今、俺は施設〈いえ〉を目指して歩いている。隣で不満そうにバイクを押しながら歩いているのは、友達の進司だ。どうやらバイクの調子が悪く、修理に出しに行くようだった。
「しっかし、あれだよな~。会うのも久しぶりだけどよ、こんな時間に会うのも久しぶりだよな~」
「…そうだな。そういえばお前、学校生活とかは上手くいってるのか?」
「ははっ、上手くいってたらこんな時間にバイク押してないっしょ」
本人は笑っているが、友達としてそれは少し気になる。いや、昔のまま変わっていないのだとすれば、それはごく自然なことではあるのだが。
「その様子だと、まだ不良みたいなことやってるみたいだな」
「当ッたり前よ!!これが俺の生きる道なんだからよ!!」
そう言って進司はボンッと俺の肩に手を置いてくる。その目線はお前のほうはどうよ?とでも言っているようだった。
「まぁ…俺のほうは結構順調だな。留年とかすることも無いだろうし。」
嘘は言っていない。言いたくないことは言わなかっただけだ。
「おっ、そっちの学校じゃ、すっかり優等生だな!!」
優等生とは誰も言っていないのだが…そんなところも昔から変わっていないようだ。見た目もその金髪に側頭部に入れた炎のような意匠の剃り込み、伸ばしっぱなしの襟足に細く剃った眉までも当時のままだった。こんな成りで校則は大丈夫なのかと思うかもしれないが、進司の通う高校はこの街の名門不良高校。毎日喧嘩は当たり前で、授業などとは到底呼べない授業が始まれば、喫煙に飲酒などの非行が行われているのだという。
呆れた教師たちは注意すらしないのだとか。
「つーか、お前その量…今回何人くらいやったんだ?」
…まずい。まさかこの流れで返り血の話に戻るとは思わなかった。
「あー、まあ…軽く2、30人くらい…かな」
「はっ、楽しそうで良いよなぁ…俺がクソ重いバイク押しながら歩いてるってのによ」
バカだった。いや、まだバカでよかった。そう、進司は生粋のバカだ。その頭のおかげで仲のよかった俺たちの進路は分かれてしまったのだが。
俺が進司に合わせればよかっただけの話なのだが、どうしても妥協はできなかった。
そうこうしているうちに、進司の目的の場所についたようだ。
「じゃな、また会ったら近場のチームでも潰そうぜ!!」
俺はそういうことは卒業した身…なのだが、返り血といい、さっきの話といい、言い訳はできなかった。
「お前なぁ…また会ったら、な」
「おう、それでこそ俺のダチだ」
そう言うと、お互いに手を振って店の前で別れた。というよりあの店はこんな時間から営業しているのだろうか?いや、していないだろう。シャッター降りてたし。後ろで大声でなんか言ってるし。
「まあ、いいか…今さら戻るのも面倒だしな。」
「ですね。私たちのやるべきことをしましょう。」
「ふわあぁ…ん、またこんな時間にぃ?もう怒られるのやだよぉ…」
「随分と理解が早いじゃねぇか。任せたぜ。」
「…説教なら私が受けますよ…はぁ…」
進司の頭が悪いといったが、先のことを考えられない俺も、そこまで利口ではないようだ。
文を綴るのは未だに慣れないですね…(苦笑)
次回はまた新しいキャラクターが登場します※主人公ではありません。
それでは次回予告。
猛竜の通う高校、大火(たいか)高校では、陰湿ないじめが繰り広げられていた。
いじめに苦しむ猛竜…と思いきや、なかなかに辛抱強い猛竜の心は折れない。
この裏には一人の先輩女生徒の協力もあるのかもしれない。
次回、いじめと先輩の思い
お楽しみに。