ーはやてsideー
「・・・・君、いつまで寝ているんだい?」
「・・・・はっ!」
目を見開いたはやての目の前には、融合騎の少女の向こうに、学ランを羽織った黒髪の少年が立っていた。
ビキッ!!
その時、暗闇の世界に亀裂が走ったーーーー。
「・・・・・・・・」
「雲雀、さん・・・・?」
「っ!」
融合騎は、背後に現れた雲雀を見ると目を見開いて、その瞳から涙を流して思わず呟いた。
「・・・・主・・・・『アラウディ』・・・・!?」
ーツナsideー
「ふっ!」
「くっ!!」
ツナが拳を叩きつけるが、融合騎は障壁を展開して防ぎ、左腕に巻き付く蛇がツナを襲うが、間一髪で回避するツナ。
「シュートっ!!」
[アクセルシューター]
なのはが魔力弾を放つが、融合騎も魔力弾を放ちぶつかり合い、なのはが吹き飛び海面に落下しそうになる。
「ああっ・・・・!」
なのはが海面に叩きつけられる寸前、融合騎がなのはを蹴り飛ばし、なのはをバインドで縛り付け、隆起した岩に叩きつけまくる。
「ああっ!」
「なのはっ!」
「『カオスショット』っ!」
隆起した岩の1つに降りていたリボーンが、なのはの巻き付いたバインドの鎖を、『カオスショット』で撃ち抜き、ツナはなのはを抱える。
「・・・・・・・・」
融合騎は『闇の書』を出現させると、ページをパラパラと捲り、開かれたページから魔法を起動させると、上空の暗雲から黒い稲妻が迸り、そこから『穴』が開かれると、『何か』が降り立ってきた。
それは、漆黒で巨大な、螺旋状の形をした突撃槍だった。
「っ!」
「あれって・・・・!」
「コイツはやべぇな」
三人が戦慄したように呟くと、融合騎は突撃槍の柄を握るとーーーー。
なんとツナ達に向かって、巨大な突撃槍を投げ飛ばした。
「眠れっ!!!」
突撃槍はドリルのように回転しながら、ツナ達に向かった。
「っ! レイジングハート!」
[了解]
「『ディバインバスター』!!」
なのはが魔力砲を放つが、螺旋回転する突撃槍は魔力砲を削りながら突き進む。
「はっ!」
「なのは! 砲撃を止めろっ! ナッツ! 『攻撃形態』!!」
『Gau!』
なのはが驚愕した様相を浮かべ、ツナは攻撃形態のガントレットとなったナッツでそれを迎撃しようとし、突撃槍の切っ先にガントレットを叩き込んだ。
「ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!」
「ツナさんっ!!」
ガントレットと槍の激突で、盛大な火花が飛び散るが、ツナが押し負けそうになり、なのはが悲鳴を上げたその瞬間ーーーー。
「フェイトっ!」
「うんっ!」
『闇の書』の幻覚から脱出した炎真とフェイトが、突撃槍を横から斬り、重力を纏った拳で粉砕した。
粉砕された槍の残骸が海に落ちるのを見ると、リボーンを肩に乗せたツナとなのはが、戻ってきた炎真とフェイトと合流する。
「「「「「(コクン)」」」」」
言葉はいらないと、言わんばかりに頷きあった一同は、融合騎を見据える。
「くっ・・・・!」
融合騎は、そんな一同を見て歯噛みする。その時ーーーー。
「っ! ぐぅ!」
左腕に巻き付いた『ナハトヴァーム』がうねりだし、融合騎の身体に巻き付き初めた。
「リボーン・・・・」
「ああ。どうやら『最終段階』に入ったようだな」
ーはやてsideー
「思い出した。全部思い出した・・・・! 何があったか、なんでこんなことになってもうたか!」
「っ! どうか・・・・どうか再びお休みを、我が主」
目を覚ましたはやてに、融合騎は雲雀から目を離して、懇願するようにはやてを眠らせようとした。
「あと何分もしないうち、私は私の呪いで、あなたです殺してしまいます・・・・せめて心だけでも、幸せな、夢の中で・・・・!」
そんな融合騎を見て、はやては雲雀の方に視線を向けた。
「・・・・言った筈だよ。誰かが助けてくれる事を期待して、自分でどうにかしようとしない弱虫には興味ないってね。でも、君は只の弱虫じゃないって事は分かっているよ」
はやては雲雀の言葉に頷くと、融合騎の肩に手を置いて、優しい声で諭す。
「優しい気持ち、ありがとう。そやけど、それはあかん」
「え・・・・!」
「私らみんな、よう似てる。ずっと寂しい思い。悲しい思いしてきて、1人やったらできへん事ばっかりで・・・・」
「っ・・・・」
はやての言葉に、融合騎の少女が嗚咽を漏らす。
「そやけど、忘れたらあかん。あなたのマスターは今は私で、あなたは私の大事な子や」
「ですが・・・・。ナハトが止まりません!暴走も、もう・・・・!」
「・・・・・・・・」
「(コクン)」
融合騎が涙を流すと、はやては雲雀に視線を向けると、雲雀は静かに首肯し、はやて目を瞑ると、足元に白い魔法陣が展開された。
「止まって」
はやてがそう命じると、空間が白い光に包まれた。
ーなのはsideー
「ウウ・・・・! アアッ・・・・!」
突如、融合騎の腕に巻き付いていたナハトヴァームが白い光を放ち、融合騎は顔を歪ませて悲鳴を上げた。
「アアーーーーーーーーーッ!」
《外で戦ってる方、すみません、協力してください!》
その時、全員の頭に、はやての念話が送られた。
「はやてちゃん?」
《この子に取りついている黒い塊を・・・・》
「ウアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!!」
融合騎が悲鳴を上げると、なのは達の前に、空中ディスプレイが展開され、ノイズにまみれた画像にユーノの声が響いた。
《みんなッ!》
「ユーノ君!」
《フェイト、聞こえる?》
「アルフ!」
《十代目! リボーンさん! 聞こえますかッ!?》
「獄寺!」
「やっと来れるようだな?」
《炎真!》
「アーデル! みんな!」
画像が鮮明になると、空を飛行するユーノとアルフ。草壁が運転する輸送ヘリコプターに乗る獄寺達とアーデル達、守護者が映った。
《遅れて申し訳ありません。ディーノさん達がチャーターしてくれた輸送ヘリの起動に手間取りました!》
「草壁。輸送ヘリコプターの免許まで持っているのか?」
《並森風紀委員副委員長として当然です!》
中学生の風紀委員にそんな技能が必要なのかと言うツッコミは今は無しにする。
《融合状態で、主が意識を保っている! 今なら、防衛システムを融合騎から切り離せるかもしれない!》
「本当?」
「具体的に、どうすれば?」
《四人の最大砲撃で、その黒い塊をぶっ飛ばして! 全力全開! 手加減無し!!》
「さすがユーノ!」
「分かりやすい!」
[[全くです]]
なのはとフェイトの言葉に、デバイス達も同意し、なのはとフェイトは足元に魔法陣を展開した。
「オペレーションX<イクス>」
[了解しましたボス]
「ハァァァァァァァァァ・・・・!」
ツナは『X BURNER<イクスバーナー>』の発射体制に入り、炎真は『重力球体』を生み出し、高圧縮させる。
ーはやてsideー
「名前をあげる。『闇の書』とか、『呪われた魔導書』なんてもう呼ばせへん。私が言わせへん」
「ぁぁ・・・・」
「ずっと考えてた名前や。強く支えるもの、幸運の追い風、祝福のエール、『リインフォース』」
ビキビキビキビキビキビキ・・・・ガシャーーーーーーーーーンンッ!!
その瞬間、はやて達のいた空間が暗闇に包まれ、光のヒビが入り、砕け散ったーーーー。
ーツナsideー
「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
悲鳴を上げて辺り構わず攻撃をする融合騎に、四人は砲口を向けた。
「N&F。中距離殲滅コンビネーション・・・・」
「ブラストカラミティー・・・・」
[ゲージシンメトリー、発射スタンバイ]
「『XBURNER AIR<イクスバーナー エア>』!!」
「超新星の閃光! 『スーペルノーヴァブリッツ』!!」
「「ファイアーーーーーーーー!!」」
ツナの放つ橙色の炎の柱が。
炎真の重力球体から一転集中で放たれる真紅の閃光が。
なのはとフェイトが放つ桃色と金色が混ざった魔力の砲撃が。
融合騎の身体を呑み込みーーーー。
ドカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンンッ!!
巨大な爆裂が、暗闇の海原に弾けたーーーー。
しかし、弾け散るナハトヴァームから、小さな声が響く。
『・・・・ん~~、ヌフフフ・・・・』
ー『超新星の閃光<スーペルノーヴァブリッツ>』ー
炎真専用のオリジナル技。
大地の重力で生み出した高重力球体を圧縮し、超新星の爆裂を重力操作で一転集中で砲撃する技。両手を使わない重力操作を身につけた炎真が生み出した技である。