『並行世界』へと赴く   作:舞茸の都市

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こんばんわ。舞茸の都市です。
地の文がもっと上手く描けるようになりたい今日この頃、友人に前回までのものを見せたら「珱九郎は操司の事を愛しているの?」と聞かれました。この場で断っておきます。そんなことはありません。ただの友達です。



というわけで、START‼︎


第6話

操司と珱九郎が思いを吐露した次の日の夜。操司は珱九郎に電話をかけた。

 

 

「…もしもし」

 

「あ、珱ちゃん。やっと出た遅いよー。3コール以内に出るって約束じゃん」

 

「俺らは何処のバカップルだよ。そんな約束した記憶はない」

 

そうだねー、と操司は笑い返す。

 

「んで、なんかあったか?」

 

「うん。僕さ、決心したよ。明日の昼、優姫さんに僕の思いを話す」

 

「そうか」

 

「………」

 

「………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「………なんか他にないの⁉︎」

 

先に沈黙を打ち破ったのは操司だった。

 

「へ?いや、俺が何か言ったところでお前はその決心を曲げないよな」

 

「うん。まぁ、そうだけど」

 

「なら頑張れ」

 

「…うん。ありがと」

 

また沈黙が訪れる。今度は珱九郎が先に話しかけた。

 

「んで、他になんかあるか?」

 

「………あのさ。もっと大事なことがあるんだけど」

 

「…どうした」

珱九郎は訝しげに続きを促す。

 

 

「実は、さっき机の角に右手の小指をぶつけていた『プツッ。ツー、ツー、ツー、』」

 

 

 

 

ふざける気だと判断した時点で切る。珱九郎は即断即決の漢らしい人間だった。

 

 

 

 

*******************

 

 

 

 

次の日の昼、3人は屋上に集まった。

聡明中学校は給食はない。弁当をそれぞれ好きな場所で食べることになっている。屋上で青空の下弁当を広げる。これが操司達のいつものパターンだった。

3人は昼食を済ませ、後は戻るだけとなった時、操司が優姫に話しかける。

 

「優姫さん。あのさ、話があるんだけどさ」

 

「どうしたの?操司くん」

 

優姫が操司に気を取られている隙に珱九郎はそっと抜け出す。

操司は一度大きく深呼吸をして、話を続ける。

 

 

 

「あのさ、……………………………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

操司はこれから先、自身で言った言葉を覚えていない。ただ、覚えていることは、優姫が嬉しそうにしていた事、そして、急に身体に人の温もりを感じ、

 

 

 

「遅いよ、ばか」

 

 

と耳元でつぶやかれた事だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く、やっとか」

 

扉越しに珱九郎が全て聞いていた事は2人とも知らない。

 

 

*******************

 

 

 

 

 

2人が付き合う事になったため、珱九郎はその日1人で帰ろうとした。

(カップルに挟まれるってのもなんか気まずいしな。先に帰った方がお互いにとっていいだろ)

しかしその願いは叶わなかった。

 

「えーいーちゃん!何1人で帰ろうとしてるのかな?」

 

「そうだよ!クロ君も一緒に帰ろうよ」

 

「お前らの甘いムードに胸焼けするから遠慮する」

 

「大丈夫。甘いと言ってもあんこみたいな甘さだから。ほら、珱ちゃん和菓子なら好きだったでしょ」

 

「ムードの甘さに和風洋風は関係ない!」

 

抵抗しつつも結局一緒に帰る事となった。

 

 

 

帰り道での会話はいつもと変わらない。

 

「クロ君はさ、操司君から相談されてたの?」

 

「いや、俺が直接聞いた。というか2人とも態度が違いすぎて丸分かりだったから聞かなくとも分かってた」

 

「え、僕はポーカーフェイス得意だと思ってたんだけど」

 

「あれをポーカーフェイスだと言い張るのなら世の中の哺乳類は全てポーカーフェイスの達人だ」

 

「僕のポーカーフェイス猿よりも酷かったの⁉︎」

 

といった具合である。

 

3人が話しながら帰っている途中、操司の歩き方が急に変になる。

 

「どうしたの?」

 

「…お腹痛い」

 

腹痛のようだ。

 

「駅まで我慢しろ」

 

「それは無理。災害レベル虎くらいヤバイ」

 

「なら大した事ないな」

 

と、軽口を叩きつつも近くにトイレのある建物がないか探した。

 

「操司君。銀行あるからそこで良いかな?」

 

「オッケー。ごめんね、ちょっとだけ待ってて」

 

「おぅ、さっさとしてこい。」

 

そう言って操司は銀行に入り、珱九郎と優姫は銀行の入り口付近で待つ事にした。

 

 

*******************

 

 

銀行内は平和だった。しかし、そんな所にも悪は侵食する。

 

 

 

"パァン!"

 

「全員動くな!動いたものから殺すぞ‼︎」

 

銃声とともに全身黒で統一された男が5人がその場を制圧する。混乱が巻き起こる銀行内を4人が制圧しつつ1人が銀行員に要求を出す。

 

 

「金を出せ。五千万だ。それ以下は受け付けない」

 

「し、しかしそんなお金ありま「ウルセェ!!」」

 

「あるって調べがついてるから来てんだよ。さっさと出せ」

 

銀行員が怯えていると奥から支店長のような男が来て話をする。

 

「ある事にはあるのですが、出すのに時間がかかります」

 

「何分だ」

 

「10分は最低でも…」

 

「8分で出せ。オーバーしたら30秒ごとに2人ずつ殺していく。良いな」

 

「…は、はい」

 

 

そんなやりとりが行われている間に4人の男たちは中にいる人間をまとめ、1人がその手足を縫い付けていく。これは誰かの個性なのだろう。

 

「よし、こっちは終わったぞ」

 

「他の場所にいた奴らも全員集めてきたぞ。こっちも縫え」

 

あっという間に全員が固定されてしまっていた。

 

 

 

 

*******************

 

 

場所は銀行前。銃声が聞こえたかと思えば銀行のシャッターが急に閉じてしまい、珱九郎と優姫は中にいる操司の事を案じていた。

 

「あの阿保、何トラブルに巻き込まれてんだよ」

 

「ねぇ、どうしよう。操司君が、操司君が〜‼︎」

 

慌てている優姫の頭に珱九郎はチョップする。

 

「…痛い。」

 

「落ち着いたか。なら、やる事を決めるぞ」

 

2人は中の状況を想定しつつ話し合っていた。

 

「おそらく中の奴らは個性を使っている」

 

「確か5人だったはず。1人異形型がいるかな?っていう体格だった。」

 

「突入するか?」

 

「いや、今の私たちじゃ殺されるだけ。対抗策がないままだとね。個性は使っちゃダメかな?」

 

「ヒーローを目指すものとしては反対だ。法に違える事になるからな」

 

「だと、私たちにできる事って何もなくない?」

 

普通一般人の個性使用は法律で禁止されている。ヒーローを除く一般人は個性を公共の場で使ってはいけず、優姫たちにもその法律は当てはまる。その事を考えれば、そして、これから優姫たちが歩んでいこうと思っている道のりを考えれば個性は使いたくない。

しかし、ここで珱九郎が答える。

 

 

「…それは違うな。何ができるかじゃない。何をしたいかだ。

優姫、お前はどうしたい?」

 

「…一般人を、操司君を助けに行きたい」

 

「奇遇だな、俺も同じ事を考えてた」

 

2人の気持ちは固まった。後は作戦を練り、実行するだけ。誰も傷つけず、操司を、そして一般人を助ける。この無理難題に2人はどう立ち向かうのか。

 

 

 

 

運命の時まで、残り7分を切る。

 

 

 

 

 

 

 

*******************

 

 

その頃操司は、

(トイレから出たらこんな事になるとはなー)

男たちに縫い付けられている最中だった。操司は縫われながらも状況を分析する。

犯人は5人グループ。うち1人は腕が8本あるところを見ると異形型の個性だろう。もう1人わかっている個性は、自分たちを今縫い付けている男のものだ。恐らく見たまんま、物と物を裁縫みたいに縫えることだろう。痛みはなかったな。なんとも不思議な個性だ。後は不思議な匂いがする。これも誰かの個性だろうか。精神コントロールだといけないから、極力吸わないよう心がけよう。まあ、何もできないけど、気持ちだけね。

 

 

操司のできることは何か、何をすべきか、必死に頭を働かせていた。

と、ここでふと隣を見ると少年が泣きべそをかいて自分の身体を操司の身体と縫い付けられているところだった。ぱっと見る限り5、6歳なのだろうか。幼いながらも整った顔立ちに操司は一瞬どきりとさせられる。

(はぁ、彼女ができたその日に違う人、しかも男の子にときめくなんて、優姫が知ったら何言われるだろう)

なんてことを考えつつ、少年を安心させようと小声で話しかける。

 

「ぼく。大丈夫だよ。直ぐにヒーローが。んーと、ここら辺だとインゲニウムか、が来てあんな悪役かぶれ直ぐにやっつけてくれるから」

 

「………グスッ………グスッ…………

 

 

 

ほんとに?」

 

「うん、ほんとさ。だから、笑顔で待ってよっか」

 

「……うん、わかった」

 

若干ではあるが少年が泣き止んでくれて操司はホッとする。

(さてと、外ではきっと2人が僕のこと助けようとしてるだろうし。僕の方も動きますか)

そう考えつつ、操司は右手を地面に、左手をポケットにそっとつける。

と、ここで先程の少年が話しかけてきた。

 

「ねえ、おにいちゃん。おなまえなんていうの?」

 

「ん?僕の名前は甘野操司っていうんだよ。君は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぼく、てるひさ。源氏照久」

 

 

 

 

 

 

悪は確実に、ゆっくりと平和を侵す。

 

 

 

 

運命の時まであと6分30秒。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたでしょうか。青春もの、恋愛ものを書くのは苦手なことに最近気づきました……リア充に向かって爆発しろと叫ぶ系の人間なのでしょうがないですね
次回はついにbattleに入りそう(?)な予感。ここから筆者の妄想MAXです!さて、筆者の文才でちゃんと伝わるように描けるのでしょうか。
自信?ふっ、そんなもの、とうの昔に置いてきたわ‼︎(おい)


てなことで、次回もお楽しみに〜
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