不定期更新になると思いますがご了承下さい。
ボンゴレとシモンの応援合戦が終わり、なのはとフェイトは近くの屋上庭園に降りる。
「高町とフェイトって奴は何で屋上庭園に降りたんでしょう?」
「多分、なのはちゃんは戦う前にフェイトちゃんに色々と話をしたいんだと思う」
「まぁ大丈夫なんじゃねぇか?」
「俺達にやれる事はやった!後は二人次第だな!」
「・・・・・・・・・」
リボーンとツナと獄寺、山本と了平はなのは達がいる屋上庭園を見つめる。向かいのビルにいる炎真達シモンファミリーも同様であった。だが、応援から離れていたユーノとアルフは遠い目をしながら別の事を考えていた。
「「(多分二人共、応援合戦でボロボロになったコンディションを整えようとしてるんだろうな・・・・)」」
ー屋上庭園内ー
その頃屋上庭園内になのはとフェイトは。ユーノとアルフの推察通り、応援合戦で出鼻を激しくくじかれたコンディションを整えようと勤しんでいた。
「「(恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしい!恥ずかしいの(よ)!!!)」」
共に後ろ向きで真っ赤になった顔を両の手の平で覆い隠しながら先程の応援合戦で起きた事を必死に消化しようとする。
ツナ達や炎真達に他意は無く純粋な善意(リボーンとジュリーは悪ノリ)で応援してくれたので文句を言いたくても言えないが、正直キツかった。
「ハア、ハア、ハア、ハア、あの、フェイトちゃん?」
「フウ、フウ、フウ、フウ、な、何?」
「落ち着いた?」
「フウ、フウ・・・フウ~~。何とかね。貴女は?」
「私も、落ち着いてきたの」
ようやくお互い気持ちが落ち着き、息を整えた所で改めてシリアスになり言葉を交わす。
「フェイトちゃんは立ち止まれないし、私はフェイトちゃんを止めたい」
フェイトはバルディッシュを大鎌の形《クレッセントフォーム》に変型させて構える。なのはレイジングハートを展開させる。
「きっかけはジュエルシード。だから賭けよう。お互いが持っている全部のジュエルシードを」
なのはは今まで集めて来たジュエルシードをレイジングハートから出す。
「それからだよ、全部それから。私達の全てはまだ始まってもいない」
レイジングハートを構えてフェイトに向き合う。
「だから。本当の自分を始めるために、始めよう。最初で最後の本気の勝負!」
真剣な瞳でフェイトを見据える。フェイトはなのはの瞳に僅かに気圧されながらもバルディッシュを構える。
星光の少女と雷光の少女がぶつかる!
場所は変わりアースラでクロノとエイミィが戦い始めたなのはとフェイトをモニターで見る。
「戦闘開始、かなぁ?」
「ああ、戦闘空間の固定は大丈夫か?」
「上空まで伸ばした二重結界に戦闘訓練用の建造物、誰にも見つからないし、どんだけ壊しても大丈夫。しかし、ちょっと珍しいね。クロノ君がこんなギャンブルを許可するなんて」
「なのはが勝つに越したことはないし、沢田達や古里にも頼まれたんでね。勝敗はどう転んでも関係ないしね」
「なのはちゃんが戦闘で時間を稼いでくれている内に、フェイトちゃんの帰還先追跡の準備っと」
クロノ達は勝敗に関係無く、フェイトを追跡する準備を進めていた。恐らくフェイトは勝っても負けてもプレシア・テスタロッサの元に帰還する。それを追跡して“主犯”である彼女を逮捕する腹積もりなのだ。
「頼りにしてるんだ。逃がさないでくれよ」
「了解♪・・・でも」
クロノに頼られて上機嫌で返事するエイミィだが直ぐに沈んだ顔になる。
「なのはちゃんに伝えなくていいの?プレシア・テスタロッサの“家族”と“あの事故”の事?」
「その事は沢田やリボーン、古里にも言うなと言われているんだ。なのはは優しすぎるから、その事<プレシア・テスタロッサの“事情”>を知れば、フェイトとの戦いに集中できなくなる。それに勝ってくれるに越したことはないんだ。今は、なのはを迷わせたくない」
そして再びなのはとフェイトの戦いに視線を戻すクロノとエイミィ。
だが彼らは知らない、今まさにこの戦いを、アースラのモニターで写している戦いの映像を見ているのが自分たちだけではない事に。
暗くコンピューターや色んな機械で埋め尽くされた研究室で一人の“赤ん坊”がアースラのコンピューターに密かにハッキングをして、なのは達の戦いの様子を盗み撮りしていることに。
「フフフフフフ。リボーンとボンゴレが最近、管理局と魔導師に関わりを持ったと聞いたので暇潰しに監視していたら面白い物が見れたな。なるほど。あれが管理局の使う魔法か、原理は恐らく我々の使うリングの炎と匣と同じだな。彼等<管理局>の次元科学には以前から興味があった。これは良い機会かもしれんな」
その“赤ん坊”はとても赤ん坊とは思えないほど流暢に言葉を喋り、不敵な笑みを浮かべながら眼鏡を掛け直す。
リボーンとは色が違う“緑色のおしゃぶり”を首から下げ、足元には小型のワニがいた。その“赤ん坊”
はこの映像をツナ達と因縁ある“奴等”に送信する。
ある城をアジトにする顔中傷だらけの男はタブレットに写し出されるなのは達を眺めていたが。
「・・・・・・フン」
くだらんと云わんばかりにタブレットを投げ捨てた。
あるメジャーランドの廃墟をアジトにする個性的な髪型をし、整った顔立ちに左右非対称<オッドアイ>の少年もタブレットを眺める。
「ほう、これが管理局の魔導師ですか。闇社会の噂程度には聞いていましたが、まさか沢田綱吉と関わりを持つとは。クフフフフ」
その少年はなのは達を、嫌なのは達の“魔法”を興味深そうに眺める。
ツナ達の通う並盛中学の応接室。現在は“ある少年”の仕事部屋になったその場所で一人の少年がタブレットに送られてきた映像を眺める。
「・・・・・・・・・」
その少年は、なのはとフェイトの目に最近興味を抱いた“少女”の姿が重なる。が、直ぐに興味を失いタブレットを置いてその“少女”の家に食事に行こうとする。最近“少女”の家に住むようになった“騎士達”が五月蝿い(主に剣士と赤毛の騎士)が適当にあしらえば良いだけなので気にしない。草壁に連絡を取り車を出させ、応接室を後にする。草壁自身も最近、金髪の騎士とモジモジしながらも仲良く談笑する姿を見かける。少年は青い犬嫌狼を気に入っており狼自身も彼になついている。少年にとってなのはとフェイトの真剣勝負なんかよりも“少女”の料理の方が重要なのだ。
その青年は楽しそうに鼻歌を歌う。
「♪~♪~♪~♪今頃は高町なのはちゃんとフェイト・テスタロッサちゃんの真剣勝負が始まった所かな♪楽しみだなぁ、彼女達と綱吉君がマッチングすると一体何が起こるのか♪」
その青年、“白蘭”はまるで子供のように純粋にこれから起こる“出来事”を楽しむ。
なのはもフェイトもクロノ達も知らない、ボンゴレと、ツナ達と関わりがある彼等といずれ出会う事に。
決して自分達と分かり合えない、本物の“悪<ワル>”を。
今回はここまでにします。
ふと思ったのですが、フェイトも守護騎士達も“アイツら”に比べたらカワイイ物ですね。