ホテルでのトレーニングを終え、休んでいると電話が鳴った
「なんだ?」
「はじめまして、あなたを転生させた神とは別の神です」
電話の相手は若い女性の声だった
イメージ的には仕事のできるOLって感じか?
「今回、私の転生者と組んでもらいたく連絡させていただきました。なお、あなたの神からは了承していただいています」
…あのクソじじぃ…
「それに、一人では難しい仕事を回されることもあるかと思うので、お互いデメリットだけではないと思いますが」
「一つだけ聞かせろ。そいつは前衛タイプか、後衛か?」
後衛のタッグなんて最悪だぞ
「前衛タイプです。後衛タイプのあなたとは相性がよろしいかと」
前衛か、ならいざという時は大丈夫だろう
「分かった、了承するよ」
「了承いただき、ありがとうございます。では、少ししたら、そちらの方へ向かわせますので」
そう言って電話は切れた
面倒な奴が来なければいいが
電話の後、ストレッチをしているとチャイムが鳴った
「鍵は開いてるよ、どうぞ」
扉を開けて入ってきたのは、両儀式みたいな奴だった
みたいというのは、本人ではないだろうことと、違う点がいくつかあったからだ
まず、目につくのは眼鏡をかけている点だ。次に気怠そうな…ジト目だろうか、銀魂の坂田銀時みたいなやる気のないというか、死んだ魚みたいな目をしている
最後に着物が喪服のような真っ黒い和服であった
「あんたが、僕と組むことになった転生者かい?」
「あぁ…よろしく…」
声もなんか心なしか気怠そうだ
「元気がないようだが、どうしたんだ?」
「いや、これは元からだから気にすんな」
そう言われれば、これ以上は何も言えないな
「冷蔵庫に何入ってんの?」
そう言って勝手に冷蔵庫を開けている
「酒とか入ってないのか」
「酒は嫌いなんだ。欲しければ自分で買ってきてくれ」
「こっちの箱は…おっ、翠屋ってあの翠屋か!」
「勝手に食うなよ。俺が買って来たんだからな」
ホテルに戻る前に機会をみて買ってきたのだ
「いいじゃねぇかよ、一個くらい…」
「だめだ、自分で買え。それより、お前のことはなんて呼べばいい?」
いつまでもお前じゃよくないだろう
「あぁ、楓って呼んでくれ。で、あんたは」
「僕は…アサシンでいい」
「それ偽名じゃん」
「僕は過去を捨てたんだ。それくらいでいい。それに、親しい間柄になるわけじゃないだろう?」
「それもそうだな」
「で、勝手に翠屋の箱に手を伸ばすな」
「ちっ」
油断も隙もあったもんじゃない
コイツと上手くやっていけるのだろうか