「暁月のメモリア」篇を読み終わると、その後の物語が気になって仕方がないですよね!
アニメ版本編を観ても、暁月についてはほぼ触れられていませんでした…
というわけで、暁月→本編を経たあとのその後の話について、描きたいと思います。
アニメが終わってからそれなりの年月が経って、知名度も低くなっているので、ここでこの「輪廻のラグランジェ」を知ってもらえたらなぁと思います!
※本編後の話なので、ネタバレ注意。本編視聴中などの方は気を付けてください。
「ジャージ部は地球だけでなく、ポリヘドロン恒星系内の惑星にだってお手伝いに駆けつけます!ご相談・お申し込みは地球のノウムンドゥスまで~!!」
ラジオから漏れてくる声は、明るく、部屋中を反響したが部屋自体は決して明るくはならない。
カビ臭く日の明かりが一筋も入らないこの地下牢は、一層気を滅入らせる。
しかし、この地下牢に閉じ込められている女はその空間としては異常なほど、気分を昂っていた。
(おっと、やばいやばい…こんなにやけ顔、誰かに見られでもしたら…)
「ふ…フヒヒ…」
この、どこにもぶつけようのない高揚感が久しぶりだ。我慢できずに声が出てしまうのも無理はない。しかし、そのせいで、自分に近づいてきている足音に気づかなかった。
「おいおい、ずいぶん楽しそうだな。ラジオで落語でも聞いてたのか?」
「ええ、ただ落語よりもっと面白いものがね…」
ロン毛で左目に傷のある男、『ババリア・リッチ』の質問に、女はなるべき悟られないように答えた。
薄暗い地下牢にラジオというミスマッチな状況を作ったのが、このババリア・リッチ
である。収監されている人に、せめてもの娯楽ということでラジオを設置していた。
「あんたも見た目によらず、優しいのね。拷問でもなんでもかければいいじゃない。まぁ、吐く気はさらさらないけど…」
「俺はそういう血生臭いのは嫌いでね。」
「もしかして、放置プレイ?そういう趣味なの?あんた、そうとうなドSね。」
「…」
そんな挑発には乗らないと、リッチはただ黙って女の遠吠えを聴いていた。
「はぁ…おーい、モモスン。いるか~?」
「はいですチ!」
声と共に、金髪ツインテールの少女、『モモスン』が遠くから走ってする足音が聞こえる。
「どうしたですチ?」
「あぁ、俺は今からサヌ達に会ってくる。こいつの見張りを頼む。」
「…この女、嫌いですチ」
「俺もだ。まぁ、とりあえず、頼むぞ。」
「はいですチ!」
そんな会話を終わらすと、リッチは駆け足でさっそうと去っていった。
その後、しばらくの沈黙が流れた。女は牢獄の隅から動かず、モモスンは暇に耐え切れず同じ場所を行ったり来たりしている。女には、そのモモスンの動きが鬱陶しくてしかたがなかった。
(…良いこと思いついた!)
「…ねぇ。ちょっと。」
「ん?」
女は鉄格子の近くに移動し座り込むが、モモスンは恐る恐る近づいてきた。この女がどれくらい怖い人間かは誰でも分かる。それくらいの目力でモモスンを睨んでいた。
「早く!」
「ひっ…な、なに?」
モモスンはせがまれたことに驚き、急いで近寄った。そのせいで、女の手の届く距離まで近づいていたことに気付いた頃にはもう遅かった。
(かかった!!)
女は素早く手を伸ばし、モモスンの首元を掴んだ。
「だ、誰か…たす、け…うぐっ!!」
「もう遅い!!」
女は一気にトドメを刺すと、モモスンのポケットから牢の鍵を取り出した。女にとって先ほどの沈黙は意味のあるものだった。モモスンが歩く度に、足音とは別に鉄同士のぶつかる音が聞こえた。その音を鍵の音と信じて、一か八かに賭け、攻撃をしかけたのだ。
ガチャっという音と共に牢が開く。
「ビンゴ!」
そう言うと、女は牢から脱出しさっそうと逃げて行った。モモスンが死んだのか、もしくはただ気を失っているだけなのか。この際どうでも良かった。
それから数十分後、モモスンの目が覚めた。幸い、気を失っただけだった。
「や、やばいですチ!とりあえず、報告を…」
モモスンはとっさにポケットから通信機器を取り出しリッチに電話をかける。
「あ、もしもし!まずいですチ!実は…」
「あぁ、コレットが逃げたんだろ?」
「な、なんでそれを?」
「今、俺に銃向けて脅してきてる。」
コレットという最悪な相手を逃がしたことで、これから最悪な日常が待っていた。
コレット姉さんが牢から逃げ出したことから物語がスタートです。これからの展開をお楽しみに!!
キャラ設定上で変な部分があった場合、ご指摘ください。なるべく早いうちに直します。
自分はあまりラノベは読まないので、文章のうえで至らない部分が多々あると思いますが、何か気づき次第、ご指摘のほどよろしくお願いします。