かてきょーリリカルREBORN   作:BREAKERZ

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遂にこの時が。


マフィアVS魔導師、来る

ーツナsideー

 

会議から数日後。エンマとツナ達は、なのはとFW陣による模擬戦を見に来た。

 

「さーて、じゃあ午前中のまとめ。二対一で模擬戦やるよ」

 

いつもと同じ訓練風景。ツナ達以外、否、ツナ達や“ヴィータ以外”は、今日もいつも通りだと思っていた。

 

「まずはスターズからやろうか。バリアジャケット、準備して」

 

「「はい!」」

 

「・・・・エリオとキャロはアタシ達と見学だ」

 

「「はい!」」

 

ツナ達は近くのビルの屋上へと上がり、模擬戦を見学する事になった。

 

「やるわよ、スバル!」

 

「うん!」

 

気合いが入っているティアナとスバル。ツナはそれを不安そうな表情で見ていた。

 

「獄寺くん。ティアナは?」

 

「あの後、また自主レンをしてやがりました。完全に意固地になっていやがりますね」

 

心配するツナに、獄寺は後頭部をガシガシと掻いて答えた。

すると、ビルの屋上にフェイトがやって来た。

 

「あっ、もう模擬戦始まっちゃってる?」

 

「あ、フェイトさん」

 

「私も手伝おうと思ったんだけど・・・・」

 

「今はスターズの番だぞ」

 

「本当はスターズの模擬戦も私が引き受けようと思ったんだけどね」

 

「なのはちゃん、部屋に戻ってからもずっとモニターに向かいっぱなしなんだよ。訓練メニュー作ったり、映像で皆の陣形をチェックしたりして、ね」

 

「なのはさん・・・・訓練中もいつも僕たちのこと見ててくれるんですよね」

 

「本当に、ずっと・・・・」

 

エリオとキャロがそう言うが、ツナ達は何とも言えない顔になる。

 

「生徒達を大事に思うのは良いけど。なのはちゃん、もう少し自分を省みて欲しいよ」

 

『えっ?』

 

ツナの言葉に、フェイトとエリオとキャロが首を傾げた。

 

「・・・・・・・・クロスシフトだな」

 

ツナの言いたい事を分かっているヴィータが、訓練を眺めながらそう呟くと、一同は下を見た。

そこにはティアナが幾つもの魔力弾を生成していた。

 

「クロスファイヤー・・・・シュート!!」

 

ティアナが放った幾つもの魔力弾がなのはに向かう。だが、それに違和感を感じる者がいた。

 

「ティアナの今の攻撃、極限に変ではないか?」

 

了平の疑問に、ヴィータが頭を掻きながら答える。

 

「・・・・あぁ、いつものキレがねえな」

 

「コントロールは良いみたいだけど・・・・」

 

「調子も何か悪そうに見えるぜ」

 

皆が口々に言い出していく。

 

「・・・・・・・・」

 

「獄寺くん・・・・」

 

それを見ているツナの胸に不安がよぎる。

 

 

 

 

ーティアナsideー

 

そしてしばらくすると、スバルのウイングロードが出現し、スバルがなのはに向かって突撃していく。

 

「っ、フェイクじゃない! 本物!?」

 

目の前のスバルを本物だと判断したなのはは、スバルに向かって魔力弾を放つ。

 

「うぉおおおおおおおおおおお!!」

 

が、スバルはそれをバリアで防ぎ、なのはに向かってリボルバーナックルを構えた。

 

「うりゃぁあああああああああああああ!!」

 

「っ!!」

 

その攻撃をなのはは、魔力壁を張って防御する。

 

「くっ・・・・うぅ・・・・!」

 

「っ・・・・!!」

 

予想外の戦術になのはは顔をしかめ、スバルの攻撃を弾き飛ばした。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

弾き飛ばされたスバルは、何とかウィングロードに着地する。

 

「こらスバル! 危ないよそんな軌道!」

 

魔力弾を避けながらスバルに注意するなのは。

 

「すいません! でも、ちゃんと防ぎますから!」

 

ウイングロードに乗りながら謝るスバル。

 

「今のスバルとティアナがやろうとしている事、俺らもやったな獄寺?」

 

「ああ。実力が格上の相手に勝つには意表を突いた戦いをするしかねぇ。そう言うんなら、あの二人の連携は間違っちゃぁいねぇ」

 

『別の未来での戦い』で行った連携と似ている事に、少々懐かしさを感じる獄寺と山本。

が、なのはの纏う雰囲気が、徐々に刺々しくなっていく事に、フェイトとエリオとキャロ以外は察していた。

 

「っ、ティアナは?」

 

なのははティアナを探して辺りを見回す。すると、遠くのビルで砲撃を撃つ準備をしているティアナの姿があった。

 

「砲撃? ティアナが?」

 

「でりゃぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

そして一同がティアナに気を取られている隙に、スバルがウィングロードを走り、リボルバーナックルをなのはに叩き込む。

 

「っ!?」

 

が、魔力壁で防いだなのは。そしてティアナの方を見ると、砲撃の構えを取っていたティアナの姿が消える。

 

「あっちのティアナさんは幻影!?」

 

「本物は!?」

 

「あそこだよ」

 

とっくに気づいていたツナ達は目を向け、エンマが指差した方向には、なのはの頭上のウィングロードを走っているティアナの姿があった。

 

「一撃必殺! でえぇぇぇぇぇいっ!!」

 

クロスミラージュの銃口に魔力の刃を纏い、なのはに向かって突っ込むティアナ。

 

「レイジングハート・・・・モードリリース・・・・」

 

[All right]

 

なのはがそう呟いた瞬間、辺りに轟音が響く。

 

「なのは!」

 

「「スバルさん! ティアナさん!」」

 

「(チラッ)」

 

「「(コクン)」」

 

「(・・・・ペコッ)」

 

フェイトとエリオとキャロが三人の名前を叫ぶ。フェイト達の視線と意識がソッチに向いている内に、リボーンが“二人”に目配せすると、“二人”は頷き、ヴィータが「アイツらを頼む・・・・」と、言わんばかりに頭を下げた。

そうしていると、煙が徐々に晴れていき、そこにいたのはーーーー。

 

 

 

 

「おかしいな・・・・二人共どうしちゃたのかな?」

 

 

 

 

 

片手でスバルの拳、もう片手でティアナの刃を止めているなのはの姿があった。

 

「頑張っているのは分かるけど、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ?」

 

なのはの声は今まで聞いた事がないほど無機質だった。

 

「ちゃんとさ、練習通りにやろうよ・・・・ねぇ?」

 

「あ、あの・・・・!」

 

スバルは恐怖で言葉が続かない。

 

「私の言ってる事、私の訓練・・・・そんなに間違ってる?」

 

「・・・・くっ!」

 

[Blade erase]

 

すると、ティアナは魔力刃を消し、後ろに飛んでなのはとの距離を取る。

 

「私は! もう、誰も傷付けたくないから! 無くしたくないから!!」

 

「ティア・・・・」

 

悲痛な叫びを上げながらクロスミラージュを構えるティアナ。

 

「だから! 強くなりたいんです!!」

 

ティアナの叫びを聞いたなのはの目に映るティアナの姿が、一瞬ーーーー重なった。ツナと出会う前、魔法に出会う前、アリサとすずかに出会う前ーーーー力が無くて、“一人公園で泣いていた幼い自分”、と・・・・。

 

「(・・・・違う、もう私は・・・・“あなた”じゃない・・・・!!)・・・・少し・・・・頭冷やそうか?」

 

無表情のまま人差し指をティアナに向けた。

 

「クロスファイアー・・・・」

 

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!! ファントム・ブレイーーーー」

 

「シュート」

 

なのはが放った六つの魔力弾は、容赦なく、ティアナに直撃した。

 

「ティア! っ・・・・バインド!?」

 

ティアナの元へ駆け寄ろうとしたスバルにはバインドが掛けられていた。

 

「じっとして。よく見てなさい」

 

そう言うなのはは再びティアナに向かって魔力弾を放とうとしていた。

 

「なのはさんっ!!」

 

スバルの必死の叫びも虚しく、なのははティアナに向かって砲撃魔法を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』

 

なのはの砲撃魔法は、瞬時に石化して、石の柱となると、重力したがってまっ逆さまに落ちていった。

 

「「っ!?」」

 

突如、なのはとティアナの間に入るように現れたのは、超<ハイパー>モードのツナと、そのツナに肩を貸りて飛んでいる獄寺だった。

ツナにウィングロードの上に下ろされた獄寺はティアナに近づき、

 

「ご、獄で(パンっ)っ!?」

 

ヨロヨロになるティアナの頬に、獄寺は平手打ちをした。

 

「ティア!」

 

獄寺の行動に驚き、バインドで縛られながらもマッハキャリバーを使ってスバルが駆け寄ろうとしたが。

 

「大人しくしてろ」

 

獄寺はスバルの眼前にダイナマイトを投げ飛ばした。

 

「え・・・・」

 

ーーーードガドガドガドガドガドガーーーーンン!!

 

スバルは爆発に飲まれ、ウィングロードから落ちてしまった。目を回しながら落下するスバルをFシューズを履いた了平がキャッチした。

 

「スバルっ!」

 

「大丈夫だ! 気絶しているだけだ! おいタコ頭! スバルを吹き飛ばす必要は無いだろう!」

 

「ここまでやらなきゃ、ソイツは邪魔しそうだったからな。芝生、テメェはソイツを連れて下がれ」

 

「まったく・・・・!」

 

了平がリボーン達の元に戻るのを確認すると、ウィングロードが消えるが、ティアナを抱えてホバリングで着地する獄寺は、ティアナを放り投げた。

 

「きゃっ・・・・!」

 

「おいランスター。テメェはまだ見えていねぇようだな?」

 

「っ!」

 

怒気を孕んだ獄寺の声に、ティアナは息を呑んだ。獄寺はティアナの様子に構わず声を発する。

 

「そんなにいらねぇモンなら、俺が果てさせてやる」

 

ダイナマイトを構えた獄寺が、ティアナを睨んだ。

その視線から放たれる、『本気の殺気』に、ティアナはなのはとは違った恐怖を感じて、クロスミラージュを構えた。

 

「銃を向けた以上、『覚悟』しろや」

 

 

 

 

ーなのはsideー

 

「どういうつもりなの、ツナさん?」

 

「それはこっちの台詞だなのは」

 

表情から、声から、静かな怒りを滲ませるツナはなのはをその『全てを見透かすような瞳』で睨みつける。

 

「さっきの模擬戦・・・・確かにティアナとスバルは、お前の教えを無視して、『無茶』をした。だが、最後の攻撃は明らかにやり過ぎだ」

 

「私の教導に口出ししないでくれるかな?」

 

「ーーーーなのは。これがお前の教導だって言うのか? 自分の思い通りにならないからって、教え子を砲撃魔法で撃ち落とすなんて、リボーンもラル・ミルチもそんな事はしなかった。リボーン達のやり方は否定的だった癖に、お前はこんなやり方をするのか? それが、“高町なのはの教導”だって言うのかっ!?」

 

「っ・・・・!!」

 

なのははツナの言葉を聞くとピクリと眉を顰め、冷めた眼差しでツナを睨みながら、ゆっくりとレイジングハートを構える。

 

「・・・・ツナさんも少し、頭冷やそうか?」

 

「頭を冷やすのはお前の方だなのは。その思い上がった鼻っ柱諸とも、叩きのめす!」

 

そう言ってツナは炎の出力を上げて、なのはを真っ直ぐに見据える。

そして、そのツナの肩には、モフモフと動く生き物がいた。

 

「・・・・ココ、ちゃん・・・・?」

 

『ガベロロロロロロロ!』

 

なのはに向けて前足で器用にアッカンベーをする『天空ライオン(♀)のココ』だった。

その態度からーーーー。

 

『アンタなんか大っっ嫌いだ、バ~カっ!』

 

と、伝えているのがまる分かりだった。

 




次回、獄寺とティアナが戦います。
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