ーツナsideー
戦闘が終わると、ツナ達となのは達は球針態の上に倒れ、ゆっくりと身体が崩壊しているD・スペードに近づく。
「デイモン・・・・」
「・・・・滑稽でしょうね。所詮は本体から切り離された、D・スペードの残りカスの悪足掻きですよ。まさか、ここまでできるようになっていたとは・・・・当代のボンゴレファミリーも、捨てた物では、無いですね」
「デイモン。お前の本体のD・スペードの最後の言葉を伝える」
【エレナ・・・・お前を、救えなかった私を・・・・許してくれ・・・・!!】
【お前のやり方を見せてもらいましょう沢田綱吉。ただし、名を汚すようなことがあれば許しませんよ。エレナの愛したボンゴレなのだから】
「そうですか・・・・今際の際に、エレナはこう言っていた・・・・」
【あなたは弱き者のため・・・・ボンゴレとともに・・・・D<デイモン>・・・・あなたなら・・・・できるわ・・・・】
「ああ。それも本体から聞いた。でも、エレナさんは、人を怖がらせたり、力やお金を使って支配することに、弱い人の気持ちなんて少しも入ってない。そんなボンゴレは、エレナさんが好きなボンゴレじゃない。でもエレナさんは、ずっと自分の事を忘れずにいてくれた、自分のために必死に生き続けてくれたデイモンに、“ありがとう”って、お前に感謝してくれているはずだ・・・・」
「そう、ですか・・・・私もこのまま消えたい所ですが、ナハトが間もなく修復を完了させてしまいます」
『っ!』
リインフォースに融合したナハトヴァールが再び起動する。全員に緊張が走った。
その時、空気がヒヤリと寒くなると、一同の目の前に、D・スペードが起こした『夜の炎』のような黒い渦が現れた。
「ツ、ツナさん、あれって・・・・!」
「アイツらが来たか・・・・!」
なのはがツナの裾を掴み、ツナが戦慄した顔になると、渦の中から現れなのはーーーー。
『・・・・・・・・』
黒いボロボロの外套に身を包み、黒いシルクハットを着けた、顔どころか全身に包帯を巻いた、異質な雰囲気のある、まるでそう、死神を彷彿させる集団が現れた。
『復讐者<ヴィンディチェ>・・・・!』
『っっ!!!?』
ツナ達の言葉を聞いて、なのは達は驚愕と戦慄が混ざった顔で彼らを見た。
『裏社会の法の番人』にして、炎真達シモンファミリーを半殺しにして『虹の代理戦争』に参戦し、ツナ達と死闘を繰り広げた相手である。
「ーーーー!!」
炎真達を、自分の家族<ファミリー>を傷付けた相手が現れ、フェイトはバルディッシュをクレッセントフォームにして、『復讐者<ヴィンディチェ>』を鋭く睨むが、震えるアルフがフェイトの肩に手を置いて止めた。
「フェイト・・・・駄目だよ、アイツら、危なすぎるよ・・・・!」
動物の本能か、アルフは復讐者<ヴィンディチェ>の危険性を敏感に感じとり、完全に戦う心が折れていた。
「・・・・・・・・」
「炎真・・・・」
炎真も、フェイトの前に手を出して止める。
「「「「・・・・・・・・!!」」」」
『主、お下がりください・・・・!』
「皆・・・・」
そしてヴォルケンリッターは、はやてを守るように立ち、融合しているリインフォースも戦慄した顔で警戒していた。ヴォルケンリッターは全員、頬に一筋の冷や汗を流しており、もし復讐者<ヴィンディチェ>がはやてに目を付ければ、命を捨てる覚悟ではやてを守るつもりだ。
「こ、この人達が、復讐者<ヴィンディチェ>なの?」
「・・・・・・・・」
脅えたような声を漏らすなのはを背中に隠すようにするツナ。
『久しぶりだね、沢田綱吉・・・・』
特に危険な威圧感を出す包帯の隙間から瞳と髪を出した復讐者<ヴィンディチェ>の肩の上に乗る、リボーンと同じくらいの背丈をした復讐者<ヴィンディチェ>が声を発した。
「『バミューダ・フォン・ヴェッケンシュタイン』・・・・!」
「え、バミューダって・・・・」
「D・スペードが見せた記憶に出た、奴に『夜の炎』を与えた存在か・・・・!?」
「ああそうだ。そして今回、奴らには『ある物』を待ってきて貰ったんだ」
リボーンの言葉に続くように、復讐者<ヴィンディチェ>は外套の中から、橙、赤、青、緑、黄、紫、藍の炎が入った球体を取り出した。
「あれは・・・・?」
「あれは俺達アルコバレーノが守護していた『トゥリニセッテ』の一角、『アルコバレーノのおしゃぶり』の代わりとなった器だ」
「そしてそれの炎を扱う事ができるのは・・・・」
そこまで話していると、球針態に近づくヘリコプターが現れた。なのは達は警戒するが、ヘリコプターの中から、1人の女の子が現れた。
「ユニ!」
「お久しぶりです。沢田さん。リボーンおじ様!」
「えっ?! リボーンくんがおじ様っ!? どういう事なのっ!?」
「それはおいおい説明するぞ。彼女が俺達アルコバレーノのボス、橙色のおしゃべりのアルコバレーノ・ユニだ」
「はじめまして皆さん」
ニコッも微笑むユニのその笑みは、まさしく天使のような愛くるしさに満ちておりーーーー。
『(ポッ・・・・)』
ボンゴレ(雲雀は除く)とシモンの男達、クロノとユーノ、ザフィーラですら顔を赤くした。
ーーーーバキッ!
「ぎゃっ!」
ジュリーがアーデルに殴られ、
ーーーーぎゅぅぅぅぅっ!!×2
「なのは・・・・?」
「フェイト・・・・何で僕たちのお尻をつねるの?」
「・・・・何でもないの」
「む~~~~・・・・!」
頬を可愛く膨らませたなのはとフェイトが、ツナと炎真のお尻をつねっていた。
《クロノくん! 何見惚れているのっ!?》
「い、いや、別に見惚れてなんていない・・・・!」
エイミィが通信で怒声をあげると、クロノはハッと我にかえってしどろもどろに言い訳した。
それを見てリボーンはフッと笑みを浮かべると、
「ふっ・・・・他にも来てるぞ」
ヘリコプターの中からさらに、ウッドランド迷彩を着た赤ん坊。白衣を着てメガネを着用した赤ん坊。黒いマントを頭にまで被った赤ん坊。ライダーヘルメットを着けたライダースーツの赤ん坊。チャイナスーツを着た雲雀に良く似た赤ん坊が現れた。
「青のアルコバレーノ・コロネロ。緑のアルコバレーノ・ヴェルデ。藍のアルコバレーノ・バイパー、いや、マーモン。紫のアルコバレーノ・スカル。赤のアルコバレーノ・風<フォン>。『アルコバレーノのおしゃべり』を守護する『最強の赤ん坊』、アルコバレーノだ」
「こ、この赤ん坊達が、アルコバレーノ・・・・!」
クロノを初め、なのは達も驚愕したような顔となった。
そしてユニが宣言するように声を張り上げる。
「これより、初代ボンゴレファミリーボス・初代ボンゴレとの盟約に従い、アルコバレーノボスの名の元、トゥリニセッテの力を持って、“『夜天の魔導書』の呪いを解呪しますっ!!”」
次回で、『夜天の魔導書』の呪いを解呪できれば良いと思います。