艦娘ラジオ   作:ミギー・ドン

18 / 18
恵方巻は好きです。


(非公式)雲龍&葛城

 「例えばさ、例えばよ雲龍姉。武蔵が思いっきり……ワインドアップで、豆を投げてきたらどうなるのかな」

 

 「ショットガンみたくなるんじゃないの。駆逐の子なんて一発でLiveLeak案件になると思うわ」

 

 「ヒッ……! じゃ、じゃあ武蔵はダメだよね。豆まきに来てくれた人らがミンチよりひどくなっちゃうじゃない」

 

 「そうね。だから彼女はええと……鬼の恰好をして、豆を受ける側になるって、提督が言っていたわ」

 

 「まずぶつけ合う前提なんだ」

 

 「鹿屋(ここ)は薩摩だもの」

 

 「……薩摩関係ある?」

 

 「あなた漫画好きな割に平田弘史やとみ新蔵は読んでないの?」

 

 「えっ誰それ……ジャンプに描いてる人?」

 

 「そこまでは知らないけど……ちょっと待ってて、磯風に借りてくるから」

 

 

 (無音)

 

 

 「はい」

 

 「げ、劇画……?」

 

 「薩摩関連だけ持ってきたから、後で読むといいわ。今は一応、オンエア中だし」

 

 「そう、そうよね。じゃあこれはしまって……と」

 

 「けれど、何で私たちが呼ばれたのかしら?」

 

 「いつもは磯風と若葉がやってるよね?」

 

 「本当は鹿屋以外の基地でやる決まりだったみたいよ。それがいつの間にか」

 

 「ダメじゃん! 乗っ取りじゃん!」

 

 「まぁ特に文句は言われてないみたいだから、いいんじゃない」

 

 「まぁ、うん……で? 何で私たちって話よね」

 

 「そう。磯風と若葉の会話、私も聞いてるけど……正直半分もわからないわ」

 

 「聞いてるんだ……」

 

 「というか受信しちゃうというか」

 

 「受信……インカムに?」

 

 「ううん、何かナチュラルに」

 

 「……そっか……そっかー……まぁいいや、何か音楽でもかけよっか」

 

 「いいわね。NHKの深夜に流れてそうなのがいいわ」

 

 「わかるけど……わからない……クラシック?」

 

 「んー……じゃあ、節分にまつわる曲とか」

 

 「また難易度の高いのを……うーん……節分っぽい曲……ちょっとググってみるけど……」

 

 「恵方巻哀歌、みたいなのある?」

 

 「無いでしょ流石に」

 

 「えっほうまき~ えっほうまき~ きがついたら~ きせつもの~ おのれこうこくだいり~て~ん~」

 

 「えっなに」

 

 「えっほうまき~ えっほうまき~ たくさんたべたくて~ にまんえんぶん~ かってきた~」

 

 「二万!? 買いすぎでしょ……雲龍姉、小食なのに」

 

 「でもたべられない おなかいっぱい かなしいね~ だからくちくのこたちに~ くばったよ~」

 

 「そうなるわね……ってか! それ雲龍姉の体験談でしょ!?」

 

 「ううん。国勢調べ」

 

 「嘘だぁ! 全国区で二万円分恵方巻買う人いるわけないでしょ!」

 

 「おのれこうこくだいり~て~ん~ ひらが~げんないを~ つぶす~」

 

 「平賀源内関係ある!?」

 

 「土用の丑を流行らせたのは平賀源内って知ってる?」

 

 「えっマジで……ってそうじゃなくて! 自作の歌はいいから! 節分と言えば鬼退治! じゃあこれです!」

 

 BGM:ももたろう

 

 「よくよく考えたら、敵中枢に総勢4名で攻め込んで殲滅、略奪してくるってすごいわよね桃さん。特攻野郎Aチームの元ネタなだけはあるわね」

 

 「そうなの!?」

 

 「岡山とかその辺で鳴らした俺たち特攻部隊は、濡れ衣を着せられ当局に逮捕されたが、刑務所を脱出しおじいさんの家に潜った。しかしおじいさんの家でくすぶってるような俺たちじゃあない。筋さえ通れば金次第でなんでもやってのける命知らず。不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、俺たち特攻野郎Aチーム!」

 

 「いやちょっと待ってよ雲龍姉!」

 

 「俺たちは、道理の通らぬ世の中に敢えて挑戦する、頼りになる神出鬼没の特攻野郎Aチーム! 助けを借りたい時は、いつでも言ってくれ!」

 

 「わかったわかった! わかったから! この後延々とメンバーの紹介まで続くんでしょ!?」

 

 「俺はリーダーの吉備津彦乃命。通称桃太郎。奇襲戦法と肉弾戦の名人……俺のような天才策略家でなければ、犬猿雉(つわものども)のリーダーは務まらん」

 

 「もういい! もうわかりました! そ、それで! 彼我戦力差はどれくらいだったのかしら」

 

 「んー……4:20くらい……? 五倍の相手よ。だのに彼、『おもしろい おもしろい』って歌ってるのよ。虐殺を楽しんでいたのよハンニバルは」

 

 「桃太郎でしょ!? でもほら、返り討ちにあってたら当然歌なんかには残らないわけでさ」

 

 「わからないわよ。第一陣が武運つたなく討ち取られても、第二第三の桃太郎が」

 

 「うーん……じゃあやっぱ、むちゃくちゃ強かったんじゃないの桃野郎ってば」

 

 「そう考えるのが妥当かしらね。それと鬼ヶ島って、非戦闘員もいたのかしら」

 

 「まだ広げるの……?」

 

 

 (フェードアウト)

 

 

 「えー雲龍姉の特攻野郎Aチームはキリがないので、ここでお便りを読むわね」

 

 「はい葛城さん」

 

 「えーと……大湊の巡洋艦、Hさんからです」

 

 「羽黒さんかな」

 

 「これ英語で書いてあるから違うんじゃないかな」

 

 「どれどれ……Houston……ほうすとん、さんね」

 

 「いやそれヒューストンって読むのよ雲龍姉」

 

 「英語得意か……ハーイカツラギ ア、アムアイアフラワー……ハウアーユー……マイネームイズ……クラウドドラゴン……?」

 

 「雲龍姉は英語ダメな人?」

 

 「エスペラント語なら」

 

 「エスペ……? とにかく……私もそこまでは読めないので、グーグル翻訳にかけます」

 

 「わあべんり」

 

 

 『私は日本の皆さんと仲良くすることを望んでいます』

 

 

 「ほうすとんさんって戦時中に沈んでる人?」

 

 「敷波にやられたんじゃなかったかな」

 

 「敷波ってあの演習中に殴る蹴る仕掛けてくる子よね……?」

 

 「あれは何でもあり(バーリ・トゥード)の時だけだよ! でも怖いよねアレ……神通さん主導でやってくるし」

 

 「まぁそれならうちのヤンキー摩耶と夕立をぶつければいいから……で、続きつづき」

 

 

 『ですが私は日本のカンムスが好ましいイベントを知ることがありません』

 

 

 「イベントねえ……なるほど、つまり日本の子たちと親睦を深めようとしても、きっかけになるものが無いと」

 

 「英語得意か……カツラギ イズ アメリカン……」

 

 「いや翻訳されてるからね? でも簡単っしょ、いいアイデアがあるわ」

 

 「ハイ、ミスカツラーギ」

 

 「節分よ!」

 

 「SETSUBUN!?」

 

 「ザッツライ。豆をまき、恵方巻をともに食べればそれ即ち日米和親条約。深海棲艦を叩いてみれば文明開化の破壊力」

 

 「アメリカに節分あるの?」

 

 「ここ日本だから!」

 

 

 (BGM:ももたろう)

 

 

 「そういうわけでわかったかしらほうすとんさん。二月三日には豆をまいて、恵方巻をみんなで食べたらいいと思うわ」

 

 「うんうん!」

 

 「それじゃあ時間もいい感じなので、今夜はこの辺で」

 

 「なんか怒られそうだけど、そうなったら一緒に提督に謝ってよね雲龍姉」

 

 「……アイキャン ノット スピーク ジャパニーズ」

 

 「ずるい!!!!」

 

 

 

 後日、大湊警備府

 

 「えっなにヒューさん……何抱えてんの……」

 

 「アァ、スズカーゼ! これね、エホウ・ロール!」

 

 「それはわかるよ! なんでそんな大量に!? 食べるってえのかい!?」

 

 「違うわ。皆の分よ……2万円分も買えば足りるわよね?」

 

 「にまんえん!?」

 

 「そう! カツラギとウンリュウがアドバイスをくれたの。ビーンズとエホウ・ロールでConvention of Peace and Amity between the United States of America and the Empire of Japanってこと!」

 

 「……よくわからないけどわかったよ! おーいみんな!」

 

 ※なんとか食べた




本編が進まないのは仕様です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。