短編第二弾。完全オリジナルのはず。
艦これなのに艦娘ほとんど出ません。
シリアス?シリアル?どちらでもお好みで

追記:現在、活動報告にてにてリクエスト募集中! ご意見お待ちしております。

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以下の要素に注意

・オリジナル主人公
・艦娘ほぼ不在
・シリアスってます

それでもokな方は、どうぞ。


艦これ 七十年後の君へ

「百年兵を養うは、唯平和を守るため」

 

               ─山本五十六─

 

..................

 

.........

 

....

 

 

 夜空に星天が広がり、辺りは静けさに満ちていた。

 潮の香りがする、ここは…港だろうか?

 月の光を一身に浴びて、少女は港の波打つ海に佇んでいた。

 黒く淀んだ眼(まなこ)で空を見上げる、その顔に覇気はなく、ただの棒立ちだった。

 …その時、けたたましい音が遠くから聞こえてくる。一瞬で空を覆いつくすのは、鉄の鳥の大群──

 

 

 

 ──彼らはまるで死神だった。

 

 大鎌を振りかざし

 

 彼女に止めを刺さんがごとく

 

 "死"を運びにやってきた。

 

 

 

 その光景に、眼に光を取り戻した彼女は、すぐさま戦闘態勢に入った。

 取り付けられた銃火器、火を噴く大砲、鬼の形相でそれらを操る。

 

 

 ──彼女は唯、守りたかっただけだった。

 

 

 愛する者を

 愛する家族を

 愛する祖国を、国を

 平和に導きたかった。

 

 

 ─アイシタモノハ モウイナイノニ─

 

 

 奮戦虚しく、鳥は彼女の愛した国を悉く焼き尽くした。

 そして自身も、血だらけになりながら、なお立ち向かった。

 雄たけびを上げ、全身に全霊の力を込めた。しかし──

 

 

 ──頭上ヨリ、無慈悲ノ一撃

 

 

 彼女は深海に沈む、これは彼女の夢

 

 永遠に覚めん、悪夢の、記憶──

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 ジリリリ…

 

「ん…?」

 

 目が覚めると、そこは見慣れた光景だった。

 朝日が差し込む部屋で、俺はあの暗景が夢であることを知覚する。

 

「夢か…でも」

 

 やけにリアルすぎやしないか?

 今でもあの不気味な銃声と爆撃の音が、耳に残っていた。

 それに…あの少女はいったい?

 

「…げっ!?」

 

 ふと、俺は今日のバイトのシフトを思い出していた。

 

「やべっ、もうこんな時間!?」

 

 支度もそこそこに、バイト先へ向かった。

 頭の隅で、あの夢を思い出しながら…。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「ふぅー、おわった終わった。」

 

 俺は一日かけて、兼業していたバイトを終わらせた。

 俺はフリーターだ、そう誰がなんと言おうと、決して「プー太郎」ではない。

 様々なバイトをしているから、管理が大変だった。

 

「そろそろかな…?じゃあ」

 

 ──時は、2014年12月31日

 

 今頃みんな家族の待つ家に帰って、大掃除の手伝いとかしているのだろうか?

 …まぁ、一人暮らしの俺には関係ないが。

 俺は、ある約束をした場所へ急ぐ。

 毎年のことだが、ほっぽり出すわけにもいかない。

 

「あいつら、元気にやってるかな?」

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「よぉ、遅かったな」

 

 繁華街の居酒屋が立ち並ぶ夜の風景。

 赤提灯を前に飾った店に立っていた二人の人影は、俺を見つけるとそう言った。

 

「悪い、バイトが長引いちまった。」

「ったく、言い出しっぺがこれかよ、リーダー様はお仕事順調のようですねぇ()」

「んだなぁ」

 

 リーダーとは俺のこと、俺達は小学校からの仲、いわゆる幼馴染というやつだ。

 子供の頃から様々な難題に無理やり突っ込んでゆく、というズッ○ケナニ組ばりのことしていたが、小学校を卒業してそれぞれの道にいくことになり、さすがにそれじゃ味気ないだろうと俺が切り出したのが、毎年集まって一年のおさらいっつうか、いろいろ話そうぜ! …というわけだ。

 最初はそれぞれの家で寝泊まりだったが、いつしか飲み会になってた。

 

「流石だなー、天下御免のエース様sasugaだなー」

「んだなぁ」

 

 俺達はコードネームで呼び合っている。その方がかっこいいだろって誰かが言い始めてた。

 俺は「エース」。リーダーをやっていたわけだし、なんか、カッコいいだろってことで。…三枚目? あははよく言われる…;

 …で、さっきから俺を罵りまくってんのが「フォックス」、頭脳担当。金髪のチビだが侮れない頭の回転率を誇る。

 んだなぁしか言ってない気がするのは「アトラス」、つなぎ服に頭にタオルバンダナを巻いてる巨漢。図体がデカイので巨人の名前を取ったんだと。

 

「いいから、ほら入ろうぜ?」

 

 促されるまま、俺達は居酒屋の中へ入っていった。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 居酒屋の店員に案内された個室は、掘りごたつのあるお座敷タイプで「紙で出来た大きな電球」が温かな光で部屋を包んでくれていた。

 俺たちは掘りごたつテーブル周りに敷かれた座布団に座ると、各々が注文を取る。しばらくして豪勢な食べ物やビールが運ばれて来る。

 俺は駄弁もそこそこにビールを片手に乾杯の音頭を取る、フォックスとアトラスもそれに倣いビールを掲げる。

 

「カンパーイ!」

 

 グラス同士がぶつかる「キンッ」っていう音は堪らない、これから宴が始まるって感じがして…あぁ、ちょっと大げさだったかな?

 

「んぐっ、んぐっ…ぷっはぁ、うめぇ!」

「おぉ、キンッキンに冷えてやがるな?」

「どう↓じでだよ”↑ぉ~~っ!」

「ぶふっ、やめろアトラス笑かすなw」

「あははっ!」

 

 アトラスのわざと似せない調子っぱずれのネタ台詞を聞きながら、俺たちは並べられた料理に手を付けていく。

 唐揚げ、マグロの刺身、手巻き寿司、茶碗蒸し…あと「枝豆」。俺が頼んだものだがフォックスから「オヤジかw」とヤジが飛んできた。でも枝豆は悪酔いや脂肪等を抑えてくれるので、健康を考えるなら必須。そうでなくとも俺的にはこの組み合わせは「神」…だと思うんだけどなぁ?

 …まぁ何はともあれ先ずは腹ごしらえだ、俺たちはそれぞれが頼んだ一品を食していく。

 

「あむっ、ん~やっぱ唐揚げは最高だな!」

「おい、レモン忘れんなよ」

 

 俺が唐揚げに舌鼓を打っていると、横からフォックスが「レモン汁」をかけようとしている。…これは「問題」ですよ皆さん?

 

「げっ!? おいやめろよフォックスー俺レモンかけない派なんだけど?」

「枝豆頼んだヤツが何言ってんだよw」

「普通だろ!? なぁアトラス?」

「んだなぁ?」

「コイツがそう言うって分かってて言ってるだろ!」

「ふふーん。馬鹿め、時代は多数決なのだよ」

「ケッ、んなこと言ったらもっとかけちゃるもんねー(レモン汁どぱぁ)」

「ぎゃあああああ!? 何してるだオノレはぁ?!!」

「んだなぁ?」

 

 俺たちはそうやってワイワイ言いながら、おいしい料理で腹を満たしていった。

 …程なく、俺たちは互いの近況を話し出した。これが俺たちの「集まり」の典型となっていた。

 

「で、どうよお前ら。最近は?」

「フツー」

「んだなぁ」

「俺も。…まぁそう簡単に変わらないよなぁ? だとしたら忙しくなってここにも来れないだろうし?」

 

 俺が何となしにそう零すと、フォックスは…どこか神妙な顔をしていた。

 

「…色々変わったら忙しくなる、ってわけでもないだろ?」

「…ん、そうだな? わりぃ」

「けっ、何謝ってんだよ…ったく」

 

 なんだかやけに真面目な顔をしているフォックス。馬鹿みたいに騒ぐのが好きなアイツは、最近こんな風に黄昏るように寂しく目を細めるようになっていた。

 …無理もないか、聞いた話じゃあアイツの両親は「離婚」していて、父親の方についていったは良いものの親父さんは「死んだ、もしくは行方不明」だと、それも子供の頃にだ。…確か、親父さんは記者かなんかをやってたとか?

 色々きな臭い気もするけど、本人があまりその話題に触れてほしくないみたいで、全然話してくれない。俺は…こうしてコイツを間接的に元気づけてやることしか出来ない。

 俺がそう黙考していると、フォックスは(その場の雰囲気を変えるためか)話を振ってきた。

 

「ところでさ…エース、お前暇ある?」

「あん? 暇っちゃあヒマ…かも?」

「そうかそうか! ヒヒヒ…」

 

 俺の回答に満足げなフォックスは、何か悪だくみをするようにほくそ笑み変な声を出していた。

 …嫌な予感がする、コイツとは長い付き合いだが、事あるごとに俺を厄介ごとに巻き込みやがる。まぁ今までは本当にヤバイことにはなっていないから、今回もそう…だと願いたい。

 

「……」

 

 ──だがその時、俺は知らなかった。

 

 フォックスとアトラスが互いに目配せしていたこと、そして…それが「何を意味するもの」なのか、ということを──

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 その後居酒屋でしこたま飲み干した俺たちは、愚痴とか色々語り合ったところで切り上げる。

 

「んじゃ、また来年な」

「おう。…お、そうだ」

 

 フォックスが差し出したのは、奴の住んでるマンション周辺の描かれた紙切れと、アパートで使うような「鍵」だった。

 

「…これは?」

「おお、新しいビジネス始めんだけどよ、もしよかったら手伝ってくんねぇかな…ってね?」

 

 出た…さっきの「暇か?」は俺をそれに誘う算段をしてたんだな? 俺は何も言わないが露骨に怪訝な顔をしてみせた。

 

「そんな嫌そうな顔すんなよ。…あ、ちなそれ俺の自宅までの地図と俺んちの予備の鍵な?」

「あぁ知ってる。…何階だっけ?」

「最上階。親父の隠し財産で家賃払ってる、ふふんーいいだろ?」

「ドヤ顔かよ、親父さんのお陰だろうに…っはぁ」

 

 俺は溜息を吐きながら、これから起こる事柄を嫌でも考える。

 こいつ、昔から頭は切れるんだけど、使い方がロクでもないからいつも尻拭いというかが俺たち(8割俺)の方へ向かってくるんだ。

 ビジネスだとか言ってるけど、今回もやっぱそういうことなんだろうな。と思いながら頭を悩ませる。

 

「…言っとくけど、変なことには手貸さないからな」

「いやいや、お優しいエース様だったら、なんとかしてくださると甘えさせてもらっているわけでw」

 

 コイツ…否定しやがらねぇ。

 

「ま、気が向いたらでいいぜ、んじゃなぁ!」

「んだら」

 

 金髪のいかにも詐欺師風なチビと、んだなぁ大男は、そのまま繁華街の闇に溶けていった。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「はぁ、全く」

 

 独り言ちに呟く俺。

 

 あいつの破天荒ぶりは今に始まったことではないが、子供時代と今じゃ状況が違うからな…具体的には、モデルガンを撃つ遊びが、いつの間にか実弾つきのサバイバルゲームになっていた…みたいな。

 だんだんとエスカレートしてんのに気づかねぇし(いや気づいてんのか?)

 

「絶対分かってて言ってるだろ…ったく」

 

 ──ふと俺は、今朝見た夢のことを思い出していた。

 一人の少女が、鉄翼の大群に果敢に戦い、そして敗れた、…いや、「沈んだ」。

 

 …あれは、夢だったのか?

 

「実感がありすぎて、何とも言えんが」

 

 ま、最近は仕事の流れも忙しかったし、ストレスが祟ってってことだろう。

 

「そうじゃなきゃあんな夢」

 

 言いながら、角を曲がった先、電柱の下を見やると、俺は目を瞠った。

 

 

 

 

 

 ──彼女がいた。

 

 

 

 

 

 傷だらけで、血だらけで、何故か裸で、それでも息はしている様子だった。

 俺は「あれ」が、あの夢が正夢だったということを一瞬で理解した。

 

「お…」

 

 おい、と言おうとした矢先、男たちの怒号が、近くから聞こえてきた。

 

 

 ──いたか!? いや、まだだ。くそっ、あの女どこいきやがった!! 探せ!!!

 

 

 そんな会話から、彼女が追われていると推測した。

 

 …どうする? 引き渡すか? それともこのまま見ないふりしていくか。

 

「う…」

「っ!」

 

 彼女の声だ、呻きにもならないか細い声で言っている。

 

 …俺は彼女に。

 

 ──助けて、と言われたような気がした。

 

 

 

 

 

・・・・・

 

「へーぇ、そんなことがねぇ」

 

 興味なさげにフォックスは言った。

 

「お前、鼻ほじりながら言うセリフか!?」

「いや、信じろっていう方が無理だしw」

「んだなぁ」

「いや、状況を話せって言われたから」

「だからってバカ正直に話すこともねえんじゃね?」

「う…;」

「たっく、昔からそうだよな、お前ってば」

「んだなぁ」

「いや、俺は、お前らだから言ったわけで」

 

 わーったよ、という感じで手を振るフォックスは真顔になる。

 

「まぁ、お前が嘘はつかねぇってことは解りきっているし…」

 

 言うと、三人は隣の部屋を見やる。

 

 先ほどの少女が、ベッドで横になっていた。

 苦悶の表情だったさっきと打って変わって、静かに眠っていた。

 

「アレ見せられたらな…どうすんだよ」

「んだ、警察には言わねぇのかぁ?」

「…いや、しばらく様子を見よう」

 

 こいつのマンションの一室を間借りしている手前、彼女は早く安全な場所へ、と思いたいが。

 

「外には出さない方がいい気がする」

 

 彼女を追っていたであろう二人は、明らかに殺気立っていた。

 警察に渡しても、何らかの方法で接触してきそうな気がする。

 

「すまねぇ、迷惑かけちまうが…」

「鍵渡したのはオレだし、そりゃ構わねぇ、けど?」

 

 言うなりすり寄ってきたこ狡いキツネは、にやついた笑いを浮かべて「交渉」を持ち掛けた。

 

「さっきの件、考えてくれましたぁ?」

「まだ言ってんのか、オノレは!?」

「いーよ、そんなこというなら考えがあるもんねー」

「お前は…」

「心優しいオレは部屋を貸してやってんだぜ? なんかさぁ、見返りがあっても…ねぇ?」

「んだなぁ」

 

 コイツ…俺の足元見やがって。あとアトラス、適当に相槌打つのやめい。

 

「はぁ…分かったよ、もともと手は貸すつもりだったし」

「ぃよし!」

「ただ、彼女が目を覚ますまで待っててくれ」

 

 えーーっ、と顔を渋らせるフォックス。ホントお前は自分勝手だなこんな時でも!?

 

「そんな顔したって、ほっとくわけにもいかねぇからな」

「…まぁ、しゃーねーか! でも手は貸さねぇぞ?」

「部屋貸してもらっているだけで充分だよ」

 

 …まぁ、こいつの我が侭はいつものこととして。

 それに加えて、彼女のことも考えなければ、と思うと…正直、頭が二重に重かった。

 

「(…バイト、減らそうかなぁ)」

 

 真剣にそう考える俺だった。




◎名前書くの忘れた的な談話

ふぉ「そいや、この子の名前は?」

え「うーん、榛名?」

ふぉ「へぇ、カワイイじゃん、聞いたのか?」

え「いや、なんとなく」

ふぉ「エッキモ」

あ「んだなぁ」

え「…」

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