オリキャラ集前半はできましたので少しずつ出していきたいと思います。ゆっくり楽しく書いてますので楽しく読んでください。
では、START!
それから甘野は取り敢えず勉学に励むことにした。
(ここは『並行世界』だ。僕の知らない知識が常識になっているかもしれない。勉学はやっても無駄にはならないしね)
小学校入学後の6年間、甘野は年齢にふさわしくないような内容までこなしていた。小学6年時には高校2年までの学習内容は全て終わらせる程であった。
母の愛衣が操司の勉強している所を覗き見て動揺し、実は頭脳系の個性なのではないかと疑われることになったために病院に連れて行かれたのはまだ記憶に新しいことである。
操司は中学に入学した。場所は、私立聡明中学校。操司の家の周りで頭の良い学校と言ったらここだけであったためだ。因みに操司の手応えは全教科完答であったが実際の入試成績は学年2位。
(うーん、少し気を抜きすぎたかな。それともあの図形の問題で三角比を使ったのが減点されたか?)
操司には小、中学生とはどんなものなのかを教えたい所である。
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入学初日の朝。操司は全力疾走していた。
(やばい!集合時間まであと10分‼︎
昨日調子に乗らずに寝ればよかった!)
ただの寝坊である。
操司はなんとか5分前には中学校に着き、指定の教室に入った。すると、教室内は思っていたよりも賑やかであった。
(ふーん、エリート校だから皆眼鏡かけた真面目くんかと思えば、意外と普通の中学生だな)
操司が自分の席に座ろうとすると、
「あ、あの!」
誰かが後ろから声をかけてきた。操司が振り向くと其処には一組の男女がこちらを見ていた。女子は恐らく身長150前後で肩にかからないくらいの髪型。色は若干茶色みがかってるが、恐らく黒だろう。明るく活発な雰囲気が全面に出ている。男子の方は推定170cmで三白眼が特徴だ。こちらは女子とは対照的にクールな、落ち着いた雰囲気が感じ取れる。
「ん?なんですか?」
「君ってさ、甘野操司君ですよね」
「はい、そうですけど…
あ、知り合いでしたか?すいません、覚えてなくて…人の顔と名前覚えるの苦手なんですよね」
「あ、いやいや、そうじゃなくて」
なら何の用なのだろう、と操司が不思議に思っていると、
「あなたの席って、其処の1つ前じゃないですか?」
「えっ………………」
操司は固まる。
その後女子に対して土下座しそうなほどの勢いで謝ったことはまた別の話である。
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「ははは、もう大丈夫だって!別に其処まで気にしてないし」
操司の土下座ムードに少し嫌気がさしてきたのだろう。女子は話を区切ろうとする
「もう、その話は終わり!
んじゃ、お互いに自己紹介でもしよっか」
「…うん、わかった。
僕は甘野操司。よろしくね」
「私は冬野優姫(ふゆのゆうき)。んで、こっちが」
「烏丸珱九郎(からすまるえいくろう)だ。よろしくな、操司」
「よろしくね、冬野さんにカラスくん」
「烏丸だ」
「えー、いいじゃんカラスくん。カッコ良くない?」
烏丸は少し不機嫌そうな素振りを見せる。操司が呼び方を変えようとした時、
「クロくん何照れてんの、もう」
「いや、照れてない」
(不機嫌ではなく照れだったのか。これは表情読み取るのに少し掛かるな。
てか、これはいじれるか?)
「そんなー、照れなくていいよカラスくん!」
「だから照れてないって!てか烏丸だ!」
「わかったよ、カラスくん、じゃなくてクロちゃん」
「呼び方悪化してるぞ!てか優姫!お前は笑いすぎだ!」
「だって、クロちゃんって。
どこのサーカス団だよって考えるとさ…ぶっはぁ」
操司は烏丸が某サーカス団に属している所を考えて、優姫とともに笑ってしまう。
これが操司と2人の出会いであった。
その後先生が来てクラスは静かになり、入学式は滞りなく進んだ。操司はその際一年代表挨拶で優姫が出ていたことにより、入試1位が優姫だと知り驚いたのであった。
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下校時、3人はたまたま帰る方向が一緒だったため、一緒に帰ることにした。
話の最中、優姫がこう切り出す。
「ねぇねぇ、2人はさ、将来は何になるの?」
「俺はヒーローになる。雄英高校に入ってオールマイトみたいな立派なヒーローにな」
「ふーんそうなんだ。カラサワくんもヒーローになりたいのか」
「烏丸だっ!もうカラしか合ってないぞ!
ていうか操司もヒーローを目指してるのか?」
操司はヒーローを目指してはいなかった。それよりもならなければいけないと思っていた職業がある。
「ううん、違うよー
優姫さんは何になりたいの?」
操司は優姫に振ることで自身の夢を語ることを逃れようとした。
「私もヒーローになりたいんだ。でもあれだな、オールマイトみたいな熱血漢よりも、ベストジーニストみたいなスマートでクールなヒーローになりたい」
「優姫がマッチョはちと厳しいしな」
「でも、性格はお世辞にもクールとは言えないね」
優姫がオールマイト並みに筋肉質な姿を想像して操司はおもわず笑ってしまった。
「もー、そんなに笑わなくてもいいじゃん。
ていうか、操司君はどうなの?」
「ん?んーっとね。言ってもいいけど、怒らないでね?」
2人はキョトンとした顔をする。操司はそんな2人を見て苦笑いしながら
「僕はね、政治家になる。」
「へー、珍しいね」
ヒーローというものが職業と化した時代において、ヒーローを目指していない者の方が少ない。ある調査では、中学生の約9割がヒーローになりたいと答えたとの事である。
「何でだ?」
「ん?なりたいから、ではダメかな?」
「違う。俺らが怒るって思った理由だ」
そう、ただヒーローではない職業になりたいだけで怒るほど珱九郎も優姫も短気ではない。それはまだ付き合いが1日にも満たなくても分かることだった。
操司は1度躊躇ってから話し始める。
「んっとね。僕はね、ヒーローという職業をぶっ壊したいんだ。」
操司の目的は安定した社会の実現であった。オールマイトのみによって支えられているこの世の中を操司は危うく思っていた。いつ悪が暴走するかわからない。その中で社会を安定させるためのシステム、つまりは法の整備をきちんとする事でトップヒーローがいなくても、さらに言えば、ヒーローという存在がいなくなっても成り立つようにしたい。それが操司の目標であった。
しかし、ここで弊害がある。操司の周りには将来ヒーローになりたいと思っているものが多い。操司自身の目標が達成されれば、恐らくヒーローという職業は衰退、消滅するだろう。ヒーローになる、という多くの人達の夢を自分の夢1つで潰してしまっても良いのか、と操司は考えていた。
操司は2人にこれらの事を包み隠さず全て伝えた。それに対する2人の反応は、
「良いんじゃないか?確かに、オールマイトがいなくなったら敵は急増しそうだしな」
「でも、そしたら私たち何する?
あ、操司君のボディガードしよう!
雇ってね、操司君!よろしく!」
何も変わらなかった。操司は戸惑ってしまう。
「え、2人とも良いの?」
「俺はボディガードは嫌だぞ。守るよりも攻める方が性に合う」
「クロ君今日は今までにないほどいじられてるし、それに喜んでるのは攻めるのが性に合ってないと思うなぁ」
「いや、喜んでないから!」
「って、その事じゃなくて!
僕は2人の夢を壊そうとしてるんだよ?」
2人はなんて事ないかのような顔をして続ける。
「うん。それはわかった。でもさ、それを私達が止めようとしたらさ、今度は私達が操司君の夢を壊す事になる。それは違うじゃん」
「そうだな。夢を見る権利は誰もが等しく平等にある。操司の夢も俺らの夢も同時に叶えば一番だけど、ダメならそんときはそん時だ。今はそう考えて良いんじゃないか?」
操司は肯定されるなんて思いもよらなかった。自分の考えている事は多くの人達の夢を壊す事になるんだ、と信じて疑わなかったのである。しかし、目の前の2人は平然と自分の事を肯定する。これまでのどんな喜びよりも暖かいものが心の中に芽生えた気がした。
(……僕はこの世界でどうも恵まれすぎているな。大事にしないと)
「操司君?何考えてるの?」
「えっ、いや、どうやったらカタキトル君をボディガードとして従事させる事ができるのかなーって」
「烏丸だ!最初と最後しか合ってないわ!」
「いいじゃん。烏丸、カタキトル、って、韻踏んでる感あって」
「あ、なるほど。ってコラ!」
「ぷっ、あはははは!」
和やかな時間は早く過ぎるように感じる。
これから先そう遠くない未来、2人に襲いかかる受難の事など、3人には知る由もなかった。
というわけで第3話でした。早速前回の後書きの希望的観測を壊してしまいました。まぁ、早くなるのは良しとしてください。
てな訳で簡単なオリキャラ紹介
・冬野 優姫(ふゆの ゆうき)
→私立聡明中学校で操司の同級生。入試1位。
・烏丸 珱九郎(からすまる えいくろう)
→私立聡明中学校で操司の同級生。
さて、原作キャラはいつ出てくるのでしょうか。
てな訳で、次回もお楽しみに〜