魔法少女リリカルなのは 異能の武器を使う者(更新停止) 作:文房具
???SIDE
心地よい風が吹いている。
その風に従いマントが波打ち、音を立てる。
眼下には光の海、それを見た私は心の中で母さんに語りかける
「ロストロギアはこの付近にあるんだね………」
私は近くにいる家族に向かって言葉を発する。
「形態は青い宝石。一般呼称はジュエルシード………」
私は、確認するようにゆっくりと言葉を重ねる。
「そうだね、すぐに手に入れるよ」
私は、まだ日の出てない町を見つめながら、静かに呟いた。
悠斗SIDE
「なのは、早くしろー遅刻すんぞ~」
俺は、いまだ自分の部屋にいるであろうなのはに呼びかける。
「もうちょっと待ってー」
今日はすずかの家に行く日。
恭也さんも、すずかの姉である忍さんという彼女に会いに、付き添いがてら付いてくるらしい。
「ごめんね、お待たせ。ユーノ君、行こ」
名前を呼ばれたユーノが、なのはの方に上る。
やっときたか。
それじゃあ、まあ、行きますかね。
「わぁ~♪」
後ろの席に座っているなのはが、嬉しそうな声をあげる。
何かと思って外を見ると、快晴の空と、光を受けて輝く海があった。
たまには息抜きも必要だし、今日はいい1日になってくれるといいな。
そう思いつつ俺は頬を緩めた。
ピンポーン
「恭也様、なのはお嬢様、悠斗様、いらっしゃいませ」
ドアを開けて出て来たのは、紫髪の美人メイドさんである、ノエルさん。
挨拶をすると、小首をかしげて可愛く挨拶を返してくれる
「やっぱり大きいよな、すずかの家は」
いったい何の仕事をしてるんだろう。
毎度おなじみの感想を抱きながら、ノエルさんについていく。
「なのはちゃん、ユウ君」
「すずか、アリサ………ファリンさんも久しぶり、忍さんもこんにちは」
猫がたくさんいる部屋に着くと、もうアリサは来ていてお茶をしていた。
部屋にいるもう一人のメイドさんは、すずか専属の美人メイドのファリンさん。
「こんにちは、二人とも、さぁ行きましょ恭也」
そう言って、恭也さんと忍さんは、手をつないで部屋から出て行った。
それにしても、世間にはこんな豪邸を持っている人もいるんだとつくずく思う。
流石アニメの世界がもとになってる、ってところかな。
ってか、お茶ってなんだお茶って。
4年生の子供が、お茶飲みながらお話とか、違和感ありすぎだよ。
「今日は来てくれてありがとう、なのはちゃん元気なかったから………元気づけたくて」
ほう、やっぱり友達ってやつは異変に気づくもんか。
でも、こうやって、元気づけようとしてくれるのは、気の効いたやつしか出来ないんだろうな。
「なんかあれば私たちに相談しなさいよ、私たちはその………親友………なんだから」
ホントにいい子だな、この子たちは。
ちなみにユーノは床で猫に追い回されていた。
俺がトイレから戻ると、なのはがいなかった。
「あれ? なのはは?」
すずかとアリサに尋ねる。
「ユーノがどこかに行っちゃって、探しに行ってるの………でもなかなか戻ってこなくて………」
「ユーノがどこかに行った?」
そんなわけがない。
ユーノは、見た目はただの小動物でも、中身は魔法世界から来た俺たちの頼れる味方だ。
そんなユーノが自分から外に出て行ったってことはおそらく………
「………ジュエルシードか」
俺は心の中で舌打ちする。
こういう時に、念話がないと不便だな。
「え? 何か言った?」
俺の一人ごとが聞こえたのか、アリサは首をかしげている。
「あー、いや、なんでもない。じゃあ、俺も一応探してくる」
「あ!! ちょっと!!」
俺はアリサの声に取り合わず走り出した。
なのはSIDE
前にジュエルシードが発動した時と同じ感覚がしたので、私とユーノ君は今庭に出ています。
すると、ユーノ君が突然立ち止まりました。
「人目にふれるとまずいから、結界を作ろう」
「結界? 何それ?」
「僕となのはが最初に出会ったときと同じだよ。認識をずらして認知されづらくする魔法なんだ」
ユーノくんを中心として、緑色の魔法陣が現れ、強く光ります。
その光が広がると周りが少し静かになった気がします。
その一瞬後に、ユーノ君の魔法陣の光よりも強い光が現れて………って、え?
「にゃあお~」
とっても大きな猫が現れました。
「え~っと、ユーノ君、これは………」
「た、多分、あの猫の『大きくなりたい』っていう願いが、正しくかなえられたんだと思うよ………」
「そ、そうなんだ………でも、早く封印しなきゃね、こんなに大きいんじゃすずかちゃんも困っちゃうだろうし。レイジングハート、お願いっ!!」
〔Stand by Ready〕
私はバリアジャケットを着て、大きくなった猫さんに駆け寄ろうとします。
その時でした。
アリサちゃんと同じ金色の髪をした、私と同じくらいの年の女の子が、金色の魔力弾で猫さんを襲ってきました。
これが私と、のちに親友になる人との出会いだとは、私はこの時、想像もしてませんでした。
悠斗SIDE
なのはを追って外に出た俺。
なんか前にもこういうのあった気がするな。
さて、どこに行ったのか………
と、そこで、遠目に大きな猫を発見した。
あそこっぽいな。
走り出そうとした時、俺はいつの間にか囲まれていたことに気付いた―――――
「おっとっと、マジか。今度は君たちかい」
―――――約20体ほどのマスカレイドドーパントに。
このくらいなら倒しことはたやすい。
問題は………
「こいつら、もしかして時間稼ぎか、何かか?」
まあ、どっちでも構わない。
時間稼ぎにもならないほどの速さで倒せばいいだけなのだから。
「よし、
何かがくるくる回って俺のところに、………あ、あれは、ウイングフォーム状態のデンオウベルト?
ベルトは、そのままおれの腰に巻きつく。
と、頭の中に声が響く。
(悠斗よ、今日は我にやらせよ)
ジークか、珍しいな、自分からやるなんて言うのは。
「分かった。じゃあ、行くぞジーク、変身」
《WING FORM》
電子音とともに金色のライダースーツが出来上がり、ソードフォームのオーラアーマーに酷似した、白い色の装甲が装着される。
そして白鳥のような電仮面が変形し、装着され、最後に鳥の鳴き声のような音が鳴り、変身が完了する。
「降臨。満を持して」
俺はこのあと、この事件、最強の敵となる奴に会うとは、まだ知らなかった。