ラナークエスト 作:テンパランス
世間話し程度と思っていたが思いのほか話し込んでしまった。
メモを取らせた後、椅子などを片付けて、それからアインズは
夜が明けて、聖騎士団は早朝から鍛錬が始まり、雪音達は眠っていたがレオンミシェリは軽装のまま建物の周りや施設の外周部に向かって走り込んでいた。
そんな彼らよりも早くに起きていたのは村人たちだ。
物資を載せた馬車が数台ほどやってきて、慣れた感じで運び込む。これはリイジーが雪音達の生活の為に頼んでいた分だ。
次の日には聖王国の聖騎士達の分が届く予定になっている。
『マグヌム・オプス』という施設には空中庭園がある。かつては何らかの作物が育てられていたが今は枯れ木が目立つ。
常駐する人間が少ないのと活動の殆どが中なので雑草が生い茂る事態となっていた。
単にリイジーが何もしていないだけだが。
たまに来る孫のンフィーレアなどが手入れをするらしい。
大々的に使われないので魔導国も本腰を入れて攻めてこない、とリ・エスティーゼ王国では言われている。
便利である筈なのに、という声は聞かれる。
「戦士を強化する便利な施設であるはずなのに……」
聖王女カルカ・ベサーレスは疑問に思った。
まだ本当に強化できる確証は得られていないけれど。
「モンスターを倒すだけで強くなれるなら誰も苦労はしない」
正論を言うのはレメディオス。
確かに彼女の言う通りで、誰も反論できない。
だが、自分達は
「メリット、デメリットがあるので思うように使われないのです、カルカ様」
早朝にもかかわらず、早起きしてきたラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ。
フルネームを書くだけで大変な第三王女は
冒険者家業を始めて化粧などは少し
「弱い人間は一定数のモンスターを倒すと気が変になるそうですわ。それと戦闘で汚れるので裸が効率的、というところも使われ難い要因だと思われますわ」
「戦士がその程度で
「臆するようですわ。それと自分より強いモンスターを倒す、という未知の恐怖……」
雑魚モンスターならば慣れた調子で討伐も苦にならない。だが、自分より強いモンスターの場合は勝てる保証が分からなくなるので無抵抗だと分かっていても足は簡単には前に出ない。尚且つ自然界のモンスターは無抵抗にならない。
対策がとりにくくなると知ると身体に危険信号が送られる。それが熟練の戦士なら尚更強く出るらしい。
「この施設では簡単に倒せるのは無抵抗だから。本当の敵は予測不能の動きを取る。それに対処する自信が無くなるおそれがあるから」
と、冷静に分析するのはレメディオスの妹ケラルト。
「ますます分からないな」
「それは姉様だけの問題ではありませんので安心して下さい」
「ここは単に強さの底上げ
最初から全て教えろ、と言っても無駄であり無理だとラナーは説明する。
技術の獲得などは当然、機密事項になっているので一般的というかラナーは知らない。
なんとなくは分かる。だが、分かるだけでは駄目だ。
イビルアイの
実際にイビルアイは最高の
その代わりに世界平和への道を模索している。
† ● †
更に時間が経ち、仲間達が運動や食事の為に起きてきた。
聖騎士団は大所帯なのでとても賑やかな話し声が聞こえてくる。
竜王国も護衛は多いが女王の守護という任務のみ。
外に作った簡易的なテントの中でたくさんの兵士達が食事を用意していた。もちろん、宿舎の中でも食べる事が出来る。
蒼の薔薇の面々は聖王国と竜王国の要人警護についていて、それぞれの食事会に付き合っていた。
特別豪華な食事というものは無いがそれぞれの女王は文句一つこぼさない。
「ラキュース殿にはお子さんがいらっしゃると聞いたのですが……」
「ええ、
苦笑しながらラキュースは答えた。
一歳児ほどの男女の兄妹で、今は実家の両親に預けていた。
「……原作では未婚のはず……」
「……
ケラルトの疑問に小声でティアが答える。
様々な要因が入り混じる事態になっているので、むしろ何が起きても不思議が無いほどだ。
「……本来の
「……『オリ主』扱いになるから居ない事になったらしいよ」
「……『オリキャラ』なら平気では?」
「……今更出て来ても意味が無い、と思っているのかも……」
怪しい会話が交わされているがラキュースや耳のいい者には聞こえていた。
仮に
あくまでもラナーがメインでモンスターをたくさん殺すのが目的、みたいな話しだから。
「序盤の
「そうね。この
平然とメタ発言をする女性陣。
それに対して誰も指摘しなくなったところはさすが、というか諦めた、と表現すべきか。
「そういえば『
作品群の流れでは『真蒼の薔薇』という設定が流用されていた。だが、今作は『蒼の薔薇』でありイビルアイが小さいまま。
ンフィーレアは序盤では青年だった筈なのに後半では父親になっている。
「新メンバーが居ないから、とも言えるわね。加入した状態なら改名するかも」
「序盤に出て来たクレマンティーヌが空気扱いだしな」
「……よく平然とそんな話題が言えますね」
王国以外の面々は少し驚いていた。しかし、竜王国は平然としている。それは単にメインキャラがドラウディロンしか居ないから、ともいえる。
「原作設定と二次創作設定の区別が出来ない人向けですわ」
人数過多によりセリフが無くなってしまった登場人物がおり、
特にアルシェとクルシュ。
最初の頃は出番があったのに、と。