インフィニット/ストラトス 《GOLDBURN》   作:ビブロス

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こんにちはIS学園 ーアラサー馬マスクマンー

はてさて、はてさて、今日も今日とて仕事に馳せ参じるつもりだったのだが、どうにもこうにもお仕事どころではないらしい。

 

自分のデカイ図体をのそのそ動かす隙間も無く、人だかりにもみくちゃにされてしまう。しかも″女性″ばっかり。

 

「貴方!これを動かしたの?!」

 

「男がISを動かした!!二人目よ!」

 

「しかも変な奴!着ぐるみの頭だけ被ってる!」

 

さて、着ぐるみの胴体破ってしまったことを係長にどう言い訳したものか。28歳の桜が咲く前の頃、霧島斎はのんびりと考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

インフィニット・ストラトス

 

-ゴールドバーン-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「IS学園に入校しろって言われたぁ?仕事どうすんだお前、というか28歳なのに学校とか入れんのかよ?」

 

ぷりぷりと仕事場の係長が怒りだすが、政府の方から学校に入校しろやオラァとか言われたらそうするしかないだろうし、拒否したら生活に制限つきますとか言われれば、仕方ないのではないだろうか。しかしこの上司は理解してくれないご様子である。

 

しかしてそんな訳にもいかず、おずおずと政府から渡された『IS学園に入って下さい(強制)』的な書類を係長に渡すと苦虫を噛み潰したような顔で、俺の出した″辞表″を受け取ってくれた。

 

「もし学園辞めるとかになったらまた戻って来いよ、お前ぐらいしか着ぐるみで長時間活動出来ないんだから、ほら餞別だ」

 

ポイっと袋を寄越して来た、中身を見ると煎餅がたくさん入ってた。

 

「これで美味しい思いしろよ、いいか?」

 

「すんごい物理的な美味しい思いありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS、インフィニットストラトス、数年前に篠ノ乃束によって作られた″女性専用の″強化外骨格。白騎士と呼ばれるたった一機のISに各国の軍事力はあっさり覆された、人々は″女″の時代が来たのだと宣った。政治家の半分が女性になり、女性のCEOが増え、女性の主権は急速に拡大していった。加えて女性の進出を促す法案が続々と通過し、男性の就職難がどしどし進んでいってしまったのだ。

 

今では男性の立場なんて有って無いような物。自分がバイトに甘んじているのもそのせいだ。そう、ISなんて物があったおかげで30近いにも関わらずフリーターなんてしているのだ。見るのも嫌なISだが、今日から毎日見ることになったのだ仕方なく付き合って行くことにする。

 

 

 

 

 

 

10年ぶりに袖を通す学生服、肩幅が合わずにバチバチのまま席に座る。女性しか使えないISの学校なのだ、周りは女性ばっかりである。女性ばっかり、齢15の女性ばっかり。女子高生に囲まれているのである。女子高生に囲まれている28歳なのである!

 

まぁ、目の前に同時期に男でISに乗れるのがわかった『織斑一夏』君が居たりするのだが、人生の先輩として下ネタ振ってドンドン盛り上がるのも良いのだが、周りの女子高生にドン引かれるのはイケずである。いや、女子高生に冷たい眼で見つめられるのも悪くない。悪くない!

 

そんな感じでエクスタシー感じていると先生が入ってきた。緑髪の巨乳な先生である、眼鏡かけているところがとてもポイント高い。というか、この学園の女性達はとてもビジュアルが良い、どこ向いても美少女と美女しかいないのである。ずっと女性の良い匂いしかしないのだ。30分5,000円払える、これだけで一週間は戦える。

 

「こんにちは、山田真耶です、反対から呼んでもヤマダマヤなんですよー」

 

可愛らしく巨乳先生が自己紹介かましてくれたが、周りの女子高生は完全に冷めてる反応だ、なんてことだ、これは盛り上げないといけないのではないだろうか?巨乳美人がギャグを飛ばしたのだ、大人の男としてはノッてあげるのが礼儀である、決してやましい思いはない。やましい思いはないのだ!

 

「えーっと、親しくマヤちゃんって呼んでくださいね」

 

「マヤちゃーん!!!!!!!可愛いよー!!!!!!」

 

全力で机から立ち上がって大声張り上げてテンション爆上げしたのだが、どうにもびっくりさせてしまったらしい。山田先生は真っ青な顔色で微妙にひきつった笑いを浮かべながら自分を見上げていた。ちょっとばかり自分の格好に驚いてしまったのかもしれない。

 

「‥‥‥‥き、霧島く‥‥あ、霧島さんの方が‥‥良いですかね?」

 

「霧島くんでお願いします!!!」

 

「あ‥‥‥そう、そうなのね、き、霧島くん?その″頭″に被ってるのは‥‥何?」

 

「馬マスクです!ラバー製です!」

 

くぐもった感じの声でフゴフゴ返答したら、どうしようもない変態に会って対処に困ってしまったかのような顔になってしまった山田先生。とても良い!もっと困らせてあげようかとも思ったが、それはもう少し長く楽しむ為に抑えておこう。

 

「えー、か、彼が28歳でISを動かしてしまった霧島斎くんです、仲良くしてあげてくださいね、皆さん」

 

″無理かもしれないけど″、と山田先生は小さい声で呟いたのを聞き逃しはしなかったが、これをネタにしても面白くはないので、ガン無視である。ぐるりと振り返って教室の全員の顔を覚えつつ自己紹介をおこなう。

 

「きりしまいつき!にじゅうはっさいです!好きな物は女子高生です!ここのみんなは全員僕のストライクゾーンなので仲良くしてください!ホントに仲良くしてくださいね!仲良くしないと仲良くしますから!」

 

っべーは、マジヤッベーのが教室に居やがったぜ、私達の学園生活初っぱなから腐ってんじゃーねかよ、みたいな顔で全員の顔がドンドン雲っていく。だが気にせずにもってけセー○ー服を口ずさみながら席に座る。これで完全に変態扱いだろう、フフフ、素晴らしい。

 

「何をしてるんだこのド変態」

 

突如としてドッゴオ!!と半端ではない威力で頭頂部に分厚い服務日誌をぶちこまれた。馬マスクがラバー製の癖にぺしゃんこである、あぁとても高かったのに。

 

「千冬様よ!」

 

「モンドグロッソを制覇した千冬様よ」

 

「やった!千冬様よ!生で見れた!」

 

ぺしゃんこ馬マスクの隙間から黒髪美乳の超美人が見えた。良い匂いである。というか物で叩かれたのではないだろうか、憤慨である。生身で叩いて欲しいものだ。その生手でなぁ!

 

「たく、なんでお前のようなアラサーが私の受け持ちに入っているのか‥‥‥、ああ、名前を知ってるかもしれんが、私がこの組の担任である織斑千冬だ、よろしくな」

 

超黄色い声援が後ろから飛び交う。これは自分も声援を上げた方が良いのかもしれない。でも、何か声援を上げたりしたらまたぶっ叩かれるかもしれない、とても痛かったのだ。とても痛くぶっ叩かれるかもしれないのだ!

 

「キャー!千冬様ー!」

 

「千冬様ー!抱いてー!」

 

「ひゃっはー!!!チーちゃーん!!!!可愛カッコイイヨー!!!ペロペロしていいかなー!良いよねー!!!ペロペロー!」

 

直後、自分は窓ガラスぶち破ってお空に飛んでいた。ちょっとIS学園って男性に対して暴力的過ぎませんかねぇ、と頭からアスファルトにぶつかる瞬間までそう考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方である。

 

窓ガラスが突き刺さった馬マスクを被ったまま学園寮の中を闊歩する。遠巻きに女子高生達が扉の隙間からこっちを見ながら「ヤベー変態来た」、「半端ない変態来た」、「なんで二階から落ちたのに平気なの?」、「妖怪なんじゃない?」、「妖怪馬マスク!」

 

全く、妖怪呼ばわりとは失礼千万である。ただ、アスファルトに落ちる瞬間に受け身取って無傷で教室に戻っただけではないか。馬マスクに窓ガラス刺さりまくってるけども。仕返しに寮の中で思いっきり深呼吸して酸素を減らしてやることにする。決して女子高生の匂いでエクスタシーしているわけではない、蒸せ返るような雌の匂いに雄として反応しているだけである。30分5,000円である。

 

そして着いたのが自分の部屋である。さて、同居するのはどんな女子高生なのだろうか、こういう女性ばっかり的な展開なら同じ部屋でキャッキャウフフ出来たりするのではなかろうか、いや、ある!

 

「ふふふふ‥‥‥はははははは!エロいことしようぜぇ!同居人!」

 

「うわぁ!?あんたかよ!びっくりしたぁ!」

 

もう一人のISに乗れる男『織斑一夏』が居た。まぁ、普通に考えて女子高生と一緒の部屋とかあるわけないのだ。しかし‥‥‥、しかし、これは意外とテンション下がるモノだ。あぁ、もういいや‥‥‥。

 

「テンション下がったから抱かせろやイッチー、可愛らしい顔しやがって」

 

「へぁ!?!?何言ってんだお前?!」

 

「初めましてこれからよろしくお願いしますだオラァ!脱げやぁ!」

 

「あ、よろしっぎゃああああああ!!!」

 

馬マスクが幼さが僅かに残る15歳の男の子の服を脱がしている図である。まさに事案だった。というか彼は『織斑』なのである、あの織斑千冬の弟とのことだ、姉に似て美人だ。うん、イける。

 

「大丈夫かぁ一夏ぁー!」

 

バッカーン!と扉がぶっ飛んでポニーテールの巨乳女子高生が転がり込んできた。その手には木刀が持たれていたのだ。うん、事案。そのまま木刀は馬の口を貫通し自分の顔面へと抉り込まれた。メッシャアッ!と嫌な音がマスク内に響いた、超痛い、おかわり。

 

ポニーテール女子高生は″篠ノ乃箒″、あのISを作った″篠ノ乃束″の妹である、自己紹介覚えてて良かった、多分巨乳だから覚えてた。その姿を見てすがり付くように織斑一夏は箒へと抱き付いた。

 

「箒ぃー!ありがどぅー!」

 

「一夏!お前、抱きつくなんて何を‥っ!?」

 

「うわぁぁぁあー!!怖かっだぁあああー!」

 

「‥‥‥‥フヒ、そうかー、怖かったのかー、それは仕方ないなー」

 

下心丸出しのデヘデヘ顔で篠ノ乃は一夏の頭を撫でまくる、これ見よがしに胸で一夏の顔を埋もらせながらである。一瞬見せていたツンデレ顔はどこにやらである。うらやましいから自分も飛び込んでやろうか。

 

「へいへーいホーキちゃーん、そこの可愛らしいイッチーを寄越すんだよー」

 

「黙れ!この変態!一夏は渡さんぞ!貴様と一緒にさせるぐらいなら私と同じ部屋にする!」

 

バシィ!と木刀でサンライズパース決めてくる篠ノ乃、一夏はその腰に抱き付いたまま。意外と絵になっていたりするので困る。

 

「おんなじ部屋ぁぁ?んなもん通る訳ねぇだろぉ?イッチーは俺の性奴隷にするだからよぉ、えぇ?へっへへへ」

 

「寮長に言ってやる!それでお前など!」

 

「言ってみなぁ!このまんまのはずだぜぇ!えぇ?!」

 

その後、晴れて自分の部屋は寮の隅っこの掃除道具置き場になった。なんで織斑千冬が寮長なんてやっているんだろう。しかし、意外と掃除道具置き場も寝心地は良かった。

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