ーリボーンsideー
『次元航行船アースラ・オペレーションルーム』に集まった一同と、リボーンと部隊長のはやてが上座に座ると、会議が始まった。
「ーーーーさて、コレから俺達が分かっている限りのスカリエッティの戦力を分析するぞ」
『オペレーションルーム』のテーブルの中央に空中ディスプレイが表示され、ジェイル・スカリエッティと『ナンバーズ』と呼ばれる『戦闘機人』と、『新型の人型ガジェット』、召喚士である少女。そして、幻騎士達の映像が流れた。
「先ずは『戦闘機人』、『ナンバーズ』と呼ばれる子達や。ーーーーアインス」
「はっ。ゼスト・グランガイツ殿の融合騎アギトの話では、『ナンバーズ』で全員10代目達と主達の故郷、地球のイタリアの数字を名称としており、アギトの知る限り12人との事です」
「ーーーー休暇の時に獄寺達とFW陣が遭遇した地面に潜るヤツ‹セイン›。ツナが制圧したが逃げられた2人‹クアットロとディエチ›。先日バジルと獄寺と了平が交戦した3人‹チンクとノーヴェとウェンディ›。六課襲撃でクロームとシャマルとザフィーラが交戦した2人‹オットーとディード›。フェイトが交戦した2人‹トーレとセッテ›。シグナムが見た幻騎士と一緒に逃げたヤツ‹ドゥーエ›。コレで11人か」
「アギト曰く。最後の1人で長女の『ウーノ』はスカリエッティの秘書役との事で、最も戦闘力に優れているのが、テスタロッサを撃墜させたトーレと言う者です」
はやてに目配せを受けたアインスが空中ディスプレイにデバイス達が記録した『ナンバーズ』の顔写真を表示させて説明し、リボーンとシグナムが補足し、トーレの映像を見てフェイトが目を鋭くさせていた。
「・・・・シグナム。アギトってあの子はやっぱり」
「はい。知る限りの情報を提供する代わりに、『幻騎士との戦闘には必ず参加させろ』、との事です」
「明らかに・・・・『復讐』が目的だね」
ツナが不安そうにシグナムに問うと、シグナムも少し渋面を浮かべながら応え、エンマが少し悲しそうに目を伏せる。リインと同じ位の年頃に見える女の子が『復讐』に燃える姿は見ていて気分の良いものではない。
「・・・・アギトの事は今は置いておけ。今はスカリエッティの戦力分析を進めるぞ」
リボーンの言葉に全員が頷き、再び会議を進めた。
「そのアギトからもう1つ条件が出されました。この召喚士の少女、『ルーテシア・アルピーノの保護』です」
シグナムがそう言って、記録映像の中にいる紫色の長髪をした無表情の女の子が表示された。
「この少女は、母親である『メガーヌ・アルピーノ』は意識不明で、現在はスカリエッティの元で保護されているので協力しているとの事です」
「つまり、この子のお母さんを助ければ、この子も戦う理由が無くなるって事だね?」
「はい。アギトはそう見ています」
取り敢えず、ルーテシアの方は無力化と捕縛を目的とした。
「次に、スカリエッティに協力している幻騎士達についてです」
その言葉で、会議室にいる全員の顔に緊張が走る。そして先ず出されのは、勿論幻騎士であった。
そしてリボーンが説明する。
「幻騎士は簡単に言えば、シグナム級の剣術、ザフィーラ級の体術、そしてクローム級の幻術を使うやつだ。オレの知る限り本気を出せばリミッター解除したなのは達と同じ位だ。だが、最早ソレ以上になっていやがると思われる」
『っ!』
六課のメンバーは更に緊張した。六課の隊長陣は『時空管理局最強戦力』と呼ばれており、ソレを上回る相手がツナ達以外にもいたからだ。
「なのはとフェイト、シグナムやヴィータだと幻術で、はやてだと体術と剣術で押し切られちまうだろうな」
「私、普段デスクワークばかりやから、戦闘技能は隊長陣で1番下やからなぁ・・・・」
獄寺の言葉に、はやてが苦笑して頷く。
しかし、はやての魔力は隊長陣で1番優れており広域殲滅魔法を得意とし、部隊を指揮する指揮官タイプなので集団戦でこそ実力を発揮するタイプなのだ。
「取り敢えず、アギトの目的である幻騎士は半端じゃない。当時の山本を倒し、ツナですらギリギリ追い返したのがやっとだったからな」
尤も、あの時は幻騎士が本調子で無かったからだったからだがなーーーーと、リボーンは心の中で呟いた。
「昔のツナ兄を追い詰めた相手・・・・!」
「危険視するべきは幻騎士だけやないで」
はやては他にも、『グロ・キシニア』、『ラジエル』、『オルゲルト』、『バイシャナ』の映像を出し、そしてーーーー。
「・・・・・・・・」
その手が止まった。
「はやてちゃん?」
「どうしたの?」
「・・・・・・・・」
一瞬、なのはとフェイトを見て辛そうな顔をするはやて。そんなはやてになのはとフェイトは首を傾げる。
「・・・・はやて。いずれ分かる事だ。今のうちに話しておけ」
「・・・・分かったわ。実は、なのはちゃんとフェイトちゃんがいた中央管理局・地上本部の会議室にも、敵が現れたんや」
『!?』
「その映像を出すな」
はやてが当時の監視映像を出した。なのはとフェイトがエレベーターを下って降りてすぐ、アフロヘアの女性が胸元を開けて、トゲ付きの薔薇の鞭を取り出し、近くにいた男性局員の脳天に鞭を叩き込み床にさせると、自分の四方を囲うように集まった護衛の男性局員四人に、鞭を浴びせてしばいたその瞬間、なんと、その男性達の全身の筋肉が異様に膨張し、歯と爪も鋭く大きくなり、額にはなんとーーーー『雲の死ぬ気の炎』が灯った、二メートルを超える怪物となってしまった。
「こ、コレって・・・・!?」
『!!??』
エンマ達やなのは達が目を見開いて驚愕するが、ツナはソレが何なのか理解すると、獄寺はティアナを、了平はスバルを、山本とバジルがエリオとキャロの目を塞いだ。
そして、4体の怪物達は他の局員達に襲い掛かり、血飛沫が会議室に飛び散り、手足を失い痛みに泣き叫んだり、ショック死をする局員達が、死屍累々と倒れた地獄絵図となっていた。
「こ、こんな、事って・・・・!?」
「私達が、いなくなって、たった数分足らずで・・・・!」
《ーーーーーーーー》
「おい、何か言ってるぞこの女」
なのはとフェイトが顔を青ざめさせると、映像の女性が監視カメラに向かって嘲るような笑みを浮かべ、口を動かしているのを、静かに怒りを抱いていたヴィータが言った。
「・・・・た、ね・・・・」
「バジル殿、分かるのですか?」
「は、はい、何となくでござるが・・・・」
「唇の動きや表情で理解する『読唇術』だぞ」
「ソレでバジルくん、何て言ってるの?」
「・・・・・・・・」
シグナムがバジルに聞くと同じく分かっているであろうリボーンが応え、ツナが聞くとバジルは一瞬、躊躇するが意を決して口を開く。
「い・の・ち・び・ろ・い・し・た・ね・お・じ・よ・う・ち・や・ん・た・ち、『命拾いしたねお嬢ちゃん達』、と言ってます」
「「!!!」」
バジルから伝えられた言葉に、なのはとフェイトは目を見開いて、身体をプルプルと震わせる。ソレは自分達がいなくなったせいで他の局員達が重傷者や死傷者となってしまった事への後悔や悔恨に苛まれているのが見て取れた。
「ーーーー思い上がってんじゃねぇなのは、フェイト」
が、そんな2人にリボーンがピシャリと言い放つ。
「コイツらは『妖花アイリス』と『死茎隊』。オレの知る限り、リミッター付きのお前ら2人と同じくらいの強さだ。お前らはあの時デバイスを持っていなかった。そんなお前らがいたとしても、『死体が2つ増えるだけ』だぞ」
そう。あの時なのはとフェイトのデバイスはFW陣に預けていた。デバイスの無い2人の素の戦闘力は正直言って了平やシグナムやザフィーラ、格闘技に怪力を持つギンガやスバル以下・・・・否、下手をすると獄寺と山本とバジルよりも劣っている。そんな2人がいても、何の足止めにもならなかったのは想像に難くない。
「で、でも・・・・」
「私達がいた残っていたら、少しは何かが・・・・」
「『起こってしまった出来事』に対して、『タラレバ』や『でもしてたら』なんて持ち出しても意味はねぇ。『起こってしまった出来事にどう対処するのか』を考えろ。ヴィヴィオを取り戻す為にもな」
リボーンの厳しい言葉に、なのはとフェイトは顔を俯かせるが、ツナとエンマが背中を擦って慰めた。
「さて、見た通り、スカリエッティの陣営はもう隊長陣クラスの連中がウヨウヨしていると言っても言い」
「あの『ナンバーズ』の奴らがソコまで強くなるとは思えませんが?」
「たった1度の敗北を経験した人間が大きく成長する。お前らがそうだっただろうが」
リボーンの返しを聞いて、獄寺と山本は確かにと言わんばかりに頷いた
「取り敢えずだが、ツナ達は勿論、お前ら機動六課も、全面的なレベルアップが必要だぞ。一旦休憩してから、修行内容を話す。・・・・一時、解散」
リボーンがそう締めると、会議は休憩となった。
最後のメンバー、アイリス・ヘプバーンと死茎隊も登場しました。
なのは達って、シグナムやザフィーラやナカジマ姉妹のような肉体派と違って、デバイスが無いと戦闘力は一般人並になると思いますがどうでしょう?