今年も『かてきょーリリカルREBORN』をよろしくお願いします。
なのはとフェイトの戦いもいよいよ終盤に差し掛かってきた。空中で高速戦闘を繰り広げるなのはとフェイト、つばぜり合いを続けながらフェイトは追憶する。
「(我が儘を言って母さんを困らせてばかりだった)」
バルディッシュをハルバート形態にしてなのはに突っ込むもなのはは障壁を張り防ぐ。
「(あの日の・・・事故の直前までははっきり覚えているんだ)」
それは今よりも幼い頃の記憶、ベランダから母の仕事場を眺めていた時、夕焼けの世界で光が溢れた。
「(母さんのいる場所が、遠くで光った・・・・次に目が覚めたときに見たのは泣きながら私を見ている母さん・・・私はあの事故で怪我をしてずっと眠ってたんだって)」
仕事を気にすること無くこれからはプレシアと二人で幸せに暮らせるとフェイトはそう思って疑わなかった。だが・・・・・・。
『どう?《アリシア》、美味しい?』
自分の『名前』を呼んでくれなかった。戦いの最中にフェイトは思わず呟く。
「違うよ・・・母さん、私は《フェイト》だよ・・」
だが記憶の中の母は言う。
『ほら可愛いわ・・・《アリシア》』
母の口から放たれた言葉にフェイトは一瞬気をそらす。
その隙を見逃さずなのはは障壁を少しずらしてフェイトの攻撃をかわす。フェイトを頭を振る。
「(違う!・・・どっちでもいい!母さんが私をどう思っていようがどっちでもいいんだ!・・・この戦いに勝って、ジュエルシードを母さんに渡して・・・渡して・・・でも、そうしたら私は炎真達とお別れしないといけないの?)」
フェイトは炎真達のいるビルの方を見る。
心配そうに自分を見つめるアーデルが、ジュリーが、紅葉が、薫が、らうじが、しとぴっちゃんが、そして炎真の姿がフェイトの瞳に映った。この戦いに自分が勝てば母であるプレシアは喜んでくれるかもしれない。
だがそれは、フェイトが『地球にいる理由』が無くなる事を意味していた。
自分を本当の妹のように愛情を注いでくれるアーデル。
セクハラ紛いな事をされたが遊びを教えてくれたジュリー。
いつも騒がしいが不器用に優しい紅葉。
口下手だけど思いやりのある薫。
いつも自分を心配してくれるらうじ。
抱きつかれたりされるのは困るがそれでも自分を大好きと言ってくれるしとぴっちゃん。
そして、こんなに幸せな時間をくれた母親以外で大切だと言える人、炎真。
初めて炎真達とご飯を食べたとき幸せで胸がいっぱいになった、皆で大掃除したり、温泉に行ったり、買い物に行ったりとプレシアとの記憶に負けず劣らず光輝く『思い出』がフェイトの頭をよぎった。
「アクセルシューター!」
「!!!?」
気を反らしたフェイトになのはは魔力弾を放つ。フェイトは魔力弾を紙一重でかわす。
「(いけない。集中しなきゃ、今はこの勝負に勝つことだけを考えなきゃ・・・)」
自分の心に浮かんだ『迷い』は振り払うかのようにフェイトはなのはに向かった。
炎真達シモンファミリーはフェイトとなのはの戦いを見守る。アーデルが炎真に話しかける。
「炎真、白蘭から聞いた情報によるとこの戦いが終わればプレシア・テスタロッサが介入してくるらしいわね」
「うん、ツナ君達とも打ち合わせは済ませてある。プレシア・テスタロッサが何時仕掛けてもフェイトちゃん達を守れるように準備はしているよ」
炎真はいつでも戦闘状態になれるように身構え、向かいのビルにいるツナも手袋を嵌めて死ぬ気丸を持ちナッツも臨戦態勢でツナの肩に乗っていた。
「(準備はできている)」
「おい炎真、フェイトが決めるようだぜ」
ジュリーの言葉でフェイトの方を向く炎真。そこには設置型のバインドでなのはを拘束しいくつもの黄色い稲妻の玉を浮かばせたフェイトの姿があった。
フェイトはバルディッシュを構え、稲妻の玉から放たれる魔力弾をなのはにぶつける。その威力はなのはの後方のビルまで破壊する。なのはの姿が見えなくなる程の攻撃を与えるとダメ出しのように稲妻の玉を集めて黄色い槍のような攻撃を放つ。
「スターク・エンド」
放たれた槍は横切ったビルを破壊しながらなのはのいる地点に当たる。
ズバアアアアアアアアアンンン!!!!!!
攻撃が当たるとその衝撃でなのはがいる地点周辺のビルまで破壊する。
「・・・ハァ」
フェイトは渾身の攻撃を放ち力が抜く。バルディッシュも斧の形態に戻る。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
『・・・・・・・・・・・・・・・』
フェイトもツナ達も黙ってなのはのいる地点を見つめる。煙が舞いなのはの姿が確認できないが、煙が晴れるとそこには。
「なのはちゃん・・・・・・」
バリアジャケットが少し破け焦げ跡があるがなのはは毅然と立っていた。
「《いけますか?マスター》」
「いけるよ。レイジングハート」
なのははレイジングハートをフェイトに向ける。レイジングハートは杖の形からバスターモードに変形する。
「・・・!・・・」
「・・・・・・ウオオオオオオオオオオオ!!」
フェイトはなのはに向かおうとするが。
「!?」
今度はフェイトがなのはの設置型のバインドに動きを封じられる。なのははフェイトから攻撃を受けながらバインドを設置していた。
「ッ!?」
なのははレイジングハートを大砲のように構えて引き金を引く。
「『デイバイイイイイイイイング・バスター!!!!」
桃色の魔力の奔流『ディバイング・バスター』がフェイトを襲う。フェイトは障壁を張って防ごうとするが。
「グウウウウウウ!!・・・あの子だって、もう限界の筈・・・」
だがなのはは止まらない。フェイトのバリアジャケットのマントと手袋が破れて行き。
「た、耐えきれない!グウ!グウゥ!!ッ!?」
突如なのはの砲撃が終わった。防ぎきったと思って安堵するフェイトは自分のバリアジャケットや周りの魔力が遥か上空にいるなのはに集まっていくのを見た。それを見たリボーンが呟く。
「なのはの奴《切り札》を使う気だな」
「うん、俺達と考えたなのはちゃんオリジナルの《必殺技》」
「使いきれず、ばらまいちゃった魔力をもう一度自分の所に集める」
フェイトは呆然と呟く。
「収束・・・砲撃・・・」
「ツナさんやリボーン君、そしてレイジングハートと考えた、知恵と戦術、最期の《切り札》」
なのはの集めた魔力を収束して放つ《必殺技》。
「受けてみて!これが私の全力全開!」
「クッ!ウアアアアアアアアアアア!!」
フェイトも足掻くように稲妻を放つが。
「『スターライトォォ・ブレイカーーーーーーーーーーーーー』!!!!」
なのはの収束砲撃がフェイトを襲う!
「ッ!?」
フェイトは防ごうとするが桃色の魔力の激流に飲み込まれてしまった。
なのはの砲撃が弾けてしまいツナ達や炎真達のいるビルに襲いかかるが。
「ナッツ、防御形態」
「GAAAU!」
「『大地の重力』」
ツナは超モードになりナッツはその姿をマントに変えて余裕で防ぎ、炎真も戦闘状態になり重力球を出してなのはの砲撃を反らした。リボーンはなのはの『スターライト・ブレイカー』を観察し、ボンゴレ&シモンの守護者達は思った。
『「(なのは、結構エグいな・・・・・・)」』
「(やるななのはの奴。メローネ基地での完成型XBURNERクラスはあるな)」
「(なのははもしかすると下手をするとXANXASや骸に雲雀さんや白蘭と同タイプかも・・・・・・)」
「(敵対する者には容赦しない、あの子<なのは>D・スペードと同じタイプかも・・・・・・)」
動きを封じた相手に容赦しない砲撃をぶつけるなのはの姿勢にツナと炎真はなのはにちょっと恐怖を抱いた。
これが後に『管理局の白い魔王』とも『冥王』とも『悪魔』とも呼ばれる少女の、その片鱗をツナ達が見た瞬間であった。
なのはって一歩間違えればXANXAS達と同種になりそうですよね・・・・・・。