22世紀学園都市
「やはり、逃げられたか…」
「元々あの子は、我々の命令に対してあまり従順ではありませんでしたし」
ここは、22世紀学園都市のとある研究所。何やら怪しい会話がなされているが、この話の中に登場している『あの子』とは、もちろん長谷川のことである。
「にしても失敗だったか…」
「学園都市の子供達の為に作った、歴史教材としての能力者。ハハ」
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御坂「で? 海はこれからどこか行くあてはあるの?」
御坂も随分と野暮なことを聞く。そんなことを長谷川は考えていると…
「その様子じゃ、行くあてはなさそうね。私達の寮は原則部外者禁止だから」
白井「いっそのこと、今日のところは野宿してみてはいかがですの?」
長谷川「おいおい、それは本気で言ってるのか?」
(野宿だなんて冗談じゃない。これでも俺の実家は、結構裕福だったんだぞ)
「冗談ですの。そうですわね、分かりました。この黒子あなた様の為に一肌脱ぐことに致しますわ!」
「これからしばらくの間、特別に風紀委員177支部を泊まり宿として開放致しますわ」
(おー、これはいい話だ。持つべきものはやはり友達だ。でも待てよ、何か嫌な予感がする…)
「そのかわり、その期間中は風紀委員としてタダ働きしてもらいますわ」
「そんな… そもそも風紀委員って、要は人助けだろ? 俺そんな人助けするような性格じゃないし。むしろ、俺が助けてもらいたいぐらいだよ(笑)」
「つべこべ言わずに。さあ、早速177支部に向かいますわよ」
話が急展開過ぎる。そもそも俺は訳合ってこの21世紀の学園都市に逃げて来たっていうのに… そんな俺が人助け⁉ 冗談だろ。誰かに助けられたことはあっても、助けたことはねえよ。大体、コイツらに会ったからこういうk
「心配しなくとも、いざという時になったら、私があなたのことをお守り致しますわ」
そんな黒子の言葉に、長谷川は不覚にも惚れそうになってしまった。
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「今日からこの177支部に新人さんが入ってきましたの。名前は長谷川海さんと言いまして、能力はえーっとですわね。私と同じ空間移動ですの」
初春「ぬっひぇっ。白井さんと同じテレポーターですか。能力値は一体いくらなんですか?」
早速初春がこの新入りに喰い付いてきた。まあこうなることは最初から予想していたことだが…
「ああ俺か? 俺の能力値はな… っていきなり何するんだよ⁉」
長谷川が自分の能力値を伝えようとすると、即座に白井が長谷川の口を自身の両手で覆った。
「あなたがレベル5ということが知れましたら、後々面倒なことになりますの。ここはおとなしくわたくしと同じレベル4ということにしていて下さいませ」
「分かった…」
「おっほん。これまた私と同じレベル4ですの」
何で白井さんが言うんだろう。そこにいた初春と固法は同時にそう思ったが、白井の何かを必死に隠そうとしている表情を見て、察してあげた。
「私が見込んだ殿方ですので、期待して頂いても構いませんの」
「以上ですの。では固法先輩、指示をお願いします」
そうすると、この177支部のまとめ役であり、白井と初春のよきお姉さん的存在である固法が現れた。
固法「そうねえ、能力と能力値からして、即現場でも良さそうだけど… 新人さんだから、書類整理をお願いしようかしら」
「書類… 現場じゃないのかよ」
早速文句を言い出す長谷川。無理もない。未来ではレベル5認定されていて、しかもその中でも第1位に入るほどの実力者なのであるから。
「当然ですの。能力値に関係なく、新人時代から現場に出られるなんて、甘い考えですの」
「ヘイヘイ、分かったよ」
文句を言いつつも、せっせと書類整理を始める長谷川。任された仕事は、今月177支部管内に転入してきた者の基本データを、エクセルでまとめるというものであった。
「えっと、コイツの能力値はレベル3, 身長は160 体重は52と」
「全く、こんな作業して一体何になるってたんだよ!」
何だかんだ文句を言いつつも、予定通りに作業を終わらせることができた長谷川。時間はもう日没前。そろそろ完全下校時刻を意識しなければならない時間帯だ。
「白井さんに初春さんに、新入り君に… みんな揃ってるわね!
はい、みんな注目。今日の仕事はここまでにしておきましょう」
「みんな今日もよく頑張ってくれたわね。お疲れさま!」
「お疲れさまです(の)」
(やっと終わったか。て言っても、俺は午後からしか働いてないけどな。早く家に帰って… って、俺の家はここか。そういえばここ、テレビあんのか?)
「そういえば、今日はせっかく新しいメンバーが加わってくれたことだし、お祝いしないとね」
(え? 何だこの流れ?)
「今日はここでパーティでもしようかしら」
固法の突然の計らいで、長谷川の177支部加入歓迎会を開くことになった。もちろんこの会の主役である長谷川に、参加の拒否権は存在しない。
「でもいいんですか固法先輩? 仕事以外でこの支部の建物を使って」
(そうだそうだ、そもそも俺今日はもう疲れたんだよ)
「うーん。本部の人達に知られたら、怒鳴られモンだけど、たまにはいいんじゃない♪」
(マジかよ。別に今日じゃなくても…)
「以外ですの。固法先輩にはそういう融通さが利かないとばかり思っておりましたの」
「白井さんにとって私って…」
「まあ、それはいいわ。早速準備に取り掛かりましょう。白井さんはパーティ用の食材を。初春さんは部屋の飾りを買ってきて」
「了解しました(の)」
(まあ、こういうのもたまには悪くないか!)そう考える長谷川であった。
次回の投稿日は未定です。読者の皆様の反応を見ながら考えていきたいと思います。