ーギンガsideー
「ギンガ殿。お身体はどうですか?」
「・・・・大丈夫、とは言えないわね。正直、身じろぎするだけで激痛が走るわ、まぁ、『この身体』じゃなかったらとっくに出血多量と身体の内部がグチャグチャになって死んでいたから、不幸中の幸いだったけどね」
バジルは聖王病院で集中治療室に運ばれ、つい先程漸く意識が回復したギンガの付き添いをしていた。
もうギンガには機動六課が襲撃を受けて、隊舎は破壊され、ヴィヴィオも誘拐された事も聞き、フェイト達も重傷をうけて現在別の部屋で入院中との事だ。
医者の話では、自分の身体は魔法での治療を受けても全治2ヶ月は掛かる程の重体。しかし、本来ならば死んでもおかしくなかった身体を、バジルと了平のお陰で一命を取り留められたのだから文句は言えない。
「・・・・バジルくん。もう、知ったんでしょ? 私とスバルの事」
「・・・・はい。この後、ゲンヤ殿からも説明があるそうで、拙者もリモート、通信で会議を聞くつもりです」
「・・・・『化け物』、だと思った? 私達の事・・・・?」
「えっ?」
バジルが聞き返すと、ギンガは何処か悲しそうな目をして問い掛ける。
「私とスバルは、『戦闘機人』、つまり『兵器』よ。そんなのが『人間』のフリをして生きていた、だなんて。気持ち悪いと思った?」
「・・・・・・・・」
ギンガがバジルに問いかけた。ギンガは自分が『戦闘機人』である『兵器』である事に、深く気にしている事が、『人間』として生きている事が『正しい』のか、ソレを気にしているのが今の言葉に集約されていた。
そう感じたバジルは、アルフィンのリングをギンガに見せた。
「ギンガ殿。質問を質問で返すで御座るが、1つ聞いておきたいので御座る。宜しいですか?」
「えっ? えぇ・・・・」
「ギンガ殿はご自分と妹君のスバル殿を『化け物』と言いましたが、アナタはアルフィンの事を、『兵器』だとか『化け物』だとか思えるで御座るか?」
「えっ? 『アルフィン』・・・・?」
バジルがアルフィンの事を聞くと、ギンガは一瞬何が言いたいのか分からない顔をした。
「アルフィンは、拙者達の世界では『兵器』とも呼ばれています。ギンガ殿は、アルフィンを『兵器』だと思っていますか?」
「・・・・・・・・」
ギンガはアルフィンを始めて見た時の事を思い返した。子供の頃、妹のスバルと共に母親である『クイント・ナカジマ』が見せてくれた絵本に出てくる『夢の動物』のような存在が現実に目の前に現れたように感じた。
無論ソコには、『兵器』なんて見方は欠片も無かったし、今もそうである。
「・・・・いいえ、アルフィンを『兵器』だなんて、思わないわ」
「ギンガ殿とスバル殿も同じで御座る。『戦闘機人』だろうと『人間』だろうと、ソコにあるのは『生命』で御座る。その『力』を誰かを守る為に使えば、誰かを思いやれる『心』があれば、誰も『兵器』だなんて思わないで御座るよ」
「・・・・・・・・ありがとう、バジルくん・・・・」
笑みを浮かべたギンガの瞼に、1筋の涙が零れた。
そして、病室の外で会話を聞いていたスバル達も、涙を流していた。
ーはやてsideー
その頃、別の場所を借りて、スバルとギンガについて二人の父親であり、はやての師匠でもある『ゲンヤ・ナカジマ三佐』から、綱吉さん達に隊長陣、フェイトはエンマと共に映像通信で参加。そしてカリムとクロノ提督を加えて話を聞いている。
ゲンヤからはまず、亡き妻であり、ギンガとスバルの母親、『クイント・ナカジマ』の事を話した。
クイントは陸戦AAランクの近代ベルカの魔導師だった。ギンガとスバルは、クイントの遺伝子上では親子と言っても遜色ないぐらいに似ていた。 捜査中に見つけた事もあり、『戦闘機人』である事は既に分かっていたが、クイントは『人』として二人を育てていく事にした。 それは捜査中の殉職後もゲンヤが2人を育てる事をクイントの死の真相を捜査、告発する事よりも優先していた。
本当はギンガとスバルには管理局員にはなって欲しくなかったというのが本音だが。
『戦闘機人』についても説明が為された。 戦闘機人は、過去で科学者が造り上げた兵器の技術を応用、人体に組み込んで生命操作技術としてジェイル・スカリエッティが開発した『人造人間』である。
が、ソレを聞かされても驚くなのは達と違って、ツナ達の反応は「ふ~ん」と、淡白な反応であった。正直、ツナ達から言うと、『人造人間』と言われても、身体が動植物を混ぜたような『怪人』にならない分、ギンガとスバルの方が『正常な人間』に思えているのだ。
ソレから幾らか話を続け、ジェイル・スカリエッティの陣営には、幻騎士にグロ・キシニア、『VARIA‹ヴァリアー›』のベルフェゴールの兄・ラジエルと執事のオルゲルト、バイシャナと言った、ツナ達も手こずる強敵達ばかりとの事である。
「はぁ・・・・」
「主、どうしたのですか?」
会議を終えたはやての溜め息にシグナムが反応する。
「いや、次の戦いはどうなるか予想が着かへんからどうしたもんかと」
「そうですね。あの高町も手こずった『人型のガジェット』を使ってくる事も予想出来ますし、備えられるだけの事はした方がいいと思います」
「備えられるだけ備えるか・・・・せや!『アースラや!」
はやては、自分達にとっても、ツナ達にとっても思い出深い次元航行船の名前を出した。因みに現在の六課の隊舎代わりに雲雀が手配した『ホテル』を使わせて貰っている。費用も雲雀(と言うよりも10年後の雲雀の会社)が持ってくれている。
「『アースラ』・・・・ですか? 懐かしい名前ではありますが、廃艦寸前なのでは?」
「もう機動六課はレリック捜査からスカリエッティの捜索、逮捕に目的が変わるのは目に見えているから移動出来る本拠地があった方がええ。なら、私らやツナさん達も知ってるし、まだまだ動かせるアースラを使わない手はない!」
その後すぐにその事をクロノに話したら、快く賛成してくれて、新たな本拠地に『アースラ』がなる事が決まった。
ーツナsideー
そして翌日の夜。
クロームにランボ、フェイト達も漸く退院して戻ってくると、はやてが崩壊した隊舎の代わりとして『アースラ』を用意してくれた。
ツナ達にとってはほんの数ヶ月前なのだが、なのは達隊長陣やシャマルにザフィーラ、アインスにリィンにとっては懐かしそうに艦内を見ていた。
「ーーーーさて、お前ら。コレからスカリエッティの戦力についての会議を始めるぞ。全員『オペレーションルーム』に集合だ」
リボーンの指示に全員が頷くと、ネオ・ボンゴレファミリー(雲雀は除く)にエンマとバジル、機動六課(ギンガはリモート参加)は『オペレーションルーム』へと向かった。
ー???sideー
「・・・・・・・・・・・・」
そして、コッソリと忍び込んだ1人の女性もーーーー。
中々筆が進まずこの程度(泣)。
次回は、スカリエッティ勢の戦力を分析します。