ー時空管理局本局・技術部セクションー
ここはデバイスの調整や強化等を行う本局の技術部、多くの職員が慌ただしく動き回る所に、自分たちの相棒である、レイジングハートとバルディッシュの強制部屋にお見舞いに来たなのはとフェイト。
「「こんにちは!」」
部屋の中には、管理局の制服の上に白衣を来た緑色の髪をした眼鏡の女性がいた。
「あぁフェイトちゃん! それからえっと、なのはちゃん?」
「はい!」
「技術部のマリエル・アテンザです。クロノ執務官とエイミィ先輩の後輩!」
「高町なのはです」
「お見舞いよね? 2機ともシステムチェック中だから、お話はできないんだけど・・・会ってあげて」
「「はい」」
システムチェックの機械の中には待機状態のレイジングハートとバルディッシュが浮いていた。
「ちょっと時間は掛かるけどちゃんと直るよ。心配しないで」
「「・・・・・・・・」」
守護騎士との戦闘で破損した相棒達の姿になのはとフェイトは沈んだ顔を浮かべる。
「でも、この2機がこんな風になるなんて、よっぽど凄い魔法だったのね・・・・」
「変わった魔法でした、魔方陣の形も違っていたし」
「あれは『ベルカ式』、それも本物の・・・」
フェイトの言葉にマリエルがシグナムとヴィータの戦闘映像を映し出す。
「『エンシェント・ベルカ』・・・遠い時代の純粋な戦闘魔法。一流の術者は、『騎士』って呼ばれる」
「じゃあ、デバイスの中で何か爆発させてたのは?」
なのはは、山本と獄寺との戦闘中にシグナムとヴィータが、剣やハンマーから“薬莢”を射出させる場面を指差して聞く。
「『魔力カートリッジシステム』ね。“圧縮魔力の弾丸”をデバイス内で作製させて、爆発的な破壊力を生むの。『頑丈な機体』と『優秀な術者』、その両方が揃わなきゃただの自爆装置になりかねない、危険で物騒なシステムなんだけど・・・」
[[・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・]]
その映像を待機状態のレイジングハートとバルディッシュが静かに眺めているようだった。
ーはやてsideー
その頃時間帯は夕暮れ、八神はやては『海鳴市立図書館』に赴いていた。最近『ある人物』によって増築され、本の数も増え、本棚の高さも低くされてはいたが、それでも車椅子に乗るはやての手では届かない本に懸命に手を伸ばそうと四苦八苦していた。
「あっ・・・」
「これですか?」
「はい、ありがとうございます~」
すると後ろから、はやてが取ろうとしていた本を取ってくれた人がいた。紫色の長髪を白いヘアバンドで止めた女の子、なのはのクラスメートで友達の『月村すずか』である。
すずかとはやては本棚から本を読むフロアに移動して会話に花を咲かせていた。
「そうか同い年なんだ」
「うん、時々ここで見かけてたんよ。“アアー同い年くらいの子や~”って」
「あっ、実は私も」
「「フフフッ」」
二人は可笑しくなって笑い合った。
「えっと、私月村すずか」
「すずかちゃん・・・私、八神はやて言います」
「はやてちゃん」
「「フフフッ」」
それからすずかとはやては楽しく談笑し、はやては迎えに来たシグナムとヴィータとシャマルと共にすずかに笑顔で手を振りながら図書館を後にし、今度は『海鳴大学付属病院』に赴き、主治医の石田先生と会った。
「ああ、いらっしゃい」
「石田先生」
「お世話になります」
「ええ、はやてちゃん調子はどう?」
「えぇっと、いつも通りです・・・」
「で・・・こないだの検査の結果が出たんだけど・・・今の治療、あんまり成果が出てないかもしれないのね、でももう少し続けて様子を見てみたいんだ。はやてちゃんどうかな?」
「ええっと・・・先生にお任せします」
「最近うちの病院、はやてちゃんのような身体障害者に対しての医療設備や治療方法が充実するようになったけど、検査とかお薬とかつらくない? 大丈夫?」
実は病院の設備と治療方法も図書館と同じように『ある人物』によるモノなのだが、それでもはやての“足の治療”は難しくなっているようだった。
「・・・・がんばります」
「・・・・・・・・」
無理に笑っているようなはやての笑顔をシャマルは辛そうに眺めていた。
ー雲雀sideー
並盛中学の応接室、風紀委員長雲雀恭弥の執務室であるこの場所に、雲雀恭弥が書類仕事をこなしていた。
「・・・・・・・・・・・・」(カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ)
『天上天下唯我独尊』、『暴虐不尽』、『我戦う、故に我有り』を地で行く『鬼の風紀委員長』だが、地元並盛と母校並盛中学を心から愛しており、地元と母校の風紀を取り締まり、更には病院から町の警察組織に役所にまでその影響を及ぼす雲雀は以外と多忙で、最近では隣町の海鳴にもその影響を伸ばしているので更に多忙になっている。常人なら手が足らなくなる所だが雲雀は自身の優秀さで余裕で仕事をこなしていた。
雲雀はふと立ち上がり、窓を開けると再び椅子に座り、執務机に向かう。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(スッ)」
ピュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・
雲雀は懐からいぬ笛を取りだし、鳴らすと人間の聴覚では聞き取れない2万ヘルツの音を吹き鳴らすと。
ザッ!
「お呼びですか、雲雀さま」
なんと、狼形態のザフィーラが窓からやって来て、執務机の隣にお座り状態で雲雀に向けて頭を垂れる。
「ザフィーラ、昨夜のアレは一体何だ・・・・?」
「っ!・・・・・・・・それは・・・・」
雲雀の質問にザフィーラは言い淀んだ。雲雀の性格上関わってくる事は守護騎士全員が分かっていたが、雲雀を警戒しているシグナムとヴィータは、“話さない”と言い、中立のシャマルも雲雀を巻き込みたくないから“話さない”と主張した。ザフィーラははやて同様、雲雀を全幅的に“信頼”しているが、その雲雀を巻き込みたくないと考えている。
だが、雲雀からの問いかけに無言を貫く事は“義”に厚いザフィーラの性格上かなり難しい。
「あの小動物<沢田綱吉>達が関わっているとなると、君達だけでは荷が重いよ」
「雲雀さまがそこまで言うほどの相手なのですか?」
「フッ・・・・」
ザフィーラの問いかけに雲雀は意味深な笑みを浮かべた。
ーツナsideー
ここはなのはの両親が経営している『喫茶店翠屋』、ここにキャバッローネファミリーボス、『跳ね馬ディーノ』が、魔導師であるなのは達に会いに来ていたのだが・・・。
「久しぶりだな、士郎さん・・・」
「立派になったね、ディーノくん。その腕の“痣”、キャバッローネファミリーのボスの“証”、良く似合っているよ。先代の親父さんも、きっと天国で喜んでくれているだろうね・・・」
「まだまだ親父には遠く及ばねぇけどな・・・」
「それはそうさ、親父さんくらいの立派なボスになるには、君はまだまだ若いんだからね・・・」
「へへへ、手厳しいな士郎さんもさ・・・!」
翠屋に赴いたツナとリボーンとロマーリオ、そして合流した炎真は、会話に花を咲かせているディーノと店主でありなのはの父親である高町士郎の様子を眺めていた。
「ディーノさんと士郎さんって、知り合いだったの?」
「ディーノの親父、先代キャバッローネファミリーのボスには、士郎のヤツはかなり世話になっていたからな。ガキの頃は何度か会った事が有ったらしいが、士郎が“裏の仕事”から足を洗ってからは疎遠になっていたみたいだゾ・・・・」
「それでも、士郎の旦那は先代からの恩を忘れた事は無いんですよ。先代の命日には毎年匿名で花束を贈ってくれてるんです・・・・」
「それにしても、“裏の仕事”って・・・・士郎さんも結構謎が多いなぁ・・・」
ツナとリボーンとロマーリオと炎真に桃子がケーキとコーヒーを持ってくる。
「はいツナ君と炎真君、ショートケーキとチーズケーキとホットココア。リボーンさんはチョコレートケーキとエスプレッソで、ロマーリオさんはキリマンジャロです」
「ありがとうございます桃子さん」
「どうもありがとう」
「サンキュー」
「すみませんね桃子さん、急に押し掛けてきて・・・」
「良いのよ。もうすぐなのはも帰ってくるから、もう少しだけ待っていてね♪」
そう言って桃子は厨房へと向かった。
「“なのは”って、リボーンさんが言っていた魔導師の女の子ですね?」(ヒソヒソ)
「はい、士郎さん達にはその事は秘密にしているんです」(ヒソヒソ)
「他にも“フェイト”って子もいるんですよ」(ヒソヒソ)
「あの二人ならディーノも気に入ると思うゾ」(ヒソヒソ)
桃子と士郎に聴かれないように会話する三人の耳に店のドアが開き、そこから女の子の声が聞こえた。
「ただいま~。あっ、ツナさんにリボーンくん♪」
「炎真、来てたんだ・・・・!」
「「「おかえり~」」」
元気良く挨拶するなのはとフェイトに手を上げて応える三人。
「あれ? 知らない人がいる・・・・」
「おいディーノ、待ち人が来たゾ」
「おっ! その子達か!」
ディーノは士郎との会話を切り上げると、なのはとフェイトに近づき、ロマーリオはディーノの後ろに控える。
「あの・・・・お兄さんは?」
「始めましてになるな。高町なのはちゃんに、フェイト・テスタロッサちゃんだな? 俺はディーノ。リボーンの元教え子で、ツナの兄弟子だ」
「ツナさんの・・・・」
「兄弟子・・・・」
「それと、コイツはロマーリオ。俺の部下だ」
「よろしくな。リトルレディ達」
これが“裏の世界”の凄腕のマフィアボスにして、『住民を大切にするマフィアランキング』でぶっちぎり1位の“跳ね馬ディーノ”との出会いであった。
中々ストーリーがまとまらない。