ラナークエスト 作:テンパランス
アンケートを書き終えて更に十分後にオメガデルタが姿を見せる。その間、ぶくぶく茶釜は壁を伝って隠し部屋の捜索を続けていた。
上部の部屋も現地の人間が作り上げた。もちろん足場を組んで。
中にはオメガデルタ自身が作ったものもある。
定期的に室内にある調度品はナザリックのメイド達に清掃を頼んでいる。
「君たちが努力している間、私は新たな客人を迎える準備をする。それまで作業する部屋は封印状態にしておくが……。誰か迎えの人とか来る予定がある人は居ますか?」
「宿舎で寝泊りする以外の事はありません」
「私はそろそろ部族の下に帰らなければなりません」
「私は王都に戻りたいです」
クルシュとアルシェが手を挙げたので鍛錬終了時期を独自にメモする。
ラナーとレイナースは目標まで続ける事になった。
「……全然クエストらしい事をしていませんわね」
ずっと鍛錬続きで色んな依頼を受ける冒険者らしさがまるで無い。
序盤のレベルダウンも関係するのだが、低レベル帯ではまず仕事にならない。
モンスター退治以外でラナーがそもそも遠出できるのか、だ。
この施設は王都から一日程度の距離しかない。ここからカルネ村やら魔導国まで行くのは良いのか疑問が残る。
「私からは特に頼みごとは無いけれど、地道な街の警備が関の山だ」
夢が無いと言われている冒険者は結局のところ一般人より力がある点を使われる。上位になれば遠出も出来るし、強大なモンスターとも戦えるかもしれない。
そんな中でラナーに出来る事は無い。
「王女だから無理とか?」
「そもそも王女は冒険しません。外交問題とか起きますよ」
真っ当なお姫様が武器を持ってモンスター退治する事はライトノベルでは珍しくはない。けれども創作の中だけの問題だからといって誰でも出来るわけがない。
それを可能にしたのは誰なのか。
オメガデルタとして否定しつつも戦うお姫様は嫌いではないし、応援したい立場だ。だから強引に追い返したりはしない。
それでも覚悟の要る施設となっているので安易に死なせたくない気持ちが強い。
「間違った
「……私は破滅を否定するものです。特に他人には……」
自己責任において自らが墓穴を掘る分には一向に構わない。けれども、他人には幸せになってほしい。
行動と気持ちが全く合っていないようで根底は未だに変化したとは思っていない。
「……特別扱いはしません。それはどの作品だろうと……」
「はい」
「それで……、ラナーさんは
可能な限り叶えてやりたいが、相手は並みの人間ではない。
物騒な
彼女はどうも悪属性に好かれている。
「優雅にモンスターを殺せる……、こほん。失礼しました。私のイメージが壊れるものは流石に駄目なんでしょうね」
特にクライムに後で激しく叱られてしまうし、おそらくラキュース達にこっぴどく説教を受ける。
その光景が頭に過ぎったので踏みとどまれた。
† ● †
経験値は積み重ねられるが自動的に配分される所はオメガデルタでも止められない。
それを踏まえて一応の構成を考えておかなければ筋肉お化けの完成と相成ることもありえない話しではない。
「面白い
実は失敗例をいくつか保有している。
次に生かすために。
クルシュの失敗例はそれはもう酷いものだ。ほぼ醜悪な化け物としか言えない。
種族レベルを色々と上げると戦闘用に変貌する。
人間は筋肉が増量される程度だが、間違った
「人間の言葉を忘れたようなものもありますが……。それぞれ一長一短です。今回は新たに情報を得られたのでまた少し興味深い結果が期待できたりします」
例えばラナーにシンフォギアを使わせたり、詩魔法を使わせたりも出来る
新種族の追加は流石に簡単ではない。これは今もって解明できていない問題の一つだ。
何らかの転職アイテムを用意し、何らかの一覧を表示させなければならない。
掛け合わせは確かに出来る。けれども今まで存在しなかった種族を自在に操る事は今のところ超位魔法でもない限りは難しい。
「変な
一部の
シンフォギアの
「ところで……、その
「およそ2000個です。
「……おお、それほどまで存在するんですか」
「現在出来ているリストではまだ1000個には届いておりません。一部は上級職への条件とかありますから。好き放題選べないところもありますので」
例えば全部上級職で占めるとか。
それが出来るなら誰もが無駄な下級職など取りはしない。
メインとなる職業は大体知られているが細かい部分はまだ未調査だ。特に役に立つのか分からないものとか。
ラナーに
自分の領地を手に入れれば有意義かもしれないけれど。