後に『ジュエルシード事件』又の名を『プレシア・テスタロッサ<PT事件>』と呼ばれる管理局の歴史に残る事件は終結し、なのはとツナ達ボンゴレファミリーと炎真を欠いたシモンファミリーは海鳴に戻り、なのはは自分の家に、ツナ達は近くのホテルで休む事にし、翌日に並盛に帰る事になった。なのははツナ達(と言うよりもツナと)に自分の家に泊まっても良いと言ったが、ツナの説得で渋々了承した。
ーツナsideー
「十代目、そろそろですね・・・」
「本当に大丈夫なの?」
「気もそぞろになってもしょうがねぇだろ? 宛にしようぜ」
ホテルの近くの公園で、ツナ達とアーデル達が“ある人物”のを待っていた。事前の打ち合わせの時間帯が間近になった事を獄寺が告げ、アーデルが不安そうにし、ジュリーがアーデルを宥めた。
そして、ツナ達のいる地点に魔法陣が現れ、魔法から光が溢れ、“三人”の男女が現れた、一人は“赤い髪の小柄な少年”、“黒髪の長髪の美女”と“金の長髪の九歳位の女の子”がいた。
ーなのはsideー
ピリリリリ! ピリリリリ! ピリリリリ!
翌日の早朝、なのはの携帯が鳴り、なのはが着信を見ると『時空管理局』と表示され、慌てて出ると。リンディの声が聴こえた。
「ハイ! もしもし!」
《あぁ、なのはさん? ごめんなさいね、朝早くに》
「いえっ!」
《フェイトさんの裁判の日程、来週から本局行きって決まったわ・・・》
「はい・・・」
《でね、その前に少しだけなんだけど・・・・》
リンディはフェイトがなのはに会いたいと言っているのを伝えた。
海鳴市の大橋にクロノとフェイトとアルフがそこにいた。
「フェイトちゃーーーーん!!」
『フェイトーーーー!!』
「っ・・・・(ニコ)」
なのはと同じようにリンディから連絡を受けたツナ達が走ってきた。なのはとフェイトは向き合い。
「俺らは向こうに行ってるぞ」
「ありがとう、リボーンくん」
「・・・・ありがとう」
空気を呼んだリボーンがツナ達とクロノとアルフを連れて離れる。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
二人っきりにされたなのはとフェイトはお互いを見ると微笑み合う。
「アハハハ、いっぱい話したい事あったのに、変だね、フェイトちゃんの顔見たら忘れちゃった・・・・」
「・・・・私は、そうだね、私も上手く言葉に出来ない・・・・だけど、嬉しかった・・・・」
「えっ?」
「真っ直ぐに向き合ってくれて・・・」
「うん♪ 友達になれたらいいなって思ったの。でも、今日もうこれから出掛けちゃうんだよね・・・」
にこやかだったなのはは顔を俯かせる。フェイトも俯かせ。
「・・・・そうだね、少し長い旅になる・・・」
「アーデルさん達には? ツナさん達と一緒じゃなかったから・・・」
「私が、リンディさんに言わないでって頼んだの、アーデルさん達の顔を見たら、決心が鈍っちゃうと思ったから・・・」
本当は行方不明の炎真の事が非常に気になる。しかし、償わなければならないと考えるフェイトはアーデル達には黙って行こうと考えていた。
「でも、また会えるんだよね・・・?」
「!・・・うん、少し悲しいけど、やっと本当の自分を始められるから・・・」
「うん・・・」
「来てもらったのは、返事をする為・・・」
「ん?」
「・・・・君が言ってくれた言葉、“友達になりたい”って・・・」
「あ、うん! うん!」
「私にできるなら、私で良いならって・・・だけど私、どうして良いか分からない・・・だから教えてほしいんだ、どうしたら友達になれるのか・・・」
俯くフェイトをなのははジッと見つめ。
「簡単だよ・・・」
「えっ?」
「友達になるの、凄く簡単♪」
「・・・・・・・・」
「名前を呼んで・・・初めはそれだけでいいの。“君”とか、“貴女”とかそう言うのじゃなくて、ちゃんと相手の目を見て、はっきり相手の名前を呼ぶの」
そして、なのはは名乗る、自分の名をーーーーーーー
「私、高町なのは! なのはだよ・・・」
「・・・なのは」
「うんそう!」
「・・・・なのは」
「うん!」
「なのは・・・・!」
「・・・うん」
なのははフェイトの手を取りお互い見つめる。
「ありがとう・・・なのは・・・」
「うん・・・」
「なのは・・・」
「・・・う、うん!」
泣きそうになるのを堪えて、なのはは笑顔で頷く。
「君の手は暖かいね、なのは・・・」
「・・・うっ、うぅ・・・!」
遂に堪えきれなくなったなのはの目に涙が浮かぶ。フェイトも笑みを浮かべ。
「少し、分かったことがある。友達が泣いているとおんなじように自分も悲しいんだ」
「っ! フェイトちゃん!」
思わずフェイトに抱きつくなのはをフェイトは優しく受け止め。
「ありがとう、なのは。今は離れてしまうかもしれないけど、きっとまた会える。そしたらまた君の名を呼んでも良い?」
「うん・・・うん!・・・」
「会いたくなったらまた名前を呼ぶ・・・」
「っ!」
「だからなのはも、私を呼んで・・・なのはに困った事があったら、今度はきっと私がなのはを助けるから・・・」
フェイトの頬に涙が流れる。
「うん・・・!」
嗚咽を漏らしながらなのははフェイトに抱きつき、フェイトもなのはを優しく抱き締めた。
ーツナsideー
泣き出すなのはをツナ達は遠巻きに見守っていた。獄寺はグシっと鼻を鳴らし、山本は涙混じりに見つめ、了平は声を押さえて大粒の涙を流し、ツナとリボーンとフェレットモードのユーノは優しく見つめる。涙を流すアルフが呟く。
「あんた達の子はさ・・・なのはは・・・本当にいい子だねぇ・・・! フェイトが・・・あんなに笑ってるよ・・・!」
涙でぐずぐずになったアルフをユーノが優しく慰めた。
「そろそろだな・・・」
『フェイトーーーーーーーーーーーー!!!』
リボーンの呟きと同時に、反対側の橋の向こうから、アーデル達が大急ぎで走ってきた。
ーフェイトsideー
『フェイトーーーーーーーーーーーー!!!』
「っ!?・・・あ・・・!」
その声を聴き、声の主達を見た瞬間、フェイトの中で堪えていたモノに皹が入る。
「アーデルさん・・・ジュリー・・・薫・・・紅葉・・・らうじ・・・しとぴっちゃん・・・!」
そして走って来るアーデル達の中に、今は会いたくなかった“人”が目に入り、フェイトの瞳が激しく揺れた。
「・・・炎・・・真・・・!!」
「・・・・」
なのはは微笑みながらフェイトから離れ、フェイトを駆け付けたシモンファミリーと向き合わせる。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、み、皆、早すぎ、だよ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・」
「結局お前が遅すぎるのだ! 結局少しは体力を付けろ!」
「お、おいらも少し脇腹痛い・・・」
「間に合った♪フェイトちゃん♪」
「たくっ、何も謂わずにフケる積もりだったのかよ・・・!」
「ちょい水臭いんじゃね?」
「ジュリー、薫、そこまでよ、炎真・・・」
「う、うん・・・フェイト・・・」
「炎、真・・・っ!」
昨日まで行方不明だった炎真が目の前に現れ、堪らず炎真の胸に飛び込んだフェイトは泣きじゃくる。
「炎真・・・! 炎真ぁ・・・!!」
「フェイト・・・」
「炎真ぁ・・・! 炎真ぁぁ・・・っ!!」
「うん、心配かけてゴメンね・・・・」
何故ここに炎真がいるのなんて関係無いと言わんばかりに、フェイトは炎真の存在を確かめるように名前を呼び、声を聴き漏らさず、全身で炎真の温もりを感じていた。
ーツナsideー
「アルフも行ったら?」
「で、でも・・・・」
「獄寺、山本、了平・・・・」
「「「了解(っす)(♪)(だ)」」」
「えっ? ち、ちょっと・・・!」
ツナにほだされ、リボーンの指示で獄寺達に連行されるアルフ。
「そろそろ時間なんだけど・・・・」
「空気を読めクロノ、ここは黙って見守ってろ」
「そもそも何でシモンファミリーが・・・連絡は言って無い筈なんだけどなぁ・・・」
ため息を付いたクロノは母親に延長の連絡を送った。実はこっそりリボーンがメールで連絡していたのだ。
ーフェイトsideー
「う、うぅ・・・!」
泣き止んだフェイトは炎真と向き合う。
「フェイト・・・」
「炎真、私、管理局に行く・・・」
「・・・・・・・・」
『・・・・・・・・』
炎真とシモン守護者達は、フェイトの言葉を聞く。
「私、長い旅に出ちゃうの・・・・」
「うん・・・」
「帰ってくるのは、かなり遠くなるかもしれない・・・」
「うん・・・」
「もし・・・もしまた私が帰ってきたら・・・!」
「うん・・・」
「また私を・・・皆の中に・・・“ファミリー”の一員で良いですか・・・!」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
頷いていた炎真が黙り、フェイトの心に不安が満ちる、もしもここで炎真達に拒絶されれば、自分はもう絶対に立ち直れない。
「そんなの「結局くだらん事を言うな!!」紅葉・・・」
炎真とフェイトが目を向けると、紅葉が涙や鼻水で顔をグシャグシャにしていた。
「ブァミリーの一員<いぢいん>に決まっでいるだろうがっ!!!」
「確かに、下らねぇことだな・・・」
「フェイトちゃんもアルフも、おいら達のファミリーだよ・・・」
「しとぴっちゃんも、フェイトちゃんとアルフはファミリー♪」
薫とらうじとSHITT・Pも涙を瞳に涙を浮かべながら同意する。
「たくっ、しまんねぇな。ま、俺もおんなじだけどよ」
「とっくにフェイトもアルフも、私達のファミリーの一員よ」
「・・・・・・・」
「あんたら・・・・!」
ジュリーもアーデルも同意の意思を示すとフェイトとアルフの瞳にも涙がまた浮かぶ。
「フェイトちゃん、僕達は待ってるから、フェイトちゃんとアルフが帰ってくるのをずっと待っているから、だから安心して行っておいで・・・・」
「炎真・・・・!」
「例え何ヵ月、何年、何十年経っても、僕達は、フェイトちゃん達を待っているから・・・!」
「うん・・・! うん・・・!!」
「う、うぅ!うああああああああん!!」
涙を流すフェイトを炎真は優しく抱き締め、遂に大泣きしたアルフをジュリー達が慰めた。その光景をなのはも涙を拭いながら見つめ、ツナ達も静かに見守っていた。
それからしばらく経ち、クロノからそろそろ時間だと告げられ、炎真はフェイトをなのはの方へ向かせる。
「フェイトちゃん!」
なのはは自分のツインテールを結わえていた白いリボンをほどいてフェイトに差し出し。
「思い出にできるもの、こんなものしかないんだけど・・・」
「じゃぁ私も・・・」
今度はフェイトが自分の髪を結わえていた黒いリボンをなのはに差し出し、交換する。
「・・・・ありがとう・・・なのは・・・」
「うん、フェイトちゃん・・・!」
「きっとまた・・・」
「うん! きっとまた!」
それを見届けたアルフはユーノをなのはの肩に乗せる。
「ありがとう! アルフさんも元気でね!」
「あぁ、色々ありがとね。なのは、ユーノ、ボンゴレ」
「貴女も帰って来なさいよアルフ」
「オメェも俺らのファミリーなんだからな♪」
「あぁ、絶対に帰ってくるよ・・・!」
そして次はクロノが別れを告げる。
「それじゃ僕も」
「クロノ君もまたね♪」
「あぁ・・・」
「極限にまた勝負するぞクロノ!」
「次は俺が勝つがな!」
「俺も、今度はちゃんと勝負しような♪」
「勿論だ、了平、隼人、武」
「元気でね、クロノ君」
「リンディ達にも宜しく言っておけよ」
「ちゃんと伝えるよ、ツナ、リボーン」
地球でできた友人達にクロノはにこやかに応える。
そして、クロノ、フェイト、アルフの三人が並ぶと三人の足元に転送魔法陣が展開され、光に包まれる。そんな三人をなのはとユーノ、ツナ達ボンゴレファミリーと炎真達シモンファミリーが優しく見つめる。
「(バイバイ、またね。クロノ君、アルフさん、フェイトちゃん・・・!)」
「・・・・・・・」
フェイトはそっとなのはと炎真達に向け手を降ると、なのはも大きく手を振った。
「(バイバイ、私の友達、なのは。行ってきます、私のファミリー、炎真・・・!)」
『(いってらっしゃい、アルフ、フェイト・・・!)』
シモンファミリー全員が、フェイトとアルフに笑顔を向けた。
光が一際輝くとそこには、フェイト達の姿がなかった。
「・・・・・・・・」
「なのはちゃん・・・・」
ツナがなのはの肩に手を置く。
「うん、平気♪ きっとまた直ぐに会えますから!」
晴れ晴れとした大空をなのは達は笑顔で見つめていた。
遂に、遂に・・・無印編終了!!! ここまで来るのにどれだけ挫折と迷走を繰り広げてきたか! 次の回はエピローグでエピローグを迎えて本当のラストです!