパルスブレード』を展開させてツナに向かって、フェイトと戦った時よりも加速した。

 

「『ライドインパルス』! 『雷光の舞‹ダンツァ・デル・ランペッジャメント›』!」

 

緑色の雷閃となったトーレがツナの周りを縦横無尽に飛びながら、『硬化』によって強度と破壊力が増した翅で斬りつけようとした。

が・・・・。

 

「退け」

 

ーーーードゥッ!!

 

「ーーーーかはっ!」

 

ツナが自分の上部に拳を突き立てると、トーレの腹部に突き刺さり、トーレは肺から空気を全て吐き出して、上空に吹き飛んでいった。

 

「「トーレ姉さま!!」」

 

「寝てろ」

 

隣り合わせになったオットーとディエチが各々の固有武装を以てツナに迫る。

が、ツナは一瞬で2人の後ろに回り込み、首裏を水平チョップで叩き、意識を刈り取った。

 

「「かはっ!?」」

 

飛び出していた2人はそのままうつ伏せに倒れた。

 

「・・・・!!」

 

『!!』

 

同じく隣り合わせになってブーメランブレードを投擲するセッテと、『GXー05 ケルベロス』を放つG4。

 

「邪魔だ」

 

しかし、ツナはブーメランブレードを掴んで燃やし、無数の弾丸も『大空の死ぬ気の炎』の壁で焼き尽くし、一瞬消えると、隣り合わせになってる2人の間に現れていた。

 

『「!?」』

 

「『XーBURNER』」

 

ーーーーボオゥッ!!

 

「!!??」

 

『グァアアア!!』

 

セッテと初めて肉声を上げたG4は軽めの『XーBURNER』を受けて左右に吹き飛んだ。

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

そしてツナが片腕を上に持ち上げると、上空に吹き飛んでいたトーレが横になって落ちてきて、その背中がツナの腕に乗っかった。

 

「がはっ!?」

 

背中からの衝撃でトーレは完全に気を失い、ツナは無造作に腕を下ろして、トーレを地面に転がし、ツナはグロ・キシニアへと歩みを再開した。

 

 

 

 

ーグロ・キシニアsideー

 

「ひっ、ひっ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」

 

ヴィヴィオを小脇に抱えたグロ・キシニアは無様に悲鳴を上げる。匣‹ボックス›兵器を使いたくても、先程の巨大竜‹ヴォルテール›を防ぐ為に、『死ぬ気の炎』を限界ギリギリまで消費してしまった。

コレ以上使えば命に関わる。まだ『復讐』を果たしていない、こんな『前座』のような場所で退場する訳にはいかない。しかし、もしここで小脇に抱えた『器』を捨ててしまえば、自分の立場が無くなる。

どうすればこの場を切り抜けられるか、グロ・キシニアが懊悩している間に、ネオボンゴレボス、沢田綱吉はゆっくりと構え、炎を噴射して高速移動をしようとした。

・・・・と、その瞬間ーーーー。

 

 

 

 

「ーーーー『黒掌底』」

 

 

 

 

その言葉が上空から響いてくるのと同時に、沢田綱吉の上から“巨大な黒い掌が抑えつけた”。

 

「ーーーー助けに来てあげたよ、グロ・キシニアくん♪」

 

「っ! あぁ!」

 

グロ・キシニアは上空に現れた人物を見上げた。

 

 

 

 

ーツナsideー

 

「なっ・・・・!?」

 

ツナは押し潰されそうな重圧に耐えながら空を見上げると、

闇のように漆黒の髪、黒に近い褐色の肌、服装もまた黒い服、そして、美しくも妖しい黒い翼を背中から生やした二十代中盤くらいの青年・・・・否、ツナ達ボンゴレ側はその青年を知っていた。

 

「白、蘭・・・・!?」

 

そう。かつてツナ達と激戦を繰り広げた『ミルフィオーレファミリー』のボス、『白蘭』であった。

髪の色と翼の色が純白だった白蘭とは対照的に漆黒。肌の色も黒寄りの褐色である事以外は、白蘭とはまるで鏡合わせのように瓜二つの容姿と容貌をしていた。

 

「フフンッ♪ 残念ながら、僕は“君達の知る白蘭”じゃあないんだよねぇ」

 

「何・・・・?」

 

「そんな事よりも・・・・」

 

『キシャァアアアア!!』

 

黒い白蘭の背後から、白蘭の匣‹ボックス›兵器である『白龍』に良く似た『虹色の炎を纏った巨大な黒い龍』が飛び出し、グロ・キシニアと、倒れた戦闘機人達やG4部隊を背中に乗せて回収した。

 

「それじゃーーーー」

 

「帰らせないよ」

 

球針体に乗った雲雀が、トンファーを黒い白蘭に向けて本気で振り下ろした。

 

「ーーーーまだ早いよ雲雀クン。『黒指』」

 

ーーーードンッ!!

 

黒い人差し指のオーラで雲雀を押し出し、雲雀は地面に落下した。

 

「ぐっ・・・・ぐぅぅぅぅ、おおああああッッ!!」

 

ツナは身体を抑えつける『黒い掌』を振り払おうと足掻き、そして炎を両手で噴射すると、『黒い掌』を焼き消した。

 

「おや、流石だね☆ で・も、ここで君と戦う訳には、いかないんだ。もうすぐスカリエッティ君の声明が明かされるからね♪ 僕達は退散させて貰うよ♪」

 

そう言って、黒い白蘭と黒龍は転移魔法陣を展開し、離脱しようとする。

 

「ヴィヴィオ!!」

 

ツナは両手の炎を最大出力にして、その後を追う。

 

「おっと。慌てなくて良いよ。すぐにもっと新しくて派手な舞台で遊べるようになるからね☆」

 

黒い白蘭が匣‹ボックス›を取り出すと、『雲ヴェロキラプトル』を10体飛び出し、ツナに襲い掛かる。

 

「くっ!」

 

「・・・・たすけ、て・・・・パ、パ・・・・」

 

「ヴィヴィオ・・・・!」

 

『雲ヴェロキラプトル』の爪と牙から回避していると、ヴィヴィオが薄っすらとした意識でツナの名を呼ぶ。

 

「・・・・・・・・」

 

ツナは考える。今から追っても追いつけない。ヴィヴィオになんて言ってあげれば良いか考えると、不意にヴィヴィオに小指を立てて声を発した。

 

 

 

ーヴィヴィオsideー

 

薄らぐ意識の中で、ヴィヴィオがツナに声を発すると、ツナはヴィヴィオに向けて小指を立てて優しい笑みと声を発する。

 

「ヴィヴィオ」

 

「っ!」

 

「必ず助けに行くから、パパは絶対、助けに行くから」

 

ヴィヴィオは、ツナとの『約束』を思い返した。

 

【・・・・怖い事や、辛い事、苦しい事や悲しい事があったら、ちゃんとパパやママ達に言うんだぞ。ヴィヴィオが、ちゃんと、『怖いよ、パパ助けて』って言ってくれれば、パパは絶対に助けに行くからな】

 

「ヴィヴィオ、必ず迎えに行くから、『約束』だ」

 

「・・・・うん・・・・待ってるね・・・・パパ」

 

ヴィヴィオは精一杯の笑顔をツナに向けると、その視界が暗転し、意識も闇へと沈んだ。

 

 

 

 

ーツナsideー

 

「ヴィヴィオ・・・・」

 

『シャァアアアア!!』

 

ーーーーガキャッ! ボォオオオオオッッ!!

 

逃げられてしまい、ヴィヴィオも連れ去られたツナが呆然としていると、『雲ヴェロキラプトル』の1体が後ろから大口を開けて襲い掛かるが、ツナは目を向けずにその首を掴むと、炎で焼き尽くした。

 

『!?』

 

残りの『雲ヴェロキラプトル』は、戦慄したように身体を硬直させた。『増殖』を有するこの恐竜達の対処は、細胞一つ残さず燃やす事である。

 

「・・・・(ギロッ)」

 

『!!?!?』

 

睨みつけるツナの視線に慄き、中には後退する個体まで現れた。

 

「ーーーー悪いが、八つ当たりさせてもらうぞ・・・・!」

 

ツナがそう言った瞬間、『雲ヴェロキラプトル』は我先に逃すが、1分も経たずに、全てが影も形も無く燃やし尽くされたのであった。




次回、ツナ達の戦いの裏にて。
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