インフィニット/ストラトス 《GOLDBURN》   作:ビブロス

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嫁さゲットだぜーハッピーハネムーン馬マスクマンー

明後日である、明後日、決闘の日だ。穴が開くほどUSBのセシリア様動画を拝見したが、煌めく金髪、揺れる巨乳、踊る大きめのお尻しか覚えていなかった。ふぅ、セルフジョイ、セルフジョイ。

 

「用意は出来てますか?霧島君」

 

アリーナのIS出撃ハッチ内でマヤちゃんと自分は二人で″自分専用機″を待っていた。まさかの試合ギリギリに配達されますテヘペロである。腹いせに連絡に来たナッシーをペロペロしてやろうと思ったら槍でぶん殴られた。

 

「用意も何もだよマヤちゃん、少しは仕様書とか送ってくれたりしてもいいよね?何も無しなんてないね」

 

「もう、アリーナの下には来てるそうなので、もう少しでリフトで上がって来ますよ」

 

ニコニコと答えてくれるマヤちゃん、初日でけっこうドン引かれたと思っていたが、ちょくちょくセシリア様の動画に関して質問していたら、普通に会話してくれるようにはなった、意外とキモの座った女性である。

 

「さて、負けたら二度と私の前に姿を表さないで、とか言われたけど、負けたらどうしようか?」

 

「部屋で通信授業受けますか?姿を表さないですみますよ、正直幾人かの親御さんからクレーム入ってますし『変態はどっか違うところに入れろー!』って」

 

「え、意外と毒吐くねマヤちゃん、ちょっとびっくり、まぁ、自分の娘のクラスに28の男がクラスメイトとして居たらやだよねぇ、俺はそう思う」

 

「‥‥‥、意外と普通の事言うんですね」

 

「28の俺は女子高生に囲まれてエクスタシーだから超嬉しいけど、ねっ!」

 

「普通じゃないですね、あ、来ましたよ」

 

ガッコン!と後ろのリフトからオレンジ色の塊が上がって来た。″塊″と評したが、良く見れば分厚い装甲に覆われたISである、正直スッゴいオレンジ色の鉄の塊にしか見えない。ワンポイント的に白のラインがいくつか走っているが、そんなものは些細な事と言わんばかりにオレンジである。

 

「‥‥‥ねぇ、これ、練習機?」

 

「練習機カラーですね、あ、張り紙付いてます、『塗料がこれしかなかったのテヘペロ』だそうです」

 

「目立つなー、え、ていうかこれどっから乗るの?」

 

「ちょっと待ってくださいね‥‥‥‥、ん、あ、これか、えい!」

 

マヤちゃんがPDA(携帯端末)を操作するとゴリゴリと装甲がスライドしつつ展開、自分一人が入れるような隙間を作り出した。普通のISなら身体が丸出しになるはずなのだが、これだと完全に全身を覆ってしまう。

 

「全身装甲(フルスキン)ですか、思い切り一世代ISの初期も初期の設計思想ですね、シールドメインじゃなくて装甲メインで搭乗者を守るタイプ」

 

「え、マジ?なんでそんなものを‥‥」

 

「シールドは一応展開出来るようです、ほぼダメージは装甲に入ってしまいますので、軽く絶対防御発動してエネルギー空になって終わりそうな気がします、あ、でも装甲が多重積層型なんで普通ぐらいは持ちそうですね、普通ぐらいには」

 

「えー、武器は?」

 

「メインアームに内蔵されたM2重機関銃に‥‥‥、サブアームが6?多すぎますね、それに30mmガトリング、あと、物理シールド4枚‥‥‥以上ですね、あ、スモークディスチャージャーありますね」

 

「あ、防御しながら戦えってことね、煙幕撒き散らしながら」

 

「ひゅー、ゲリラ戦みたいですねー」

 

「嬉しくないなぁ‥‥‥、さて、初期設定(フィッティング)しようか」

 

ばっさぁ!と馬マスクにロングコートを羽織るという極めて変態スタイルだったが、ロングコートを取っ払いスケベMAXのインナー姿になる、そう女物である。まさか女性用が配布されてくるとは思わなかった、しかも特注なので自分しか着れないし、これ以外も着れない、下着でも良いらしいがこれを着ていた方が操縦しやすいらしいので、着てきた。

 

「ぎゃあ!目が腐ります!」

 

「パンツラインが出るから下着履いてません!」

 

「ぎゃあああああ!!!?!」

 

「ああ!お尻部分がめくれてる感じがする!!直してください!直してください!」

 

「あんぎゃああああああああ!!!?!?!」

 

「マヤちゃんは面白いけど、早く乗らないとねー」

 

「テンション変わるの早すぎですよ!?!」

 

気にしない気にしない、と自分は届いたISの中へと入る、そして装甲が内側へと閉じていく、頸椎及び腰保護用の器具が自分を固定していく。すると網膜に直接モニターが投影される。初期設定の進行バーが溜まり、FCSが起動、網膜に直接外の光景が投影された。そして真ん中にウインドウが一つ開く。

 

『初期設定完了、搭乗者の量子変換式義体化の準備完了、操作を行いますか?Y/N』

 

網膜操作でYを選択、そして同時に機体内部にISが展開される時に現れる光の粒子が吹き荒れる。光はPICの根幹に基づく物理干渉機能により量子化された″物体″が基底の現実に物体化するときに現れる。加えて物体を″量子化する″時にも発生する、そして機体内部にはその二つを″同時″におこなっているかのような倍の量の光が溢れていた。

 

ウインドウが閉じていき、視界が暗闇に包まれる。脳内に直接″感覚″として機体の状態が刻まれていく。″束縛″された身体に手足が生えたかのような″感覚″。PICの展開、浮遊機能を起動、防御力場の展開、そして″眼を開く″。

 

″自分の身体″の目の前にマヤちゃんが立っているのが見えた。腕を動かし、マヤちゃんの肩を叩き退かせる。何も喋らない自分に訝しい目を向けるマヤちゃん、未だに機体が自分の声帯摸写が出来ていないのだ。だが、″外に出る″頃には出来上がってるはずだ。

 

束縛された手足の感覚、しかしその上から手足を動かす気分で″歩く″。浮遊機能が機体重量を消し切れず、歩く度に脚部に搭載されたサスペンションと二重式の逆関節が沈む。地面に当たらないようにテールコンテナ接続部分の油圧シリンダーが起動、テールコンテナを動かし全体の重心を操作、フローティングバランスを調整する。

 

FCSを再起動、視界に直接照準用のレティクルが現れる、武装の弾薬残数を表示、二重セーフティの一つを解除、物理セーフティであるストッパーが3つほど砕けて飛び散る。そのまま、カタパルトに足をはめた。脚部に電磁加速式カタパルトの漏電した電流が当たる。

 

『「霧島斎、G.O.B、出ます!」』

 

こもったような感じに調整された電子音声、その声がマヤちゃんに聞こえるか聞こえないかのタイミングで火花を撒き散らしながら自分はアリーナの中へと放り出された。浮遊機能が自動で自分を最適な重心と姿勢で着地させるように働くはずだが、思い切り″前のめりの姿勢″で膝から着地しそうになった。即座に脚部のバーニアを噴かし、踵のアイゼン(鉤爪)を展開させ、地面を削りながら姿勢を元に戻した。

 

『「なんだ?これ?」』

 

「やっときましたわね!変態!」

 

上空にカメラを向けるとセシリア様が蒼白いISを纏って、自分を待っていた。食い込みと下乳をご拝見させてもらった。とてもデリシャス。

 

『「準備はよろしいですか?セシリア様?」』

 

「言われずともわたくしはいつでも準備万端ですわ」

 

『「こっちは微妙なのでご容赦を」』

 

「うっさいですわ!」

 

開始のアラートが鳴り響き、アリーナの観客の歓声があがった。それと同時に機体へと大出力のレーザーがぶち当たった。右第一副腕の保持していた盾の表面が焼け焦げる。よし、防げる。

 

「へぇ、わたくしの射撃を防ぎますのね、良い反応ですわ、そんなに重そうな機体なのに」

 

『「反射神経は悪くないほうなんで」』

 

「なら、手加減抜きで撃たせてもらいますわっ!!!」

 

蒼白い機体がかなり無茶苦茶なスピードで飛び回りながら容赦なくレーザーを撃ち出す。腕部の機関銃で迎撃するが、空の彼方へ飛んでいくだけ。代わりに向こうからのレーザーは容赦なく四枚の盾にぶち当たる、表面コーティングがベリベリと引き剥がされていく、先に″盾を潰す″のだろう。

 

とはいえ、このくらいの攻撃はある程度予想出来ていたが、問題なのは″こちら″側にある。まずは姿勢制御、重心がぐるぐる変わるのだ、地面に足をつけていないと前に後ろに倒れそうになる。OS関係がイカれてるわけではない、処理が″遅れてる″のだ、まるで必要のないところに処理を割かれているような感じだ。そのせいもあるのだろう、照準(レティクル)が完全に狂っている、弾道の自動補正処理が遅れてるのだ。

 

なので、″当たる距離″まで詰めよう。

 

移動用の脚部特殊パイルバンカーを起動させる。脚部のバーニアとは別種の移動用の装備であり、右脚部の炸薬式パイルバンカーを地面に撃ち込み、さらにパイルバンカーの杭先端より気化炸薬を噴出し、炸裂させる。そして衝撃。

 

右脚部のフレームがひん曲がるかと思わんばかりの衝撃と共に機体は左に側転した。処理の遅い見当違いの姿勢制御が働く前に機能をカット、左副腕に持たせている盾を地面に突き立てつつ右足から着地。この挙動はセシリア様にとって予想外だったらしく、レーザーが数発外れた。といってもすぐに修正されてバシバシ直撃しだした。

 

「奇妙なことを‥‥!」

 

『「意外と使える‥‥なっ!」』

 

即座に両足のパイルバンカーを炸裂させ、アリーナの″壁″へと跳躍した。そのまま透明なシールドの壁面に向けてパイルバンカーを両足交互に炸裂させ、壁を駆け昇る。同時にある程度距離の近くなったセシリア様に向けて両腕の機関銃をぶっ放す。弾丸は当たるはずもないが、そのプレッシャーは相当な物らしく、セシリア様の回避行動頻度がレーザーを撃ってくることよりも多くなってきた。とはいえ、これではジリ貧である、四枚の盾もレーザーに焼かれ続けてボロボロなのだ、それほど長く持つものではない。

 

他の″機能″を使うことにする。スモークディスチャージャー、煙幕である。肩の装甲が一部展開、放射状に煙幕弾頭が電磁加速で飛び出し、空中で炸裂する。灰色の濃厚な煙が空を塗り潰す。加えて、煙には特殊な粒子が混じっている、そのおかげでレーザーが煙に当たって霧散していく。

 

「ミラーチャフ‥‥!?レーザーが散りますわ!」

 

「『高価だから一回切りだ!』」

 

右手、手甲の一部が展開し、そこから拘束用ワイヤーアンカーを射出。ワイヤー先端の杭に内蔵されたロケットモーターが再加速をかけ、即座にセシリア様の背部浮遊ユニットへと食らい付く。そして腕部に搭載されたモーターがそれを高速で巻き取る。その衝撃でセシリア様の機体のスタビライザが剥ぎ取れる、機体のバランサーなのだろう、パージしやすくなっているはずだ。

 

「『このまま近接に持ち込ませてもらいます!』」

 

「遠慮いたしますわ!」

 

ビシュン!と真横からレーザーがかっ飛んで来てワイヤーを切断された。剥ぎ取れた″スタビライザ″がほぼ真横からワイヤーを切断したのだ、レーザーを撃ってくるというびっくり仰天技でた。

 

「『脳波コントロール兵器‥‥!』」

 

「わたくしのブルーティアーズの名を冠したこの子達の火を食らいなさい!」

 

4つのスタビライザが独立して多方向からレーザーをかっ飛ばしてくる。肩に残っていたスモークディスチャージャーを全部射出し、即席で防御膜を張る、しかし至近距離でのレーザー照射による熱気流で数発貫通してくる。

 

シールドバリアーはエネルギーを消費する、しなくても″絶対防御″が発動して大量にエネルギーが消費される。ならばと四枚の盾を重ねて防御する、しかし熱が伝導してサブアームが融解した。

 

「『防御方法ほとんどなくなったか‥‥!』」

 

「続けていきますわよ!」

 

スターライトmk-Ⅱと呼ばれる大口径大出力レーザーライフルの銃口がこちらに向けられていた。距離的にはこちらからセシリア様まではおおよそ30mほど、書面上のスペックでは厚さ20cmの特殊装甲板でも即座にぶち抜かれる。回避しようにもさっきの命中性能、いや、セシリア様の射撃センスだと避けるのは不可能だろう。

 

即座に″足元に″シールドバリアーを展開、脚部パイルバンカーをセット、設定炸薬量を規定値よりも多目に設定、腰部に設置された緊急用のロケットモーターを起動する。

 

炸薬に点火。薬室が規定値オーバーの炸薬により破損、杭ごと吹っ飛んでいく。その反動は全て機体を動かす推力となり、重量級の機体を強引に加速させた。しかし、反動増加の為に展開していたシールドバリアーは即座にぶっ壊れたので残存エネルギー量は雀の涙ほどである。一撃食らえば即終了だ。

 

「なんですの‥‥!?この加速!?」

 

「『つかまえっ‥‥!!!』」

 

「近寄るのは許しませんわ!」

 

飛び回るスタビライザが全てこちらを向き、一斉射撃してきたのだ。当たれば即終了、終了なのである。そんなものは許されない、愛ゆえに!

 

「『甘い!』」

 

とはいえ、即興の一斉射撃だ、狙いが甘い。逃げられないように緻密に計算された射線だが、タイミングが甘く、すり抜けられる場所があるのだ。余分なサブアームと装甲をパージ、第2のロケットモーターを起動。頭部と肩にレーザーが掠めるが直撃は無し。そのままセシリアへと真正面から組み付く。

 

「『へへへ、捕まえたよお嬢ちゃん、おじさんといいーことしよーかねぇ、げへへへ』」

 

「んぎゃああああ!!!?!変態ですわー!!!?!離れてください!離れて!」

 

「『離れるよ』」

 

「へっ‥‥‥?」

 

「『君を落としてからな』」

 

機関銃の弾丸の変更、特殊エアバースト弾へ。対象の目の前で炸裂するこの弾は効率良くISのシールドバリアーを削り切る為に存在する。それを毎秒30発で密着した距離で全弾ぶちこむのだ。ひとたまりもないのは当たり前だった。

 

引き金。マガジンが切れるまでバレルがどうなろうと気にせずに弾丸を叩き込む。弾ける弾丸とセシリアのISのシールドバリアー。絶対防御が発動するが衝撃は殺しきれないようで、セシリアの腹部へと重量級のボクサーに殴られたかのような衝撃が走る。苦悶の表情を浮かべ、俺の目の前で吐瀉物を撒き散らした。

 

それを会場に居た女子生徒達は信じられない物を見るような眼で見上げていた。

 

光を撒き散らしながら解除されるIS。吐瀉物まみれでぐったりしたセシリアは俺の腕の中で気絶している。それを見ながら大きく俺は吼えた。

 

「『ふははははははは!!!!!これで貴様は俺の嫁だあああああああああ!!!!!!!!!幸せにしてやるぞぉ!!!!一生なぁ!!!!!!』」

 

 

完全に悪役だった。

 

 

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