艦これなのに艦娘ほとんど出ません。
シリアス?シリアル?どちらでもお好みで
追記:現在、活動報告にてにてリクエスト募集中! ご意見お待ちしております。
・オリジナル主人公
・艦娘ほぼ不在
・シリアスってます
それでもokな方は、どうぞ。
「百年兵を養うは、唯平和を守るため」
─山本五十六─
..................
.........
....
夜空に星天が広がり、辺りは静けさに満ちていた。
潮の香りがする、ここは…港だろうか?
月の光を一身に浴びて、少女は港の波打つ海に佇んでいた。
黒く淀んだ眼(まなこ)で空を見上げる、その顔に覇気はなく、ただの棒立ちだった。
…その時、けたたましい音が遠くから聞こえてくる。一瞬で空を覆いつくすのは、鉄の鳥の大群──
──彼らはまるで死神だった。
大鎌を振りかざし
彼女に止めを刺さんがごとく
"死"を運びにやってきた。
その光景に、眼に光を取り戻した彼女は、すぐさま戦闘態勢に入った。
取り付けられた銃火器、火を噴く大砲、鬼の形相でそれらを操る。
──彼女は唯、守りたかっただけだった。
愛する者を
愛する家族を
愛する祖国を、国を
平和に導きたかった。
─アイシタモノハ モウイナイノニ─
奮戦虚しく、鳥は彼女の愛した国を悉く焼き尽くした。
そして自身も、血だらけになりながら、なお立ち向かった。
雄たけびを上げ、全身に全霊の力を込めた。しかし──
──頭上ヨリ、無慈悲ノ一撃
彼女は深海に沈む、これは彼女の夢
永遠に覚めん、悪夢の、記憶──
・・・・・
ジリリリ…
「ん…?」
目が覚めると、そこは見慣れた光景だった。
朝日が差し込む部屋で、俺はあの暗景が夢であることを知覚する。
「夢か…でも」
やけにリアルすぎやしないか?
今でもあの不気味な銃声と爆撃の音が、耳に残っていた。
それに…あの少女はいったい?
「…げっ!?」
ふと、俺は今日のバイトのシフトを思い出していた。
「やべっ、もうこんな時間!?」
支度もそこそこに、バイト先へ向かった。
頭の隅で、あの夢を思い出しながら…。
・・・・・
「ふぅー、おわった終わった。」
俺は一日かけて、兼業していたバイトを終わらせた。
俺はフリーターだ、そう誰がなんと言おうと、決して「プー太郎」ではない。
様々なバイトをしているから、管理が大変だった。
「そろそろかな…?じゃあ」
──時は、2014年12月31日
今頃みんな家族の待つ家に帰って、大掃除の手伝いとかしているのだろうか?
…まぁ、一人暮らしの俺には関係ないが。
俺は、ある約束をした場所へ急ぐ。
毎年のことだが、ほっぽり出すわけにもいかない。
「あいつら、元気にやってるかな?」
・・・・・
「よぉ、遅かったな」
繁華街の居酒屋が立ち並ぶ夜の風景。
赤提灯を前に飾った店に立っていた二人の人影は、俺を見つけるとそう言った。
「悪い、バイトが長引いちまった。」
「ったく、言い出しっぺがこれかよ、リーダー様はお仕事順調のようですねぇ()」
「んだなぁ」
リーダーとは俺のこと、俺達は小学校からの仲、いわゆる幼馴染というやつだ。
子供の頃から様々な難題に無理やり突っ込んでゆく、というズッ○ケナニ組ばりのことしていたが、小学校を卒業してそれぞれの道にいくことになり、さすがにそれじゃ味気ないだろうと俺が切り出したのが、毎年集まって一年のおさらいっつうか、いろいろ話そうぜ! …というわけだ。
最初はそれぞれの家で寝泊まりだったが、いつしか飲み会になってた。
「流石だなー、天下御免のエース様sasugaだなー」
「んだなぁ」
俺達はコードネームで呼び合っている。その方がかっこいいだろって誰かが言い始めてた。
俺は「エース」。リーダーをやっていたわけだし、なんか、カッコいいだろってことで。…三枚目? あははよく言われる…;
…で、さっきから俺を罵りまくってんのが「フォックス」、頭脳担当。金髪のチビだが侮れない頭の回転率を誇る。
んだなぁしか言ってない気がするのは「アトラス」、つなぎ服に頭にタオルバンダナを巻いてる巨漢。図体がデカイので巨人の名前を取ったんだと。
「いいから、ほら入ろうぜ?」
促されるまま、俺達は居酒屋の中へ入っていった。
・・・・・
居酒屋の店員に案内された個室は、掘りごたつのあるお座敷タイプで「紙で出来た大きな電球」が温かな光で部屋を包んでくれていた。
俺たちは掘りごたつテーブル周りに敷かれた座布団に座ると、各々が注文を取る。しばらくして豪勢な食べ物やビールが運ばれて来る。
俺は駄弁もそこそこにビールを片手に乾杯の音頭を取る、フォックスとアトラスもそれに倣いビールを掲げる。
「カンパーイ!」
グラス同士がぶつかる「キンッ」っていう音は堪らない、これから宴が始まるって感じがして…あぁ、ちょっと大げさだったかな?
「んぐっ、んぐっ…ぷっはぁ、うめぇ!」
「おぉ、キンッキンに冷えてやがるな?」
「どう↓じでだよ”↑ぉ~~っ!」
「ぶふっ、やめろアトラス笑かすなw」
「あははっ!」
アトラスのわざと似せない調子っぱずれのネタ台詞を聞きながら、俺たちは並べられた料理に手を付けていく。
唐揚げ、マグロの刺身、手巻き寿司、茶碗蒸し…あと「枝豆」。俺が頼んだものだがフォックスから「オヤジかw」とヤジが飛んできた。でも枝豆は悪酔いや脂肪等を抑えてくれるので、健康を考えるなら必須。そうでなくとも俺的にはこの組み合わせは「神」…だと思うんだけどなぁ?
…まぁ何はともあれ先ずは腹ごしらえだ、俺たちはそれぞれが頼んだ一品を食していく。
「あむっ、ん~やっぱ唐揚げは最高だな!」
「おい、レモン忘れんなよ」
俺が唐揚げに舌鼓を打っていると、横からフォックスが「レモン汁」をかけようとしている。…これは「問題」ですよ皆さん?
「げっ!? おいやめろよフォックスー俺レモンかけない派なんだけど?」
「枝豆頼んだヤツが何言ってんだよw」
「普通だろ!? なぁアトラス?」
「んだなぁ?」
「コイツがそう言うって分かってて言ってるだろ!」
「ふふーん。馬鹿め、時代は多数決なのだよ」
「ケッ、んなこと言ったらもっとかけちゃるもんねー(レモン汁どぱぁ)」
「ぎゃあああああ!? 何してるだオノレはぁ?!!」
「んだなぁ?」
俺たちはそうやってワイワイ言いながら、おいしい料理で腹を満たしていった。
…程なく、俺たちは互いの近況を話し出した。これが俺たちの「集まり」の典型となっていた。
「で、どうよお前ら。最近は?」
「フツー」
「んだなぁ」
「俺も。…まぁそう簡単に変わらないよなぁ? だとしたら忙しくなってここにも来れないだろうし?」
俺が何となしにそう零すと、フォックスは…どこか神妙な顔をしていた。
「…色々変わったら忙しくなる、ってわけでもないだろ?」
「…ん、そうだな? わりぃ」
「けっ、何謝ってんだよ…ったく」
なんだかやけに真面目な顔をしているフォックス。馬鹿みたいに騒ぐのが好きなアイツは、最近こんな風に黄昏るように寂しく目を細めるようになっていた。
…無理もないか、聞いた話じゃあアイツの両親は「離婚」していて、父親の方についていったは良いものの親父さんは「死んだ、もしくは行方不明」だと、それも子供の頃にだ。…確か、親父さんは記者かなんかをやってたとか?
色々きな臭い気もするけど、本人があまりその話題に触れてほしくないみたいで、全然話してくれない。俺は…こうしてコイツを間接的に元気づけてやることしか出来ない。
俺がそう黙考していると、フォックスは(その場の雰囲気を変えるためか)話を振ってきた。
「ところでさ…エース、お前暇ある?」
「あん? 暇っちゃあヒマ…かも?」
「そうかそうか! ヒヒヒ…」
俺の回答に満足げなフォックスは、何か悪だくみをするようにほくそ笑み変な声を出していた。
…嫌な予感がする、コイツとは長い付き合いだが、事あるごとに俺を厄介ごとに巻き込みやがる。まぁ今までは本当にヤバイことにはなっていないから、今回もそう…だと願いたい。
「……」
──だがその時、俺は知らなかった。
フォックスとアトラスが互いに目配せしていたこと、そして…それが「何を意味するもの」なのか、ということを──
・・・・・
その後居酒屋でしこたま飲み干した俺たちは、愚痴とか色々語り合ったところで切り上げる。
「んじゃ、また来年な」
「おう。…お、そうだ」
フォックスが差し出したのは、奴の住んでるマンション周辺の描かれた紙切れと、アパートで使うような「鍵」だった。
「…これは?」
「おお、新しいビジネス始めんだけどよ、もしよかったら手伝ってくんねぇかな…ってね?」
出た…さっきの「暇か?」は俺をそれに誘う算段をしてたんだな? 俺は何も言わないが露骨に怪訝な顔をしてみせた。
「そんな嫌そうな顔すんなよ。…あ、ちなそれ俺の自宅までの地図と俺んちの予備の鍵な?」
「あぁ知ってる。…何階だっけ?」
「最上階。親父の隠し財産で家賃払ってる、ふふんーいいだろ?」
「ドヤ顔かよ、親父さんのお陰だろうに…っはぁ」
俺は溜息を吐きながら、これから起こる事柄を嫌でも考える。
こいつ、昔から頭は切れるんだけど、使い方がロクでもないからいつも尻拭いというかが俺たち(8割俺)の方へ向かってくるんだ。
ビジネスだとか言ってるけど、今回もやっぱそういうことなんだろうな。と思いながら頭を悩ませる。
「…言っとくけど、変なことには手貸さないからな」
「いやいや、お優しいエース様だったら、なんとかしてくださると甘えさせてもらっているわけでw」
コイツ…否定しやがらねぇ。
「ま、気が向いたらでいいぜ、んじゃなぁ!」
「んだら」
金髪のいかにも詐欺師風なチビと、んだなぁ大男は、そのまま繁華街の闇に溶けていった。
・・・・・
「はぁ、全く」
独り言ちに呟く俺。
あいつの破天荒ぶりは今に始まったことではないが、子供時代と今じゃ状況が違うからな…具体的には、モデルガンを撃つ遊びが、いつの間にか実弾つきのサバイバルゲームになっていた…みたいな。
だんだんとエスカレートしてんのに気づかねぇし(いや気づいてんのか?)
「絶対分かってて言ってるだろ…ったく」
──ふと俺は、今朝見た夢のことを思い出していた。
一人の少女が、鉄翼の大群に果敢に戦い、そして敗れた、…いや、「沈んだ」。
…あれは、夢だったのか?
「実感がありすぎて、何とも言えんが」
ま、最近は仕事の流れも忙しかったし、ストレスが祟ってってことだろう。
「そうじゃなきゃあんな夢」
言いながら、角を曲がった先、電柱の下を見やると、俺は目を瞠った。
──彼女がいた。
傷だらけで、血だらけで、何故か裸で、それでも息はしている様子だった。
俺は「あれ」が、あの夢が正夢だったということを一瞬で理解した。
「お…」
おい、と言おうとした矢先、男たちの怒号が、近くから聞こえてきた。
──いたか!? いや、まだだ。くそっ、あの女どこいきやがった!! 探せ!!!
そんな会話から、彼女が追われていると推測した。
…どうする? 引き渡すか? それともこのまま見ないふりしていくか。
「う…」
「っ!」
彼女の声だ、呻きにもならないか細い声で言っている。
…俺は彼女に。
──助けて、と言われたような気がした。
・・・・・
「へーぇ、そんなことがねぇ」
興味なさげにフォックスは言った。
「お前、鼻ほじりながら言うセリフか!?」
「いや、信じろっていう方が無理だしw」
「んだなぁ」
「いや、状況を話せって言われたから」
「だからってバカ正直に話すこともねえんじゃね?」
「う…;」
「たっく、昔からそうだよな、お前ってば」
「んだなぁ」
「いや、俺は、お前らだから言ったわけで」
わーったよ、という感じで手を振るフォックスは真顔になる。
「まぁ、お前が嘘はつかねぇってことは解りきっているし…」
言うと、三人は隣の部屋を見やる。
先ほどの少女が、ベッドで横になっていた。
苦悶の表情だったさっきと打って変わって、静かに眠っていた。
「アレ見せられたらな…どうすんだよ」
「んだ、警察には言わねぇのかぁ?」
「…いや、しばらく様子を見よう」
こいつのマンションの一室を間借りしている手前、彼女は早く安全な場所へ、と思いたいが。
「外には出さない方がいい気がする」
彼女を追っていたであろう二人は、明らかに殺気立っていた。
警察に渡しても、何らかの方法で接触してきそうな気がする。
「すまねぇ、迷惑かけちまうが…」
「鍵渡したのはオレだし、そりゃ構わねぇ、けど?」
言うなりすり寄ってきたこ狡いキツネは、にやついた笑いを浮かべて「交渉」を持ち掛けた。
「さっきの件、考えてくれましたぁ?」
「まだ言ってんのか、オノレは!?」
「いーよ、そんなこというなら考えがあるもんねー」
「お前は…」
「心優しいオレは部屋を貸してやってんだぜ? なんかさぁ、見返りがあっても…ねぇ?」
「んだなぁ」
コイツ…俺の足元見やがって。あとアトラス、適当に相槌打つのやめい。
「はぁ…分かったよ、もともと手は貸すつもりだったし」
「ぃよし!」
「ただ、彼女が目を覚ますまで待っててくれ」
えーーっ、と顔を渋らせるフォックス。ホントお前は自分勝手だなこんな時でも!?
「そんな顔したって、ほっとくわけにもいかねぇからな」
「…まぁ、しゃーねーか! でも手は貸さねぇぞ?」
「部屋貸してもらっているだけで充分だよ」
…まぁ、こいつの我が侭はいつものこととして。
それに加えて、彼女のことも考えなければ、と思うと…正直、頭が二重に重かった。
「(…バイト、減らそうかなぁ)」
真剣にそう考える俺だった。
◎名前書くの忘れた的な談話
ふぉ「そいや、この子の名前は?」
え「うーん、榛名?」
ふぉ「へぇ、カワイイじゃん、聞いたのか?」
え「いや、なんとなく」
ふぉ「エッキモ」
あ「んだなぁ」
え「…」