ib~作り物の心~   作:猫耳

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この小説は、フリーホラーゲームibのメアリー視点で描いた物です。
原作をプレイしてからの閲覧を強くお薦めいたします。


0:プロローグ

生まれてから、たくさんの人を見た。

 

でも、誰もが私と目が合わない。

 

それは何故?答えは簡単。

 

「私が、見えていないから…」

 

私は見飽きた部屋を見渡した。

 

「お姉ちゃん……」

 

私の姉は私と違い、額縁から出ることさえ許されない。こうして心を持ち、自由に動けているだけでも幸せ…なのだろうか?

 

でも、私は外に出たい。外に出て、あの空を飛ぶ鳥のように、自由に……

 

「…………」

 

ふと、外を覗いた。この世界と外を繋ぐ唯一の扉である『絵空事の世界』は、こちら側から世界がうっすらと見えるのだ。

 

外には少女が1人。私と同じくらいの背丈で、胸元に赤いスカーフのようなものをつけた、人形のような少女だ。

 

少女は、明らかにこちらを見ていた。私と目が合った訳ではないが、この絵画が見えていることは確かだ。

 

小さな希望が見えた。私は少女に声をかけた。

 

「わ、私メアリーっていうの。よければ、おと、と、友達に…」

 

少女は私の声が聞こえないのか、他の場所を見ようと振り返ろうとした。

 

(そ、そんな………駄目、行かないでっ!)

 

チカチカッ

 

両者の世界で、電気が点滅を始めた。私の近くで佇んでいた『赤い服の女』がいつもの定位置に戻り絵画に変わり、あちらの外の世界ではさっきまでの喧騒が嘘のように静まった。

 

「な、何っ…?」

 

異変は、外の世界に繋がる。この世界と、外の世界が……

 

「繋がっ、た……!?」

 

少女はゆっくり、確実にこの世界への歩みを進めだした。

 

「お客さま……もてなさないと!あははっ……!」

 

私は、笑みをこぼさずにいられなかった。始めての友達。来客なんて、始めてだった。

 

(私の、始めての友達ができる!)

 

私がまず訪れたのは、無個性がいる緑の部屋だ。

 

「これからお客さまが来るの。いい?貴女がまず挨拶をするの。……ええっと」

 

私は記憶を辿って、挨拶の仕方を思い出す。こうした知識は本でしかてに入らないから、まったく厄介な物だ。

 

「えっと……そうそう。手を挙げて、こんにちわー!って元気よく言うの。せーの、」

 

「こんにちわー!」「ヴァー」

 

「………ああ、そっか。言葉は出せないんだっけ。じゃあもう、それでい

 

そろそろ、あの少女が帰ってくるころだ。いきなり私が出会うのはリスクが大きいし、私はあの絵画のあたりに戻ることにした。

 

絵画について外を見ると、少し大きな足跡が見えた気がした。でも、あの少女はくつが大きいし、気にしないことにした。

 

「はやく来ないかなぁ…?私、あの子と会ったらまず友達に――」

 

「メアリー、ソレハ無理ダヨ」

 

私の隣にすわっていた人形が、私の言葉を遮った。

 

「無理……?」

 

「ココカラ出ルニハ、ダレカとカワラナキャダメナンダヨ。ソレニ…」

 

「メアリー、キミハヒトリジャデラレナイヨ」

 

青い人形は、私にそう言っていなくなってしまった。

 

「入れ替わり……あの子を、犠牲に……」

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