そして、遂にあの人が!
ーなのはsideー
「ーーーーさて、ここからは各々の修行について話すぞ。因みにオレは『家庭教師の精』として場を仕切らせてもらうぞ♪」
白蘭に似た謎の人物、『黒蘭』の事は一旦置いて、ツナ達となのは達は自分達の力の底上げの為に修行を始める事にすると、リボーンがいつの間にか妖精のような格好にコスプレして天井からワイヤーに吊るされながらそう言った。
「何か懐かしい格好になったぁ!?」
『(久しぶりのコスプレだから気合を入ってるなぁ・・・・)』
ツナがいつものツッコミを炸裂させると、妖精のコスプレに気合を入れているリボーンに、他の皆は呆れた。
「さて、先ずはFW陣の方だが・・・・」
「「「「!!」」」」
リボーンが目を向けると、ティアナ達FW陣はビシッと身体を気を付けさせた。
「先ずティアナ。お前にはかつてクロームがやった幻術の訓練を執り行うぞ。連中も幻術対策は取っているだろうが、ソレならばコチラも幻術の技術をより上げるだけだ。勿論、射撃や銃を使った近接接近戦も教える」
「はい!」
「スバル。お前は徹底的な格闘戦術で訓練して行くぞ。お前は細かい技術や頭を使う事よりも、実戦形式でトコトン身体を鍛える方向が1番合っているからな」
「うん!・・・・あれ? 何か馬鹿にされた??」
「エリオ。キャロ。お前達2人は基本2人一組ツーマンセル、いや、フリードも入れて3人一組のスリーマンセルを徹底しろ。お互いの長所を生かし、短所を補い合えるようにフォーメーションやらを徹底しろ」
「「はい!」」
『キュルクー!』
FW陣への訓練メニューを言うリボーンに、FW陣は(1人腑に落ちない顔をしているが)承諾した。
次にリボーンは、守護騎士ヴォルケンリッターの方に目を向ける。
「シグナム」
「・・・・はっ」
「ヴィータ」
「おう」
「シャマル」
「はい・・・・」
「ザフィーラ」
「はっ」
「アインス」
「・・・・はっ」
「分かっていると思うが、ツナ達はなのは達と比べて『実戦経験の数』こそ負けているが、『実戦経験の質』ならば圧倒的、ソレこそ天地の差がある程だ。だが、『実戦経験の数も質』も、お前ら守護騎士はツナ達にも負けていないどころか上回っている。それなのに、お前らはツナ達に及ばない。・・・・コレは何故だと思う?」
『・・・・・・・・・・・・』
リボーンが静かに鋭い言葉が、ヴォルケンリッターの心に突き刺さり、リーダーであるシグナムが、意を決して声を発する。
「・・・・8年、いえ、10年間、我々守護騎士は『実戦』から遠く離れていたからです。正直、〈時空管理局〉が相手にしている次元犯罪者達は、我々よりも明らかにランクが下の雑魚ばかりであり、そのせいか我々の『実戦の感覚』が鈍りきってしまった、と思っています」
「ーーーーその通りだぞ。どんなに優れた武器も、長くぬるま湯に使っていれば鈍らになる。だからお前らには徹底的な実戦で、なまり切った身体と感覚を叩き起こすぞ。その為にーーーーアイツが呼んだんだからな」
「ーーーー叩き潰していいのかい、元赤ん坊?」
『!!!??』
その声が会議室に響いた瞬間、リボーンとはやて、ザフィーラとリィン以外の全員がビクッとなり、壊れた機械のようにギギギ、とその声のした方に目を向けるとーーーー。
「・・・・・・・・・・・・」
会議室の扉に、雲雀恭弥が腕を組んで立っていた。
「ひ、雲雀・・・・!」
「おいリボーン。アタシらを鍛える相手って・・・・」
「雲雀程、お前らを容赦なく叩きのめしてくれる相手はいないからな♪」
「た、確かに・・・・雲雀さんなら、手加減無しでやってくれるでしょうけど・・・・!」
シグナムとヴィータは嫌そうな顔になり、シャマルは顔を青ざめガタガタと震えていた。
「文句は『戦いの勘』を完全に取り戻してから言え」
「承知しました」
「やるしかないか・・・・」
ザフィーラ以外はドンヨリとした気持ちになっていた。
「ーーーーさて、残るはなのはとフェイトとはやて、リィンははやてとペアと行くが・・・・この3人が正直1番難しいぞ」
「「「え??」」」
顔を俯かせ、目元が見えなくしたリボーンに言葉に、なのはとフェイトとはやては目を点にしてしまった。
「えっ? 何で? なのはさんもフェイトさんもはやて部隊長も強いですよ?」
「だからこそだぞ」
『ええ??』
「なのはもフェイトもはやても、実力も戦闘スタイルがほぼ完成されている状態でコレ以上の伸びしろ、つまりFW陣のような『成長性』があまり無いんだぞ」
「「「!!」」」
つまり、自分達の強さは『打ち止めの状態』であると告げられ、なのは達3人はショックを受ける。
「更に言えば、この3人にはシグナム達のような『命懸けの実戦の経験』が殆ど無いからな。コレ以上強くなるとしたら、『命を落とす危険性のある博打のような過酷な訓練』をしなければならないが・・・・正直、スカリエッティ陣営がいつ動くか分からない状況では戦力ダウンの可能性がある以上、迂闊な真似はできねぇ」
「そ、そんな・・・・! そんなのってないの!!」
「私達、戦力不足って事なの・・・・!?」
「幾ら何でも、ソレは納得できへんで!!」
FW陣や守護騎士達が特訓をするのに、隊長陣で守護騎士達の主である自分達が蚊帳の外扱いされるのに、なのは達3人娘は異論を唱える。
「(・・・・ニヤリ)」
「(あっリボーンのあの笑顔、嫌な予感が・・・・)」
目元は隠れているが口元は薄く笑みを浮かべ、リボーンがこう言う笑顔を浮かべる時は碌でもない悪巧みをしている顔であると、長年の経験でツナが青ざめる。
「・・・・なら、なのは。フェイト。はやて。お前らにはかなり厳しい修行が待っている。ソレに、今言った通りお前ら3人は『成長性』が不足している。スカリエッティ陣営がいつ動くめ分からない。正直、何処まで行けるかはお前ら次第だが・・・・それでもやるか?」
「「「(コクンッ!)」」」
なのは達はリボーンの言葉に力強く頷いてみせた。
「良し。ではお前ら3人の為にーーーー『特別講師』を呼んでおいているからな」
「「「へ・・・・?」」」
リボーンから発せられた言葉に、なのはとフェイトとはやてが間の抜けた声で聞き返すと・・・・・。
「ーーーー久しぶりだなぁ・・・・」
「「「っっっ!!?!?」」」
雲雀が離れた背後の会議室の扉から不意に聞こえたその声に、先程の気丈な姿が消え失せたなのはとフェイトとはやては、背骨が飛び出んばかりにビクッ! っと跳ね上がった。
『・・・・・・・・』
『あ・・・・』
「「「「???」」」」
『キュク?』
その様子にツナ達は苦笑し、守護騎士達は前髪で目元が暗くなり、FW陣とフリードは首を傾げるが、その声の主は地獄の底から響くような重苦しい声を発する。
「随分と、〈時空管理局〉に甘やかされてきたようだなぁ?ーーーー高町ぃ?」
「・・・・・・・・・・・・」
『不屈のエースオブエース』と呼ばれた高町なのはが、その全身から色素を失い、真っ白に燃え尽き、“全てを諦めたかのように瞳から生気を失い”・・・・。
「ーーーーテスタロッサぁ?」
「・・・・ぅっ・・・・! うぅっ・・・・!!」
『金色の閃光』と称されたフェイト・T・ハラオウンは、その美しい貌が絶望に染まり切り、両目には涙を浮かべ、“この世の終わりが来たような貌となり”・・・・。
「ーーーー八神ぃ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
『夜天の主』と謳われた八神はやてに至っては、己の冥福を祈るように両手を合わせ、その顔は菩薩の様な貌となって、“己の命運が尽きた事を悟り切ったように『死』を穏やかに迎えようとしていた”・・・・。
「ーーーー全員、回れ右!!」
「「「っっ・・・・・(あっ、終わった・・・・)」」」
その声の主の号令で、なのは達は一糸乱れぬ動きで、声の主に向き直り、その姿を見て自分達は終わった事を悟った。
その人物はーーーー『ネオボンゴレファミリー』、門外顧問〈CEDEF‹チェデフ›〉のメンバーにして、一時期なのは達の教官を務めていた女傑、『ラル・ミルチ』であった。
「・・・・写真で見るよりも、腑抜けた面を並べおってーーーーこの馬鹿者共がぁっっ!!!」
「「「ぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷっっ!!!!」」」
ラル・ミルチは横並びになったなのは達の顔面に手が幾つも見える程の残像を起こすハイスピードで往復ビンタをし、なのは達は間の抜けた声を発しながら、残像を生み出す程のハイスピードで引っ叩れていった。
「な、なのはさん!?」
「「ふ、フェイトさん!?」」
「や、八神部隊長!?」
FW陣が声を上げ、ツナ達やヴォルケンリッターは目を閉じて、両手を合わせて「ナンマイダー・・・・」と呟いていた。
なのはとフェイトとはやては、『成長の打ち止め状態』だと思いましたから。