一話目ですが、なんと、今回は主人公が出てきません!!残念!!(タイトル回収)
月曜日の朝。というよりも、まだ日も昇らないような明け方。霞たなびく中、フードを深く被った青年は街に繰り出す。
学校はまだ始まらない。しかし青年は奔走する。人気の無い狭い通り、路地裏、その答えは…
「やあ、こんばんは。こんな時間に散歩かい?悪いんだけど、この辺りに顔にたくさん傷のある…」
こんな明け方に人探しだろうか。人のことは言えないが、明らかに怪しい。しかし、そんなことは青年には関係ない。奔走も男性の命も、ここで終わるのだから。
-答えは路地裏にあったのだ。
「黙れ」
そんな好意的な態度で接してきた30代前半と見受けられる男性の下半身を青年の持つ“何か”が吹き飛ばす。その衝撃に深く被っていたフードは吹き飛び、青年の顔が露わになる。
「その傷…なるほど、君か。最近この街で我らを虐殺しているという男は…なんと愚かな…それでも君は…人間か…?ク…ククフ…フフ」
「・・・」
返り血など気にも留めず、あたかも死にゆく者に開く口は無い、とでもいうかのような鋭い眼光と、それを凌ぐ鋭さの何かが瀕死の、しかし饒舌の男性に再度迫り、残った上半身をグシャリと潰す。断末魔さえ上げさせない程の見事な太刀筋であった。
剣。それは通常、肉を刺し貫き、斬り裂き、対象を殺すための道具。しかしこの剣はそれに当てはまらず、打ち込んだ対象を金鎚で空きビンでも砕くように肉を易々と粉々にした。
こうして無惨にも、男性だったものは肉塊になった。辺りに血を撒き散らして。
「またこんなに派手にやっちゃって…まったく…」
「放っとけ、残ったゴミの掃除は俺達の仕事じゃない。」
自分の放った独り言に自分で返すという、傍から見れば奇妙な光景だったが、ここは路地裏。時刻もまだ明け方と、人通りは無い。
そんな不審な殺人犯に近づこうとする者はこの場にはいなかった。一瞬、人影がビルの間を通ったような気もするが、気のせいということにしておこう。
「しかしこの距離…少し急ぎますよ。」
「はいはい…」
またも独り言に気怠げに返事をすると、青年、大神 猛竜(おおかみ たける)はおもむろに手に持ったその剣を、空間にぽっかりと口を開けた謎の穴に放り込んだ。
実際、この路地裏から学校までならばそう時間もかからない。しかし学校だ。返り血に濡れた格好で行くわけにはいかない。普通ならば返り血など付かないわけだが…
第一、猛竜の通う高校へは指定された制服を着て行かなくてはならなかった。例え返り血を浴びていなかったとしても、今のパーカーにジーパン、運動靴という非常にラフな服装では行けない。
「はあ…」
「どうしたんですか?急に溜息なんてついて。」
一度施設〈いえ〉に帰り、きちんと支度をしてから学校に行かなくてはならない。それが面倒で溜息をついたのだと勘繰り、わざとらしく自分に聞き返す。
「いや、よくもまあ、毎日毎日、学校行く気になるよな、と思ってよ。」
「…あぁ、そんなことですか。」
猛竜は、自分の素性をあまり話したがらない。当然、「俺、人殺して回ってます」などとは口が裂けても言えない。
その性格から学校では気味悪がられ、嫌われ、いじめられているのだ。最初のうちは抵抗し、殴り飛ばしてもいた。
しかし、猛竜は普通に比べあまりにも強かった。このことに気付いてからは、他の生徒の脆さに驚き、自分の異常な力に恐怖し、これ以上傷付けまいと次第にされるがままになっていった。
しかし、そんな猛竜にも友達がいた。今は違う学校に通っているのだが…
「よぉ!!久しぶり…って、すげー返り血だな!!まーた派手に喧嘩したのか?お前も変わらねぇよな~」
「おう…そういや久しぶりだな…」
厳つい改造を施したバイクを押して歩く友達、照宮 進司(てるみや しんじ)であった。どんなに親しい友達でも、会いたくない時も当然ある。今がまさにその時であった…
はい、ということでこのように駄文をダラダラと不定期に綴って行きたいと思います。
もし読んで頂けたら、あわよくば気に入って頂けたら幸いです。
ではでは、次回予告を。
バイクを押す友達、進司に会った猛竜。猛竜は異常な強さを持ち、進司は不良であった。なかなかに気の合う友達だ。
しかし、そんな二人の道を引き裂く悲劇が!!
次回、猛竜の頭(普通)と進司の頭(かなり悪い)
です。次回も多分主人公は出てきません。しばしお待ちを…
それでは、お楽しみに!!