遠坂陣営は昨日決めた策の通り屋敷に侵入してきたアサシンの分体をアーチャーが迎え撃った。これにより残った陣営が動きだした。
キャスターは自分の陣地内に入ってくるアサシンの分体からあれは遠坂陣営の茶番であると見抜いて陣地を拡大するのと侵入してくるアサシンの分体を吸収するという今までと変わりない態度をつづけた。
それから数日後、港の方に何かを誘っているかのようにわざわざ気配を垂れ流しているものがいることを夕飯の材料を買って帰路につこうとしていたキャスターは感知した。
「私は、私たちはキャスター。キャスターとは自分の陣地に引きこもるもの。それに戦闘は正直苦手ですしここは観戦するだけにしましょう」
キャスターはそこらにいた雀に手をかざしなにごとかを唱えた。すると雀はぴくりと一回痙攣した後どこかに飛びたっていった。その様子を見ながらキャスターは少年に夕食をつくるために帰路についた。
「さて、これからどうなっていくでしょう? 私は、私たちはどうすればいいのでしょう?」
その夜、港のコンテナ置き場ではサーヴァント同士がぶつかり合っていた。片方は長さと色の違う槍を両手に持つ長身の美男子でもう片方は見えない得物を持つ小柄の少女。どちらも一歩も譲らないたたかい。その拮抗していたたたかいは得物からランサーでよばれたであろう男性がおそらくマスターによって封じられていた宝具である槍の真価を発揮したことで崩れようとしていた。
ランサーの持つ長柄の槍は魔力を無効化する効果があり、得物を見えなくしていた風を操る術を無効化して少女の得物の長さを見抜き、少女の魔力で出来ていた鎧を無効化して少女に手傷をおわせた。ちなみに少女の持っていた得物は剣だった。サーヴァントのクラスに当てはめると少女がセイバーなのだろう。
セイバーは2度にわたって目の前で起きた出来事によって効果を悟り魔力で出来た鎧を解除してその分を推進力を得るために使いランサーに突貫していった。その様子を見たランサーは足元にあらかじめ置いておいた短槍を足で蹴りあげて手に持ち突貫してきたセイバーの攻撃を避けて手の健を切った。
セイバーのマスターだと思われる後ろにいた白髪で紅い眼を持つ美女が何かをして驚いている。おそらく治癒魔術をかけたがセイバーの傷が治らないことに驚いているのだろう。セイバーも美女から説明を受けて驚いている様子。おそらくあの槍には怪我を治せなくする効果でもあったのだろう。
これで決まりかなと観戦していたキャスターは冷静に判断していた。手の健を切られたことによってセイバーは片手でたたかわなければならない。先ほどまで両手でたたかって拮抗していたのだ。片手ではどうしても不利だろう。ここから挽回するには傷をつけた槍を破壊するかランサーのマスターを殺すしかない。ただ、ランサーのマスターは用心深いのかどこかに隠れている。隠蔽魔術も使っているだろうし見つかってもいいように防御魔術を使っているはずだ。
そんな風に考えていたキャスターの目に新たなサーヴァントの姿が映し出された。2頭の牛に牽かれた戦車に乗った偉丈夫。おそらくライダーだろう。いったい何をしに来たのだろうか。何か話しているようだが今の距離からだと全く聞こえない。ただ、たたかっていた2人が怒っているようだし失礼なことでも言ったのだろう。
ちょっと残念そうな顔になったライダーはおそらく周囲に向けて何かを投げかけた。挑発だろうか、とキャスターは思いそれならアーチャーが出てくるだろうなと予測した。一度見ただけだがアーチャーはプライドが高そうに見えた。挑発されれば必ず出てくるだろう。
案の定、アーチャーが電柱の上に現れた。それを見てキャスターは使い魔とのつながりを切った。理由は単純。嫌な予感がしたからだ。キャスターはこの勘を当てにしていた。これによってキャスターはあの時代を生き抜いたのだから。
あの後どうなっただろう。キャシターはそれを気にしながら就寝についた。ちなみにキャスターが使い魔にした雀はアーチャーが射出した槍に貫かれた。その槍は繋がりがあるものにもダメージを与えるものであったため繋がりを切ったキャスターの判断は間違っていなかった。