特にオチはないです
(ファンファーレ)
「はい、えー、恥ずかしながら帰って参りました。艦娘ラジオの時間です。今夜は呉鎮守府おたふくスタジオからお送りするわね」
「ロ、ロロロ、ロデオだなんてそんな陸奥さん! 駆逐艦の子達だって聞いているんですよ!」
「ラジオね親潮ちゃん。あとあなたも駆逐艦でしょう」
「それはそうですが! 陸奥さんはただでさえセクシースメルがムンムンなので、なるべく抑えていただかないと!」
「無茶言うわね……大体あなたも、こうしてこう……色々見ても、あちこちエロい身体つきじゃない」
「はー!? 親潮は一向に色気も何もありませんがー!? この親潮を見て欲情する殿方がいるとすれば、それは大変な社会不適合者なのではないでしょうか!?」
「その定義だと世の男性が相当数、社会不適合者になっちゃうんじゃないかしら……いいじゃない、もっと自信を持つべきだわ」
「いけません、いけませんよ陸奥さん! 今回は真面目なお話をすると聞いたのでやってきたんですから!」
「過去の放送で大体判ってたんじゃないの……? いいのかい、ホイホイ部屋に入ってきちまって」
「ヒッ!? む、むむむ、陸奥さんは女性にも興味があるタイプの女性なのですか!?」
「いや特に……さて、それじゃあ導入も済んだし本番、行ってみましょうか」
「挿入だの本番だの!」
「……この子面白いわね……」
艦娘ラジオrev.2
提供は日本海軍でお送りしています
(CM)
「大和さーん レ級に撃ち殺されかけたようー」
「うわー巻雲ーおのれーこの大和辛抱たまらーん」
「しんぱいごむよう! そんな時は海軍印の高速修復剤! 致命傷でも即座に修復、今日も元気だ重油がうまい!」
「やったー巻雲治っちゃいましたー」
「わー さすがは高速修復剤だー すごいなー」
「そんな修復剤は各種デイリー任務ならびに当アイテム屋、更に特定の海域でお求めいただけます! ケガにこまったら明石屋! ケガに困ったら明石屋!」
(ケガに困ったら明石屋ー)
(ケガに困ったら明石屋ー)
「……何このCM」
「何でしょうね? 明石さん今、佐世保に出張してるんでしたっけ」
「ええ、武蔵が最終段階に入ったってことでね。もう発表されてるから言っちゃうけど、彼女、鹿屋所属になるんですって」
「鹿屋は少し前に天城さんが加入なさったとかで」
「そうよね、大分戦力が増してきてるみたいよ~? 次の大規模作戦は、あそこが拠点になるのかもしれないわね」
「呉からだと案外近いですからいいんですけど、大湊とか単冠あたりは大変ですね」
「まぁ空路でしょうよ。ふふッ、日向なんかはそのまま飛んできたりしてね」
「まさかそんな……」
(ファンファーレ)
「しかし陸奥さん、このラジオ、いつもは聴く側ですけど、こうして話す側になってみると、こう……案外何を話したものか、難しいですね?」
「まぁ、そうよね。けどいいのよ、無理に話題を出したり、オチをつけようとしたりする必要はないんだから」
「佐世保の北上さんと川内さん、舞鶴の加賀さん瑞鶴さんは流石、息あってますよね」
「あの子達は何なのかしらね、いわゆるアレかしら、ベストカップル的な」
「カ、カカカ、カポー!? べっべつに同性愛がダメだとかそういう狭量な考えはありませんけど!」
「いやいや、別にそういう意味のカップルじゃなくて……ベストコンビというか? 息が合ってて楽しそうだなって」
「ですよねー! はぁ、私もいつかは、姉妹たちと一緒にお喋りしてみたいです」
「陽炎型ならうちに不知火がいるじゃない」
「不知火……不知火姉さんはちょっと……あの人真面目過ぎて、何か怖いし……」
「そお? よくお昼一緒に食べるけど、いい子よ」
「いやぁ……そりゃ陸奥さんにイキってたてつくような子はうちにはいないですよ。でも私が前に座ると、岩明均の漫画に出てくるシリアルキラーみたいな目で見てくるんですよね……」
「どんな目よ!?」
「寄生獣の浦上みたいな目です」
「あー……アレかぁ……でもなんで? 嫌われてるの?」
「わ、わかりませんけど……姉さんに何かした覚えはありませんし……それはもう、私が至らないというのであれば、そこは謹んでお説教なり何なり受けさせて頂きますけれど」
「そーんなことないってえ、親潮ちゃんもよくやってるじゃないの」
「なら、いいんですけども!」
(ファンファーレ)
「はーい、じゃあここでお手紙のコーナーと行きましょうか。どれでもいいから読んで読んで」
「はい! えーとでは……横須賀の戦艦Kさんからのお便りです。えーと何々……『最近来たニュービーがフランス人だったりイギリス人だったりでミー……ワタシの沽券に関わるのでいいアイデーアがあれば教えてプリーズ!』だそうです」
「文面でも口語体なのかしら金ごu……いやKさんは」
「お知り合いの方ですか?」
「え? あ、いや……まぁ、ちょっとね。それで? フランス人っていうのはリシュリューのことよね、イギリス人はアークロイヤル」
「どちらもお会いしたことはありませんが、海軍も随分と国際色豊かになってきましたね。グ、グローバルってやつですね」
「まぁねぇ、この極東に戦力が一極集中して大丈夫なの? っていう懸念はあるけど」
「そこは上の方々が考えることで、私たちはあくまで戦うだけです!」
「そうなんだけども。でもだからと言って、無茶だけはしちゃあいけないわよ」
「この親潮、たとえ命尽きようともむぐっ!?」
「そういうのがダメっていうの。そりゃ私たちは兵隊で、兵器でもあるわ。だからって自分を大事にしたらいけないって、そういう規律は無いのよ」
「それは、そうです」
「わかっているなら、そうなさい。不知火だって貴女にもし何かあれば、きっと……ううん、絶対に悲しむから」
「はい……わかりました! でも陸奥さん、陸奥さんのアレは大丈夫なんですか?」
「アレ……アレってどれ?」
「はい! 敷波ちゃんが『陸奥さんの右から三番目の感情が最高潮に達すると、『怒る!』の掛け声とともに第三砲塔が大爆発する』って言ってました」
「……私はメタルダーかなにか?」
「だから陸奥さんを怒らせないようにしないと」
「ウフフ……敷波ってば口を開けばデマカセばかりで困るわねえ。今度の駆逐選抜にも出る、うちの筆頭駆逐だっていうのに」
「殴ったり蹴ったりしてきますもんね……演習とは言え」
「実力はあるんだけどねえ……ま、今度ちょっとお話しておくから、あの子の妄言は基本信じないでいいわよ」
「そうなんですか!? じゃあ神通さんを怒らせると探照灯がすっ飛んでくるとか、そういうのも!?」
「……それはあり得るんじゃないかしら」
「えっ……」
(ファンファーレ)
「はい、じゃあここで一曲。さっきも話に出た『超人機メタルダー』より、『君の青春は輝いているか』よ」
「どんな曲なんでしょう?」
「……一言で言えば、お説教?」
「お説教!? ……なるほど。まだまだ未熟な私に贈る、陸奥さんなりの優しさというわけですね!」
「え、あ、いえ……そういう内容ではないのよね……親潮ちゃんはまだ若いからいいけど、歳を重ねてくると結構ズシンと来る内容というか……」
「そんな! 陸奥さんだって全然お若くて綺麗じゃないですか!」
「でも私たち最低でも72歳以上じゃない?」
「外の人はそうかもしれませんけど! 中の人はピッチピチのツルッツルじゃないですか!」
「あ、あはは……そうよね……その通りね。ちなみに親潮ちゃんはツルツル?」
「え、あ? ええと……ええ!?」
「……お肌のことよ?」
(イントロ)
(フェードアウト)
「うーーーーーん……深いですね」
「そうよねえ。子供向け番組の主題歌とは思えないわよね……」
「でも、何だか元気出てきました! これからまた頑張れそうです!」
「うんうん、その意気その意気。あーでも、もう時間ねえ。テンションも上がったところで今夜はお別れになるわ」
「そ、そうですか……そうですよね! 何にでも終わりはありますし! でも! 今夜は陸奥さんとお話出来てとっても楽しかったです!」
「あ~ら、ありがと。私もよ」
「陸奥さんのような素敵なレディになれるよう、この親潮、一心不乱に精進してゆく所存です!」
「……な、なんだか照れ臭いわねえ……」
「まずは……探照灯を投げる訓練! そして砲塔を爆発させる訓練!」
「うんうn……うん?」
「これらを極めて初めて素敵なレディであると言えましょう! やる! 親潮やります! ヨーソロー!」
「……色々と言いたいこともあるけど、今夜はここまで。お相手は呉鎮守府の戦艦陸奥と」
「陽炎型駆逐艦、親潮でした!」
「「おやすみなさい」」
(フェードアウト)