ーツナsideー
ユニが宣言したトゥリニセッテの盟約。それは、『夜天の魔導書の呪いを解呪する』事だった。
「ユニ、ボンゴレとの盟約って・・・・?」
炎が消えて通常に戻ったツナがユニに訊くと、ユニはゆっくりと口を開いた。
「私の先祖が、トゥリニセッテの一角である『ボンゴレリング』を初代ボンゴレ・プリーモに預かってもらう見返りとして、先祖はプリーモの願いを1つだけ叶えると言う盟約を出し、プリーモは長くその願いを沈黙していましたが、プリーモがボンゴレを去り、『ボンゴレリング』を『ハーフボンゴレリング』に形を変えた際、私の先祖に願いを言ったのです」
「願い?」
「はい。プリーモはこう願いましたーーーー」
【ボンゴレが再び『夜天の魔導書』と出会い、守護騎士達の『呪い』が消えていなかった時はーーーートゥリニセッテの力を持って、彼女達を『呪い』から解放してほしい。これは俺だけの意志じゃない、俺と俺の守護者達、俺達ファミリー全員の意志だ!】
『「「「「「・・・・・・・・!!!」」」」」』
それを聞いて、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラ、リインフォースは頬に涙が流れた。
『夜天の魔導書』がボンゴレと再び出会う確率など、絶望的なまでに低い、それこそ永遠にそんな日が訪れないと言っても良いくらいの望みだ。
だが、ボスは・・・・プリーモは・・・・ジョットは・・・・。守護者達は・・・・ファミリーの仲間達は・・・・。そんな一縷の望みにも満たない可能性にトゥリニセッテの願いを使ってくれた。
守護騎士達の為に、遥か時を越えてーーーー。
「ボ、ボス・・・・!! 皆・・・・!!」
「うっ、ぅう、うあああ・・・・!!」
「ああぁ・・・・!!」
「くぅ、ぅぅ・・・・!!」
『ボス・・・・主アラウディ・・・・G・・・・雨月・・・・ナックル・・・・ランポウ・・・・スペード・・・・! 信じて、くれていたのですね・・・・また、会えるって・・・・!!』
シグナムが片手で顔を覆い、ヴィータはクシャッと顔を歪ませ、涙を拭うが止まらなく、シャマルは両手で顔を覆い膝から崩れ、ザフィーラは瞼を閉じて顔を上にあげて涙を堪えようとするがそれでも流れてくる。融合したリインフォースも、涙を流して笑みを浮かべる。
守護騎士全員が涙が止めどなく溢れてきて、何度も拭うが、それでも涙は止まってくれず、嗚咽を漏らした。
はやても、ツナ達も、エンマ達も、勿論なのはもフェイトも、クロノ達も、何百年と時を越えたボンゴレと守護騎士達の友情の絆に涙を流した。
「しかし、本体のD・スペードも、それに同意していたのか? 『夜天の魔導書』に呪いをかけていたのに・・・・」
「・・・・心の何処かで、本体のD・スペードも望んでいたんだろう。自分とエレナの友人である守護騎士達が、『呪い』から解き放たれ、幸福に生きて欲しいってな・・・・」
「そうかも、知れませんね・・・・」
倒れているD・スペードの影が、それに同意した。
「本体が、『夜天の魔導書』に、呪いを流す時、守護騎士達に対する複雑な感情があったのは、間違いないでしょうね・・・・」
「デイモン・・・・」
「しかし、トゥリニセッテの力を使うって言うのは、具体的にどうするんだ?」
クロノがユニに話しかけると、ユニは穏やかな笑みを浮かべて口を開く。
「はい。『アルコバレーノの器』。『ボンゴレギア』。そして、『シモンリング』の力を使えば」
「えっ? 『シモンリング』??」
トゥリニセッテと関係がない筈の『シモンリング』が何故入るのか、疑問に思う一同にユニが説明する。
「ご存知の方もいますが、トゥリニセッテの一角である『マーレリング』は、“とある事情”で封印されることになりました」
その“とある事情”こそ、かつてツナ達が経験した『未来での激戦』が起因となっているのだが、それを知らないなのは達に教える事もない。
「それじゃ・・・・『マーレリング』が無いのに、どうやってトゥリニセッテの力を・・・・」
「忘れたかダメツナ。本来の力である『ニューボンゴレリング』となった『ボンゴレリング』を圧倒した『シモンリング』ならば、『マーレリング』の代わりができる筈だぞ」
「それに、マーレ、海の代わりができるのは、大地の『シモンリング』だけなんです」
「エンマ・・・・」
「うん」
フェイトに話しかけられ、エンマは力強く頷き、シモンファミリーに顔を向けた。
「皆・・・・」
「ええ」
「美少女・美女とオマケの為だな♪」
「結局それかお前は」
「やるよ」
「応」
「了解☆」
守護者達が頷いた。
リボーンはそれを見て頷くと、他の元アルコバレーノに向くと。
「よく来てくれたなヘボライバル~」
「来てやったぜクソライバル!」
ゴン!
「“ラル”との結婚が御破算になって泣いてるかと思ったぜ」
「生憎、“ラル”が素直じゃないのはとっくに分かってるぜコラ!」
雨のアルコバレーノ・コロネロと挨拶の頭突き合いをした。
「出た~、挨拶代わりの頭突き・・・・!」
「痛そうなの・・・・!」
次に嵐のアルコバレーノ・風<フォン>に話しかける。
「久しぶりだな風<フォン>。イーピンには挨拶してきたか?」
「ええ。相変わら健やかに育っているようで安心しました」
「あの赤ちゃん。雲雀さんに似てるけどご親戚なん?」
「知らないよ」
群れるの嫌いなので距離を取った雲雀にはやてが質問するが、雲雀は素っ気なく答えた。
リボーンは霧のアルコバレーノ・バイパーことマーモンに話しかける。
「マーモン。お前もよく来たな」
「ふん。こんな一銭にもならない仕事はやりたくないけど、沢田綱吉には借りがあるからね」
『ボンゴレ独立暗殺部隊ヴァリアー』に所属するマーモンは、無償で働く事を何よりも嫌う拝金主義者なのだが、悲願だったアルコバレーノの呪いを解いたツナにはある程度の借りを感じているのか、協力する気になったらしい。
「あれがクロームくんが言ってきた幻術士マーモンか」
「うん」
管理局基準で言えば高レベルの幻術使いを上回ると言っても良いクローム。その彼女をも上回る術士のマーモンに、クロノは警戒の色を持っていた。
次に、雷のアルコバレーノ・ヴェルデを向くリボーンの目に、静かな威圧感が放たれる。
「ヴェルデ。お前が来たのは、管理局の次元科学が目的か?」
「まぁな。私としても彼らの技術は大変興味深いからな」
「(この二人、何があったのっ!?)」
ニヤリと笑みを浮かべるヴェルデに、リボーンはとりあえずそれ以上言わず、コホンと咳払いをして。
「さて、これで全員だな」
「待てコラリボーン!!」
「ん? なんだスカル。お前も居たのか?」
「さっきから居ただろうが! 無視しやがって!!」
ヘルメットを被った赤ん坊、雲のアルコバレーノ・スカルである。
「パシリはパシリらしく邪魔にならないようにしろよ」
「誰がパシリだぁ!」
「はい?」
「あ、いえ! すみません!!」
「(相変わらずの関係性だ・・・・!)」
ニヤリと笑みを浮かべ、耳を当てるリボーンにビビるスカルにツナはツッコミを入ると、苦笑したエンマがフェイトとアルフを連れてスカルに話しかける。
「スカル。元気そうだね」
「おおエンマ! 俺がカルカッサファミリーに戻っている間に、新しい部下を入れたようだな! 俺の事はスカル様と呼べ!」
「え、えっと、スカル、様・・・・?」
「スカル。フェイトとアルフは僕達のファミリーだよ。部下じゃないよ」
「何か偉そうで煩そうなガキだね!」
「なんだとっ! アーデルハイトの半分もおっぱいが無い犬女めっ!」
「誰が犬だっ! それに(ギリギリだけど)半分くらいはあるわっ!」
スカルの言葉にアルフが犬耳としっぽを立てて怒鳴るが、双方エンマとフェイトに押さえられる。
そんな二人を無視してリボーンが話を続ける。
「さて、これで全員揃ったが、後は『霧のボンゴレギア』だな」
「えっ? 『霧のボンゴレギア』ってクロームさんが持っているんじゃないの?」
「『霧のイヤリングVer.X』は骸が・・・・「呼びましたか? 沢田綱吉」 んなっ!!」
ユニ達が出てきたヘリコプターから現れたのは、D・スペードと良く似ていたが、オッドアイの瞳に、髪型がパイナップルのようになっている少年『六道骸』だった。
「クフフ。お久しぶりですね」
「(コイツが、六道骸・・・・!!)」
そのオッドアイの瞳を見た瞬間、クロノが、守護騎士が、モニターで見ているリンディまでもが、骸に対して警戒心を持った。
クロノとリンディが今まで捕まえて来た次元犯罪者達が、そこらにいる有象無象の小悪党ばかりと思わせてしまう存在感。
守護騎士達も、D・スペードや雲雀とはまた異質な危険性を持った骸に警戒心を持った。
ツナも内心ビビりながらも、骸に話しかける。
「骸。手を貸してくれるのか・・・・?」
「クフフ。僕も以前から管理局には興味ありましたからね。それに、中々に面白い見せ物を見せてもらったお礼ですよ」
「なっ! テメエ! 見せてもらったって事は、俺らの戦い見物してやがったのかっ!? 何で手助けしなかった!」
「なにを勘違いしているのですか? 僕はマフィアと馴れ合うつもりはありませんよ。ボンゴレギアを預かっているのも、クロームが一応の世話になっているのでその借りの為です・・・・っ!」
骸に鎖分銅が投げつけられると、骸は三叉矛でそれを弾き飛ばす。鎖の先を見ると、雲雀が鎖分銅を投げていた。
「おやおや」
「鈍っていないようだね」
「雲雀さん、アカンよ。協力してくれる人に喧嘩腰になっちゃ・・・・」
火花を散らす雲雀と骸。二人の因縁を知らないはやてだが、今はそれどころではないと、雲雀をおさえる。リボーンもそれに続いた。
「その通りだ。そろそろナハトヴァールが再起動しそうだぞ」
『っ!!』
リボーンの言葉に、全員が倒れたD・スペードを見ると、D・スペードから、鼓動のような音が響いてくる。
「・・・・逃げないでね」
「・・・・クフフ」
「さて、それじゃ行くぞ。らうじ。アホ牛を起こしておけ」
「うん。ランボさん。起きてくれ」
「ぐぴゃ?」
これまで途中で寝て、起きるとナハトヴァールの異形さにビビって気絶していたランボがようやく起きた。
そして、『アルコバレーノの器』を持った元アルコバレーノ。『ボンゴレギア』を持ったボンゴレファミリー。『シモンリング』を持ったシモンファミリーが、はやてから分離したリインフォースと、D・スペードを囲むように並んだ。
「これより、トゥリニセッテの力を用いり、『夜天の魔導書の呪い』を解除します・・・・!」
ユニがそう言うと、アルコバレーノの器が光輝き、炎が灯る。
「皆・・・・行くぞ!」
『応!!』
ツナの号令で、全員がギアとリングに炎を灯した。
三つの七色に輝く虹のような炎が、リインフォースとデイモンを包み込む。
「・・・・スペード。すまなかった」
「・・・・エレナの分まで、幸せになりなさい。それが、貴女方ができる、ただ1つの、償いです・・・・」
ゆっくりと炎に包まれるデイモンは、リインフォースと守護騎士達を見て呟くと、温かな炎に包まれ、やすらいだ笑みを浮かべて、炎の中に消えていった。
炎が収まるとリインフォースが立ち、その手には、ベルカの十字架の形をしたペンダントが握られていた。
「リインフォース・・・・」
「ああ。ナハトは、浄化された」
リインフォースの言葉に、一同がフゥとようやく終わったと肩の力を抜くと、リインフォースははやて方に歩いていく。
「主・・・・・」
手に持ったペンダントをはやてに差し出した。それを見たはやては驚いた顔をする。
「リインフォース・・・・・・これ・・・・」
はやては、リインフォースの顔を見ると、リインフォースは頷く。
「ナハトを浄化した後に残ったようです」
そう言ったリインフォースの手からそれを受け取り、はやてはやては握り締める。
「ごめんな・・・・助けてあげられへんで・・・・本当にごめんな・・・・!」
はやては涙を流しながらそう呟く。
「我が主・・・・・」
リインフォースが呟く。
はやては、暫く俯いていたが、突然顔を上げ、
「決めたで!」
そう言った。
「この子を、生まれ変わらせる! そんでリインフォースの妹にするんや!」
はやてはそう宣言する。
「なるほど・・・・いい考えだな」
リボーンが同意するように頷き、ツナ達となのは達も頷く。
「それで私がこの子のお母さんや! それで雲雀さんがこの子のお父さんや!」
『・・・・・・・・んなぁぁぁぁあああああああっ!!!???』
はやてのアルカンシェル級の爆弾発言に、その場にいたほぼ全員が驚愕の叫びをあげ、当の雲雀はーーーー。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
目を見開いて硬直していた。
『マーレリング』の代理ができるのは、『シモンリング』だけだと思いまして、シモンファミリーに頑張ってもらいました。
ふと、なのはチームの戦闘力を、リボーンチームと比較してみました。作者の偏見があるのでご容赦を。
STSなのは単体(リミッター付き):キングモスカor死茎隊or10年後のγ級。
STSなのは単体(リミッター解除):幻騎士(ヘルリング&大戦装備<アルマメント・ダ・グエーラ>付き)級。
STS隊長陣(なのは・フェイト・はやて・シグナム・ヴィータ・シャマル・ザフィーラ、リミッター解除状態):真・6弔花の桔梗・ザクロ・ブルーベル(修羅開匣状態)級。
Forceなのは単体:『ニューボンゴレリング』を付けたツナ級。
Force隊長陣:ツナかエンマ級。
と、こう判定しました。
次回で、A”sは終了します。
STS編は、ストーリーを区切りながら、短編にしながら書こうと思います。この作品を使って、別の作品を書きたくなってきたのです。