(ファンファーレ)
「えー本日は劇場版観たので急遽そっち方面の話をしようかと思います。瑞鶴です」
「何よ改まって…顔が気持ち悪いわよ五航戦」
「アッ加賀パイセン! しゃいしゃいしゃーす! 自分加賀パイセンがあんな出自だなんて知りませんでしたマジパネェっす!! あ、肋骨っすか!? 右でも左でも両方でも構わないんでどうぞやっちゃって下さい!! 自分の肋骨は加賀パイセンにへし折られるために存在してるフシあるんで!!」
「……ですってよ。どうする吹雪さん」
「アッ吹雪パイセン!! すいません気配り足りなくて!! 肋骨は加賀パイセンの領域なんでそれ以外でオナシャス!! 指とかどうっすか!?」
「ちょ、ちょっと瑞鶴さん! 取り敢えず服着て下さい!」
「いやいやお二人の前では私なんて開発失敗で出てくるモコモコ(注:ゴミ)以下の存在なんで! ゴミが服着て歩く訳ねえので!!」
「アンタちょっと黙ってなさい」
「へい! すいやせん!」
「…加賀さん、瑞鶴さんどうしちゃったんですか…?」
「五航戦は昨日ね、オフだったみたいで…映画観てきたそうよ…ほらあの…角川の…」
「『幻の湖』でも観たんですか?」
「……なんで?」
「いや角川だし…」
「よりによってそれを選ぶのはどうなのかしらね。アレよ、艦隊これくしょん劇場版」
「ああ! そっちですか!」
「それ以来ちょっとおかしいのよね彼女。もともとおかしかったけども」
「で、でもアレ私も試写会で観ましたけど、どっかおかしかったですか?」
「…試写会?」
「あーほら、私一応主演の女優さんのモデルなんで…凄いですよね、声までそっくりで」
「なるほど。ともかく、そこの五航戦はそれ以来こうなのよ」
「フィクションと現実の区別がついてない?」
「端的に言えばそうね。観たならわかると思うけど、私とあなたはほら……アレじゃない?」
「D案件ですね?」
「あのDは何なんスか!? デンジャラスのDっすか?」
「わっ驚いた!」
「急に喋るのはやめなさい。罰として阿武隈さんの真似でもしてなさいな」
「エッ」
「瑞鶴さん阿武隈さんの真似上手いですよね!」
「フブキパイセンモ、アノ…ナンデシタッケ? ロシア戦車二乗ッテル人ノー…」
「そのネタはキリが無いからやめなさい」
「カガパイセンダッテ大洗ノ戦車二乗ッテル低血圧ノ人ノ真似スルジャナイデスカ!」
(バンバン)
「アレは酒の席の一発芸だからいいの。ともかく、この五航戦をどうにかして正気に戻さないといけないわ」
「バケツ持ってきましょうか?」
「バケツは物理的な損傷は治せても、頭の中身までは治せないんじゃ無いかしら……治るんだったら赤城さんがいつまでも烈風知らない筈もないし」
「さらりと酷いこと言いますね…じゃあ、催眠術とかどうでしょう?」
「催眠術というと好きでもない男を急に好きになって脱衣(クロスアウト)しながら抱いて!! って迫るアレ?」
「違いますよ!!」
「ふむ……強制的に寝かせていとうえいするメソッド?」
「だから何でそっち方向に行くんですか?! それ催淫術じゃないですか! 違いますよ、要するに強制的に暗示のかかりやすい状態にして、苦手なものに対する抵抗を無くしたりするアレです!」
「マジッスカフブキパイセン! アタシピーマン苦手ナンデスケド!」
「ピーマン美味しいのに…つまり五航戦のピーマン嫌いを治すと。わかりました」
「わかってないですよ! ピーマンじゃなくてダーク私とダーク加賀さんに対する恐怖感をゲラウトヒアさせるんですよ!」
「なるほど…つまり私と吹雪さんはライク・ア・ピーマンという訳ですか……芋だのポテトだの言われるのは慣れましたがピーマンは初めてです。さすがに気分が高揚します」
「ピーマンから離れて下さいよ! まあいいです、私の村に代々伝わる催眠術を今ここで披露します!」
「同じ村出身ですけど初めて聞きました」
「しまった…! 村の話は忘れて下さい、フィクションですフィクション」
「五航戦はどこ出身だったかしら?」
「エッ アタシッ? コニシティダケド…」
「出身地の話はやめましょう! ともかく! まずは5円玉か50円玉を用意します!」
「Suicaしかないわ」
「電子マネー全盛期!! わ、わかりました……じゃあ作ります」
「偽造は犯罪よ吹雪さん」
「さすがに鋳造技術は無いですよ! 100円玉にヒモをこうやって巻きつけて…はいできた」
「それを振り回して武器にすると」
「誰と戦うんですか!?」
「アッ! フブキパイセン! 大変!」
「な、なんですか阿武く…じゃない、瑞鶴さん! 緊急事態ですか!?」
「5円玉ッテ、金貨ミタイデ素敵ジャナイ?」
「確かにそうね」
「今その話いります!?!?」
「でも500円玉の方が強そうよね?」
「確カニ! 千円クライノ価値ハアルト思イマス!!」
「無いですよ!!!! ああもう行きますよ!!!! しばふ村秘伝! アナタハダンダンネムクナール!!!」
「フ…私にそんな眠っちまうような技が…効くとでも…催眠術なんかに絶対…負けな…い……」
「加賀パイセン、寝チャイマシタ!」
「なんでですか!!! 加賀さん寝てどうするんですか!!!!」
「キット疲レテタンダワ…寝カセテアゲマショウ?」
「いい話っぽくしないで下さいよ!!!! 阿武鶴(アブカク)さんが寝ないと意味ないんですよ!!! 寝て下さいよ!!!!」
「アタシ6時間クライオ昼寝シチャッタンデ…」
「それもう昼寝じゃないですよ!!! 二度寝ないしマジ寝ですよ!!! もういいです!! しばふ村拳法奥義強制入眠拳!!!!!」
(ドスッ)
「ウーン……ムニャムニャ…アウトレンジデ私ノ指示ニ従ッテ下サイ……」
「悪は滅びた……よし、今だ!」
(ポワワ)
「これでよし…あ、そうだ…」
(ガチャ)
「こちらぶぶづけスタジオ、誰かいますか? あ、皐月ちゃん? 良かった! 悪いんだけど晩御飯の残りで確かピーマンの肉詰めあったよね? 瑞鶴さんが食べたいって…うん、うん。チンして持ってきてくれるの? ありがとう!」
(ガチャ)
「これでよし…っと!」
(ファンファーレ)
「あーよく寝た。あら吹雪さん、おはようございます」
「5分くらいしか寝てませんよ! それより瑞鶴さんを起こして下さい。上手くいってればダーク私たちに対する恐怖感とかが消えてるはずです」
「そういえばそんなアトラクションやってたわね」
「忘れないで下さいよ!!」
「じゃあ起こすわよ。流星と彗星どっちがいいかしらね」
「普通に起こして下さい!」
「なるほど? じゃあまずこの手拭いを濡らします」
「うん…うん?」
「顔に乗せます」
(ビチャリ)
「起きます」
「死にますよ!?!?」
「……ブハァ!!! な、なに!? 冷たッ!!」
「ほら起きた。おはよう五航戦」
「おはようございます……って何よ!? 何で顔水浸しなワケ!? アンタ何かしたでしょ!?」
「潜水艦にでもなった夢見てたんじゃないかしら?」
「意味わかんないし!! もう怒った、五航戦パンチでやっつけてやる!!」
「ルックアップ(注:見上げた)根性じゃないの。ならばこちらも五航戦殺し(注:腰の入った腹パン。瑞鶴はしぬ。翔鶴もしぬ)で応えるわ」
「ま、まあまあ。でも加賀さん、瑞鶴さん治ってるんじゃないですか?」
「治ったところでナメた口きかれて生きて返す訳にはいきません。頭にきました」
「上等だわ……出しな……てめーのキラークイーンをよ…」
(コンコン)
「あ! 皐月ちゃん来ましたよ! 実はですね、瑞鶴さんのピーマン嫌いを治す企画をやってたんですよ」
「なんか夢の中でそんな話をしたような」
「そういうこと。いい歳してピーマン食べられないとか恥ずかしいでしょう? 私たちに感謝して欲しいところね」
「なんか釈然としないけどまあいいわ……ピーマンだろうが何だろうがモグモグモグリと食べてあげる!」
「ごめんね皐月ちゃん、入って入って」
「失礼しまぁす」
「ア…アワワ…」
「あ、あれ…? 如月ちゃん……?」
「ああアアアーッ!?!? ダーク如月パイセンだァーッ!?!? サーセン!!! 自分ダークサイドに堕ちたことも無いのに調子ぶっこいてました!!!」
「ず、瑞鶴さん…? 吹雪ちゃん、瑞鶴さんどうしちゃったの…?」
「劇場版を見て私たちと如月さんにビビっちゃってるのよ」
「で、でも何で……さっきは皐月ちゃんが内線に出たのに…それに何でフードかぶってるの如月ちゃん……」
「向こうで睦月ちゃんとモノマネして遊んでて、それでつい……あとフードは寝癖が取れなくて…」
(ピョイン)
「なるほど理解したわ。まあこれはこれで面白いからいいんじゃないかしら」
「そ、そうですね…如月ちゃんなら瑞鶴さんもあまり怖がらないんじゃないでしょうか」
「如月さん、せっかく持って来たのだし、そのピーマン皆で食べましょう」
「そ、そうですね…お茶も持ってきましたよ」
「わーい!」
「瑞鶴さんもどうぞ」
「あざーーーーっす!!!!! 如月パイセン自らご馳走してくれるとかマジパネェっす!!! 自分ピーマンでもシーマンでも食う所存っす!!!!」
「うふふ、はいどうぞ。あーん」
(モグモグ)
「ンまーい!!」
「……まあ、ピーマン嫌いは治ったということで」
「そ、そうですね……じゃあこの曲で今夜はお別れです」
「加賀岬です」
(デデン デデン)
「ンまーい!! 如月パイセンマジパネェっす!!!」
瑞鶴のピーマン嫌いが治りました。