インフィニット/ストラトス 《GOLDBURN》   作:ビブロス

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よろしく我が愛しの女性ーエクスタシー馬マスクマンー

寮長(織斑千冬)の直命により掃除道具置き場送りになり、シャワーすら使わせてもらえず、春先の肌寒い中外でホース使って水浴びである。あぁ寒い、寒い。

 

そんな自分を物珍しそうにIS学園の上級生二人が見つめてくる。艶かしいこの身体を見て何をする気なのだろうか。もしかして今日の夜ぐらいに自分の熟れた身体目当てに男日照りの上級生達が夜這いに来るのかもしれない。エクスタシーなのである。

 

「馬マスクが褌一丁でホース使って水浴びしてるわ!」

 

「あぁ!褌の中にホース突っ込んで股間を重点的に洗ってる!汚い!もうあそこは使えない!」

 

「見たな!先輩方!濡れ透け制服にしてやる!そこになおれ!!可愛いブラの用意は出来たかオラァ!」

 

「「ぎゃああああああ!!!」」

 

「止めなさい」

 

ズッゴォ!と自分の目の前10㎝に″水″の槍が突き刺さる、同時に真っ青なISを纏った青髪の美少女が舞い降りた。ちなみにISの搭乗者は皆スケベMAXのインナーを着ているので、思いっきり青髪美少女の食い込みを眺められるのである、まったくけしからんことだ、けしからん、けしからん。下のアングルから見る乳袋もたまらない、止まらない。

 

そそくさと二人は何処かへ逃げて行った。ちぃ、逃がしてしまったか、とはいえ顔は覚えたからこんど会ったら濡れ透けにしてやる、ブラを磨いて待っていろ!

 

「イヤらしい目付きね」

 

マスクの中で淫乱な顔をしていたのがバレたのか、ドグシャァアア!とISの爪先で馬マスクごと頭を踏んづけられた。ゴリゴリと金属が頭蓋骨を削る、超痛いね、おかわり。

 

「年上を足蹴にするとはなぁ!許せる!でも首の方が良いかなぁ!食い込み良く見えるし!!」

 

「本当に聞いてた通りの人ね、『霧島斎』さん?玲香さんが悲しみますよ?おろおろーって」

 

「あれまぁ、お袋のお知り合い?えー、お目付け役とかじゃないの?勘弁してよー」

 

「違いますー、私は斎さんへの伝言役なんですよー?どうせ、メールも電話も出る気ないんでしょ?今さら反抗期ぃ?」

 

「反抗期じゃあないんだけどね、で、君の名前は?」

 

「『更識楯無』と言います、ちょくちょくお話に来るからよろしくお願いしますね、それと斎さんの機体は明後日には届きます、設定などはお一人で頑張ってくださいね」

 

「″ナッシー″ね、よろしく、んで食い込みはいつまで見せてくれるんだい?もうエクストリームセルフジョイしたくなってしまうんだが、んんー?」

 

楯無はボゴォーッ!と地面に頭がめり込むぐらい自分を踏みつけ、その後何も言わずにISを解除してどこかへ去って行った。日本政府直属の密偵の家系の割には乙女なようだ。仕方ない、今度プレゼントでも送ってやろう、ティーバック等どうだろうか、普通のパンツの上からインナー着ていたからパンツのラインが丸見えだったのだ、全くけしからん、セルフジョイものだ。

 

「それにしてもIS‥‥ねぇ」

 

女子高生に囲まれて舞い上がっていたが、自分がこれから学ぶのは″兵器″の扱い方だ。本当に大丈夫なのだろうか。とりあえず、積極的に格闘戦を狙ってラッキースケベだ、エクスタシー。

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうですか、霧島君、勉強の調子は?」

 

「マヤちゃん、ねぇ、これ全部覚えないといけないの?ヤバくない?超厚いよ、これ」

 

「え、普通ですよ?」

 

目の前にある電話帳みたいな教科書をつつく。これを″全部″頭に叩き込めと言うのだ、ISは空中に浮かぶのが基本であり、それは反重力による浮遊だ、地軸や好転周期等の要因によってその値は変動する、これだけの事を頭に入れながら″翔べ″というのだ。

 

とはいえ、普通の航空機の操縦に比べれば対したことはない、あっちにはPIC(受動的慣性制御)がないからだ。急制動をかければむこうはへし折れることがあるが、こちらは無傷だ。

 

わりかしマシな方だ、そう言い聞かせて再び教科書を開くが、専門用語のオンパレードで嫌になる。やっぱり頭の良い奴が入る学校なのだと再認識した。目の前に居るマヤちゃんだってこれを頭の中に全部入れてあるのだ、文武両道を地で行くIS学園である。

 

「ちょっと、貴方」

 

高飛車お嬢様(キンキン)声で呼び掛けられ、振り返る。そのまんま金髪ロングで縦ロールかました、青目の外人系美少女がそこにいた。するりと自分はお嬢様の目の前に立つ、意外と背が小さいので自分をお嬢様は少しビビった顔で見上げてくる。

 

「あなた、霧島と言いましたわね、あなたのおかげでわたくしの自己紹介が散々になりましたの、その謝罪をしてほしい‥‥のですけどっ!」

 

ツンツン系のお声でお嬢様はこちらに威嚇してくるが如何せん身長差がありすぎて、あんまり怖くない。というか、完全に″夢に見た完璧な女性″であった。好みどころか、ドストライク過ぎて気を失いそうである。

 

「‥‥‥‥‥‥。」

 

「黙ってないで何とか言いなさい!わたくしを無視するのですか?」

 

「‥‥‥あの、その‥‥‥、お名前を‥‥‥」

 

「名前ぇ?!わたくしの自己紹介を聞いていなかったのですか?このわたくし!セシリア・オルコットの!?」

 

「セシリアさん、という名前なのですね‥‥」

 

「そうですわ!」

 

「セシリアさん、すいません」

 

「やっと謝る気になっ‥」

 

「自分と結婚を前提にお付き合いしてください」

 

「‥‥‥‥‥‥はい?」

 

「結婚です、あなたのような完璧過ぎるくらいに好みドストライクの女性を見たのは初めてなのです、結婚させてください」

 

綺麗な姿勢でお辞儀しつつセシリアさんにプロポーズである。ざわざわと教室の中がざわめく中、セシリアは真っ赤な顔をしてワナワナ震えていた。

 

「ばっ!馬鹿にしてますのっっっ!?!?会った瞬間に告白なんて日本人の男性はどうしようもなく愚かなんですのねっっ!?!」

 

「愚か?愚かですよ、あなたのような理想の女性に会えば愚かでしかいられない!結婚してください!」

 

「ふざけないでくださいまし!わたくしに喧嘩売ってますのね!そうなんですのね!今までのあなたの言動を見れば一目瞭然ですわ!この最低のクズ!」

 

「クズ!クズでけっこう!あなたに信じてもらえるまで自分はあなたに告白し続けます!よろしいですね!結婚してください!」

 

「やっぱり喧嘩売ってますのね!なら買いますわ!決闘です!あなたが負けたら二度と私の前に姿を表さないでください!!」

 

何だかすんごい勢いでセシリア様に決闘を申し込まれてしまった。おかしい、愛を誓い、愛に生きているはずなのに、この扱い。いや、これは神が自分に課した試練なのかもしれない、結婚は試練が大きい方が上手くいくのだ。

 

愛は″超える″ものなのだ。

 

「自分の熱意と愛を信じてもらうため、セシリア様との決闘、受けてたちます、結婚してください」

 

そして自分は決闘することになった、愛故に、愛の為に。

 

 

 

 

 

 

 

はてさてはてさて、決闘を受けてしまったものの、自分のISが届くのは明後日である。そのおかげで決闘も明後日。ならば、それまで猛特訓だ。

 

「と、言ったものの、自分に特訓なんてしてくれるような酔狂で奇特な美人はいない、と‥‥‥」

 

馬マスクが一人、IS学園のアリーナの片隅で途方に暮れていた。ちなみにISの貸し出しを頼んだところ流石に身長が190超えてるので身体に合うのがありませんと言われた。ショックである。

 

のんびりかましていると、当日にボッコボコにされるのは当たり前だ。それにセシリア様は入学試験において唯一教官を″倒して″いるのだ、その才能はピカイチであろう、それに″努力″もしているはずだ。それに対して″勝とう″などと宣っているだけで途方もない馬鹿なのだが、愛は盲目で愚かしい、そうだ、愚かしさも突き抜ければ道は開く、愛なのである。

 

「ふふふ、齢28でついに愛に生きる時が来るなんて‥‥‥‥く、くくくはっーはははははははは!!!!!やはり捨てるところがないのが人生だな!」

 

「何を言ってるんだ馬鹿者」

 

メゴォッ!っと馬マスクが縦に割れんばかりにぶっ叩かれる、この感触と痛みを自分は知っている!つい昨日も同じモノを喰らったからだ!

 

「おー、チーちゃーん、どしたのー?」

 

「チーちゃん言うな」

 

織斑千冬から再びメゴォッ!である、おぉ痛い痛い、おかわりといきたいところだが、セシリア様に一生一途と決めた自分にはおかわりなどもっての他である。痛い、もう一杯!が限度である。

 

とりあえず、なんでこんな所に?と問いただそうとする前に織斑千冬は一つのUSBを自分に渡してきた。それには『セシリア・オルコット』と明記されていた。

 

「貸し出すISは無い、故にお前はここでやることは無い、だからその中に入ってる動画を見てセシリアの動きでも覚えろ、イギリスでの模擬戦、それに入学式での戦闘データが入ってる、それで五分五分とはいかんが、それなりに勝算は出るかもしれんぞ」

 

「これは捗りますね、エクスタシー」

 

「返してもらおうか、やっぱり渡すのはやめだ」

 

「いや!もう渡されたから自分のです!すぐに帰ってみます!ありがとねチーちゃーん!」

 

ピューん!と自分は寮の掃除道具置き場へと帰ることにした。それを織斑千冬は微妙な表情で見詰めていた。

 

「あれが、私より歳上とは信じられんな‥‥‥‥、アイツ、本当に私より4つも上なのか‥‥‥、まるで″束″を相手にしているかのようだ」

 

 

 

 

 

 

日本、九州の山奥、森林に囲まれたそこに霧島技研の第一施設は存在する。外見はさほど科学的といった風貌ではなく、おしゃれな施設といった体を成しているが、この施設の心臓部である製造は″地下″で行われている。

 

その地下製造設備を一望出来る場所から黒髪ロングの美女が製造ラインを見詰めていた。その手には大事そうに古い携帯が握られている。見詰めている方向には″ヒトガタ″の何かがチェーンで巻き付けられ、拘束されていた。

 

まるでそれが動いてはいけないかのようにチェーンで″封印″していた。それを見つめる美女の後ろで通信が入った。

 

『社長、G.O.Bの外装が完成しました、組み上げを開始します、装備はCプランで進めますか?』

 

「ありがとう、基本はCプランでお願い、一応Aプランの近接系だけは製造しておいて、刀奈ちゃんから″あの子″が明後日にドンパチするらしいって情報が入ったから」

 

『‥‥‥試験運転無しで外装装備を使用するんですか?複腕機構の動作システム周りだけでごちゃごちゃしますよ?″楔″のおかげでFCS系の処理やPICだってまともに動くかわかりません、というかこれじゃ、ISとして″まともな機体″じゃありませんよ』

 

「かといって、″楔″無しで動かす気にはなれないでしょ?」

 

『楔と外装で操縦感覚なんて無茶苦茶ですから、斎君は相当苦労しますよ?』

 

「大丈夫、あの子はなんとかするわ、それに何かあったしても機体自体があの子を守ってくれる」

 

『‥‥‥‥‥、Cプラン装備を今日中に終わらせます、その後随時Aプラン装備を製造していきます、FCS改修プランも進めておきます』

 

「ありがとう、頼むわね」

 

通信が切れると再び美女は封印された″ヒトガタ″に目を向けた。覆われたチェーンの隙間からヒトガタの二つ眼がこちらを睨んでいた。 

 

「彼を倒せるのは貴方と″あの子″だけ、当事者である私が何も出来ないなんて、とんだお笑い草よ」

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