ー八神家ー
プルルルルルルッ、プルルルルルルッ・・・
「もうシグナム達ってば、電話に出んで何しとんのや? 折角久しぶりに雲雀さんがご飯食べに来てくれはったのに・・・!」
シグナム達に連絡を取っていた八神家の家主であるはやてはプウッと頬を膨らませる。
「・・・・・・・・・・・・・・」
そんな家主をほっておいて、雲雀は『八神はやて特性ハンバーグ』を食べ終えてナプキンで口回りを拭いていた。
「委員長・・・・・」
雲雀の後ろに控え、シャマルに連絡していた草壁が雲雀に近づき耳打ちをする。
「・・・・・・・・」
雲雀が立ち上がると家から出ようとする。
「あっ、雲雀さん何処行くの・・・?」
「食後の散歩」
そう言って雲雀は草壁を八神家に置いて出ていった。
ーツナsideー
「(何なんだ、この子は・・・?)」
キュオオオオオオオ・・・
「(っ!? ボンゴレギアが、“初めて炎真と出会った時”のように“共鳴”している?)」
『大空のリングverX』がヴィータに反応するかのように“共鳴”を起こし、ツナは怪訝そうにヴィータを見た。
「ツナさん・・・」
「なのは・・・?」
「あの子は、私が相手をします!!」
「オイ!」
ツナの制止を聴かず、ヴィータに迫るなのは。
「(私が“足手まとい”じゃないって、ツナさんに見せてやるの!!)」
“虹の代理戦争”で“除け者”にされた事がなのはの“頑固な負けず嫌い”を刺激したようで、なのはは自分が“足手まとい”ではないと見せつけるつもりでヴィータに挑む!
「っ!」
ヴィータもツナの事を気にしていたが、当初の標的だったなのはが飛び出してきたので迎撃する。
「貴女は一体ドコの子!? 何でこんなことを!」
ヴィータは小さな鉄球を指の間から出現させる。
「教えてくれなきゃ、分からないんだから!」
なのは魔力弾を放ちカーブさせると、ヴィータの側面を攻撃するが、ヴィータは障壁を張って防ぐも、背後から魔力弾をぶつけられる。
「のヤロウっ!!」
ヴィータは一直線になのはに向かうが、なのははレイジングハートをキャノンモードにして構える。
「話を」
[ディバイン・・・]
「聞いてってば!」
[バスター!]
桃色の砲撃魔法を放つ!
「うわっ!」
ヴィータは間一髪で回避するが、その際、被っていた帽子が離れ、ディバインバスターの奔流に呑まれ、焼き消えた。
「っ!」
それを見た瞬間、ヴィータの目に明らかな“殺意”が宿った!
「グラーフアイゼン! ロード、カートリッジ!」
[了解]
ヴィータが足元に魔法陣を展開させ、ハンマー型デバイス グラーフアイゼンを頭上に構えると、ハンマーから蒸気が噴出され、その型を変形させた。
ハンマーの鎚の片方から三つのバーニアが、もう片方からトンガリが飛び出した。
「あっ!?」
バーニア部分から蒸気が噴出された。
「避けろ、なのは!」
「ラケーテン!」
バーニアが火を吹き、なのはに迫るが、なのはは回避しようとするが、ヴィータは追撃する!
「テメェー!」
空中追撃戦を繰り広げるなのはとヴィータ。
「ハンマーーーーーーーーーーーーーーー!!」
「な・・・キャアアアアアアアアアアアっ!!」
シールドで防ごうとするが、ハンマーのトンガリがレイジングハートの杖部分とぶつかり、なのはを吹き飛ばした!
「なのはっ!!」
吹き飛んだなのはをツナが抱き止めるが、衝撃を止められず、そのまま二人とも地面に墜落した。
「デヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
「『嵐+雷 フレイムサンダー』!!!」
「っ!? なんだァっ!!??」
追撃しようとするヴィータに“緑色の雷を纏った赤い炎”が迫った!
「クッソッ!」
ヴィータはシールドで防ぎきれず、吹き飛んでしまった。
「くっ・・・・・!」
「ツナさん!」
「なのはソコを退いてくれ、了平」
「極限任せろ! “我流”っ!!」
ツナの近くに来たリボーンがなのはを避けさせ、空かさず了平が“晴れカンガルーの漢我流”を呼び出すと、我流の口からキラキラ輝く黄色の炎、“晴れの死ぬ気の炎”をツナに向かって放射した。
「な、なのは・・・無事か・・・?」
「ツナさん!」
「スマン沢田、飛んでいるお前達を追うのに手間取ってしまった!」
「油断すンな、また来たぞ」
吹き飛んで行ったヴィータが戻ってきた。ツナ達とヴィータの間に“ドクロの銃口”を構えた獄寺と“刀”を構えた山本が割って入った。
「獄寺さん! 山本さん!」
「助っ人登場ってな!」
「このガキ、ウチのモンに手ぇあげるたぁ良い度胸じゃねぇか・・・!」
「ハァ ハァ ハァ ハァ ハァ・・・」
グラーフアイゼンを構えたヴィータだが、フレイムサンダーの攻撃を受けて赤いゴスロリ風のBJ<バリアジャケット>はボロボロの状態だった。
「アイゼン、BJを修復・・・」
[ヤー]
BJを修復したヴィータは目の前にいる獄寺と山本、そして了平を見ると。
キーーーーーン
「うあぁっ!(また・・・頭痛が・・・?!)」
キュオオオオオオオ・・・
「「「ッッッ!!!???」」」
そして獄寺達の方も、それぞれのボンゴレギアが共鳴を起こしていた。
「皆さん、どうしたの・・・?」
「獄寺達だけじゃねぇ、あの女の子も様子が変だぞ」
片手で頭を抑えるヴィータと、ボンゴレギアを見つめる獄寺達をリボーンとなのはは訝しそうに見ていた。
「《なのは、なのは、返事して!》」
「《っ! フェイトちゃん!》」
なのはにフェイトからの念話が入った。
ーフェイトsideー
「なのは! よかった、連絡がついた。一体何があったの?!」
「《それが、突然襲われて、ツナさんが私を庇って・・・!》」
「ツナさんに何かあったの?!」
「っ! (ツナくん・・・!)」
フェイトと平行し、アルフ(大人モード)を背負って飛んでいた炎真はスピードを上げた。
「なんなんだ、この嫌な感じ・・・!」
炎真の上に乗ったアルフは結界が展開された場所を睨む。
ーヴィータsideー
[高魔力反応、接近中]
「(ちっ、モタモタしている暇は無いか。だが・・・)」
ヴィータは頭痛が気になるが、なのはから“リンカーコアを蒐集”しなければならない。しかし、目の前にいる三人と後ろにいる赤ん坊は、只者ではないと“長年の経験”で直感したヴィータは攻めあぐねていた。
「(この三人、ガキだと思って油断すると痛い目に合いそうだぜ。それに、後ろにいる赤ん坊、あれ本当に赤ん坊か? 何か得たいの知れねぇぜ・・・!)」
「何をしている? ヴィータ・・・!」
「っ! シグナム達か!?」
ヴィータが空を見上げると、ピンク色のポニーテールにピンクと白の騎士風のBJを纏った凛々しい女性と若草色の看護師風のBJを纏った金色の髪を肩口にまで伸ばした穏やかそうな女性、浅黒い肌に鍛えられた肉体をした白髪の短髪に犬耳をした男性が降りてきた。
「どうしたのヴィータちゃん、高魔力反応を関知して駆けつけて見たら・・・っ!?」
「何やら得たいの知れん連中とこんな状態に・・・っ!?」
「シャマル? ザフィーラ? っ!?」
キーーーーーーーン
騎士風の女性シグナムは、看護師風の女性シャマルと犬耳の男性ザフィーラの目線を追って獄寺達を見ると、突然の頭痛に襲われた。
「(何だ!? 頭が、それに・・・!)」
「(なんなの? 胸が、心が、ざわつく・・・!)」
「(一体何者なのだ? あの者達は・・・!?)」
ヴィータと同じ頭痛と心のざわつきに襲われた。
ーツナsideー
なのは達も突然現れたシグナム達に警戒していると、ツナが立ち上がる。
「ツナさん!」
「大丈夫だなのは」
ツナは獄寺達と並ぶと上空からフェイトとアルフ、そして炎真がやって来た。
「ツナくん、大丈夫?」
「なのは、無事?」
「フェイトちゃん!」
「炎真・・・!」
全員が並び立ち、構えるのを見たヴィータ達は数の不利が否めない状態になった。
「《どうするシグナム、向こうの方が数的に有利になったぞ?》」
「《私達も何か変な感じよ、一時退却を考えるべきね・・・》」
「《何言ってんだよ! 高魔力の魔導師が二人もいるんだぞ! チャンスじゃねぇか!》」
「《確かになそれに・・・》」
「「「《それに?》」」」
シグナムの目線は“山本とフェイト”に向いていた。
「《あの者達と少々手合わせしてみたい・・・!》」
「「「(あ、悪い癖がでた・・・)」」」
実はバトルマニアなシグナムに内心呆れるヴィータ達。
「ねぇ君たち、何してるの? こんな所で・・・」
『っっ!!???』
突然両者が睨み合う場に静かに響いた声に一同はシグナム達の後ろを見ると。
「「げっ!!」」
「あら~・・・」
「(ザッ)・・・・・」
その声の主を見た瞬間、シグナムとヴィータは苦虫100匹は噛み潰した顔になり、シャマルは苦笑いを浮かべ、ザフィーラに至っては声の主に向かって片膝を付いて恭しく頭を垂れる。
黒い学ランを羽織り、左腕に『風紀』と印された腕章を付け、黒い髪、猛禽類のように鋭い瞳をした年齢不詳の少年に。
「「誰・・・・・?」」
「何・・・!?」
「あの人は・・・!?」
「マジ、かよ・・・!」
「こりゃヤベェな・・・」
「極限に厄介だぞ・・・!!」
「(ニッ、コイツはおもしろくなってきたぞ♪)」
フェイトとアルフはその人物に首を傾げ、ツナと炎真と獄寺達は驚愕を浮かべ、リボーンはほくそ笑む。
「あの、リボーン君、あの人って誰なの?」
「あぁ、アイツは、ツナ達の通う並森中学の『最強の風紀委員長』にして、『最凶の不良』。そして10代目ボンゴレファミリー『雲の守護者』、“雲雀恭弥”!」
『孤高の浮雲』が覚悟の炎と魔法が入り乱れる戦場に、遂に参戦した!
次回、守護者と守護騎士が遂にぶつかる!