「おまえ……そればっかだな」
一層強く抱き締めてきた光秀は小さな声でつぶやいた。そんな光秀の脇腹に手を差し込み優しく撫でると肩が震える。
「いつまでも持ち主でいると思うなよ」
「はっ!? 今いなくならないって言ったろ!」
「それ以上になることだってあるだろ」
魚住の発言が理解できないのか光秀は怪訝な顔で首を傾けた。それならそれで良いと魚住は光秀を寝室に引きずっていく。
ベッドに投げると光秀はポカンと口を開けたまま魚住を見上げてきた。
「処理が追いついてねぇんだけど」
「それならそれでいい。今は俺に付き合ってくれ」
キスも知らない光秀に何を説明したところでわからないだろう。それなら知らないままで良い。これで幻滅されたとしても嫌われたとしても構わない。
光秀に覆い被さり腰の差し込み口を探すように優しく撫でていく。口をふさぐようにキスをしながら差し込み口を見つけて指の腹でぐるりとなぞった。その刺激に光秀の身体が縮こまり背中を丸めようとするが、拒む様子はない。
ただまだ機能が動いていないため、光秀は戸惑いに困っていることだろう。
「魚住」
服を緩めるその隙間で光秀に呼ばれて目を向ける。すると鋼色の目を細めて光秀が笑顔を見せた。
「感情プログラムが爆発するから言うわ」
「どうした」
ここで会話を求められても困ると思いながらも、魚住は服を脱がす手を止めなかった。日に焼けることのないヒューマノイドの白い肌を確認するように手で滑らせる。
「魚住のこと好きなんだ。プログラムじゃなくて……いや感情プログラムだけど」
「そうか」
首元を強めに吸うと赤い痕が残る。ヒューマノイドでも肌の弾力や反応は人間と変わらないらしい。それを確認した上で光秀の下腹部に手を下げていく。
「……ん?」
そこで光秀の言葉の意味に気付いて顔を見る。すると光秀はふてくされたように眉をひそめていた。ただその顔は今までにないほど赤らんでいる。
「俺の話聞いてねぇだろ」
「聞いた」
告白を危うく聞き流しかけた魚住は、笑みを浮かべると光秀の頬にキスをした。
念入りに拡げた最奥に向けてゆっくりと腰を沈めていく。光秀は苦しげな顔でそばの枕を引き寄せるとそれを抱き締めた。やがて根本まで入り込むと身体を密着させるようにして光秀に顔を近づける。
「抱きつく相手が違うだろう」
枕を取り上げると光秀の手首をつかんで肩に乗せさせる。すると光秀はしがみつくように魚住の肩に腕をまわした。
「…もう、フルクトース入ってきてる」
おそらく先走りの事を言っているのだろう。まだ入れただけで動かしてもいないが、光秀の中は気持ち良すぎてすぐに限界を迎えそうだ。しかしそれを説明することなく魚住は腰を動かし始めた。
すると光秀の瞳がわずかにちらつき鋼色から紫へと変わる。
「……っう、ぁあ、うお…ずみっ」
すがりつく光秀の甘い声がすぐ近い場所でこぼれる。それはゆっくりと魚住の中に染み込んでいった。