ラナークエスト 作:テンパランス
ネイアの経験値の情報は伝えたが増強はもう少し考えてから、という事で保留にしてもらった。
細かい事はペロロンチーノ達に任せてもいいと判断する。
そして、二日後には竜王国の面々が本国に戻り、入れ替わりにレメディオス・カストディオを含む数人が訪れた。
「……全然強くなってないぞ。どうなっている!」
一方的に叱られるオメガデルタ。
途中参加なので怒られてもどうしようもない。
聖王国側については調査抜きでの増強だったのでオメガデルタからすれば言いがかりに近い。
まして単なる増強であれば確かに難しくない。
だからこそ覚悟があるのかと再度尋ねる。
「もちろんだ」
「その言葉に嘘は無いな。……あるわけ無いか」
清廉潔白であるのが
「武器はこちらで用意する剣のみ。防具は全て外すように」
「了解した」
迷う事無く二つ返事で答える立派な聖騎士レメディオス。
その潔さは少しかっこいいとさえ思った。
男性陣には残念ながら宿舎に戻ってもらい、カルカ・ベサーレスとケラルト・カストディオの三人を集中的に強化する事にする。
自分のなりたいものを強く思えば積み重ねた経験値が自動的に新しい
人為的だと実感は薄いが、自然強化は現地の人間には馴染み深いと判断する。
全部つぎ込むとアダマンタイト級冒険者を少し超えるけれど、それは秘密にしておく。
† ● †
屠殺場に向かったレメディオス達の元に向かい、安全確認をする。
片付け損なった肉片とか残っていると不安がられるので。それとメイド達がまだ居ないか、も。
「三人共覚悟はいいな。積み重ねる
女三人に防具を全て外すように言いつける。全裸ではなく薄着まで。
専用の箱を壁際に置き、得意の武器を与える。これらは丈夫で長時間の戦闘に耐えられ、尚且つ
最強の騎士と言われるだけあり、引き締まった肉体をレメディオスは持っていた。
他二名は
準備が出来たところで各種様々な魔法をレメディオス達にかけていく。
「………」
驚くほどあっさりと魔法の餌食になる様は使った本人もびっくりする事態だ。
ゲーム時代の感覚からすれば素直すぎる。でも嫌いではない。
無防備という事もあるが高い位階魔法による睡眠や魅了などを駆使している。それに抵抗できるのはもう少し高いレベルの存在でなければ難しい。
「アイテムを全て外させているから当たり前だと思うけれど……。あっさり過ぎるのも怖いな」
後は三人を定位置に移動させ、用意したモンスター軍団に攻撃を開始させる。
オメガデルタは風呂の確認をしたり、モンスターの在庫確認したり、メイド達の働きを確認したりと忙しく動いた。
のんびりと女性の裸体を眺める余裕は実際のところそんなに無い。
そもそも意識がある鍛錬は時間がかかる。イビルアイは強制的な方法が嫌いな
効率化を突き詰めれば何とも無味乾燥な方法に落ち着くのか、と。
彼女達は一日一杯放置しても良さそうなので次は一旦本拠地である月と天体に戻る。
長居休眠によって停滞した部分が無いか、稼動している人材に異常は無いかの確認だ。それとアイテム類の用意。
地上とは違い、平穏な世界は眠ってしまうと時間経過が曖昧になる。下手をすれば一年万も眠れる恐ろしさがある。
「少し実戦向きに取り替えるか。未知の人材と素材の研究もしなければな」
回収班を用意し、数時間後に地上に舞い戻る。