魔法少女リリカルなのは 異能の武器を使う者(更新停止) 作:文房具
フェイトSIDE
今日は母さんの所に報告に行く日だ。
手にはお土産のケーキを持っている。
喜んでくれるとうれしいけど。
「甘いものなんて………あのオニババが喜ぶとは思えないけどね~」
「でもこういうのは気持ちだから」
「そういうもんかねぇ~」
首をかしげるアルフをクスリと笑いながら、私は転移の準備をする。
「次元転送開始、時の庭園、テスタロッサの主の元へ………跳べ」
長い、長い座標数字を詠唱して、魔法陣を展開する。
そのすぐ後、私をアルフは光に包まれた。
光りが収まると、私たちは目的の場所『時の庭園』に着いた。
周りは暗く、雷が鳴っていて、少し不気味である。
私達は少し歩いて、大きな扉の前に立つ。
この扉の奥に、私の大好きな母さんがいる。
「フェイト………」
アルフが心配そうに私を見ている。
「大丈夫だよ、アルフ」
私はアルフに微笑みかけ、扉に手をかける。
すると扉は、その大きさとは対照的にあっさりと、しかし、大きな音を立てて開いた。
その中に1歩足を踏み入れる。
「母さん、ただいま戻りました」
玉座に座っている母さんを視界に収める。
母さんは首だけを動かして私を見てくる。
「ジュエルシードは?」
「………4個………です」
その言葉を聞いた瞬間、母さんの顔色が変わった。
母さんの魔法の鎖が私の身体を縛り上げ、宙づりにする。
杖が変化して鞭になる。
それが床に打ち付けられると、鋭い音を立てる。
母さんは大きく振りかぶり、鞭を私に打ち付けた。
「うぅっ」
鞭が皮膚を引き裂き、鮮血が飛び散る。
「たったの4つ………これは、あまりにひどいわ」
「はい………ごめんなさい、母さん」
身を引き裂くような痛みに耐えながら、必死に声を出す。
やっぱり、私が悪いんだ。
「いい? フェイト。あなたは私の娘、大魔導師、プレシア・テスタロッサの娘なの。不可能なんてあってはダメ。これだけ待たせて成果がこれだけじゃ、母さんは笑顔になれないの」
「はい、母さん………」
「だから、覚えてもらうわ………もう母さんを、失望させないように」
母さんは手にしている鞭を、再度、私に叩きつける。
そのたびに、私にバリアジャケットは破れ、その下にある、本来は白いはずの私の肌に赤黒い傷をつける。
そして私は、あまりの激痛に気を失った。
プレシアSIDE
足りない。
ジュエルシードが足りない。
もう時間がない。
早くしないと、私の体は、もう………
「うっ、ゴホッ、ゴホッ」
私は、吐血する。
「おや、おや。ずいぶん体調がすぐれないようですね、プレシアさん」
私は、奥の部屋から出て来た井坂深紅朗を見る。
半年前に、ジュエルシードの情報と、アルハザードの情報を、あの子の蘇生に使えるのではないかという話を持ってきたのは、この男だ。
胡散臭い男だ。
最初はそう思い、魔法で追い払おうとしたが、USBメモリのようなものを使って変身した怪物が、私を圧倒した時は驚嘆した。
そして、このメモリは、アルハザードの技術で出来ていると言った。
自分もこれが作られたアルハザードに行ってみたいのだと。
その男が言ったことは、何一つ証拠がなかったが、確かにこんなものは見たことがなかった。
私は一縷の望みをその男に託した。
そういうことがあり、私たちは協力することになった。
「うるさいわ………ジュエルシードは必ず集めるから、口出ししないで」
私はこの男を信用したわけではない。
あくまで『協力』しているだけ。
待ってて、あと少しよ××××。
リンディSIDE
現在、私たちアースラメンバーは第97管理外世界『地球』に来ている。
「皆、今回の旅は順調?」
各スタッフからの返答を聞くが、航行的には何も異常はない。
「それと、前回の小規模の次元震未遂以来目立った動きはありませんが、二組の捜索者が再度戦闘行為を行う可能性はかなり高いですね」
「そう………」
私はカップに注いである紅茶で、のどを湿らせる。
「じゃあ、もしもの時はよろしくね、クロノ」
私が、今はアースラの切り札である息子に声をかける。
「分かってますよ艦長。僕は、そのためにいるんですから」
名前を呼ばれたクロノも、はっきりとした声でそう答えた。
悠斗SIDE
ケンカがあった日から、次の日の夕方。
つまり、俺がジュエルシードを破壊した次の日。
俺達は飽きることなく、次のジュエルシードを捜索している。
「ユウ君!」
「見つけたか、なのは!」
なのはといっしょに、ジュエルシードの近くにいくと、そこには木の化け物がいた。
木はあの町を覆い尽くした物を先に見たから、あんまり大きいとは思わないな。
おっと、部外者さんもいるか。
「なのは、ユーノ、ジュエルシードをよろしく」
俺はマンティスオルフェノクの方に、ファイズドライバーを腰に巻きつけながら近づく。
「いたな、櫻井悠斗」
「今は少しお取込み中だからさ。さっさと終わらせるけど構わないよな」
ファイズフォンを取り出す。
それを開いて“555”と入力して、最後にEnterを押した。
≪Standing by≫
携帯電話から電子音声が流れたのを確認した俺は、携帯を閉じて、携帯を持っている腕を上げた。
「変身!」
右手を振り下ろし、ファイズフォンをコネクターに突き刺す。
そのまま携帯を横に倒すと、再び電子音声が流れる。
≪Complete≫
するとベルトから上下にそれぞれ二本の赤いラインが素早く伸びて途中から枝分かれしていく。
光りが収まり、ファイズへの変身が完了する。
「おおおおおお」
マンティスオルフェノクが自分の鎌で切りつけようとしてくる。
「らぁ!」
カウンターに胸にパンチを叩き込む。
それをまともに受けたマンティスオルフェノクは、よろめいて、後ろに下がるが、俺は攻撃を止めずに追撃する。
顔に2回パンチをして、最後にキックで10メートルほど吹き飛ばす。
「なかなかやるな………」
「なかなかやる、ねぇ。どう見てもこっちが圧倒しているようにしか見えないけど」
「確かに、俺一人じゃお前には勝てないだろう、だが、これならどうだ?」
そういうやいなや、今まで陰になっていた建物の後ろから、10体のライオトルーパーがバイクに乗って現れた。
「おい、おい………マジか」
出てくるのは怪人だけじゃなかったのか?
あれだって、一応立派な仮面ライダーだぞ。
「やれ!!!」
マンティスオルフェノクの号令とともに、一斉にライオトルーパーが襲い掛かってくる。
そこで、形勢が逆転した。
全方位から一斉に襲われ、俺はなすすべなく攻撃を食らい続ける。
「この野郎………上等だ、少しだけ本気でやってやる」
攻撃が途切れた時を狙って行動を起こす。
素早くミッションメモリー取り外して、ファイズポインターに挿入する。
≪Ready≫
ポインターが伸びると同時に、電子音が鳴る。
それを右足の太腿に装着する。
さらにアクセルメモリーを、ファイズフォンのミッションメモリーがあった場所に入れる。
≪Complete≫
その音声と共に、胸部アーマーが展開して肩の位置に収まり、複眼の色が赤、フォトンブラットの色が銀に変わる。
俺は、ファイズの強化形態であるアクセルフォームに変化する。
ちんたらやるつもりはないので、ファイズアクセルのスタータースイッチを押す。
《START UP》
さあ、10秒間だけの超加速モードだ。
俺は10体のライオトルーパーとマンティスオルフェノク、合計11体に赤い円錐状のポインターをつける。
この間、約3秒。
全員にポインターをつけ終わった俺は、飛び上り、アクセルクリムゾンスマッシュを放つ。
一体、一体、また一体と敵はその数を減らす。
残り5体。
《THREE》
残り3体
《TWO》
残り1体。
《ONE》
俺は地面に降り立つ。
《TIME OUT》
ライオトルーパーとマンティスオルフェノクは次々に爆発していき完全に消滅する。
《REFORMATION》
「ふぅ………」
通常のファイズに戻り、息をつく。
初めてだったけど、うまくできたな。
さて、なのははどうなった。
なのはの方を見ると、いつの間にかフェイトも来ており、封印を済ませたらしいジュエルシードの前に立って無言でにらみ合っている。
ジュエルシードをかけて、闘うつもりかな。
出来れば、昨日みたいなことにはしないでほしいけど。
まあ、あの二人もそれは分かっているだろう。
これは4度目だよな。
今度こそ、なのはの思いは届くのか。
フェイトの鎌と、なのはの杖が、ぶつかり―――――
「ストップだ!」
――――合わなかった。
え? 誰だこいつ?
また新しい奴か?
素手でレイジングハートを、デバイスでバルディッシュを防ぎ、髪から足まで漆黒の服に身を包んだ少年が現れた。
「ここでの戦闘は危険すぎる。時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。詳しい事情を聞かせてもらおうか」
ここから、さらに物語の歯車が回りだす。
宝具紹介
ファイズギア
ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:なし
最大捕捉:1
仮面ライダーファイズに変身するための様々なツール。
悠斗にはオルフェノクの記号が埋め込まれている。
これは草加のように劣化することがない特別性で、アクセル、ブラスターへの変身にも耐えられる。