魔法少女リリカルなのは 異能の武器を使う者(更新停止)   作:文房具

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第12話 暴走するもの

悠斗SIDE

 

「あんた、いい加減にしなさいよ!」

 

さて、突然だがアリサがキレた。

 

「こないだから何よ! 私達と話すのがそんなに嫌? 私達がいるのがそんなに苦痛なの? だったら悠斗と一緒にぼーっとしてなさいよ!」

 

え? アリサ先輩、俺もですか!?

 

そう言ってアリサは教室から出て行ってしまった。

 

すずかはおろおろして、教室のドアと俺たちを交互に見ている。

 

目が合ったので、教室のドアの方に行けとゼスチャーを送る。

 

するとすずかは、一瞬戸惑ったようだったが、すぐにそちらに走っていく。

 

「ま、なのはが悩むのは仕方ないからさ、気にしなくてもいいんじゃないか」

 

「でも、今のは私が悪かったから………」

 

「そうだけど、だからといって、ジュエルシードの事を話すわけにもいかないからね」

 

魔法の話なんて体験したことなかったら、信じ………るかもしれないな小学3年生なら。

 

あの二人は精神年齢高いけど、信じてくれるとは思うし。

 

なのはに言えるのはここまでだな、次にアリサの所に行くか。

 

 

 

 

 

どこ行ったんだ、アリサは。

 

廊下の端から端まで来たけど、どこにもいないぞ。

 

もしかして他のクラスの教室に入ってるのか?

 

そう思った俺は一旦戻ろうとする。

 

その時、話し声が聞こえてきた。

 

階段からだな。

 

「だって悩んでるじゃない! 迷ってるの、困ってるの、言わなくたって、聞かなくたって分かるわよ! それなのに………それなにに何にも話してくれないじゃない!」

 

確かにそうなんだけどさ、普通、仲良しの友達にも言えないことはあるだろう。

 

でも、アリサの本心は、それでも聞いてあげるくらいしてあげたい、何か少しでも役にたってあげたいという優しい心だった。

 

いい友達だな、なのは。

 

前世の俺にはここまで行ってくれる友達は………いたな、アイツが。

 

「ありがとな、アリサ」

 

「「悠斗(ユウ君)」」

 

「そう言ってもらえるなんて、なのはは幸せだよ。でも今はちょっと持っててくれないかな。いつか、話せるようになったら、その時話すから」

 

「悠斗は………悠斗はなのはの理由を知っているの?」

 

「うん、まあ」

 

「そうなんだ………じゃあ、ユウ君、話せるようになったら話してね」

 

「ああ、もちろんだよ」

 

いつかきっと、な。

 

 

 

 

 

「2人で帰るの久しぶりだね」

 

「そういえばそうだね」

 

俺は、なんだか仲直りした感じになったが、なのはとアリサはいまだに気まずいままである。

 

なので俺たちは、俺、なのは組とすずか、アリサ組に分かれて下校している。

 

同じ事情を持っている俺達も、この時は互いに無言である。

 

すると、唐突になのはがつぶやき始めた。

 

「私たち3人はね、最初はケンカしたんだ」

 

ま、よくありそうな話だよな。

 

ケンカの後にその相手と仲良くなるっていうのは。

 

「原因は、アリサちゃんがすずかちゃんのカチューシャをとったからなんだけどね」

 

そのころのアリサはあまり性格がよくなかったらしい。

 

「すずかちゃんもやめてって言ってたんだけどね、結局私がアリサちゃんの頬を叩いちゃったんだ」

 

流石、アグレッシブな行動をしてくれる。

 

 

「それで、アリサちゃんと掴み合いの大喧嘩になって、でも最後はすずかちゃんが『やめて!』って言ってくれて、その後から一緒にしゃべるようになったんだよね」

 

そんな過去があったんだ。

 

「私は、皆に心配かけたくないだけなのに、どうしてこうなっちゃうのかな」

 

「大丈夫だ。アリサも、それは分かってる。でも、友達だから少しは頼ってもしいて思って、あんなことを言ったんだと思う。だから、全部終わったらしっかり謝ろう、な?」

 

俺は、なのはの頭をなでながら、優しく言った。

 

 

 

 

 

俺の手にタカ・カンが戻ってくる。

 

俺がジュエルシード、および怪人の探索の為に町に放ったものだ。

 

能力の都合上、1個しか作れないのが少し痛いが、使わないよりはましだ。

 

「うーん………特に異常はなしか………よし、ご苦労さん」

 

あの後、時間があったので、俺となのははジュエルシード探しをしている。

 

「ユウ君、あった?」

 

「いーや、ないな。と、いうか、そろそろ時間だな、帰ろうぜ」

 

「あ、ホントだ。じゃあ帰ろうか」

 

「ああ、そうだ――――」

 

な、と言おうとした瞬間、世界が揺れた感じがした。

「な………」

 

俺にも分かった。

 

町の光が消え、空が雲に包まれる。

 

間違いない、ジュエルシードが発動したのだ。

 

「強制発動!? こんな町中でなんてまずい!」

 

叫びとともにユーノが結界を張る。

 

「レイジングハート、お願い!」

 

なのはもセット・アップをして準備万端だ。

 

しかし、強制発動ってことはフェイトがやったんだろう。

 

光っている場所、あそこにジュエルシードがあるんだな。

 

「ほら、なのは、フェイトより早く封印を」

 

「わかった、レイジングハート」

 

しかし、なのはが封印魔法を発射する前に、金色の魔力光が発射される。

 

なのはも急いで発射するが、それらは同時にジュエルシードにぶつかった。

 

ものすごい音がして、土埃が舞い、突風が吹き荒れる。

 

土埃が収まってジュエルシードを見ると、封印されていた。

 

よし、とりあえず封印はしたみたいだな。

 

「やった! 急いで確保して!」

 

「やらせないよ!」

 

アルフが立ちはだかる。

 

「ユーノ、ここは、なのはにやらせてやってくれないか? それとアルフさんは俺にやらせてくれないか?」

 

「ゆ、悠斗………」

 

「おや、おや、そっちの使い魔君に任せた方がいいんじゃないかい、ガキンチョ」

 

「いや、いや、前回できなかったデート( 闘い)ができるのに、これを逃す手はないでしょ。創造開始( イメージ・オン)破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)

 

俺は、『魔』を払う長槍を作り出す。

 

少しばかり危険な武器だけど、温泉で戦ったユーノの話によると、この人はかなりの使い手らしい。

 

これくらいでぶつかって。ちょうどいいだろ。

 

その間に、なのはがフェイトに一歩近づく。

 

「私は高町なのは、なのはだよ」

 

前回できなかった自己紹介をするなのはを無視して、フェイトは鎌を構える。

 

さすがにまだ、お話は無理か。

 

フェイトが宙へ浮かび、そのまま突進してくる。

 

それを飛んでかわすなのは。

 

「レイジングハート!」

 

魔力弾が10個ほど形成されて、フェイトに襲いかかる。

 

それらを自分の魔力弾と鎌で的確に消していくフェイト。

 

前回とは比較にならないほど手堅く、素晴らしい戦いだ。

 

なのはは距離を取り、ディバインバスターを放った。

 

フェイトは、前回の戦いでその威力を思い知ったのか、慌てた様子で避ける。

 

「話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ何も変わらないって言ってたけど………だけど、話さないと、言葉にしないと伝わらないこともきっとあるよ! ぶつかり合ったり競い合ったりするのは仕方ないかもしれないけど、だけど、何も分からないままぶつかり合うなんて、私、嫌だ!」

 

なのはは叫ぶ。

 

自分の思いを言葉にして。

 

「私は………「答えるな!」っ」

 

俺と戦っているアルフは、プロテクションを俺に切り裂かれながらも、声を張り上げる。

 

「そんな甘っちょろいガキに………親にぬくぬくをと育ててもらったようなガキに答えなくていい!」

 

アルフの声に目を見開いたフェイトは、開いていた口を固く結んでしまう。

 

アルフめ、邪魔するなよな。

 

ドクン

 

その時、俺は違和感を感じた。

 

どこからの物かとアルフの拳を避けながら周りを見渡すと、ジュエルシードが目に飛び込んできた。

 

でも、あれはちゃんと封印されるはず。

 

いや、まてよ、封印されてるっていうのは俺の思い込みで、本当は封印されてないんだったら………今、アレに魔力を注ぎ込んだら大変なことになるんじゃ………

 

そう思った時には、なのはとフェイトはジュエルシードに向かっていた。

 

「間に合えーーーーーーー!」

 

俺は力の限り、手にしている槍を投げる。

 

狙いはジュエルシード。

 

『魔』を払う槍は、寸分たがわずジュエルシードに命中し、粉々にした。

 

「「「「なっ!!!」」」」

 

無理もないが、俺以外の全員が驚いた顔をしている。

 

「あ、あんた………ジュエルシードを………」

 

「今日はこれで退散してくれないか? 目的の物も、もうない訳だし」

 

「アルフ、帰ろう」

 

「でも………ッ、あんた、覚えておきなよ!」

 

アルフが捨て台詞を残し、フェイト陣営は退散していく。

 

「悠斗、どうやってジュエルシードを………」

 

「それは企業秘密だぞ、ユーノ君」

 

ユーノに対応しながら、今はもう破片となったジュエルシードの残骸を見る。

 

ジュエルシード………あれは、ただの願いを叶えるだけの物なのか?

 

もしかして、他にもっととんでもない力が秘められているんじゃないか?

 

俺は、ジュエルシードへの認識を、改め始めた。

 




宝具紹介

破魔の紅薔薇
ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:2~4
最大捕捉:1
ディルムッド・オディナが持つ赤い長槍。
刃が触れた対象の魔力的効果を打ち消す。
基本的には、魔術的防御を無効化させるための能力を持った宝具。
この効果のため、バリアジャケットを布きれ同然に切り裂くことができる。打ち消されるしかし、効果は、刃の触れた部分だけを刃の触れている時間だけ無効かせるため、防御的な使い方には向かない。



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