では、今回は視点がコロコロ変わりますので、御注意を。
「試験、しゅーーーーりょーーーう」
プレゼントマイクによる終了の合図がなる。ここまでの様子をモニター越しに見ていた教師たちは各受験生の審査をしていた。
この試験にはロボットを破壊することで得られるヴィランポイントの他に、他を助けようとする者に審査制で得点をつける救助ポイントが与えられる。現在はこの審査が終わり、集計と感想を言い合っているところだった。
「それにしても、今年は面白い人達が多いね」
「今までにも0ポイントを倒す者はいましたが、今年は4体同時に壊されましたか」
演習場Aでは緑谷出久が、演習場Bでは冬野優姫が、演習場Cでは甘野操司が、演習場Dでは烏丸珱九郎が、それぞれ0ポイントヴィランを倒していた。講師たちは彼らの話で持ちきりだった。
「演習場Aの彼は0ポイントヴィランを破壊した後助けられなければ死んでいた」
「そういえば、彼のことを助けたあの人もいい動きでしたね」
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演習場Aで出久が0ポイントヴィランを破壊した後。飯田は彼のことを見ていた。
(あれはちゃんと着地できるのか?いや、腕と両足が腫れ上がっているぞ。あのままだと彼は死んでしまう!)
そう感じた飯田は走り出した。
ビルに向かって。
「うぉぉぉ!ロータリーエンジン・ダブルブースト‼︎」
飯田のふくらはぎにある排気口が若干太くなる。先ほどより若干濃いめの灰色の煙を上げながら飯田はビルの壁を垂直に登る。
(いけるか。いや、行くんだ!)
飯田は足に力を込め、そのまま出久に向かって跳ぶ。
「君!手を伸ばせ‼︎」
飯田の必死な顔を見たせいだろうか、出久が無事な方の手を飯田に向けて伸ばす。
飯田はなんとか出久をキャッチし、そのまま向こう側のビルにうつる。
「よく捕まっていてくれ!」
「うん!」
飯田はもう一度ロータリーブーストを使いビルの壁を登りきり、屋上へとたどり着く。
『ロータリーエンジン・ダブルブースト』は、飯田が師匠の育田との特訓で編み出した技の1つである。飯田のふくらはぎのエンジンは元々レシプロエンジンと呼ばれる従来と変わらないエンジンだ。ピストンの直進運動を回転運動に変換することでエンジンの機能を果たしている。これをピストンによる直進運動なしに直接回転運動へと変換させるのがロータリーエンジンと呼ばれている。高出力ではあるが、熱効率が悪く、燃料を多量に消費してしまうのが難点だ。
(間に合ったか)
ちょうどその時、プレゼントマイクによる終了の合図がなった。
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「壁を垂直に登りきる男なんてなかなかいないさ。イカしてるぜ!」
「私は演習場Bの女の子が好みだわ。しっかりと他のフォローも忘れない、いい子だと思う」
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演習場Bでも0ポイントヴィランの登場によりパニックになっていた。
(あれは0ポイントヴィランか。みんなヒーロー志望のくせに敵から逃げるなんて、師匠に知られたら殺されるよ)
そう思いつつ優姫は巨大ロボに向かって走り出す。
「あ、おいてめぇ!逃げるのか!」
目のつり上がった男は非難するが優姫は無視して走り続ける。
(さてと。破壊すると周りの建物に被害が出るし、動きを止めるだけでいいよね)
優姫は自身の出していた使い魔たちを一旦消し、今度は約2m程度の使い魔を2人出した。
「2人とも、私を上に飛ばして!あのロボのお腹くらいまででいいから」
使い魔たちは頷き、優姫の5m先で待ち構える。優姫が走ってそこに飛び込むと使い魔2人はそれを思いっきり斜め上に投げ飛ばした。
ロボが優姫に気づく。はたき落とそうと手を振り上げると
「遅いよ」
優姫は思いっきり息を吹きかけた。ロボは腹から凍りついて動かなくなる。
「固めとくか」
そう言い優姫は手を2回叩く。すると、ロボの周りに雪が降り始める。
「かたまれー」
ロボが立っていたところは一瞬にして雪山へと変化してしまった。
優姫は使い魔2人にキャッチされて無事に着地する。
その場にいた者たちは驚愕のあまり動きを止めてしまう。
「なっ…………」
先程まで息巻いてた目のつり上がった男でさえも優姫の強さに口を閉じることができない。
と、そこで彼の元に優姫が近づいてきた。
「そういえばさっき逃げるのか?とか言ってたよね」
ニヤリと笑いつつ続ける。
「違うよ。君に格の差を見せつけるために走っただけだ」
目のつり上がった男が何か言い返そうとしたその時、
試験終了の合図がなった。
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「そうか?あの子ずっとあの爆豪って奴を挑発してたぞ。なかなかクレイジーだと俺は思うがな」
「それにしても演習場Cのあれはなんだったのでしょうね」
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演習場Cは実はあまりパニックにならなかった。というのも、0ポイントヴィランは出てきたと思ったら"すぐに消えてしまった"からだ。
それをしたのは甘野操司だった。
(さて、出てきたな、0ポイントヴィラン。僕まだヴィランポイント75しか集めてないからちょっと消えててもらうよ)
操司は巨大ロボの足元に立つとそれに触れた。そして、過干渉を起こし、ロボの存在自体をなかったことにした。操司にとっては特筆すべき事ではないのだが、他からすれば驚愕以外のなにものでもないだろう。
他の受験生が固まっているうちに操司がポイントを稼いでいると、
試験終了の合図がなった。
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「彼の個性は一体なんなのだろう。色んなものを操るかと思えばロボットを丸ごと消しちゃうし。かと思えば他の受験生の傷は治すわ3ポイントヴィランのかおを直接もぐわ……稀に見る超人だな」
「私は演習場Dの彼がすきだな。中々派手で大胆な事をしてくれた」
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演習場Dで巨大ロボを見た珱九郎は心の中でニヤリと笑っていた。
(0ポイントヴィランがこの程度でよかった。これなら余裕だ)
珱九郎は神足通でビルの屋上まで移動した後、すぐにロボに向かって飛び上がる。
珱九郎は特訓の結果短時間であれば空を飛べるようになっていた。その速度は最高時速228km。常人の域をはるかに超えた速度だ。
ロボによる攻撃を難なく避けた珱九郎はそのままロボの頭部を持ち上げ、
そのまま頭部をもいだ。
他の受験生からは
『はあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』
という声が響いたが、珱九郎はそれを無視しロボの頭部を振り上げ、
「ほら、お前の頭だ。返すぞ」
そのままロボに向かって叩きつけた。
派手に破壊されるロボの破片を避けつつ珱九郎が着地すると、
終了の合図がなった。
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「しかし彼の場合は周りへの被害がある。そこを考慮しなければいけないな」
「みんな、お疲れ様」
人、と言っていいのだろうか。鼠なのか、それとも犬なのか熊なのか。少なくとも成人男性の半分も身長がないそれは、スーツを着て現れる。彼こそが雄英高校校長の根津であった。
「今回の受験生はどうだったかな?」
「今回は有望な者が多いみたいですね」
返答した男にビシィっと指をさし、根津が嬉しそうに続ける。
「そうなんだ。今年は有望な者が多い。それこそ落としてしまうのはもったいないほどに、ね。
そこで提案だ、みんな。今年は20人を超えた人数を雄英の生徒として受け入れるのはどうだい?」
根津の提案に意見は様々だった。
「校長、待ってください。確かに有望な者がいる事は確かだが、そういった奴らは大体上位に食い込んでいる。別に枠を増やす必要はないでしょう」
「いやぁ、イレイザーヘッド!俺はギリギリ合格圏内の奴にも良いソウルを感じる者がいたぜ!」
「五月蝿いひざし」
「おねがい!一回だけで良いからプレゼントマイクって呼んで!」
ああでもない、こうでもないと議論は続く。
「よし、なら多数決を取ろうか」
多数決をとった結果は、
「うん、決まりだね。今年のヒーロー科は23人クラスにしよう」
そう言いつつも、根津の眼には画面越しの操司達が写っていた。
(私立聡明中学校か。彼らの個性はきちんと制御できるようにしてあげないと、とても危険だね)
結果の集計は続いていた。
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操司達は試験終了後4人で集まっていた。
「おつかれー、何ポイントだった?」
「僕は81ポイントだよ、足し算間違えてなければ」
「なに!そんなにとっていたのか。俺は58ポイントだ。悔しいな」
「ふっふっふー。私はなんと85ポイントでーす!さぁ、崇め奉れ〜」
優姫の自慢げな声を無視し、操司は珱九郎に声をかける。
「珱ちゃんは?」
「……51+α。最初5分は数えてなかった」
「え、私のこと無視?」
「そっか、んじゃ、ビリは珱ちゃんだ!」
操司は優姫の言葉をまた無視し次につなげる。
「いや、確実に俺はプラス10はいってるぞ!」
「いやー、数えてなければノーカウントだよね〜」
「そうだったのか、烏丸君。よし、俺の負けだ!悔しいが肉まんは俺が奢ろう」
「いや、私のこと無視⁉︎」
結局珱九郎と飯田で2人に奢ったが、またそれは別の話。
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甘野操司は夜も早い。遅くとも8時には夕飯を食べ終わす。1日の疲れを落とすため、風呂は約30分程度かけてゆっくり浸かる。風呂から上がると必ずパックで売っているカフェオーレに手を伸ばし、コップ一杯分を飲み干す。その後テレビを見る、といったことはなくすぐに勉学に移る。睡眠時間を6時間は確保するべく、夜10時には寝床につく。
こうして彼の1日は過ぎていくのであった。
てな訳で第2話でした。みんな立派に(チートに)育っちゃって、大変嬉しいですね!
原作キャラがこれからどんどん出てきますが、変なところあればお手柔らかにおねがいします。筆者も努力しますが、是非とも脳内補正を使用していただけると嬉しいです。
また、如何にかしてオリキャラ全員1-Aに入れたいと思ったらこうなりました。そこら辺はご容赦下さい。
と言うことで、次回もお楽しみに〜
感想、評価の方も、是非宜しくお願いします。