かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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霧の怨念

ーツナsideー

 

光が収まった時、なのは達は勿論、事前にリボーンから聞かされていたツナ達でも、あまりの出来事に驚いた。

守護騎士・ヴォルケンリッターの主だったアラウディ。

エレナの死から起こったD・スペードの凶行。

そして、そのD・スペードによってヴォルケンリッターはボンゴレに関わる記憶を全て失っていた事を。

 

「ヴ、ヴィータちゃん達が、ツナさんのご先祖様であるボンゴレの初代さんと守護者の人達と、こんな関わりがあったなんて・・・・」

 

「で、でも、私達の目の前にいる『D・スペードの影』を名乗っているあの男の人は、一体なんなの・・・・?」

 

フェイトの言葉に、D・スペードは笑いを押し殺したように声を発する。

 

「ん~、ヌフフフフフ。先ほどの記憶で見たでしょう? 私の本体のD・スペードが、血文字で魔法陣を『夜天の書』に描いたのを。あの魔法陣には、『ヴォルケンリッターの記憶を封じる』だけではなく、『自らの魂の一部も封じ込める術式』の魔法陣でもあったのですよ」

 

「そんな魔法が・・・・!」

 

管理局の魔法にも様々な魔法が存在するが、『魂の一部を封じる魔法』なんて禁術中の禁術である。

そんな魔法が管理外世界に存在している事に、ユーノは勿論、クロノやリンディ達も驚いていた。

そしてーーーー。

 

「シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ・・・・」

 

はやてが家族である守護騎士達の名を呼ぶが、シグナム達はD・スペードを見つめて、涙を流していた。

 

「スペード、お前は、そんな禁忌の術にまで手を染めてしまったのか・・・・!」

 

「かつてのお前は、ノブレス・オブリージュ、高貴なる者としての誇りを持っていた気高い貴族だった・・・・!」

 

「でも、そんな、人の道を外れた禁術を使ってまで、ボンゴレを・・・・!」

 

「何でだよ・・・・! 何でそんなことになっちまったんだよ! デイモン!!」

 

記憶を取り戻した守護騎士達は、かつての盟友の変わり果てた姿を辛そうに見つめて叫んだ。

 

「ん~、ヌフフフフフ。簡単ですよ・・・・。エレナの想いの代弁者を気取るお前達が、ボンゴレに接触して不穏分子に協力させないように記憶を奪い、さらにお前達がボンゴレとまた絆を結ばせない為に、私と言う『影』を『夜天の書』のプログラム、ナハトヴァールに仕込んでおいたのですよ」

 

「ナハトヴァールに仕込んで置いたっ!? どうやってそんな事を!?」

 

クロノが聞くと、D・スペードはそれに答えた。

 

「ヌフフフフフ。知らなかったようですが、守護騎士達の元主、アラウディは彼女達に掛けられた“ナハトヴァールの呪いを解こうとしていたのですよ”。そうですよね、融合騎、いえ、祝福の風リインフォース?」

 

はやてに目を向けてD・スペードがそう言うと、はやての身体かうっすらと、リインフォースが幻影のように現れ口を開いた。

 

『その通りだ。主アラウディは私に掛けられた『ナハトの呪い』を解くために、秘密裏に魔術や錬金術の書を調べていた。その際に、D・スペードもその調査に協力していた。おそらくその時に、禁術を見つけたのだろう』

 

「主、アラウディが・・・・!」

 

「そんな素振り、主様は見せなかったぞ・・・・」

 

『主アラウディは馴れ合いが嫌いなお方だった。だが、お前達の事も、私の事も、必ず救って見せようと、ずっと調べていてくださっていたのだ』

 

「主、様・・・・」

 

「主アラウディ・・・・」

 

アラウディの隠された秘密を知って、守護騎士達は複雑な心境になった。

 

「ん~、ヌフフ。さて、思い出話はここまでにして・・・・」

 

言うとD・スペードの手から魔法陣が展開されると、ソコから飛び出た杖に一同は驚くーーーーD・スペードの手に収まったのは、“レイジングハート”だった。

 

「レイジングハートっ!?」

 

[私?]

 

なのはとレイジングハートが同時に驚きの声をあげると、D・スペードがレイジングハート(?)の切っ先をツナ達に向け砲撃モードに変形し。

 

「『ディバインバスター』」

 

D・スペードが言った瞬間、レイジングハート(?)から、藍色が混ざった桃色の光の砲撃が放たれたーーーー。

 

 

 

ーリンディsideー

 

「状況を報告!」

 

「現在、ハラオウン執務官達とボンゴレ・シモンファミリーが、『ナハトヴァール』いや、D・スペードが放った砲撃魔法を回避! D・スペードの持つレイジングハート(?)は、高町なのはさんが持つレイジングハートと同じ反応が出ており、砲撃魔法もまったくの同レベルです!」

 

「っまさか、『闇の書』、『夜天の書』が蒐集したなのはちゃんの魔法を使用できるのっ!?」

 

リンディは自分が建てた仮説を想像し、最悪な予感を感じたが、次の瞬間、モニターに映った戦闘状況を見て、顔を青くした。

 

 

 

ーツナsideー

 

D・スペードが放った『ディバインバスター』をギリギリで回避した一同は、レイジングハート(?)を構えるD・スペードを驚愕した目で見つめると、D・スペードはもう片方の手に、“クレッセントフォームのバルディッシュを召喚した”。

 

「バルディッシュっ!?」

 

[なんと・・・・!]

 

「『ソニックムーブ』」

 

フェイトとバルディッシュが驚くと同時に、D・スペードは一瞬でその姿が消えた。

 

「なのはっ!」

 

「フェイトっ!」

 

直ぐに隣あっているなのはとフェイトの前に飛んだツナと炎真の前に、レイジングハート(?)とバルディッシュ(?)を構えるD・スペードが現れーーーー。

 

「『アクセルシューター』、『フォトンランサー』」

 

「『大地の重力』!!」

 

藍色が混ざった桃色と金色の魔力弾が放たれるが、炎真が重力操作を行い、魔力弾は海へと叩き落とされた。

 

「ヌフフフ。良く回避できましたね」

 

「『フレイム・サンダー』!!」

 

「シュート!!」

 

獄寺とクロノが攻撃するが、なんと魔法陣の障壁で簡単に防がれてしまっていた。

 

「邪魔ですよ。『ケイジング・サークル』、『チェーン・バインド』」

 

『うわぁあっ!!』

 

『ああああっ!!』

 

D・スペードがそう言うと、全員の周りに魔法陣が展開され、ソコから大量の鎖が飛び出し、ツナ達、炎真達、なのは達を縛り上げた。

 

「こ、これって、アタシとユーノの魔法じゃないかっ!? なんでアイツがっ?」

 

「今のD・スペードは、ナハトヴァールと融合したような存在だ。ナハトヴァール、つまり『夜天の書』が集めたなのはとフェイト、そしてプログラムであるシグナム達ヴォルケンリッターだけじゃねぇ、さっきの戦いで他の皆の魔法や技をコピーしたんだろ。しかも、この拘束魔法、ユーノとアルフの魔法に奴がオリジナルの術式で構築されていやがる。脱出は困難だぞ」

 

驚く一同に、リボーンが冷静に解説した。ユーノとシャマルにデバイス達が術式を解除しようとするが、複雑な術式に難航している。

そんな一団を見て、D・スペードは笑みを深め、ツナに近づくとその頭を掴み上げ、その顔を見据える。

 

「なるほど、確かに子孫と言うだけありますね。その眼、プリーモに良く似ておりますよ。くだらない平和路線にボンゴレの道を歪めようとしたあの男にね! 『大地の拳<プーニヨ・テッラ>』!!」

 

「かっはぁっ!!」

 

『ツナ(さん/くん/十代目)!!』

 

重力球を纏ったD・スペードの拳が、ツナの腹部に深く入り込み、ツナは吐血した。

 

「先ずはあなたを消滅させましょう。ボンゴレを汚そうとする不穏分子、沢田綱吉とその守護者。いずれ障害になるだろうキャバッローネとシモンファミリーもね。あぁ時空管理局の魔導師達もついでに始末しておきましょう。・・・・勿論、守護騎士共、お前達は念入りね!」

 

「ス、スペード、やめろ、もうやめてくれ!」

 

「アタシ達のせいで、こんな事をしてるなら、アタシ達だけを殺してよ!」

 

「他の皆さんを、はやてちゃん達を傷つけないで!」

 

「頼むスペード! これ以上の暴挙は!」

 

「うるさいですね。『ラグナロクブレイカー』」

 

「「「「うわあああああっ!!」」」」

 

シグナム達がD・スペードを止めようと叫ぶが、そんな彼女達を冷酷に一瞥すると、はやての砲撃魔法で四人を吹き飛ばす。

 

「シグナム! ヴィータ! シャマル! ザフィーラ!」

 

はやてが拘束された状態でも、吹き飛ばされた四人の元に飛ぶ。

 

「あ、主・・・・!」

 

「逃げて、はやてちゃん・・・・!」

 

「これは、我等の贖罪、かつての盟友の怨念が静まるならば・・・・!」

 

「そんなんアカン! 確かにこの人が苦しんでいたんわ分かる! でも、私の家族を死なせたりはせぇへん!!」

 

はやては本心ではD・スペードが怖い。しかし、それ以上に家族である守護騎士達を失いたくない想いが、幼い少女を支えていた。

 

「良いでしょう。ならば家族諸とも、消滅させてあげます!」

 

D・スペードはそう言うと、左右の掌から大空の炎と重力球を展開し、はやて達に向ける。

 

「ま、まさか、あれって・・・・!」

 

「炎真とツナの・・・・!」

 

「『XーBURNER』と『超新星の閃光<スーペル・ノヴァ・ブリッツ>』だな。やべぇぞ。あんな近距離から放たれたら、拘束魔法で防御魔法を展開できないはやてじゃ骨も残らず蒸発しちまう」

 

「くぅ・・・・っ!」

 

「このままじゃ・・・・!」

 

ツナと炎真が拘束魔法を力技で引きちぎろうとするが、それよりも早く、

 

「では、さようなら」

 

D・スペードの炎と閃光が放たれたーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、ツナとリボーンの視界に、D・スペードに近づく“紫色の雲”を捉えた。

 




次回、裏切りの霧と孤高の浮雲が激突。
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